きつねとべっつりコーラのブログ。

きつねとべっつりコーラの2匹が、日々の出来事について思ったことや感じたことをただ淡々と述べていくだけのブログ。生物多め。

よく考えるとぜんぜん安心できない?地球が小惑星の的にしか見えない件

小惑星がニアミス

飛行機同士がぶつかりそうになるほど近づくことを「ニアミス」などと言うのですね。

これは本来ならば避けるべき事態であり、まさに「事故になる一歩手前」の状態なわけなのですね。


そして、このニアミスをするのはどうやら飛行機だけではないようです。


どうにもつい最近我らが地球のごくそばを、小惑星が通過して行ったようです。

headlines.yahoo.co.jp


例の如くヤフーニュースさんの記事なのですね。

きつね、我ながら最近ネットのニュースばかり見ています……。


記事によると、どうやら直径8メートルの小惑星が、16日に地球をかすめたのだそうです。

長野県にある東京大学の木曽観測所が20日にその旨を発表したのですね。


小惑星は月と地球のちょうど真ん中ほど……22万キロ先を未明に通過して行った……のだそうです。


……月と地球の真ん中の距離ですから、結構離れていたのですね。


ですがあまり安心もできません。

ここは既に地球の重力圏内なのですね。

小惑星のスピードがどれほどのものだったのかよくわからないのですが、下手をすると地球の重力に引かれて落ちてきても不思議はない距離だった……と思われます。


もっとも直径がひじょうに小さいですから、落ちてきたとしてもどれほどの被害になるのかは微妙ですが……。


実は実際に衝突していた先日

……小惑星の破壊力については置いておくとして、地球にはこのような星が割と頻繁に向かってくるようです。

同じく20日のAFP通信さんのニュースによると、去年の12月18日にはなんとニアミスどころか本当に小惑星が「落ちてきた」というのですね。

www.afpbb.com


この時は午前11時48分ちょうど(どこ時間だ?)に、ベーリング海に直径10メートルの小惑星が飛来し、秒速約30キロの速さで落ちてきたのだそうです。

小惑星は文字通り巨大な火の玉と化し、その後爆発したようですが、目撃者はいなかったのですね。


……一体どうやってわかったのだろう……と思ったのですが、どうやら核実験を監視するシステムを使って観測したようです。


地球にとって危険な天体は150メートル以上のものであり、今回の小惑星は10メートルと小さかったので、特に大きな問題は起こらなかった……ようです。

ですが爆発により放出されたエネルギーは島型原爆の10倍以上とも言われており、もしこの爆発が地上付近で起こっていたのなら甚大な被害が出たものと思われます。

そういえば以前ロシアのチェリャビンスク上空で隕石が爆発しましたが、あれはさらに2倍以上のエネルギーを持っていたようです。


……こうして考えると小さな隕石でも結構危険……侮れないのですね……。


最近の地球は隕石が多いらしい

そういえば、先日ナショジオさんのサイトで見つけたのですが、2億9000万年前以降、地球に降り注ぐ隕石の量が増えたという研究もあるようなのですね。

natgeo.nikkeibp.co.jp


……残念ながら会員にならなければ全文が読めないようなのですが……(なろうかな)。


なんにせよ2億9000万年前……地球は丁度ペルム紀の真っただ中で、「パンゲア」と呼ばれる巨大な大陸が海に浮かび、哺乳類と爬虫類のちょうど中間ともいうべき「単弓類」と呼ばれる動物が地上を闊歩していたのですね。

ペルム紀末には史上最悪の大量絶滅が起こったということは以前の記事にも書きましたが、なんにせよこの時地球だけではなく宇宙でも何かが起こっていたようです。


そして……どうやらその時に急増した「地球への隕石」が、どうやら今でも続いているようなのですね。


………これは割と由々しき事態なのですね。


下手をすればまた巨大な隕石が地球に衝突し、恐竜時代末期よろしく大量絶滅を起こしかねません。


こ、これは……。

ハリウッド映画が1本できてしまいます。


なんにせよ「隕石衝突による大量絶滅」で知られる恐竜時代末期……つまり「白亜紀後期」は、ペルム紀よりも遥かに後の時代なのですね。

そしてその手前の時代であるペルム紀「隕石が増えた」のだとしたら……。

……もしかして恐竜が絶滅した隕石も、そのせいで地球に来たのかも……。


と、いうことは……。


恐竜絶滅の引き金になったあのユカタン隕石は、実はあれで終わりではなく「数あるうちの1つ」にすぎなかった……のですね。


……大丈夫か、この星……。


割と安心できない地球上

地球のことをよく「水の惑星」だの「生命の揺りかご」だのと表現したりしますが、こうして考えてみると……地球は安心して暮らせる「生命の揺りかご」ではないのではないか……などと思えてくるのですね。

むしろ、小惑星の的」……に見えるのですね。


ただ、地上でも当面は衝突を防ぐために(?)、NASAさんの惑星防衛調整局なる局が現在地球に向かって来そうな小惑星を監視しているのですね。


なんだ、これなら割と安心できそうなのですね。


この監視の眼は素晴らしく優秀なようで、現在も「22日に月より8万キロ近いところをEA2という小惑星が秒速5キロで通過する」という警報が出ているようなのですね。

 

……あれ……。


……安心していいのだか……どうなのだか……。


また、いくら優秀な眼で監視するにしても、さすがに昼の間はできないらしく、また万が一「地球にぶつかる」小惑星をみつけたとしても、今のところそれを迎撃する術は無いのだそうです。


………これは……。

ぜんぜん安心できませんね。


いけません、NASAさんが監視してくれているから大丈夫」と締めくくろうと思ったのですが……現状テクノロジーはそこまで進んでいないようなのですね……。

もし明日NASAさんが「直径10キロの小惑星が地球に向かって接近中」などと言いだし、衝突まで「あと1週間」しかないのだとしたら、これはもうイロイロと諦めた方がいいのかもしれません……。

 

動物が磁気を感じ取る能力「磁覚」 案の定人間にもあったという話

人にも磁気を感じる能力が!

