何とはなしに、きつねとコーラ。

管理人のきつねとその相棒のべっつりコーラが、日々の出来事について思ったことや感じたことをただ淡々と述べていくだけのブログ。

囲碁「最年少プロ」誕生の経緯に対して感じた違和感

仲邑菫さん来年4月にプロ入り!

最近将棋だのオセロだの囲碁だの、さまざまな「二人零和有限確定完全情報ゲーム」の世界で若い人たちが活躍していますね。

その囲碁で、今話題の大阪府の小学生、仲邑菫さんがことし4月にいよいよプロ入りするのですね。

話題になっているのはなんといっても異例の若さでプロになるから……なのですね。

プロ入りに先立ち(?)、今朝の新聞ではそもそもなぜ仲邑さんが最年少プロになったのか、その背景を解説していました。


……ですがきつね、それを見て少々おかしいと思ったのですね。


プロになる「ごく普通の」方法

まず、前提として……。

仲邑さん、従来の方法とはかなり異なるやり方でプロになるようです。

日本で囲碁のプロになる場合、普通は決まったルートを辿る必要があるのですね。
ルートは大きく分けて2つあり、日本棋院の傘下で囲碁を学ぶ「院生」になるか、もしくは外来として日本棋院の行う「棋士採用試験」を受けるかする必要があるのですね。

「院生」というのは大学院生……ではなくて。
囲碁のプロを目指す人が日本棋院のもとで囲碁を学んでいる時、それを「院生」と呼ぶのですね。


……つまり、「専門学校生」みたいなものなのですね……囲碁の。


この院生、実際には専門学校に入るような年齢にならなくても、試験に合格すればなれるのですね。

つまり年齢の下限は無いのですね。

ですが上限はきっちり決められているようで、14歳までとなっているようです。


………意味がわかりませんね。
上限を決めるなら下限も決めるべきだと思うのですが……。


この院生になったのち、プロ採用試験に合格することでプロになるのですね。

院生でいられるのは17歳までなので、せっかく14歳までに院生になったとしてもそれまでに合格しなければ結局はプロにはなれないのですね。


……いくつで一人前にするつもりなのだろうか。


またもう1つの道である「外来からプロになる」という選択肢では、文字通り「院生」を経験せずに直接「棋士採用試験」を受けるのですね。
そこで合格すれば晴れてプロ入りできるようですが、どういうわけか「院生がプロになる」よりも難易度が高いのですね。

またここにも年齢の上限があり、試験を受けられるのは23歳未満までとなっているようです。


……あの閉鎖的な「将棋」ですら41歳で編入試験に合格してプロになった人がいるというのに。


この意味不明な「年齢制限」に関しては後で触れることにしましょう。
ここで大事なのは仲邑さんがプロになったやり方が、上に書いたどちらでもない、ということなのですね。

仲邑さんの年齢は9歳ですし、囲碁のプロに年齢の下限はありませんから、上に書いた「普通の」やり方でもプロにはなれるものと思われます。

ですがどうやら違うのですね。いったいどのようにしてプロになったのでしょうか。


仲邑さんがプロになった方法

どうやら去年12月に新しく「英才枠」なる「枠」ができたようなのですね。

これは日本棋院に所属する「七大棋戦タイトルホルダー」と「ナショナルチームコーチ」の3分の2以上が賛成すれば特別にプロとして採用されるという枠なのですね。


……つまり、エラい人が認めてくれれば試験を受けなくてもプロになっていいよ。という枠らしいです。


対象となるのは全国の「特別な実力を持つ小学生」なのですね。
おそらく「特別な実力を持つ小学生」を推薦し、エラい人たちがOKを出せばそのままプロになれるものと思われます。


……この時点で疑問がわきますね。
その「特別な実力を持つ小学生」なんて、一体どうやって見つけるのでしょうか。日本全国の小学生棋士をエラい人たちが常に捜して歩くのでしょうか。


……そんなわけにはいきませんよね。

それでは同じ「特別な実力を持つ小学生」でも、「たまたま見つけてもらえた人」と「誰にも見つけてもらえなかった人」との間に大きな差が生じてしまい、囲碁業界の新たなる「社会問題」として歴史に刻み込まれてしまうものと思われます。


……これは去年誕生したばかりの新しい制度ですから色々と潜在的なバグが沢山潜んでいてもおかしくありませんし、ここで「囲碁プロ棋士英才枠」なる制度がちゃんと機能しているのか否かについて触れると話題がずれますので、仲邑さんの話に戻します。


なんにせよ仲邑さんはこの制度でプロになった第1号なのですね。

実際は他のやり方でプロになるという道もあったそうなのですが、日本棋院副理事長の小林さんは「そんな悠長に待っていられない。世界を狙える子はできるだけ早くプロのステージに上げなければ!」と仰っているのだそうです。

一体何をそんなに焦っているんだと言いたくなるのですが、実は深い理由があるようなのですね……。


囲碁大国ニッポン!……はもはや遠い過去の話

どうにも日本の囲碁界、今現在状況が芳しくないようです……色々な意味で。

囲碁は知っての通り4000年ほど前の中国で生まれたもので、現在は中国以外にも日本、韓国、台湾、果てはヨーロッパやアメリカなど、世界各国で打たれている世界規模の人気競技なのですね。

世界一人気のチェスに比べれば文字通りケタが1つ違って比べものになりませんし、囲碁の「世界人口」はオセロの「日本人口」にさえも追いつけないような状況ですが、それでも囲碁は世界に数千万人規模の競技人口を誇っているのですね。

ただ国内ではというと、30年ほど前と比べると競技人口は半分以下になり、また実力でもライバルである中国や韓国に大きく引き離されてしまっているのですね。

早い話が「ライバルに勝てなくなり」、また「国内での人気も無くなった」のですね。


……こ……これは深刻な問題です……。
もはやかつての栄光は見る影もない……。
これぞまさに「栄枯盛衰」であり「諸行無常」、「色即是空、空即是色」なのですね!


そのため日本の囲碁界は世界でも通用する棋士を求めて新たなるプロの採用方法を設けたようなのですね。

中国や韓国では家族ぐるみで名門道場の近くに移り住み、「囲碁以外やってはいけません!」の一声を元に未来の才能の「子供時代を台無しにする」文字通り「囲碁漬け」の教育を施すのですね。

ですが日本では義務教育の方が優先されているため、おなじ方法をとることができません。

もし義務教育が無かったとしてもそんなやり方真似した時点で人権問題に発展する危険性をはらんでいますが、我らが「人権先進国」であり「差別やハラスメントが世界でも類を見ないほど少ない国」であるニッポンはそのような小さな問題は気にも留めないようです。

けれど、たとえ「人権問題に目をつぶって中国や韓国の真似をしよう」としたとしても、義務教育が優先されるこの国ではそんなことは法律上できませんから、「敢えて早くプロに起用し、プロの中で強くなってもらう」という方法を考えたのですね。

……なるほど「人権問題」よりも「義務教育」の方が気になったのですね。文科省が知ったら泣いて喜ぶに違いありません。

……なんにせよつまり、「学歴がなんだ!仕事なんて、会社に入ってから覚えりゃいいんだ!」というスタンスをとったのですね……そんな下町の人情社長みたいに親切な動機ではないとは思いますが。


現代版「Pawn Sacrifice」!?

つまりまとめると、日本囲碁界は世界に通用する才能を育てたいということなのですね。

……早い話が、中国や韓国に勝ちたいのですね。

その裏には中韓に追い抜かれて焦る日本囲碁界の心情がよく表れているようです……今後も全国各地にクモの巣の如く定置網を仕掛け、現れる「神童」達を一網打尽にして吸収し、日本囲碁界の戦力としていくようです。

なるほど経営としてはまことに合理的な考え方です。極限までムダをそぎ落とし、周囲で見ている人たちの感情すらをも度外視しているのですね。

使えるものは何でも使う……全部すべて自分たちのため。まさに「立っているものは小学生でも使え」なのですね。


ですが……言い換えるとそれ、囲碁界の発展と中韓に対する勝利のために年端もゆかぬ小学生たちを利用する」ということなのですね。


………囲碁界にとって棋士たちは一緒に戦ってくれる大切な仲間なのかと思っていたのですが、こういう記事を見ていると残念ながらただの道具なのだろうかと思わざるを得ないのですね。

だって、「業界の発展のために新しい才能を発掘する」……などと言えば聞こえはいいですが、要するにそれは「今までの奴らじゃ使えないから、新しいのを入れよう」ということなのですね。
これでは「OSのサポートが終わって使えなくなったからパソコンを新調する」と言っているのとなんら変わりありません。


……囲碁界の意図はきっと別にあるのでしょうし、さすがにそんな非人道的なことは考えないだろうと思いたいところです………が、客観的に見ている他所の業界の人にはそのように解釈されてしまってもおかしくないでしょう。


組織のために、個人を利用する………典型的な「全体主義」ですが、なんだかどこかで見たような気がします。

もちろんそれは「ブラック企業」や「外国人労働者」など、この国で今でも普通に行われていることですが、どうにももっと昔に似たようなことがあった気がするのですね。


…………ああ、思い出しました。


…………戦時中ですね。


あの時はアメリカはじめ諸外国という「脅威」と戦うため、日本国民が一致団結して全体主義的に振る舞い、その後の歴史においても諸外国の人たち果ては日本人自身にも「日本=全体主義の国」という負のイメージを植え付けてしまったのでした。

おそらく今回も「中韓囲碁界」という「脅威」であり「共通の敵」を持った日本囲碁界が、「共通の敵」であるところの中韓を倒すために「個人」を利用しようという「全体主義」思想に走ったものと思われます。

外部からの「脅威」にさらされて「共通の敵」を持つと人様の人格を無視した「全体主義」に走ってしまう、というのは人間の性でありある意味本能だと思うので仕方がないとは思いますが、今回は「戦争」ではありません。
別に負けたとしても人が死ぬわけではありませんし国が亡びるわけでもありません。


……ここまでする必要があるのでしょうか。

そもそも囲碁の本場は中国なのですね。本場に負けても別に悔しがる必要はないと思いますし、本場に勝つために小学生たちを利用するって……そんなやり方、する必要あるのでしょうか。


きっと「英才枠」で採用された子供たちも、先の大戦に散って行った幾多の兵隊さんたちと同じく、日本囲碁界のために使い潰されて用が無くなったら気軽にポイ!と捨てられてしまうのだろう。
囲碁の世界しか知らない彼らはこの不況の中でその後の就職口も上手く見つけることができず、半永久的に路頭に迷う生活を強いられてしまうに違いない!
果ては国民の健康で文化的な最低限度の生活を守る最後の砦であるところの「生活保護」を受給しなければならない状況にまで追い込まれ、温かくて寛大で寛容な民主主義の最高峰……つまり、「スーパー人権先進国」であるこの国の社会の、その中でも特に寛容で人権に敏感で心の優しい人たちによって「生活保護バッシング」されてしまうのだろう、きっとそうだ!そうに違いない!!