昨日の新聞とヤフーニュースさんの両方で見たのですね。

こちら、ヤフーニュースさんの記事なのですね。

headlines.yahoo.co.jp


渡り鳥や昆虫、一部の哺乳類などの動物が、地球の磁気……地磁気を感じ取る能力があるということは一般的にも知られていますね。

動物が磁気を感じ取る能力のことを「磁覚(じかく)」もしくは「磁気覚(じきかく)」といいます。

以前は人類も磁覚を持っていましたが、今までは進化の過程で退化し、無くなったと言われていたのですね。


ですがこの記事いわく、東大やアメリカのカリフォルニア大学の研究により、人間にもどうやら磁覚が残っているということが判明したそうなのですね。


…………これはあまり驚かなかったのですね。

やっと来たか……という感じでした。


というのも、実はきつね、この話は知っていたのですね。

以前にキツネと人間の磁覚の違いについてちょっと気になったので調べたことがあったのですが、その時に既に何処かのページで見つけたのですね。


どうやら2016年の時点で既に「人にも磁覚がある」という研究結果が発表されているので、研究自体はずいぶん前から行われていたようです……。


……きっと今回の記事は、その研究に新たなる進展があり、正式に人が磁覚を持っていることが証明された、ということなのでしょう。


なんにせよ、やはり人間にも磁気を感じる「第六感」があったのですね。


……「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」の5つの感覚(五感)以外の感覚を「第六感」といいますね。

人間には「磁覚」を除いても既に20以上の感覚があり、その時点で「5つどころではない」ので、磁覚を「第六感」と呼ぶのは厳密には正しくないのですがそれはまぁ置いておきましょう。


とりあえず、そもそも磁覚が一体どういうものなのかがわからないことにはこの研究の凄さもわからないと思うので(?)、まずはそこから書いてみるのですね。


磁覚 Magnetoreception

現在の研究では動物が磁気を感じる方法は2通りあると言われているのですね。

簡単に言うと、

  • 網膜で感じる
  • 脳で感じる

の2つなのですね。


網膜で感じる……というのは、つまり眼の中にある磁気センサーで磁気を「見る」ということなのですね。


ご存知の通り人間の網膜には「光の三原色」と呼ばれる3つの色……すなわち「赤」「緑」「青」を感じる細胞がありますね。

この3つの色の強弱の組み合わせにより、人間に見える様々な色が表現されるのですね。


動物によって感じる光の色は違うので、人間のように「三原色で赤緑青」かどうかはわかりませんが、同じように特定の色を感じる細胞は他の動物の網膜にもあるのですね。

そして青色光波……つまり、「青」を感じる細胞の中には「クリプトクロム1a」と呼ばれるたんぱく質があります。

このたんぱく質に青い光が当たると、信号が発生して脳に送られ、青い光が「見える」のですね。


そしてこのクリプトクロム1aが実は青色光波だけでなく磁気にも反応する性質があり、それによって地磁気が「見える」と言われているのですね。


2番目の脳で感じる……というのは、脳の中に磁気に反応する物質「磁鉄鉱」があり、これが地球の地磁気に反応し、結果が脳に伝わって磁気を「感じる」ことができる、という方法なのですね。

これはカリフォルニア工科大学のジョゼフ・カーシュヴィンク教授が唱えたもので、上記の「クリプトクロム1a」は人間では失われているが、代わりに「磁鉄鉱」を使った磁気センサーがある、という説なのだそうです。

……これは実際どうなのかよくわかりませんが……どうやらカーシュヴィンク教授によるとサケの鼻や渡り鳥のくちばしにもこの磁鉄鉱が入っている……のだそうです……。


………脳だけじゃなかった。


何かに利用できるかも……

ところで、渡り鳥などは網膜にある「クリプトクロム1a」というたんぱく質で光を感じているのでした。

そして人間の網膜にはこの「クリプトクロム1a」は無いのでした。

しかし、どうやら「クリプトクロム1a」と似たような働きをする「クリプトクロム2」というたんぱく質は人間の網膜にも存在しているのですね。

以前マサチューセッツ大学の医学部の研究チームが行った研究によると、渡り鳥と同じく磁覚を持つ昆虫「ショウジョウバエ」の眼のクリプトクロムを、人間のものと挿げ替えた結果、ショウジョウバエはいつもと変わらない磁覚を発揮したのだそうです。

……つまり、「クリプトクロム2」も「クリプトクロム1a」と同じように磁気センサーの役割を果たしているのですね。


そして今回の研究では、人間でも実際に磁気に大して脳が反応を示すということがわかったのだそうです。

つまり、「磁覚」として自覚することが無かったとしても、少なくともセンサーは働いており、そこからの信号を脳は無意識化では受け取っているのですね。


もしかすると、無意識化の意思決定などに影響を与えている可能性があるのだそうです。


実際に反応したのが網膜にあるクリプトクロム2なのか、脳にある磁鉄鉱なのかはイマイチわからなかったそうなのですが、とりあえずその「どっちかあるいは両方」で磁気を感じることはできているのですね。