こ……これは……!!!!


……まさに「Pawn Sacrifice」ですね。


同名の映画でも語られている米ソ冷戦中のある1コマを思い出すのですね。

あの時はスポーツだの芸術だのあらゆる分野でアメリカとソ連がいがみ合っていたのですね。
その1分野である「チェス」業界においても、お互いに「打倒アメリカ!」「打倒ソ連!」で燃えていたのですね。

そしてそれぞれの国を代表するとある棋士たちによって、「盤上の代理戦争」が繰り広げられたのですね。


……つまり、「お国のために勝ってこい!」と国が棋士を政治利用したのですね。戦時中の日本と同じですね。


「ポーン・サクリファイス」とはすなわち最も弱い駒である「ポーン(歩兵)」を、戦術のために「捨て駒にする」ことなのですね。

自分の「友達」であり「戦友」である「駒」を作戦のためとはいえ犠牲にしてしまう「捨て駒」は、棋士にとっては非常に心が痛む「苦渋の決断」なのですが、おそらくここで言う「捨て駒」は一般的に言われている「粗末に扱う」という意味だと思われます。


……つまり、「国が棋士(ポーン)」を政治利用して粗末に扱った」、「利用するだけ利用して後はポイ!」……という意味なのですね。

……実際、この後この2人の棋士はそれぞれ母国にいられなくなったのですね。


「国」と「一国の囲碁業界」ですから規模こそ違いますが、今回の「英才枠」なる枠組みも「ライバルに勝つために棋士を利用する」という根本的な部分は同じであるものと思われます。


こ……これは……!

日本人が美徳とする「おれが死んでもみんなを守る!」精神、いわゆる「自己犠牲」の精神をもののみごと体現しているに違いない!


……そんな精神、「自分から進んでやる」から美徳なのであって、「他の人から強要される」のはただの「パワハラ」以外の何物でもないのですが、こういうことはおそらく「ブラック企業に勤めている人は自分の会社がブラックだとなかなか気付けない」のと同じで「客観的に見ればおかしいと気付くが業界にどっぷりつかって働かされている人たちは気付けない」ということなのでしょう。

ましてや「人生経験に乏しく」「囲碁界しか知らないように」「囲碁界によって」調教・教育された小さな子供ではなおさらなのですね。

そして当の囲碁界は何も知らないいたいけな小学生が「一生懸命頑張ります!」などと言っているのをいいことに「本人が納得しているのだからいいじゃないか!」などと言い張るわけなのですねなるほど。


………冗談じゃぁありませんね。


相手が何もわからないのをいいことに「業界スタンダード」を押しつけ、またそれに疑問を挟む者を弾劾する……いや、もっと悪いことに、そもそも「疑問を挟む余地」すらも与えない。

……典型的な「ブラック企業」ですね。
いかにも閉鎖的で卑怯で卑劣でオックビョーで日本企業的なやり方だと思わざるを得ません。


こんなやり方をしているから囲碁は人気が出ないのではなかろうか……「中国や韓国に負けているから人気が無い」のではなくて。

業界の体質への評価がそのまま本来は関係の無いはずの「ゲームそのもの」に対する評価につながってしまうというのはよくあることです。

きつねもちょっとだけ囲碁が嫌いになったのですね。


また、「ポーンはチェスの魂」という有名な格言があるのですね。
詳しい意味は長くなるので省略しますが、将棋の格言「歩のない将棋は負け将棋」にちょっと似ています。

……要するに、「ポーンを笑うものはポーンに泣く」のですね。


……日本の囲碁界がそのようなことにならないよう祈るしかないですね。


年齢制限が害悪にしか見えない件

長々といろいろ書いてしまいましたが、囲碁界の事情も理解することはできます。

自分よりも環境的に恵まれたライバルに先を越されてしまった時の焦りと理不尽さは、経験したことのある人ならば痛いほどわかるのですね。
それを克服するために、時には「非人道的な」やり方に手を染めたくなってしまうということも。


話が前後しますが、将棋に同じく囲碁のプロにも年齢制限があるのですね。

これは「残念ながら一定の年齢になるまでプロになれなかった志望者には一旦諦めてもらって、他の業界を経験してまずは社会人としての基盤を築いてからまた外来として挑戦して欲しい」という意図が込められているようです。

つまり、制限を設けずプロ試験を受け続けさせて「囲碁しか知らない人間」になるよりは、一旦諦めて普通の社会人として働き、人生に必要な色々なことを身に着けて、それからもう一度チャレンジしてくれればいい。
もしそれでプロになれなかったとしても、もう社会人としての基礎は備わっているから、他の業界でも十分にやっていける……。

…………という意図らしいのですね。


決して未だに「小さいころからこれだけをやってないと上達しない」などという科学的根拠もない古き悪き時代の常識と価値観を引きずっている、というわけではないようです………だよね?


……単に「囲碁業界がもはや飽和状態で制限を設けなければプロ棋士が際限なく増え続けてしまうから」という意図もあるらしいのですが……。
……なんだかイヤな現実を見た気がしますね。


ただ、この年齢制限こそが囲碁界のやりたがっている「世界で通用する人材の発掘」の妨げになっているように思えてなりません。
院生としてプロ試験を受け続けたにもかかわらず、結局受かる前に制限年齢を迎えてしまい悔しい思いをした……という人は数多いはずです。あと1年頑張れば受かったかもしれないのに。

また、「一旦諦めて社会人になってから出直す」にしても、外来として試験を受けるには23歳までにやらなければなりません。
院生でいられるのは17歳までですから、その後で社会人を経験するとしても6年しかありません。

と、いうか、そうなると大学に行かないことが前提になってしまいます。
この「学歴社会などという負の遺産は当の昔に終わりを迎えた素晴らしき人権大国」ニッポンにおいて、最終的に大学を経験させずに他の業界に行かせるというのは、「他の業界では確実に成功できる」ということなのですね。


……つまり、このような制限は大して意味がない……と、いうより、囲碁界にとってもプロ試験を受けに来てくれる人にとっても重荷以外の何物でもないと思うのですね。


こんなことならいっそのこと年齢制限を取っ払ってしまうか、それが無理ならせめてもう少し引き上げるかしてもいいと思うのですが……。

また年齢の上限は無くしたとしても、下限は設ける必要があるものと思われます。

……「史上最年少のプロ棋士」の年齢は今でこそ10歳ですが、下限を設けずに続けたらそのうち9歳、7歳、5歳と後退していき、ついには3歳、1歳、0歳、マイナス135歳などトンデモない数字になってしまいかねません。


……なんだか「不必要なものはあるのに必要なものが無い」という典型的な「残念な会社」になっている気がします。

ライバルに勝つうんぬん以前に、もう少し組織として先進的な考え方をした方が上手くいくのではないでしょうか……。

ヤドカリ、家泥棒を防ぐためにアレが発達!?アメリカの大学助教授が発表したって……

ヤドカリさんの体……

お馴染みの生き物である「ヤドカリ」について、なにやら面白い研究結果が発表されたようです。

それによるとある種のヤドカリのオスは貝殻の盗難を防止するため、自分の生殖器を長く発達させたというのですね。

………なんだかいきなりきわどい話題になってきた気がするのですが……あくまで「生物」の話でありそれ以外の意味はないということを強調しておきます。

………と、いうより、「生殖器を発達させると貝殻を守れる」って……意味がわかりません。

なんにせよこの研究を真の意味で理解するためにはまず「ヤドカリ」という生き物について知る必要があると思うので、まずはそこから調べてみようと思います。

色々と目からうろこな情報が出てくるかもしれないので、「ヤドカリなんて知ってるよ!」などと思わず最後までお付き合いいただけると幸いです……。


ヤドカリ

まずは今回の「主役」の再定義から……。

動物界-節足動物門-甲殻亜門-エビ綱-エビ目-エビ亜目-ヤドカリ下目-ヤドカリ上科

に属する動物のうち、「貝殻を背負って生活するもの」をヤドカリというのですね。

つまり、文字通り「宿を借りて」いるものをこう呼ぶのであって、タラバガニやハナサキガニ、ヤシガニなど、おなじ「ヤドカリ上科」に属していても貝殻を背負わないものは「ヤドカリ」とは呼ばないのですね。
ヤシガニは小さい頃は貝殻を背負って生活しますが……。)

ヤドカリはエビやカニと同じ仲間ですが、貝殻を背負うという独特な生活スタイルに特化したため、退化した歩脚や貝殻に合わせて右巻きに巻いた軟らかい腹部など、その体のつくりが大分他のエビやカニとは異なるのですね。

エビやカニに同じく1対2本の鋏脚(ハサミ)と4対8本の歩脚(歩く足)がありますが、目立っている歩脚は前の2対だけで、後ろ側の2対は小さく退化しているのですね。
これは貝殻に入りやすくするために小さくなったというのと、貝殻にたまったゴミを掻き出す役割があるというのと、貝殻を固定しておくのに使うというのと、色々な意味があるようです。

また腹部は軟らかくなり、節足動物の特徴である節が目立たなくなっています。
軟らかくて節が無いだなんてなんだかクモの腹部を彷彿とさせますが、ヤドカリの場合は右巻きが多い巻貝に合わせて腹部も右に巻いているのですね。

エビやカニに同じく腹部にも「腹肢」と呼ばれる付属肢があるのですね。

エビの場合、腹肢は泳ぐためのヒレとして発達していますが、カニの腹肢は常に折り曲げられた腹部と頭胸部の間にあってほとんど使うことがないため退化しているのですね。
(メスの場合は卵を抱くのに使うためそれなりに発達しているようです。)

ヤドカリの場合はというと、なんと左側にしかないのですね。
ヤドカリの腹肢は退化していますが、右巻きの巻貝に合わせて右側が特に退化したものと思われます。

またエビやカニに同じくメスの場合は卵を抱くのにも使うため、卵を抱けるように腹肢が大きくなっているのですね。

また腹部の先つまりお尻には、腹部よりも硬い尾節と尾肢(エビでいう尻尾の部分)があり、これも貝殻を固定するのに使われているのですね。
……どうやら種類によってはこの部分が無いものもいるようですが……。

なんにせよヤドカリというのは文字通り「貝殻を背負うために特化した体つき」をしているのですね。


軟らかい腹部を保護するために貝殻を背負っているのか、それとも貝殻を背負っているうちに腹部が硬い必要がなくなり軟らかくなったのかは謎なのですね………どうしてこうなった。


また、貝殻の大きさはずっとそのままですから、ヤドカリは自分の成長に応じて体の大きさに合った貝殻を選んで交換していくのですね。

オカヤドカリなど一部のヤドカリでは自分の貝殻をより住みやすいように改造(リフォーム?)するのだそうです。


ところで、ヤドカリだけでなくエビやカニもそうなのですが、彼らの生殖器は歩脚の付け根にあるのですね。

具体的にはオスの場合は第5胸脚(ハサミも含めて前から5番目の歩脚……つまり、いちばん後ろの歩脚)、メスの場合は第3胸脚の付け根に、それぞれついているのですね。

歩脚は全て頭胸部……つまり、頭と胸が一体となった部分についていますから、当然生殖器もここについていることになります。

……なんと、エビやカニやヤドカリは胸から卵を産むのですね!
きつね、てっきりお尻から産むのかと思っていました……。


また、当然左右の足の付け根に1つずつあるわけですから、卵を産む穴も精子を出す器官も、それぞれ2つあるのですね。

……こういうところ、ちょっとクモに近いのですね。

甲殻類は分類上ではクモよりも昆虫に近いはずなのですが……昆虫は普通にお尻から卵を産みますし、生殖器も1つだけなので、こういうつくりだけ見ると昆虫とは程遠い感じがします……。
どうにも昆虫の生殖器と彼らのそれとは由来が根本的に異なるのかもしれません。

クモの仲間やエビカニヤドカリの仲間の生殖器はどうやら「付属肢」が発達したものなのですね……。
つまり、「触覚」や「足」と同じものなのですね……。

昆虫は……どうだったかな。


……脊椎動物の常識からするとなんだかとんでもない構造な気がするのですが、彼らにとっては普通のことなのでしょう……。
また同じ脊椎動物でも網によって生殖器の由来は手足だったり尻尾だったりとまちまちですから、由来が変わるというのは一般的なことなのかもしれませんし、「足」に由来していたとしても不思議ではないのかもしれません。

なんにせよ生物多様性の神秘を感じます……。

ちなみに哺乳類の生殖器は尻尾の細胞に由来するのですね。
アレが尻尾から分れたって……なんだかヘンな感じがしますが……。

……哺乳類は哺乳類でトンデモ構造なのかも。


パブリックな財産とプライベートな局部

……さて……、ヤドカリについていろいろ調べているうちに多様性の神秘としか言いようのないトンデモな構造に出くわし、ほどよく混乱してきたところで(?)本題に戻ります。

今月16日つまり昨日、アメリカのダートマス大学の生物科学部助教授マーク・ライドレさんが、イギリス王立協会の「ロイヤルソサエティー・オープンサイエンス」という科学雑誌「パブリックな財産とプライベートな局部」と題して自身の研究結果を発表したのですね。


……タイトルが素晴らしいですね。
ランドレさんのネーミングセンスの高さを感じます。


上にも書いた通りヤドカリは普段貝殻を背負って生活していますが、常に他のヤドカリに取られてしまう危険にさらされているのですね。
また貝殻をリフォームして住みやすくしている場合ほど、取られた時の損害も大きいのですね。


そしてどうにも交尾をするときにこの貝殻が無防備になり、盗難のリスクが高まるようなのですね。
理由は交尾に夢中になっていて泥棒さんの襲来に気付かないというのと、また単純に交尾のために貝殻の外に出ているからというのがあるようです。

……胸に生殖器が付いていても、一旦貝殻から出なければ交尾ができないのだろうか……。


そこで出てくるのが「長い」生殖器なのですね。

ライドレさんはまず「生殖器が長ければ、体の他の部分はしっかりと自分の貝殻に入ったまま交尾相手と接触することができるので、交尾中の横取りから財産(貝殻)を守ることができるのではないか」と考えたようです。
……つまり、なにも貝殻から出なくても交尾ができる、ということなのですね。

これにより「オスとメスとが協力して命を繋ぐ情熱的な時間」を安心して過ごすことができる……のだそうです。
……つまり生殖器が長ければ安心して交尾ができるのですね。

そして仮説を裏付けるため、実際に博物館に行ってヤドカリの標本をたくさん調べて検証してみたのですね。
もし仮説が正しければ「貝殻をリフォームするヤドカリ」ほど生殖器が長いということになります。


……なんだか昔フジテレビでやっていた「トリビアの泉」という番組の「トリビアの種」というコーナーを思い出したのですが……。
あれは日常の素朴な疑問から生まれたくだらない問題を凄まじい手間と労力をかけて大真面目に検証していく、というものでした。

問題自体は実に些細な内容なのですが、毎回毎回検証に「そこまでやるの!?」と思うくらいの時間やコストがかかっていることがシュールな笑いを誘ったのですね。

………あれとは少し違っていますが、こういうことを大真面目に研究しているこの人もすごいですね……色々な意味で。

そもそもどうしてこんな研究をしようと思ったのだろうか……。


なんにせよ最終的に328匹ものヤドカリ標本を調べた末、仮説は見事に立証されたのですね!

……よくやるわ……。


標本のヤドカリは貝殻の使い方により3つのグループに分かれたのだそうです。

1つ目はリフォームした貝殻に住む仲間で、オカヤドカリなどが含まれるようです。
2つ目はリフォームしていない貝殻に住む仲間で、一般的なヤドカリがここなのですね。
3つ目は小さい時は貝殻を使い、大人になると使わなくなる仲間で、ヤシガニなどが含まれるのですね。

そして、結果1つ目のグループのヤドカリが最も大きくて長い生殖器を持っていたのですね。


ランドレさんは「ヤドカリの生殖器の大きさについて、全ての仮説は私の説には敵わない!」……と自負しているのだそうです。

……ここは研究が正しかったことが証明されてよかったですね!と言っておくべきだと思うのですが、こんなことドヤ顔で言われてもなぁ……。


なんにせよ生物と研究者の多様性の不思議がわかる記事でした……。

きっとこの研究も、われわれ一般人にとってはくだらな……じゃない、よく分からなくても、その道を究めんとする研究者たちにとっては性器のじゃなくて世紀の大発見なのだろう。
ランドレさんはこの後いつの間にか偉い選考委員会の人たちに選ばれ、数年もたたないうちに見事に「イグノーベル生物学賞」の授賞式に参列しているに違いない!………あれ。

ともあれランドレさん、お疲れ様でした!

単純にブログタイトルを変えたくなった件

……なにやら最近宇宙の記事ばかり書いている気がするのですが……。

綿密に専門用語だのなんだのを調べなければならないため、どうにも宇宙の記事は時間がかかるのですね。
そもそも元になったニュースを理解するまでの間に一体幾つの文献を開く必要があるのでしょう。

おまけに綿密に調べながら書いてはいますが、自分でも本当に正しいことを書いているのかが疑わしいと思うことがあるのですね……。

幸い私のブログにはあまり人が来ませんから、とりあえず少々間違ったことを書いてもどうせ誰も気づかないし特にヘンな問題も起こらないだろう……などと邪なことを考えてしまいます。


ああああ……いけません、こんなことでは!

割と飽きてきた……じゃなくて疲れてきた……でもなくて、そろそろ趣向を変えたくなったので、とりあえず今日の記事は宇宙の話題じゃないのですね。


個人的なことで大変恐縮なのですが……このブログのタイトル、そろそろ変えてみようと思ったのですね。


……実は当ブログ、最近どうやらグーグルさんにインデックスされたようなのですね。

これまでタイトルやら記事の名前やらを入れて検索してみてもぜんぜん引っかからなかったのです……。
ですがこの前の記事で予告した通り、あれからカテゴリをわかりやすく整理したため、クローラーさんが見つけてくれたのですね、きっと。

……単に始めてから3か月経ったから見つけてくれただけかもしれないけど……。


……これではどちらが原因なのかわからんではないか!


なんにせよ、これでタイトルで検索できるのですね。
これでスマホからでもいつでも気軽に見ることができます。


ですが……。

このタイトル……「何とはなしに、きつねとコーラ。」

我ながらどうにもぱっとしないのですね。

実を言うとこれも以前のカテゴリと同じように割と適当に決めたものなのですね……。

というのも当時ブログを始めたばかりのとき、タイトルをどう決めていいか悩みに悩んでいたのですね。

様々なブログ論に共通して書かれているのは「タイトルはブログの顔になるから一番大事」だということだったのですね。

なので素晴らしいタイトルを付けようと考えていたのですが、一向に良いのが浮かびません。

ですがいかんせんブログというものはそもそもタイトルが決まらないと開設できないようでしたので、このままタイトルで悩み続けていては永遠に始められないではないかと思ったのですね。


なので……といったらアレですが……、とりあえず「仮でもいいから何かタイトルを決めよう」ということになったのですね。


そこで……なぜかこうなったのですね。

……文字通り「何とはなしに」決めてしまったのですね。


ですが、ワードがワードなのでどうにも検索に引っかからないようです。

今でこそ出てくるようになりましたが……キーと思しき「何とはなしに」も「きつね」も「コーラ」も、少々ありふれたワードだったのですね。

「きつね」は言うまでもなく私のことですね。
「コーラ」というのは私の相棒(?)の「べっつりコーラ」のことですが、どうにも普通に検索すると「コカ・コーラ」が出てきてしまうのですね……。
「べっつりコーラ」だとほとんど固有名詞なのでわかりにくいと思ったのですが、わかりやすいと思い略したのが逆効果だったようです。

……なのでここは素直に「べっつりコーラ」にしようと思うのですね、少々長くなりますが……。


で、タイトルを変えようと思ったとたん、また以前直面していた問題が浮き彫りになりました……どういうタイトルにすればいいのか見当がつかないのです。

……こ……これは……。
「仮タイトル」を決めることによって「解決済み」の問題なのかと思っていましたが……実際は単に「問題に蓋をした」だけだったのですね……。

とりあえず確かめてみたところ、「きつねとべっつりコーラ」で検索すると既に引っかかるようになっているみたいなのですね。

また、「きつね」と「べっつりコーラ」というワードは既にここのドメイン名にもなっていますので、この2つの単語は必須と思われます。

また、とある記事によると、たとえば「きつねのチェス日記」みたいに「『ブログ作者の名前』+『ブログを表す名詞』」みたいなタイトルの付け方をするとわかりやすくて良いのだそうです。

ここの作者には一応べっつりコーラも含まれていますし(いるはず……?)、できることなら「きつねとベッツリコーラの〇〇」みたいなタイトルにしたいのですね……。


で、問題なのはこの「〇〇」が思いつかないことなのですね……。


う~ん……、どうしよう……。

今まで既に果てしのない数の候補が現れては消えていったのですね……。

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  • 人生の棋譜
  • 大量絶滅を避けるためのブログ

……

ああああもう!!
「やうやう白く~」だの「大量絶滅~」だの、もはやわけがわかりません!