……今のところこの磁覚が一体何に使えるのかは微妙らしいですが……研究が進めば、もしかしたら何か利用方法が見つかるかもしれないですね。


……その時はどうなるのだろう……「コンパス」が要らなくなるのか知らん……。


いささか気になること

さて……地球の地磁気が現在弱まりつつあるというのはご存知でしょうか。

ここ200年来、地球の磁場はどんどん弱まってきているのですね。


磁場が弱まるのは磁場の向きが逆になる前触れなのではないかと言われています。

地球は現在のところ北極がS極、南極がN極となっている巨大な電磁石ですが、このSとNは過去に何度も入れ替わってきたのですね。

ただ、入れ替わる前触れにしては現在の地磁気の弱まり方は穏やか過ぎるという意見もありますし、実際のところ次回の「地磁気逆転」はもう少し先になりそうです。


ですが、弱まっていることに変わりはありません。


最近ヨーロッパの鳥の3分の1が危機に瀕しているだとか、実際にハトが35年で9割がたいなくなった、だとか、21年でオオカバマダラという蝶が8割消えた、だとか、一部の鳥や昆虫の数が急激に減って来ていますが、それはもしかするとこの磁気の弱まりと関係しているのではないか……とも言われているのですね。


彼らは磁気を頼りに方向を知り、移動しますから、磁気が弱まることで何らかの影響が出るというのは至極当然なのですね。


……迷子になって目的地にたどり着けなくなってしまうのか知らん。

オオカバマダラ渡り鳥のように「渡り」を行うチョウチョなのですね。

ハトは渡らないけど……まぁいいか。


なんにせよ人間にも磁気を感じる力があり、意識はしなくとも無意識化で何らかの影響を受けているのだとしたら、この磁場の弱まりは人間に対しても何らかの影響を与えるのではないか……。

……などという意見もあるのですね。

 

方向を知る、という意味では人間にはコンパスがありますから、あまり影響は出ないと思われます(コンパスが反応しないほど磁気が弱まれば話は別ですが……)。

ですが磁気が方向を知る以外に一体何の影響を与えているのか、それがわからないかぎりは何が起こるかも予測できませんね……。

口の形で言語が変わる?でもさすがにそれだけじゃないでしょう

6500を超える世界の言語、食生活の変化で多様化?

世の中の言語というものは実に多様なのですね。

日本語、英語、中国語、韓国語、イタリア語、フランス語、ラテン語エスペラント語……ざっと思い付くだけでも相当な数の名前が出てきます。

世界に幾つの言語があるのか、正確な数はさすがに誰も数えることができないので、言語学者たちの間では長年議論の的となっていますが、一説には6500~8000以上あるのではないかと言われているようです。


さて……、1つの言語はいくつもの「音」の組み合わせでできていますが、その1つ1つの「音」のことを「音素(おんそ)」というのですね。

日本語ならば母音である「a」「e」「i」「o」「u」と、子音である「k」「s」「t」「n」「h」「m」「y」「r」「w」「p」「b」などが音素ですね。
(日本語の文字では音素を直接表すことができないので、音素を表せる音素文字であるラテン文字アルファベットを使うのですね。)


外国語を学んだことがある人なら知っていると思うのですが、どんな音を「音素」に採用しているかは言語によって違いますね。

たとえば英語やエスペラント語には「f」や「v」という音がありますが、これらの音は日本語には無いのですね。


……若い人たちは外国語に慣れているためか「ファ」や「ヴァ」といった表記を見てごく当たり前に「fa」「va」と発音できますが、本来これらの音は日本語では「hua」「ba」で代用するのが普通だったのですね。私もちっとも知りませんでしたが。


なんにせよ……今日はこの「f」と「v」についてなのですね。
(もしかして始めてこのブログで言語学の話が出たかもしれない……?)


昨日の夜、ナショジオさんの記事を見ていたのですね。

すると非常に興味深いニュースを見つけてしまったのですね。

natgeo.nikkeibp.co.jp


なにやらスイスのチューリヒ大学の言語学者のチームが、3月15日付けのアメリカの学術誌「サイエンス」に論文を発表したのだそうです。

それによるとどうやら遠い昔、人類の食生活が変ったことにより、唇歯音……つまり、「f」や「v」などの音が生まれたのかもしれない……のだそうです。


……「f」と「v」が食生活の変化で生まれた!?


一体どういうことなのでしょう。とてつもなく気になったので読んでみたのですね。


食生活の変化→歯並びの変化→音の変化

論文を書いたのは言語学者ダミアン・ブラーシさんという方なのですね。

どうやら食生活が変わることで歯並びが変わり、それが言語に影響を及ぼした可能性があるのだそうです。


農業が始まる以前、人類はみんな野生で自生している植物や動物を獲って食べる……いわゆる「狩猟採集生活」をしていたのですね。


……つまり、野生の動物と同じ生き方なのですね。


ですが1万年ほど前に農業というものが始まり、食べ物を自分で作れるようになっただけでなく、おかゆやチーズなどの「やわらかいもの」を食べるように食生活が変化したというのですね。