おまけに「日常世界の~」って、なに人気漫画パクってるんだろう……。

というよりタイトルの方針が迷走しています。一体何が言いたいのかわかりません。
これは……、何かが根本的に間違っているのではなかろうか……。


また、少し形式が違いますが唯一良さげだと思っていたタイトルに「きつね、時々べっつりコーラ。」というのがあるのですね。

……タイトル自体はよさそうだったのですが、すでにそっくりなタイトルのブログさんがあったので断念しました……。
もちろんそのまま同じタイトルではありませんでしたが、「きつね、時々~」まではおんなじです。

このままこのタイトルにしたら……先んじてこの形式のタイトルを使っていたこのブログの主さんに怒られるに違いない!

……と思ったので、泣く泣く断念した次第であります……。


なんにせよちょっと……タイトルの基本方針から整理し直してみる必要がありそうな……なさそうな……。

こういう時にこそべっつりコーラが力を貸してくれるといいのですが……これを書いている今もあの子いないし!


なんにせよ、こんな感じで挙げるとキリが無いのですね……。
うぅむ、どうするか……。

と、いうより、みんな一体どうやってタイトルを決めているのだろう……。

……いっそ最後はくじにしてしまおうか……。

そういえば少し前の大河ドラマ真田丸」で、主人公、信繁が一般的に知られている「幸村」という方の名前を決める時にくじで決めたという話があったのですね……。
アレ自体は脚本家の三谷幸喜さんのオリジナル設定らしいのですが……あのような決め方もありなのかもしれない……(?

 

とりあえず……マインドマップでも描いてみましょうかね……。

 

イスカンダルがすぐそこに!?天の川銀河と大マゼラン雲、20億年後に衝突だって

SFアニメでお馴染みの銀河

有名なSFアニメ作品「宇宙戦艦ヤマト」にも登場した「大マゼラン雲」という銀河があるのですね。

宇宙戦艦ヤマト」は2199年の近未来に、地球侵略をもくろむ異星人の攻撃により壊滅寸前になってしまった故郷を救うため、地球人たちが総力を挙げて建造した最後の宇宙戦艦「ヤマト」が、遥か遠い星「イスカンダル」にある「汚染された地球環境を元に戻すことができる装置」を取りにいくという物語なのですね。
イスカンダル」は敵方の異星人である「ガミラス」とは違って地球人に協力的で、恒星間航行ができる技術を教えてくれるだけでなく、ガミラスの攻撃により汚染されてしまった地球を元に戻す装置をあげるからイスカンダルまで取りに来るようにと言ってくれるのですね。


……どうせなら「環境を元に戻す装置」も「恒星間航行ができる技術」と一緒に地球に届けてくれよとツッコミたくなるのですが、そんなことをすればその場で事が解決してしまい、まったくドラマにならないので敢えてこのような設定になったものと思われます。


このイスカンダルがある場所が「大マゼラン雲」なのですね。
イスカンダル自体は地球から16万8000光年も離れているので、ヤマトが光の速さで飛べたとしても辿り着くまでには16万8000年も掛かってしまいます。

そんなに時間をかけていては地球が滅亡してしまうため、ヤマトはイスカンダルからもらった技術「ワープ」によって空間を飛び越え、近道をしながらイスカンダルを目指すのですね。


……さて、このイスカンダル
わざわざ苦労してワープをしながら行かなくても、あともう少し待てば自分から地球に近づいてくるようです。

今からおよそ20億年ほどのち、イスカンダル含む大マゼラン雲が地球を含む「天の川銀河」に衝突するということが、このたびイギリスの研究チームの観測によって明らかになったのですね。
チームはこの研究成果を某天文学会誌に発表したのだそうです。

天文学会誌の名前は残念ながらわからなかったのですが、大マゼラン雲が衝突するって……一体どういうことなのでしょうか。


天の川銀河と伴銀河

まず、前提として……。

私たちが暮らしている「天の川銀河」は、それ単体で存在しているわけではなく、周りに「伴銀河」と呼ばれる小さな銀河をいくつも従えているのですね。

伴銀河というのは「自分よりも大きな銀河の周りを公転している銀河」のことなのですね。
伴銀河を従えている大きな銀河は「親銀河」というのですね。

……なんだか難しい感じがしますが、要するに「惑星」と「衛星」の関係なのですね。

「惑星」の周りを回る小さな星のことを「衛星」と言いますが、同じように「親銀河」の周りを回る小さな銀河のことを「伴銀河」というのですね。

ちょうど木星土星がいくつもの衛星を従えているのと同じように、天の川銀河もいくつもの小さな「伴銀河」を従えているのですね。


そして冒頭で紹介した大マゼラン雲は、天の川銀河の周りを回る「伴銀河」のうちの1つなのですね。
地球から見える伴銀河の中では最も明るいのだそうです。

……名前からしてなんだかとてつもなく大きそうな「大マゼラン雲」なのですが、実際は天の川銀河よりも小さな銀河なのですね。

「大マゼラン雲」に対して「小マゼラン雲」という銀河も存在しますが、とりあえず今回の主役ではないので説明は省略します。


どうやら近づいてきているらしい大マゼラン雲

さて……今回のニュースはこの大マゼラン雲があと20億年もすると天の川銀河にぶつかってしまうという話でした。

大マゼラン雲までの距離は16万3000光年あるのだそうですが、これまでの観測ではずっと今と同じ距離のところを公転し続けているか、もしくは徐々に天の川銀河から遠ざかっていくかのいずれかだと言われていたのですね。

ですが新しく観測した結果、「大マゼラン雲」はこれまで考えられていたよりも遥かに質量が大きいということが分かったのですね。

つまり、「思っていたよりも重かった」ということなのですが……質量が大きいことによりエネルギーが失われて衝突するのだそうです。


……つまり、だんだん「失速」してきているのですね、たぶん。


銀河に限らず惑星と衛星……わかりやすい例では地球と月……が、お互いに一定の距離を保っていられるのは、お互いの重力によって引かれあう力と、公転することによって発生する遠心力とが釣り合っているからなのですね。

……つまり、まず月は常に地球の重力に引かれているのですね(より厳密に言うなら地球も月の重力によって引かれています。つまりお互いに引き合っているのですね)。
ですが同時に地球の周りを円軌道を描きながら回っているため、その円の外側に向かって遠心力が働いているのですね。(より厳密に言うなら地球と月の質量の中心点の周りを回っており、したがって地球も月もお互い同じようにその周りを回っているのですがややこしいので触れないでおきます。)

重力によって地球に引っ張られる力と、遠心力により反対側に引っ張られる力とが同じであるため、月は常に地球から一定の距離のところを回っていられるのですね。(より厳密に言うなら遠心力の方がわずかに強く、月は地球からほんの少しずつ遠ざかりつつあるのですが……ややこしくなるので触れないでおきます……。)

重力というものは質量に由来しますから、物体の重さが変わらない限り変化しないのですね。(より厳密に言うと物体からの距離によって変わるのですがややこしくなるので触れないでおきます……何度目だ。)
ですが遠心力というものは回っている物体の速さに比例して大きくなるため、物体の速さが変わると当然変化してしまうのですね。

なのでもしこの状況で月が「失速」し、公転が遅くなったり最悪止まったりすると、遠心力が弱くなるもしくは無くなり、地球の重力に引き寄せられてしまいます。


………つまり、落ちてくるのですね。


……月が落ちてきて世界が滅亡。

……なんだかまるで邪悪な仮面が月を呼び寄せて落とそうとしていたあのゲームのようです。
そうなればきっと「誓いの号令」によって導かれた目覚めし「4人の巨人」が月の落下予定地点に集合し、その腕(かいな)を以て月を支えている間に勇者が月本体へと乗り込み、邪悪な仮面を相手に鬼神の力を以て本土決戦を挑まねばならなくなるに違いない!


……なんにせよ、月と同じように、伴銀河も失速すると親銀河に向かって落ちていくのですね。

そしてどうやら大マゼラン雲も天の川銀河に向かって落ちてきており、計算によると20億年後には衝突してしまうということらしいのですね。


16万光年も離れた銀河がぶつかるなんて不思議な気もしますが、よくよく考えてみると16万光年とは「光の速さがあれば16万年で行ける距離」ですし、20億年というのは16万年の1万倍以上の年月ですから、逆に言うと光の1万分の1の遅さでも、それだけ長い時間待てばぶつかるということなのですね。


もちろん銀河というものは隙間だらけですから、銀河同士がぶつかっても、実際は単に「重なり合う」だけであって、「銀河を構成している星同士がぶつかる」ことはほとんどないのですね。

実際天の川銀河は今までいくつもの小さな銀河と衝突していますし、その名残が一部の「他の星たちとは逆の方向に動く星」となってまだ存在しているのですね。

しかし今回の大マゼラン雲は、今まで天の川銀河にぶつかったどの銀河よりも大きいのですね。
そのためもしぶつかると、今までの衝突では起こらなかった様々なことが起こるのではないか……などと言われているのですね。


目覚める中心部のアイツ

さて……、銀河というものは大抵はもれなく中心部分に「超大質量ブラックホール」と呼ばれる巨大なブラックホールがあるのですね。
天の川銀河も例外ではありません。

なんだか昨日の記事の内容とつながってしまいますが、天の川銀河の心臓部のブラックホールは「いて座A*(いてざ エースター)」というのですね。

ただ、このいて座A*、現在では割と大人しくしているのですね。

……つまり、最近では周りの物をあまり吸い込まず、ただそこにたたずんでいるだけのようです。

太古の昔、天の川銀河ができたばかりのころ、いて座A*の周りには大量のちりやガスなどがあったものと思われます。
ブラックホールというものはその重力圏内に入ったものは何でも飲み込んでしまいますから、いて座A*も当初はそれらのちりやガスを活発に吸い込み続けていたのですね。

このような状態の銀河のことを「活動銀河」というらしいですが、そうしているうちに飲み込むべきちりやガスが手の届くところに無くなってしまったのですね。
なので現在のいて座A*は遠い恒星たちから届くわずかな恒星風(太陽風と同じく恒星から出るプラズマ化したガス)を吸っているだけのようです。

ブラックホールは光すらも抜け出せないほど強い重力を持ちますから、直接目で見ることはできませんが、ものを吸い込むときに吸い込まれるものが摩擦で光を放つので、そこに存在していることがわかるのですね。
いて座A*の場合は長らく何も吸い込んでおらず、光も出さなかったため、その正体がブラックホールであるとわかったのはつい最近だったようなのですね。


このように長い長い眠りについたらしいいて座A*ですが、もし天の川銀河に大マゼラン雲が衝突すると、状況が少し変わってくるのですね。

天の川銀河と同じく大マゼラン雲の中心にも、超大質量ブラックホールがあるのですね。
そしてブラックホールの場合、近付くとお互いに凄まじい重力で引き合いますから、普通の星とは違って物理的に衝突する可能性があるようです。

2つのブラックホールが衝突すると、合体して両者の質量の合計よりもやや小さい質量を持つブラックホールが新たに誕生するのですね。
小さくなった分の質量はどうなるのかというと、重力波として外に放出されます。
また実際にものを飲み込むわけですから、この時に放射線などの他のエネルギーも大量に放出されるのですね。

地球から見ればいて座A*が「光って」見え、見事な「宇宙花火」となり、おまけにそれがかなり長い間続くようです。
また中心のブラックホールが合体してパワーアップし、さらに強力な吸引力を得るため、もしかすると今まで吸い込めなかった遠い星なども吸い込み始めるかもしれません。

太陽系は天の川銀河の外れにあるため、この時に放出されるエネルギーによる影響は特にないそうなのですが、もしかすると衝突そのものの影響で天の川銀河から外にはじき出されてしまう……可能性もあるのだとか、ないのだとか……。

……太陽系が天の川銀河の外に放り出されると……どうなるんだろう……。


だが結局最後は他人事に

色々と書きましたが……ようするに、「ぶつかってみるまでどうなるかわからない」のですね……。

ただ1つ言えるのは、ぶつかれば「イスカンダルが地球のすぐそばまで来てしまう」ということなのですね。

これではわざわざワープを駆使しながら1年かけて地球イスカンダル間を往復したヤマトの立つ瀬がありませんが、どの道両者が接近するのは20億年も先のことですし、2199年当時としては「早く行って帰って来なければならない!」という状況だったため、これはこれで問題が無いものと思われます。

早い話が2つの銀河がぶつかるのはずっと先の話なので、今の我々にとってはあまり気にしなくてもいい、ということなのですね、きっと……。

それに20億年だなんて、「生命の大爆発」が起こったカンブリア紀から現在までの時間の3倍以上もあります。
多細胞生物が誕生し、エディアカラ動物群のどこかの経路を経て現在の生き物たちになるまでの進化の年月があと3回も来てしまうのですね。

おそらくその頃には地球環境も激変しており、人類もまた別種の生物に進化している可能性があります。
また、逆にとうの昔に地球が滅びているという可能性もあるのですね。

もしその時にもまだ人類もしくは「人類より進化した集合意識を持つクリスタル状の生命体」が地球に住んでいるというのなら、今からでも子孫の身を案じておく必要がありそうですが……。

宇宙のダイソン?衝撃の吸引力を誇るブラックホール!3億光年かなたで超高速回転

超高速回転ブラックホール

なにやら宇宙の片隅でとてつもないものが発見されたようですね。

地球からおよそ3億光年離れた銀河にあるブラックホール「ASASSN-14li」が、ものすごい速さで回転ながら星を飲み込んでいるというのですね。
その速さは宇宙一速いものである「光」の速さの半分にもなるのだそうです。

アメリカのマサチューセッツ工科大学などのチームが観測し、今月10日、科学誌「サイエンス」にて発表したのですね。

……実はこの記事、今月10日の時点で朝日新聞さんの夕刊に出ていたのですね。
ですが詳しく調べようにもどうにも他の資料が見当たらず、また他に読書感想文だのなんだのを書きたかったこともあり、結局後回しになってしまったのですね。

しかし、今日改めて調べてみると他の資料も出てくるようになっていたので、この記事はきっと今日この日のために温存しておいて正解だったのですね。

……とりあえず……、何やらすごい発見なのですね、きっと。


ですが……ブラックホールって、そもそもどのようなものでしたっけ。

……おそらくこの新聞記事を本当の意味で理解するためには、この疑問に対する答えを見つけなければならないと思われます。

……きっとそうに違いない!

なので改めて調べてみたのですね。


そもそもブラックホール

広辞苑だの明鏡国語辞典だのWikipediaだの、色々な文献が共通して語るには、ブラックホールとは

「きわめて密度が高く、また重力が大きいため、光ですらも脱出不可能な天体」

……なのだそうです。

……天体……ですから要するに「星」なのですね。


……「穴」じゃないんですね。


また、アインシュタインさんの相対性理論によれば「光」というものも重力の影響を受ける……つまり、「落ちる」のですね。

なんだか不思議な感じがしますが、ブラックホールはあまりにも重力が強く、光すらも脱出できないため、肉眼ではその姿を直接見ることができないのですね。

実際に見た場合はそこだけぽっかりと黒い穴が開いているように見えるようです。


なるほどそれで「ブラックホール」か……。


重力は「加速度」で表せますから、その重力圏から脱出するためにはその加速度を上回るほどの加速を与えればよいことになります。


……つまり、「速ければ出られる」のですね。


光はこの宇宙に存在するものの中では最も速く進み、その速度は秒速およそ30万キロ……つまり、地球を1秒間に7週半してしまうほどなのですね。

「宇宙最速の光ですら脱出できない」ということは、すなわちそのまま「この宇宙でブラックホールから脱出できるものは存在しない」ということを意味します。


……こんなに強い重力を持つ星って一体……。


また、重力の強さはその発生源である星の質量(≒重さ)に比例し、また発生源からの距離に反比例するのですね。

全質量の中心点を「重心」といい、理論上ではその部分が最も重力が強くなるようです。
星は球形をしていますから、球の中心がこの重心になるのですね。

つまり、星が重ければ重いほど重力は強くなり、また星(の中心)から離れれば離れるほど重力の影響は小さくなるのですね。

地球でも重力は空高くへ行けば行くほど弱くなり、逆に地下深くに潜れば潜るほど強くなるのですね。

実際には地球は自転していますから、自転による遠心力の影響も多かれ少なかれ出てくるでしょうが、ややこしくなるのでとりあえず遠心力は置いておきましょう。

大事なのは星の奥へ奥へと行けばいくほど重力は大きくなっていく、ということなのですね。

また、こうして大きくなっていった重力は、ある地点を超えると光すらも脱出できないほどの大きさになるのですね。

この境目の地点を難しい言葉で「事象の地平面」もしくは「シュバルツシルト面」などと言うのですね。

地球の場合、これは星の中心から1センチほどのところなのですね。

つまり、地球の中心から半径1センチの丸いエリアは、光すらも脱出できないほど重力が強いのですね。


あれ……。
と、いうことは……、地球の中にも「ブラックホール」がある……?


……実際には全体がとてつもない力で圧縮され、この「事象の地平面」の内側に星そのものがすっぽり収まってしまったものを「ブラックホール」というのですね。

つまり、地球の内部には確かに「光が脱出できなくなるほど重力が強い領域」がありますが、地球の大部分はその外側に出ているため、地球は外から肉眼で観測できますしまたブラックホールでもないのですね。

それにその領域はあくまで地球の質量を元に計算した理論上のもので、実際は地球の奥へ奥へと掘り進んで行った場合、後ろへ残してきた部分がまた逆方向に引っ張る重力を持つことになりますから、地球の中心部分の重力はその「前半分」と「後ろ半分」とが打ち消し合って0になってしまうため、光が脱出できないほど強くなることはないのですね。

逆に言うと、地球全部を無理やり圧縮して直径2センチの玉に納めることができれば、それは立派なブラックホールになるのですね。
その場合でも地球の現在の半径と同じ……つまりおよそ6500キロ離れた場所では、「地球ブラックホール」の重力は現在の地表と同じになるのですね。


冒頭で書いた「きわめて密度が高く、また重力が大きい」というのはこういうことだったのですね。


さて……こうなるとまた1つ新たなる疑問がわいてきます。

どうしてそのような「高密度」「大重力」な星ができるのでしょう。


内部構造は……?