そしてこのことが人類の歯並びに変化をもたらしたようです。


どうやら狩猟採集生活をしていたころの人類はみんな「かたいものを食べていた」ので、「上の前歯と下の前歯がきっちりかみ合う」歯並びをしていたらしいのですね。

それが「やわらかいものを食べるようになった」結果、「下の前歯よりも上の前歯の方がやや前に出ている」という現在のスタンダードな歯並びになっていったのだそうです。


そしてこのことが言語に革新的な(?)変化をもたらし、新たなる音である「f」と「v」の誕生につながったのではないか……と、論文では考えているのですね。


問題の「f」と「v」

まず、前提として……。

「f」と「v」はそれぞれ、日本語で言うところの「清音と濁音」のような関係なのですね。

厳密には「無声音と有声音」といい、それぞれ「声を出さずに発音する音」と「声を出しながら発音する音」なのですね。


ですがそれ以外……発音するときの口の形はおんなじなのですね。


つまり、両方とも「下の唇の上に、上の前歯を乗せる」という発音の仕方なのですね。

そのまま「声を出しながら息を吐く」と「v」に、「声を出さずに息を吐く」と「f」になります。


これは試しに「下の唇の上に、上の前歯を乗せる」構えのまま、交互に声を出したり出さずに息を吐いたりを繰り返すと、自然と出てくる音が「v」「f」になるのことでもわかりますね。


また、これと似たような音に「b」と「p」があるのですね。

これらは「両唇音」と呼ばれる分類に属する音で、それぞれ日本語の「バ行」と「パ行」であり、「有声音と無声音」の関係なのですね。


そしてこれらは両方とも「下の唇と上の唇を合わせた」状態で発音するのですね。


……なんだか「v」と「f」に似ていますね。

合わせるのが「唇と唇」か、もしくは「唇と歯」かの違いなのですね。


実際「b」と「v」、「p」と「f」を区別しない言語もあり、かくいう日本語でも上に書いたように本来ならば「va」は「ba」と発音されるのですね。


そして論文では、「下の前歯よりも上の前歯が前に出るようになった」ことにより、「b」や「p」のような音の中から(おそらくはそれを発音しそこなって)「v」や「f」が生まれたのではないか……と言っているのですね。


……なるほど、全体的に「上の前歯と下の唇」の位置関係が前後にずれたため、音の発音方法もそれに伴ってずれたのではないか、ということなのですね。

これは非常にわかりやすい……!


言語が生物学的要因によって変化するという証拠!?

さて……論文の作者であるブラーシさんは、「私たちの研究をきっかけにして、言語の特徴の一部が生物学と文化の間にあるものとして研究されるようになってほしい」と言っているのだそうです。


今まで言語とはその土地ごとの文化と共に多様化していったと考えられていたのですね。

ですがこの研究により、言語とは文化だけでなく、少なくともその一部は生物学的な体のつくりにより……つまり、物理的な発音器官(口など)の形により、どうなるかが決まる……という結論に至ったようです。


………え………?


……それって当たり前のことなんじゃあ……。

そもそも人間の言語とは人間が発音しやすいようなつくりになっているはずなのでは……。


人間以外で人間のように高度な音声言語を持っていると言われているのはクジラやゾウの類ですが、彼らは言うまでもなく彼らにしか発音できない音で会話をしているのですね。

つまり、たとえ相手の言語を知っており、会話をしようとしたとしても、人間やクジラはゾウの言葉を発音できませんし、また人間もゾウもクジラの言葉を発音できません。

また言うまでもなくクジラもゾウも人間の言葉を話せないのですね。たとえ聴いて理解することができたとしても。


つまり、言語とはそもそもそれを使う動物の発音器官の特徴に合ったものであるはずなのですね。


………それともそういう「人間対他の動物」というようなスケールの大きな話ではなく、「同じ人間同士の間で」という意味なのでしょうか……。


……「口の形によって言葉が変わる」仮説のスケール感についてはよくわかりませんが、なんにせよこの仮説は元々ブラーシさん以前にも、1985年に言語学者のチャールズ・ホケットさんという方が調べていたものなのですね。

ただ、その後どういうわけか撤回されているようです。


また、ブラーシさんも元はといえばこの仮説を否定するために研究を始めたようなのですね。

ですが……どうやら調べれば調べるほど、仮説を肯定するしかなくなってきたのだそうで、ブラーシさん達は今となってはすっかりこの仮説の支持者なのですね。


否定的な意見も

ただ、少し前までのブラーシさん自身がそうであったように、多くの言語学者はこの仮説には懐疑的なようです。

その根底には言語の違いが物理的な口の形に由来し、つまるところ遺伝子の違いに由来するという考え方は、自民族中心主義につながってしまうという懸念があるようです。


……おそらく「口の形によって言葉が変わる」説を採用してしまうと、ある言語が世界規模で広まった時に、その言語を母語としていた人たち……つまり、「その言語に合った口を持っている人たち」が「自分たちの方が遺伝子的に優れている、今世界中で大人気のこの言語にぴったりな口を持っているのだから」などと言い出しかねない、ということなのだと思います。たぶん……。


そのため現在の言語学においては、人は皆「言葉を話すための同じ生物学的ツールと発声能力」を持つ……つまり、「誰もが皆その気になれば、どんな外国語でもちゃんと発音できる」という考えが中心となっているようです。


実際にブラーシさん自身も「『口の形によって言葉が変わる』説は、言語に対する文化の影響を否定するわけではない」と強調しているのですね。


つまり、あくまで「言語とは生物学的な口の形の違いと、文化の違いの両方に影響を受ける」ということなのですね。


……私も大いにそう思うのですね。

結局は両方なのでしょう。


なぜなら、生物学的に近いであろう民族同士の言語の間にさえ、その音素には相当な違いがあるのですね。


つまり、言語が「100%口の形によって決まる」のであれば、「異なる人種の言葉の間には差異があり、同じ人種の言葉同士なら同じような音になる」はずですね。

……つまり、たとえば「ヨーロッパの言葉とアジアの言葉は音素が異なっているが、ヨーロッパの言語同士、またアジアの言語同士は同じような音でできている」というようなことになるはずです。