まず、ブラックホールというのは「死んだ恒星」なのですね。

恒星というのは太陽のように内部で燃料を燃やし、自ら光を放つ星のことですね。
太陽に同じく、主に水素を燃料とし、それが核融合を起こしてヘリウムに変わる時に出るエネルギーを使って光っているのですね。

燃料となる水素が無くなり、核融合が止まってしまうと、当然ですがその星はもう光り続けることができなくなってしまいます。

……つまり、「死んで」しまうのですね。

また恒星はこの核融合反応により自重を支えているため、核融合が止まった途端に自分の重さを支えきれなくなり、内側に向かってどんどん潰れていくのですね。

ちょうどバーナーの火の熱を使って膨らんでいる気球が、火が消えた途端にしぼみ始めるようなものでしょうか……。

地球から見ればホンの表面であるはずの深海の底ですら凄まじい水圧がかかるのですから、大きな星が自分の重さで潰れてしまうというのは理解できますね。

結果、星は圧縮されて密度が高くなっていくのですね。

どれくらい密度が高く、半径が小さくなるかはその星が元々どれくらいの重さだったかによって変わるようです。

ある程度軽い星の場合は少し縮んだ程度で止まるのですね(白色矮星)。

それよりも少し重い星の場合は星を構成している原子そのものが潰れてしまい、非常に密度が高く、重力も強い星になるようです(中性子性)。

そしてそれよりもさらに重い星の場合、密度がさらに高くなり、半径はさらに小さくなり、ついには「事象の地平面」を超えてしまうのですね。


こうして誕生した星が「ブラックホール」なのですね。


またこのブラックホール、どうやら2層構造になっているようです。

外から見た時に「黒い穴」のように見えるのはあくまでもブラックホール本体ではなく光が脱出できなくなる境界「事象の地平面」なのですね。

ブラックホールの本体はそのさらに内側にあり、本体と地平面の間には何もないようです。
このブラックホールの本体では重力が無限大となっており、この部分を「特異点」というのですね。


……中性子でできた星よりも密度が高くておまけに重力が無限大になっているって……。
一体ブラックホールを形作っている物質はどのような状態になっているのでしょうか……。

もはや中性子までバラバラになってクオークレベルの集合体になっているのではなかろうか……。


などと色々と気になってくるのですが、特異点が文字通り「点」の形をしているのは「回転していない」ブラックホールだけなのですね。

今回の記事に出てきた「光の半分の速さで回転しているブラックホール」のように自転するものの場合、特異点はワッカの形をしているのですね。


……一体どういう状況なんだろう……。


ブラックホールに毛が三本

……なんだかよくわからない星ですが、どうにもブラックホールが持ち得る物理的な要素は「質量」「回転」電荷」の3つしかないようなのですね。
「長さ」や「大きさ」、「時間」や「温度」などという概念はどうやら存在しないようです。


「質量」があるのに「大きさ」が無い……。


この時点で一般的に言われている物質とは根本的に違うのですね。

もはや気軽に「星」などと呼べるようなシロモノではないのかも……。


ブラックホールはあまりにも重力が強いため、周囲では時間の流れ方が変わってしまい、色々とおかしなことが起こるのですね。
どうやら中の方では時間が殆ど止まってしまっているようです。

このブログで最初の方に上げた「スカイツリーで相対論」の記事でも書きましたが、「時間」というものは「重力」が大きい場所ほどゆっくり進むのですね。

「事象の地平面」の中では時間が殆ど止まってしまっているため、逆にそこから外の景色を見ればほとんど永遠に近い時間の流れを見ることができるのですね。
つまり、「宇宙の終わり」が見えるのですね。

………ブラックホールに落ちて生きていられるのかは不明ですが。


きっと冥道残月破に飛び込むようなものなのだろう。


近年の研究によりブラックホールの全貌が少しずつ明らかになってきましたが、それでもこれは非常に不可解な天体なのですね……。


どうやって観測するんだ

……さて、ブラックホールがトンデモな天体だということがわかったところで、記事の内容に話を戻しましょう。

光すらも飲み込んでしまい、肉眼(や望遠鏡)で直接見ることができないブラックホールですが、今回の発表では「光速の半分の速さ」で回転していることがわかったのですね。

……どうやって!?

……実はブラックホール、直接見ることはできませんが間接的に観測することはできるのですね。

今回はブラックホールに落ちる星がバラバラに砕ける時に出す光を観測したのだそうです。

星のような大きなものがブラックホールに引き寄せられた場合、当然そのままの形を保っていられるはずもなく、バラバラに砕けてしまうのですね。
そして星が砕ける時には強い光が出るのですね。

その光が131秒ごとに点滅し、また450日以上も続いたのだそうです。

ブラックホールの質量は太陽の100万倍程度だとわかっていますから、この点滅のパターンや質量などの情報を元に回転速度が推定できたのですね。

……その結果、「少なくとも光速の半分」という結果が得られたのですね。どうやって求めたのかは知りませんが。

研究チームは「もっと速い回転速度のブラックホールもあるかもしれない。今後も観測を続けていきたい」と言っているそうです。


実は他にもある「超高速回転ブラックホール

……この記事を最初に書こうと思い、「高速回転するブラックホール」について調べた時、確かに関係のない他の「高速回転するブラックホール」に関する記事がいくつも出てきたのですね。

それがこの3日間で状況が変わり、同じキーワードで検索してももはやこの「ASASSN-14li」ばかりが出てくるようになってしまっています……。

この辺ネットはなんだかドライだなと思うのですが、とりあえず「高速回転するブラックホール」は「ASASSN-14li」だけではないのですね。
中には「高速の80%」というような途方もない速さで回っているものもあったと思うのですが……出てこない……。

……「長さ」も「時間」もない星なのに「回る」って……なんだかヘンな感じがしますが、これはこれでブラックホールというものの面白いところなのですね、きっと。
きつねにはちんぷんかんぷんですが。

ともあれ、現在の時点で十数個の「ブラックホールではないかと言われる天体」が見つかっており、また理論上では全ての「大きな恒星」はブラックホールになり得るのですね。
また、全ての銀河の中心には「超巨大ブラックホール」があると言われており、銀河そのものは1000億個はあるものと考えられています。

……つまり、こんなトンデモな星が宇宙には果てしのない数存在しているのですね……。

こんなもの、もし地球や太陽系の近くにあったら一大事ですが、今のところ太陽系にブラックホールがぶつかる心配はありませんし、地球が飲み込まれることもないようなので、ひとまずは安心していいと思います。

これが「便利」の裏側の現実!「コンビニオーナーになってはいけない」という本の内容が恐ろしすぎる件について

コンビニのオーナーさんからお借りした本

コンビニ……。

便利ですよねー。
どこにでもあって、いつでも開いていて、おまけに食品から文房具、果てはチェス盤やオセロ盤まで、日常生活で必要そうな大抵のものは売っているのですね。

私もよく最寄りのコンビニを利用するのですが、最近では24時間開いていますしいつでも色々なものが揃っていてつくづく便利な世の中になったなと思います。

日本初のコンビニとなったのはセブン-イレブンさんで、当時は文字通り朝7時から夜11までの間だけやっていたのですね。

それがいつの間にか24時間営業となり、いつしかそれが全てのコンビニで当たり前のことになったようです。

私がコンビニを利用し始めたのはシステム開発をしていた頃なのですね。
あの時は深夜過ぎまで残業だったり会社に泊まり込みだったりすることが日常だったので、いつでも開いていてくれるセブン-イレブンさんやファミリーマートさんは本当に重宝していました。


ああ……思い返しても……「あいてて良かった!」。


……最近はそんな深夜帯まで働くこともなくなり、またよく行くお店も会社ではなく住んでいるところの近くのお店に変わったのですね。

……それで、そのお店のオーナーさんが、とある本を貸してくれたのですね。
是非君にも読んでほしいと言われたのですが、このような本なのですね……。

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…………「コンビニオーナーになってはいけない ~便利さの裏側に隠された不都合な真実~」……。

なんという意味深なタイトル……。
きつねは鼻が利くのですぐにわかります。「コンビニ」という文字通り「便利な店」の裏側に隠された社会問題の匂いがプンプンです。

そう言えばオーナーさんは常々「名ばかりの経営者」だの「給料がバイト以下」だの「13時間労働でブラックすぎる」だの「利益は全部本部のもの」だのと仰っていたのですね……。

この本を貸してくれた時も「俺がこんな本書きたかったのに先に書かれちゃったよ」などと言っていました……。

……つまり、オーナーさんの意見を代弁しているのがこの本であると考えて差支えなさそうです。

「他の人にも貸したいからなる早で返して」と言っていたところを見ると、おそらく私以外の常連さんや店員さんにも(?)貸しまくっているのでしょう。


こ……これは……!
コンビニを利用してコンビニのお世話になっている以上、ぜひとも読まなければなりません!
おそらく世の中のあらゆる問題はこの本の中に集約されているに違いない!


……と、いうわけなので、先日の「松尾豊先生のAIの本」に引き続きまたしても読書感想文なのですね。

……感想文……。
苦手なのですが頑張って書こうと思います。


コンビニオーナーになってはいけない ~便利さの裏側に隠された不都合な真実

まず、この本についてです。

著者名を見ると「コンビニ加盟店ユニオン+北健一」とあります。

中を読んでみるとわかるのですが、「コンビニ加盟店ユニオン」というのは全国のコンビニのオーナーさんたちにより結成された組織なのですね。

2009年にセブン-イレブンさんが公正取引委員会より排除命令を受けたことをきっかけにして誕生した……とあります。

「オーナーとコンビニ本部」とでは交渉しようにも交渉にならないため、「組織対組織」で交渉できるようにと生まれたもの……なのだそうです。


……なんだか「労働組合」と似ていますが、こういう組織を作らなければならない時点で大きな問題の匂いがしますね。

また北健一さんはコンビニ問題やブラック企業、不当契約などの問題について取材をされているジャーナリストの方なのですね。


コンビニ加盟店ユニオン」さんたちがニコニコ生放送YouTubeで放送している「衝撃!コンビニの現場」という番組があるそうなのですが、これを元にして書いたのがこの本なのですね。
……この番組、なぜだかいつの間にか消されてしまうのですね……。

どうやら裏でコンビニ業界がYouTubeに圧力を加えているのだとか……いないとか……。


ちなみに「オーナー」というのは「店長」の1つ上の位なのですね。
「オーナー」がお店の所有者として契約している人で、「店長」はあくまで「お店の中でのリーダー」なのですね。

……なんだかややこしい感じですが、大体はオーナーと店長は夫婦なのが一般的なようです。
そういえばこの本を貸してくれたオーナーさんも夫婦でお店を経営なさっているのですね。

ともあれ、コンビニというのはオーナーと店長の二人三脚で経営されているようです。


本に記された恐ろしい内容=コンビニ現場の真実

そしてきつね……先ほど読み終わったのですが……この本、想像以上に恐ろしいことが書かれているのですね。

詳しいところまではとてもじゃありませんが書き切れないので、詳細を知りたければご自身で本を読んでみて下さいと言わざるを得ないのですが、ざっとまとめると

・対等と言いつつ対等じゃない「本部」と「店舗」の関係
・収益は全部俺の物、廃棄が出たらお前の負担
・どう転んでも本部が儲かるチート級の会計手続き
・なぜだか命を掛けなければならないオーナー