ですがこれらの言葉を知っている方ならわかる通り、実際は違うのですね。


同じヨーロッパ言語でも、英語とイタリア語、ドイツ語の音素は同じではありません。

またアジアの言語同士でも、日本語と韓国語、中国語は全く違う音からできています。

むしろ実際はイタリア語と日本語の母音が両方とも「a」「e」「i」「o」「u」の5つであったり、中国語とギリシア語に共通の音があったりなど、ありえないはずの共通点がわりとふつうに存在していたりするのですね。


つまり、言語とは一概に生物学的要因……つまり口の形だけによって決まるものではない、ということなのですね。少なくとも同じ人間の言語同士では……。


……また私自身、常日頃から生物学の常識に同じく「言語や人種、民族といったものに優劣は存在せず、全てが必要だからこれほど多様化しているのだ。したがってどれか1つの言語だけがみんなの中心となるというのは間違っている」という考えを持っているということを、ここで断っておくのですね。


まだまだ続くブラーシさんの研究

さて……、ブラーシさんの研究チームはこれから古代の言葉の音素がどのようなものだったかを再現し、カタログにしていくのだそうです。

なんだか色々と奥の深そうな分野ですが、これによってもしかすると今度は「文化が言語にどのような影響を与えるのか」がわかってきたりするのかもしれません。

もしかすると「魚を食べる国だと、それで歯並びが変わるわけではないが、なぜか母音がこうなる!」みたいなことがわかったりして……。


……なんにせよこんな研究……面白すぎて目が離せないのですね。

灯台下暗し?水族館に10年以上前からいたエビが実は新種だったと判明した件

美ら海水族館の新種エビ

……そろそろ節足動物の話はやめにして、他の話題を探そうと思ったのですが……。


どうにもこちらに戻ってきてしまうのですね。


沖縄県にある美ら海水族館をご存知でしょうか。

ここはマンタやジンベエザメを世界で初めて長期にわたり飼育し続けたことで知られており、私も昔修学旅行で行ったことがあるのですね。

前々からいろいろ話を聞いていたので、噂のマンタとジンベエザメが巨大水槽の中を泳ぎ回るのを実際に見たときは非常に感動しました。


……さて……、問題の節足動物です。


この美ら海水族館で長年飼育されていたエビが、実は新種だったと最近になって判明したそうです。

こちらに地元の新聞である琉球新報さんの記事があるのですね。

this.kiji.is


どうやら水族館で10年以上にもわたり「ミナミツノコシオリエビ」というエビとして展示されていたエビが、実は全く新しい種類だったというのですね。

事のてんまつはことし2月に「ズータクサ(Zootaxa)」に論文として発表されたようです。


ズータクサは以前書いた「皇居で新種のダニが発見された」という記事にも出てきた動物分類学の学術誌です。

「Zoo(動物)」+「taxon(分類)」で「Zootaxa」なのですね!上手い!(?)

分類学の学術誌だなんて、私としては非常に興味をそそられてしまうのですね。


とりあえず、論文自体はここから読めるのですね。

www.mapress.com


……相変わらず「字が小さくて読めない!」……のですね。

また全文を読むには案の定会員登録が必要なのですね……とりあえず「Abstract(概要)」だけならこのままでも読めますが……。


なんにせよ問題のエビは2匹いるようで、今回新たに「シマツノコシオリエビ(Eumunida balteipes)」という名前が与えられたようです。

……琉球新報さんの記事には「じつは新種の『シマツノコシオリエビ』だったということが判明した」というように書かれていますが、そもそも新種だとわかった時点では名前が無いはずなので(だから新種なのですが……)、この名前は新種だと判明した後で付けられたものと思われます。


とりあえず、現在展示されているこの2匹の子たちは10年以上前、久米島沖水深612メートル地点に設置されている沖縄県海洋深層水研究所さんの取水口からくみ上げられ、その後美ら海水族館で飼育されるに至ったようです。


………ポンプでくみ上げられた……。


なんともシュールで唐突な出会いなのですね。

まるで「夕食のおかずを釣りに行ったら魚じゃなくてベッツリコーラが釣れた」というのと同じくらい唐突なのですね。


……出会いも含めてなんだか色々と気になるシマツノコシオリエビなのですね。


それにしても一体どういうエビなのでしょうか。


それを知るためにはまず上位分類である「コシオリエビ」というエビについて知る必要がありそうです。

なのでまずはそこから調べてみるのですね。


コシオリエビについて

コシオリエビとは、

動物界-節足動物門-甲殻亜門-軟甲綱(エビ綱)-十脚目(エビ目)-異尾下目(ヤドカリ下目)

のうち、

コシオリエビ上科(Galatheoidea)
ワラエビ上科(Chirostyloidea)

……に属する甲殻類の総称なのですね。


……「ヤドカリ下目」という分類を見てわかる通り、エビと言いつつ実はエビではなくてヤドカリの仲間なのですね……。


……上で思い切り「エビ」と呼んでしまったのですね。
これからは「ヤドカリ」と呼ぶようにせねば……。


それにしても紛らわしい。
この仲間にはタラバガニやヤシガニという「ヤドカリなのに名前に『カニ』と付いている」ものがいますが、このコシオリエビも「ヤドカリなのに名前に『エビ』と付いている」のですね。