……というような感じなのですね。

詳しく見ていきましょう。

・対等と言いつつ対等じゃない「本部」と「店舗」の関係

まず、前提として……。

コンビニの店舗の大多数は「フランチャイズ」と呼ばれる方式で運営されているのですね。
これはセブン-イレブンさんやファミリーマートさんなどのコンビニを運営している会社(以下、「本部」と呼びます)と、個々の店舗のオーナーさんとが契約を結ぶことで成り立つのですね。

つまり、セブン-イレブンさんを例にとるなら「新しいお店を出したい本部」と、「コンビニを運営してみたいオーナーさん」とが契約を交わすのですね。
それによりオーナーさんは、売り上げの何割かを本部に納める代りに、自分のお店を「セブン-イレブン」として運営することができ、また本部にその商品の仕入れや経営ノウハウの提供、看板などのサポートをしてもらえるのですね。

セブン-イレブンさんは「新しいお店」を出すことができ、オーナーさんのお店は非常に強いブランド力を持つ「セブン-イレブン」という名前を名乗ることができます。

また本部とお店、セブン-イレブンさんとオーナーさんは、お店の売り上げがそのまま両者の利益に直結しますから、文字通り運命共同体なのですね。

なのでお互いに協力し合いながらお店を運営していく必要があり、また契約も「会社対会社」の契約であるため、両者の関係は「対等」であるのですね。


…………表向きは。


実際は両社の関係は「対等」とは程遠いようなのですね。

「会社対会社」の契約と言っても、「大企業対普通のお店」の契約なわけですから、この時点ですでに資金力や人員数などに大きな差が出てきてしまっています。


まるで「下町ロケット」の世界ですね。


またこの契約を続けるかどうかを決める権限はどうやら本部にあるようです。
つまり本部が「この店は利益が出ないからもうやめよう」といえば簡単に契約打ち切りになってしまいますし、逆にお店の方から辞めたい場合は「損害賠償」を求められるのですね。


こ……これは……!
本部側がお店に対して「~してよ、やってくれなきゃ契約更新してあげないからね!」みたいな脅しを掛けることができてしまいます。

いや、本によると実際にそのような脅迫行為が横行しているようです!

なんとまるで大企業であることをいいことに中小企業を思うがままにしようとする的場氏率いる帝国重工のようだ!
実際的場さんはその強引なやり方のせいでとうとう部下にまで愛想を尽かされてしまい会社を辞める羽目になりましたが、そのようなドラマみたいな展開が現実に起こるのはまだまだ先のようです。


また仕入れなどの運営システムにも不透明なブラックボックスが多いようで、お店のオーナーさん側がそれに介入することはできないのですね。

……早い話が、「こっからここまでは全部本部でやるから、お店は口出ししないでね」という状況なのですね。

そのためお店側では自分たちで売る商品を殆ど選ぶことができず、またこの「こっからここまで」の間に様々な「不正」が働いているのではないか……などとオーナーさんたちの間ではまことしやかに語られているのですね……。


もちろん、契約段階ではこのようなことは明かされません。
みなさん契約するときはあくまで「対等な契約です」との説明を受けており、後になって不平等が発覚するのですね。


・収益は全部俺の物、廃棄が出たらお前の負担

さて、それが次につながってくるのですね。

コンビニに売られている商品の60%は食べ物なのですね。
当然ですが「賞味期限」や「消費期限」というものがありますし、もし売れずに期限が切れてしまった場合は「廃棄」しなければなりません。

「廃棄」になってしまった商品は当たり前ですが売ることができないため、その部分はコンビニ側の負担になるのですね。

……コンビニ側、というのはつまり「本部とお店」のことですね。

……さて、敢えてこのような書き方をしましたが疑問が残ります。

「本部とお店」、一体どちらが「廃棄」の負担をするのでしょうか。


……実際は「お店」なのですね。


どうにも契約上は「廃棄はお店が負担する」ということになっているようですが、さすがにこれは問題となり、公正取引委員会によって断罪されたのですね。
実際に断罪されたのは「賞味期限が近くなった商品を半額などの低価格にして売る行為を本部が組織ぐるみで妨害していたこと」なのですが、これに伴ってセブン-イレブンさんでは「廃棄」の一部を本部が負担するようになったようです。

さすがにセブンさんも現状のやり方ではまずいと思い直してくれたのでしょう……………だよね?

ただ、一部を本部が持ってくれるようになったとはいえ、廃棄を出せばお店に負担が出ることには変わりありません。

……それどころか実際には一定の量は確実に廃棄を出すようにとの命令があるのですね。

きつね、これには目を疑ったのですね。
「廃棄を一定量以下にしろ」ではなく「一定量以上廃棄を出せ」、だって!?


・どう転んでも本部が儲かるチート級の会計手続き

なんだか不可解なことなのですが、これらの原因はどうにも会計手続きにあるようなのですね。

ここに関しては本の中で具体的な計算式を挙げてしっかり説明してくれているのですね。
詳しくはひじょうにややこしくなってしまいますので省きますが要点をまとめると、その計算式は「どう転んでも本部が得をして、お店の方が損をする」ようになっているようです。

なにやら「ロスチャージ問題」などと呼ばれているようなのですが、早い話が「廃棄が出てお店が損をしても、本部側は儲かる」ようになっているのですね。

……一定量の廃棄を必ず出せというあの命令は、表向きは「いつでもお客さんが買えるように商品を置いておくように。その過程で廃棄が出てしまうのは仕方がない。廃棄を抑えるよりも棚を空にしないことを優先させろ」とも捉えることができますが、その真意は……ま……まさか……!!


……こんなことをしているから、日本から食品ロスが無くならないのですね。


またチート会計はなにも廃棄に関するものばかりではありません。
このほかにも「売れた分」と「売らなかった分」とで「原価の割合が違う」、不平等な「粗利分配方式」など、いろいろとおかしな会計処理があるのですね。

そしてこれこそが本部とお店との間の「不平等」の根源なのですね……。


・なぜだか命を掛けなければならないオーナー

また、会計とは別の話になるのですが、一部のオーナーさんは本部から「災害が来ても店を閉めてはいけない。この地域で最後に避難するのはオーナーさん、あなただ」などと言われているのですね……。


これ……正気ですか。


実際東日本大震災の時にもこの命令のせいで逃げ遅れたオーナーさんと店員さんがいて、この本でも取り上げられていました。
この人たちは何とか助かりましたが、実際このようにして命を落としたオーナーさんや店員さんも多くいたと思われます。


どうにもコンビニというものは24時間営業どころか、「何があっても店を閉めてはいけない」ものらしいです。


さすがにこの未曾有の大災害の後はセブンさん本部の態度も変わってきてはいるらしいのですが……未曾有の大災害が起こって多数の死傷者が出ない限り態度を改めないというのがそもそも大問題なのですね。


近年(おそらくは2009年頃から)になり、「コンビニ加盟店ユニオン」さんの活動の成果もあり、これらの問題は少しずつ解決に向かってきてはいるのですね。

ですがまだまだ完全解消には程遠いのだそうです。


……このようなことが常態化しているなんて……コンビニ業界って一体……。

いや、そもそもどうしてこのような状況になってしまっているのでしょうか……。


諸悪の根源はアメリカのセブン-イレブンがやっていた仕組み?

そういえばセブン-イレブンさん、元々はアメリカの会社なのですね。
近年ではアメリカ人の中にも「あれ、セブンって日本のコンビニじゃなかったっけ?」などと言っている人がいるらしく、かくいうきつねも危うく忘れるところだったのですが、もともと「サウスランド」さん(現「7-Eleven, Inc」さん)というアメリカの企業から、イトーヨーカ堂さんの子会社である「ヨークセブン」さん(現「セブン-イレブン・ジャパン」さん)がライセンスを得て始めたのが日本のセブン-イレブンの、ひいては日本のコンビニの始まりなのですね。

セブン-イレブンさんが日本でコンビニ事業を立ち上げたのち、他の各社が真似をして新しいコンビニが続々と出来上がり、日本は現在のような「コンビニ大国」となっていったようです。

未だにセブン-イレブンさんは業界最大手で、最近ファミリーマートさんとサークルKサンクスさんが合併し、「ファミリーマート・サークルKサンクス連合」となりましたが(何かが違うような……)、それでも太刀打ちができないほどなのですね。


上の方でセブン-イレブンさんの「チート会計」がコンビニ本部とオーナーさんたちとの間の根本的な不平等の原因となっていると書きましたが、この「チート会計」、どうやらヨークセブンさんがサウスランドさんより受け継いだものなのですね……。

つまり、この諸悪の根源はアメリセブン-イレブンからそのまま受け継がれてしまったものなのですね……。


……セブン-イレブンなのですね……ほっ。

私がよく利用するコンビニはつい最近まではサークルKサンクスさんだったファミリーマートさんなのですね。
きっとこの辺りにはこのような問題はないのでしょう……。

などと楽観的に考えていたら!
日本のコンビニは全部すべてセブン-イレブンさんのビジネスモデルと会計システムを参考にしているのですね。

つまり、こういった悪いところまでそっくりそのままコピーしてしまっているのですね!

上の記事……というか、元の本の内容は、セブン-イレブンさんについて書かれたものだったのですが、実はセブンさんに限らずこのようなことは他のコンビニ各社でも起こっていることなのですね……。

また、これはあくまでアメリセブン-イレブンさんが本当に7時から11時までだけ営業していたころのシステムなのですね。
近年ではそれが24時間営業となり……これらによるお店側の負担はもっとさらに深刻に危なく危険なレベルにまで増えているのですね。


こ……これは……!!!

「あいてて良かった!」などと言っている場合じゃありません!!

コンビニさんせめて夜は休んで……。
売り上げは減ってしまうかもしれませんが……オーナーさんの健康の方が大事です!


原因はもしかして私たちにあり!?