……おそらくヤドカリ下目はカニとエビの中間を行く分類群に違いありません。


ちなみに英語ではsquat lobster(シャガミウミザリガニ)」というそうです。……スクワット……。


なんにせよコシオリエビは、その名の通り腹部が常に曲がっているのが特徴で(まさに「海老」?ヤドカリなのに!)、カニのような長いハサミと、見た目は6本しか見当たらない歩脚(足)があり、触角は長いのですね。


……なんともカニとエビのいいとこどり」をしたようなデザインですが、あの長いハサミは個人的にはカニというよりプテリゴトゥス科のウミサソリの鋏角に見えるのですね……。


とりあえず、これらが「コシオリエビ」という生き物の共通の特徴のようです。


シマツノコシオリエビ

さて、問題のシマツノコシオリエビなのですね。


美ら海水族館の子たちはコシオリエビの中でも「ツノコシオリエビ」というグループに属し、分類階級としては

ワラエビ上科-ワラエビ科-ツノコシオリエビ属

となるようです。


水族館の子たちが間違われていた種である「ミナミツノコシオリエビ(Eumunida pacifica)」も、今回の発見である「シマツノコシオリエビ(Eumunida balteipes)」も、和名の通り同じ「コシオリエビ属」に属しているのですね。


また琉球新報さんの記事によると、この「ツノコシオリエビ属(Eumunida属)」は全世界で25種発見されており、今回発見されたのは26種目となるのだそうですが……。


……Wikipediaの記事には「ツノコシオリエビは29種が発見されている」と書かれているのですね。
こちら、ツノコシオリエビ属に関する記事なのですね。

en.wikipedia.org


残念ながら日本語版が存在しないのですね。
まぁこの程度の英語なら読めますけど……。

なんにせよ、Wikipediaの方が正しいのだとすると、これは世界で30種目のツノコシオリエビ属となるのですね。


……Wikipedia琉球新報さん、どちらが正しいのかはこの際置いておくとして、今回のシマツノコシオリエビが新種であることには変わりありません。


また、「シマツノコシオリエビ」という名前は、脚部の「縞模様」に由来するようです。

つまり、「縞角腰折り海老」なのですね。

……てっきり漢字表記は「島角腰折り海老」で、沖縄で発見されたからこの名前になったのかと思っていました……。

見た目はミナミツノコシオリエビとよく似ており、両方とも足に縞模様があるところまでは一緒なのですね。


……きっとこんなにそっくりだから、10年以上も間違えられてしまったのですね。


美ら海水族館で会える!

さて、ここまで調べたからには、この子たちに会いに行きたくなってしまうのですね。


2匹は10年以上前から美ら海水族館にいるといいますから(けっこう長生きなのですね!)、昔私が修学旅行で現地に行った時には既にいた可能性がありますし、もしかしたら遭遇していたのかもしれません。

ですが当時はこのような新種だとは誰も思ってもいませんでしたし、私自身も遭遇したとしてもごく普通の「エビ」としてスルーしていた可能性があるのですね……。


なので当時の雪辱を晴らすべく(?)、改めて美ら海水族館に行ってみたいのですね。


……ですが沖縄県……。

場所が場所だけにとてもじゃありませんが気軽に行くことはできません。

以前書いた和歌山県のエビとカニの水族館ですら行くのをためらうほどなのに……。


……とりあえず、残念ながら私は当分ここには行けなさそうです。


ですが近くに住んでおり、また甲殻類に興味がある方は是非行ってみるといいと思うのですね。


海洋深層水研究所のポンプでくみ上げられたコシオリエビ……おまけに新種だなんて、面白すぎるのですね。

座りすぎで、人が死ぬ!ぜんぜん他人事じゃない座りすぎな日本人

けさニュースサイトを見ていたら、なにやらオソロシイものを見つけてしまいました。

headlines.yahoo.co.jp


……例の如くヤフーニュースさんのページです。

……なんだか最近こればかりのような……。


記事によると、なんと長時間座り続けることにより健康を害し、結果「座りすぎて」死んでしまうひとが毎年43万人はいるとのことです。


……座りすぎて人が死ぬ!?


なんだか予想の斜め上を行く死因ですが、言われてみればそうなのかななどとも思える気がします……。

そういえばついこの前読んだ朝日新聞さんの「天声人語」(だったかな?)に、大臀筋(お尻の大きな筋肉)は歩いたり走ったりするためにあるのであって、椅子に押し付けるためにあるのではない……みたいなことが書かれていたのですね……。


そしてどうやらこの「座りすぎ」による死亡は、日本人にとっても切っても切れないことのようです。


なぜならそもそも日本人は世界的に見ても「座りすぎ」の傾向があるそうなのですね。


とりあえず、それについて以下にいろいろ書いてみたのですね。

長くなりそうなので目次を入れてみるのですね。

 

 

もくじがわからない……。

日本人は、座りすぎ

2018年10月18日の「週刊朝日」に、世界20か国の平日の「座っている時間」の平均のグラフが掲載されたそうです。

こちらがそのグラフなのですね。

dot.asahi.com


20か国の「座り時間」を分単位で棒グラフで表し、降順に並べたものなのですが……なんと、日本はサウジアラビアと並んで1位です!

その時間はというと、あろうことか1日に7時間以上も座っているというのですね。

20か国の平均「座り時間」は5時間程度ですから、これはかなりの長時間なのですね。


どうやら日本人の(サウジアラビア人も?)勤勉な性格が、長時間労働、ひいては「長時間座り」に繋がってしまっているのではないかと言われているようです。


……そういえば……。

私がブラック企業に勤めていたころは、往復二時間弱の通勤時間があったものの、会社にいる間は一日中座りっぱなしだったのですね。

徹夜になった日なんかは言うに及ばず、寝られた日でも会社に仮眠室などは無かったので、必然的にデスクに座ったまま寝ていたのですね……。


少なく見積もったとしても、当時は起きて仕事をしていたのが13時間強、寝ていたのが3時間ほどでしたから、単純に考えてもおそらく1日16時間程度は座っていたことになります……。


……今から思えばなんと不健康な!