この本のあとがきにも書かれていましたが……、この本ならびに「コンビニ加盟店ユニオン」さんは決してコンビニを無くしたいわけでもセブン-イレブンさんその他コンビニ各社を批判したいわけでもありません。
ただ純粋にコンビニを愛しているが故にこのままではいけないから改善していこう、コンビニ各社とそれぞれの店舗のオーナーさんたちが対等に仲良くやっていける関係を作っていこうと言っているだけなのですね。

書かれていた内容は非常に衝撃的でしたが、彼らの意図は十分理解できましたし、私もコンビニ各社や業界そのものを批判する気は起きないのですね。

コンビニは今や重要な社会インフラになっていることは周知の事実ですし、私自身も何度もお世話になっているということは既に述べました。
セブンさんにも何度もお世話になっており、実際「あいてて良かった!」などと思ったことも何度もあります。

それに……おそらく「24時間営業」だの「常に棚を商品で一杯にしておかなければならない」だの、このようなお店の負担を増やすことになったのはおそらく私たち利用者にも原因があるものと思われます。

実際この本は本部の不当な要求だけでなく、利用者からの過剰な要求についても触れていたのですね……。

「コンビニだから何でもしてくれる」「コンビニに対しては自分は何をしてもいい」……。

このような考えが我々利用者の中にも蔓延しているものと思われます。


コンビニに限らず日本のサービスは親切丁寧で有名ですが、海外の人から見れば「過剰」だというのですね。

つまり、「親切丁寧」どころかもはや「やりすぎ」なのですね。
私の友達は殆どが外国の人なのでそのような話をよく耳にするのですが、他の国の人からしてみたら既に「何もそこまでやらなくても……」というレベルになってしまっているようです。


それにもかかわらずとある調査によると、日本のサービスに満足していると答えた当の日本人は4割しかいないのですね。

……つまり、こんな「やりすぎ」なサービスでも、なんと6割もの日本人が「満足していない」と考えているのですね。


このような「完璧を求めすぎる顧客」という日本の土壌と、アメリカから入ってきた「便利な店、コンビニ」という要素が組み合わさった時、本に書かれているような悲劇が起こってしまったのではないかと思われます。

つまり、利用者が便利さに完璧を求め、「便利な店なんだから何でもしてくれなくちゃな!」などと過剰な要求をし、本部が何とかしてそれに応えようとすると、結果として各お店にその負担のしわ寄せが行ってしまうのではないでしょうか。


お店は本部には逆らえませんが、本部もまた、お客さんには逆らえないのではないかと思われます。


だとすると根本的な問題解決の方法は、私たち利用者が意識を改め、また本部側にそれが伝わるようにしなければならないのではないか……と思うのですが、いかがでしょう。

世界初!人工流れ星を作る衛星が間もなく打ち上げだって!

ALEさんの人工流れ星衛星

昨日の新聞を読んでいて何やら面白い記事を見つけたのですね。

なんと、流れ星を作る人工衛星の初号機が今月17日に打ち上げられるというのですね。
流れ星衛星の打ち上げは世界初の試みなのだそうです。

衛星は創業7年目の東京都港区のベンチャー企業ALE(エール)さんが開発したもので、直径1センチの金属の粒を宇宙空間から落とすことで、好きな場所や時間で流れ星を発生させるのですね。
落とした玉は大気中で熱せられ、上空で光の玉となり流れ星として落ちてくるのですね。
地上に届く前に燃え尽きてしまうので、もちろん地上にいる人に当たる心配はありません。

またこの流れ星は普通の流れ星よりも落ちるスピードが遅く、同社社長の岡島礼奈さんは「願い事を3回は唱えられる」と言っているようです。


このような計画があるという話はだいぶ前から耳にしていましたが、間もなくついに実現されるのですね!


ですが、直径1センチの玉……。
結構大きいのですね。
そのようなものを宇宙で出して大丈夫なのだろうか……。

近年問題になっている「スペースデブリ」いわゆる「宇宙ゴミ」はごく小さなものでもぶつかれば非常に危険で、わずか1ミクロンのごみでも宇宙船のガラスに7ミリの傷を付け、1センチのものでは宇宙船に深刻なダメージを与え、10センチのものとなると宇宙船そのものをバラバラにするほどの破壊力があるのですね。

人工流れ星のモトとなる玉も直径1センチもあるわけですから、もし万が一他の衛星や宇宙ステーションにぶつかれば相当な被害が出ると思うのですが……。

案の定その辺りの問題が課題となっていたようで、打ち上げに協力してくれる宇宙航空研究開発機構JAXA)さんと綿密な打ち合わせをした上で、他の衛星などに影響を及ぼさないように玉の方向や速度などを精密に制御するシステムを作ったようです。
また流れ星衛星そのものを打ち上げる高度も、国際宇宙ステーション(ISS)よりも低い上空390キロ地点なのですね。
低いといっても、玉はちゃんと上空で流れ星となり、燃え尽きるのですね。

実際に実験によって確認したのだそうですから間違いありませんね。


……あれ……。
衛星の打ち上げはまだ先なのに、どうして流れ星が燃え尽きるということがわかるのでしょう……。
今までにどこか他のところ……たとえばISSからモトを落とすなどして実験していたのでしょうか。

……でも社長さんは「本当に上空で光るのか挑戦したい」と言っていますから、やっぱりまだ実際には試したことがないんじゃ……。


……まぁいいか。

衛星を打ち上げた後は暫く姿勢制御などの機能のチェックを行い、来年春ごろに瀬戸内海上空で実際に流れ星を出してみるのだそうです。

……人工流れ星を見られるのは割と先なのですね……。


気になる人工流れ星のお値段は

また、当然ですがALEさんはこれを事業化するわけなのですから、実際に人工流れ星を見ようと思うとそれなりにお金がかかるのですね。

費用については今のところは非公開らしいのですが、「ドバイの新年の花火(30億円)に比べれば全然安い」……のだそうです。

……10億円くらいか知らん……。

……安いけど高いよ!!!

30億円の花火というのもアレですが、きっと流れ星にもいろいろとお金がかかっているのでしょう。

なんにせよとても庶民の手に届くようなシロモノではありませんね。
せいぜいだれかお金持ちの人が降らせた流れ星を一緒になって見上げるくらい……?

……もしかして、それこそがALEさんの考えていることなのでしょうか。
つまり、どこかのお金持ちが「今宵はワシのおごりで流れ星降らせてやるけぇ皆存分に見上げるがええぞ!」などと気前よく流れ星を注文して降らせ、それをみんなで楽しむことを想定しているに違いない!

ですが予定では今後流れ星のモト400粒を搭載する後継機を打ち上げることになっているようで、それで事業が軌道に乗れば価格は下がるのだそうですね。

……そういえば、今回打ち上げられる衛星には一体モトが何粒搭載されているのでしょう……。

と、いうより、「流れ星のモト」を出し尽くしてしまった衛星は一体どうするのでしょう……。途中で補給するわけにもいかなさそうな……。
某惑星探査機その他のように、最後は大気圏に落下させて燃やし、衛星そのものを「流れ星」にしてしまうのだろうか……。

きっと最後の一発はどでかい「俺@流れ星」となるのですね。
もはや流れ星ではなく「火球」ですね。

直径1センチの流れ星のモトと違ってそこそこ大きな衛星ですから、無事に上空で燃え尽きるのかは保証の限りではありません。
下手をすれば地上を歩いている人の頭を直撃して流れ星並みに明るく輝くたんこぶを作ってしまい、辺りは「すわ!流れ星が地上に落ちた」だの「火球が地上で光ってる!」だのと大騒ぎになってしまうに違いありません。


ですがそれも当分先になりそうなのですね。
少なくとも来春の初号機の流れ星実験が無事に終わってからになるのでしょう。

ということはつまりそれまではALEさんにも流れ星事業による収益が入ってこないのですね。


……こういう会社、一体どうやって運営しているのだろう……。

創業から今の今まで7年もの間ずっと衛星を開発しているだけだったわけで、まだ実際に流れ星を起こして収益を得ていたわけではないのですね。
衛星の開発なんて、相当お金がかかると思うのですが、その辺りの資金調達はどうしていたのだろうか。


……まさか全部社長さんの自腹じゃ……。


もしここで衛星計画に失敗してしまうと後で取り返しのつかない損害を抱えてしまうことにはならないのだろうか……。
この流れ星衛星、表向きは「人類初の新しいエンターテインメントへの挑戦」などと前向きなことを謳っておきながら、実際は「会社の存亡をかけた起死回生の大博打」「ここでダメなら地獄の扉が開くだけ」だったりして……。

きっとこの7年であらかじめ用意してあった資金ももはやほとんどそこをつき、そろそろ事業を軌道に乗せないと本当に危ないという状況になってしまっているのだろう。
もしここで人工流れ星衛星初号機の打ち上げその他に失敗してしまうと、ALEさんは莫大なる借金を抱えて倒産し、全社員が路頭に迷うことになってしまうに違いない!


……などと縁起でもない心配をするのはやめておいた方がよさそうです。

かの有名なニッカウヰスキーの創業者竹鶴政孝さんが、熟成に時間がかかるため仕込みから販売までに数年を要するウイスキー事業が軌道に乗るまでの間、地元北海道の果物を使ってジュースを作って売っていたというのは有名な話ですね。
きっとニッカさんのジュースよろしく、ALEさんにも何か他の収益源があるのでしょう。


実用化まで気長に待とう

なんにせよ実際にお金を払って流れ星を見られるようになるまでには何度もテストを重ねていく必要があり、もう少し時が必要なのですね。

そこは資金も時間も文字通り天文学的に壮大な宇宙事業ですから気長に待つべきなのかもしれませんね。

今後無事に実用化したあかつきにはおそらくいつでもどこでも気軽に流れ星が見られるようになる時代が到来するものと思われます。

………たぶん……。

事業が軌道に乗ればコストは下がると言っていますが、一体どれくらいになるのだろうか……。
なにぶん「1回100円でコインを1枚入れると流れ星が降ってくる」というような気軽なシロモノではないと思います。
せめて一般人の結婚式のお値段程度になると色々な人が楽しめていいと思うのですが、そもそも流れ星の発生源である衛星を軌道に打ち上げるためのロケット代が現時点ではどうしても数十億円かかってしまうため、流れ星そのものも簡単には安くできないものと思われます……。

ともあれ、ここはALEさんとJAXAさんの今後の活躍に期待しましょう。
昔はヨーロッパに行くのに数十万円掛かっていた飛行機代が現在では数万円で済むようになったように、今後ロケットの開発が進むのに伴いロケット代もそれなりに安くなっていくのではないかと思われます、多分。

開発が進めば巡り巡って流れ星も安くなり、はては100円は流石に無理だとしても1000円くらいの値段で1つ、降らせることができる時代が来るに違いありません。