実際「1時間座ると余命が22分短くなる」だの「1日11時間以上座ると死ぬリスクが40%増える」だのとと言われているのだそうです。


………なんと!
5割近い確率で死亡フラグが!


と、いうことは……。

あの時の私は文字通り「死と隣り合わせ」だったのか……!!!!


……会社辞めますか?それとも人生辞めますか?


……会社辞めてよかった!!!

 

座りすぎがいけない理由

さて……、日本人が「座りすぎ」で、そのため「健康的によろしくない」ということはよくわかりました。

ですがそう言われましても、「座りすぎる」と具体的に何がどうなるのか、これだけではよくわからないのですね。


とりあえず、いろいろ調べてみたのですね。

まずは座りすぎることによって一体ナニがドウなるのかを書いてみるのですね。


座りすぎるとどうなる?

「座りすぎ」によって引き起こされる健康被害……「万病のもと」?……は、一言で言うと、

  • 血行が悪くなる
  • 体の代謝が衰える

の2つなのですね。


鍵はどうやら太ももの筋肉である大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」と、「ハムストリングスにあるようです。


……などと解剖学の名称で言われてもあまりピンとこないと思うので、とりあえずこれらの筋肉についてざっと書きますね。


大腿四頭筋はその名の通り、「大腿部(太もも)にある四頭筋(頭が4つに分かれた筋肉)」なのですね。

ヒンズースクワットで鍛えることができる、アレです。

「頭」というのは「起始」ともいい、筋肉の末端のうち「体の中心に向いている方」なのですね。
つまり、足の筋肉の場合は「足の付け根側」が「頭」になるのですね。

大腿四頭筋は太ももの、座った時に上を向く側にありますが、「頭」がそれぞれ、ももの内側にある「内側広筋(ないそくこうきん)」、外側にある「外側広筋(がいそくこうきん)」、真ん中を通る「中間広筋(ちゅうかんこうきん)」、中間広筋の上を通る「大腿直筋(だいたいちょっきん)」の4つに分かれています。
この4つの筋肉を合わせて「大腿四頭筋」というのですね。

もう片方の末端である「停止」つまり「尻尾」は1つしかなく、膝蓋骨を経由して脛骨……つまり、「脛の骨」に繋がっているのですね。


そのためこの筋肉が縮むことで、膝を伸ばしたり立ち上がったりすることができます


そしてこの大腿四頭筋の反対側にあるのが、通称ハムストリングス」と呼ばれる筋肉です。

ハムストリングス」は3つの筋肉(数え方によっては4つ)をまとめて呼ぶ名前で、それぞれ「半腱様筋(はんけんようきん)」「半膜様筋(はんまくようきん)」「大腿二頭筋(だいたいにとうきん)」という個別の名前が付いているのですね。


……余談ですが日曜劇場の「陸王」を見ていた人なら「半腱様筋」という名前に聞き覚えがあると思うのですね。
物語の鍵を握るマラソン選手の茂木裕人さんは、この筋肉の怪我がきっかけとなり怪我をしにくいランニングシューズである「陸王」を履くことになりました。


これら半腱様筋も、他の2つと合わせて大腿四頭筋と逆の役割を持ち、膝を曲げる働きをします(厳密にはもう少し複雑ですが……)。


筋肉は「自力では縮むことしかできない器官」ですから、必然的に「関節を伸ばす筋肉」と「関節を曲げる筋肉」とが対になっているのですね。


また、大腿四頭筋は人体の中でもっとも大きい筋肉なのだそうです。


……人体最長の筋肉は同じく太ももにある「縫工筋(ほうこうきん)」ですし、見かけ上の大きさならば大腿四頭筋よりもどう見ても背中から腕を動かす「広背筋(こうはいきん)」の方が大きいので、ここでいう「大きい」とは「体積の大きさ」だと思われます。


そして立ったり歩いたりすることにより大腿四頭筋が動くと、血液中から糖や中性脂肪などの物質が筋肉の細胞に取り込まれ、エネルギーに変わる代謝が起きるようです。

またこれによる代謝大腿四頭筋だけでなく、どうにも大腿四頭筋の動きが引き金となって全身の筋肉で起こるようなのですね。

そのため、逆に座ってしまうことで大腿四頭筋が動かなくなってしまうと、全身規模で代謝が鈍ってしまい、その結果血液中の糖や中性脂肪が増えてしまうのですね。


……他の部分を動かしても大腿四頭筋が動かなきゃだめということか!


また座ることにより大腿四頭筋が動かないだけでなく、反対側にあるハムストリングスが椅子に押し付けられて圧迫され、血液循環が悪くなるため、心臓への負担が増えるのですね。


……なるほど、詰まった鼻で息をすると肺や横隔膜や肋間筋に負担がかかるようなものか(なんか違う気が)。


なんにせよとある実験結果によると、5分座ると血流速度が急激に下がり、30分間座り続けると70%も低下するそうなのですね。


……「70%『に』なる」じゃなくて、「70%『も』下がる」、だって!?

それはつまり「30%になる」ということなのですね!!


……そういえば……。

上に書いたことは、あくまで「普通に椅子に座った状態」での話なのですね。


……当方いつもこのブログの記事を書く時は小さなテーブルの前で「正座」しながら作業しているのですね。

何せ和室に住んでいるので……普通の椅子に座れないのですね。


こ、これは……。

普通に椅子に座るよりハムストリングスが圧迫され、より健康に悪そうです……。

我ながらなんとかせねば……。


なんにせよ……、「座る」ことにより「代謝が悪くなってしまう」ということはわかりました。

代謝となすなわち生命の基本活動ですから、これが「悪くなる」という時点で、なんだか不健康な匂いがプンプンするのですね。


どんな病気になる?

さて……、「座りすぎ」はじつは早くも(?)2000年頃から問題視されていたそうなのですね。

……ちっとも知りませんでした。

2012年時点のWHOさんの発表によると、「座りすぎ」は喫煙やアルコール、偏った食生活などとならび、

……などの病気の原因となるのだそうです。


……いわゆる生活習慣病ですね。しかもどれもこれも下手をすると命に係わるものばかりです(そもそも生活習慣病ってそうだったか知らん)。

どうやら血行が悪くなることで初めに血液がどろどろになり、それが長期間続くことによりこれらの病気を併発するようです。


その結果、毎年全世界で46万人もの人が亡くなってしまうのですね。


これを避けるためには、毎日今より2時間、理想を言うなら4時間、座っている時間を減らし、立ったり歩いたりする時間に充てるのが望ましい……とも言われているようです。


……そういえば、最近高いデスクに立ったまま向き合ってデスクでの仕事をする……いわゆる「スタンディングデスク」を取り入れている職場が増えていると聞きますが、これにはそういう背景があったのですね……。


このスタンディングデスク、働き方改革と一緒に日本でも実践する企業が出てきているようです。

ただ、あくまで大手IT企業や外資系の会社が中心であり、末端の中小企業にまで浸透しているのかどうかはわからないのですが……。


どうすればいいのか

さて、「長時間座り続けることにより、血行や代謝が悪くなり、生活習慣病にかかりやすくなる」ということはわかったのですね。

では具体的にどうすればいいのでしょうか。


……「座りすぎ」が問題なのだから、単純に考えると上に書いたスタンディングデスクのように「立っていれば」いいのでは……などと思うのですが……。


とりあえず、ここでは国を挙げて「座りすぎ対策」に乗り出している「座りすぎ対策先進国」、オーストラリアを参考にするのですね。


オーストラリアの対策

……上のグラフを見るかぎりではオーストラリアの「座り時間」は4時間ほどで、特に問題は無いように思われます。


こんなに少ない座り時間……しかも平均以下の国でも、国を挙げて対策をしてるのですね……。

きっとオーストラリアは高得点を獲得しつつもおごらずに努力を続ける真面目な国民性なのでしょう。


……などと思ったのですが、実際はどうやら「平均以下でも対策を怠らない」ではなくて、「対策をした結果、平均以下になった」であるようです。

ちょっと前まではオーストラリアも「勤務時間の8割を座って過ごす」状態だったらしく、「座りすぎ」が問題視されていたのですね。

そこから努力を続け、平均以下の座り時間にまで減らしたようです。

つまり、この少ない数値はおそらく対策のたまものなのでしょう。


実際オーストラリアでは官民一体となり、「座りすぎ防止キャンペーン」を展開しているだけでなく、2014年の時点で小学校に「高さを自由に調節できる机」が導入され、1日30分以上は立って過ごすようにしていたり、職場で1日2時間以上は立って過ごすことが推奨されるなど、やっぱり努力を怠らないのですね。


スローガンは「オーストラリア人よ、立ちあがれ(物理的に)」だそうです。


……日本もやりましょう!


日本ではどうするべきか

……ともあれ、物理的に「高さが変わる机を全国規模で導入する」というのは少々ハードルが高い気も……。

ですが日本人の「座りすぎ」問題は深刻そうです。


上に書いた私の例は(ブラック企業なので)例外であり、論外だとしても、「座って仕事をするのが当たり前」「仕事中はずっと座りっぱなし」という意味ではあれはおそらく今のサラリーマンたちの「日常」に違いない!


そして日本では、働く人のうちおよそ85%がサラリーマンだと言われていますから、この数値は大半の日本人に対して当てはまるということになるのですね。


……つまり、「サラリーマンの問題」はそれすなわち「日本人の問題」………なのですね。


いかぬ、日本のサラリーマンたちの健康で文化的な最低限度の生活を守るためにも、この状況は何とかせねば……!


オーストラリアのように全国規模でやるのが難しいなら、まずは草の根から……つまり、それぞれの個人が気を付けるしかありますまい!


とりあえず対策としてはヤフーニュースさんの記事の最後に書いてあるのですね。

つまり、少なくとも1時間に一度、5分間……理想を言えば30分に一度、3分間、立ちあがって歩き回るのが良いようです。

歩き回るのが難しい場合、その場で立ち上がって踵を上げ下げ……もしくはスクワットをするといいのだそうです。


……社内でいきなりそれをやるのは相当目立つ気がするのですが、これは会社全体でそういう時間を設ければ問題無さそうです。

もしくはどうしても立ち上がることができない場合は、その場で踵を上げ下げしても効果がある……のかどうかはわかりませんが、やらないよりはマシかもしれません。


なんにせよ大事なのはこまめに歩き回ることなのですね。

せっかく一日の中に「通勤通学」という運動の時間を設けていたって、それ以外の大半の時間を座って過ごすなら意味が無いそうです。


こ、これは……。

……日本人よ、立ち上がれ(物理的に)!!


………なのですね。

感染率が10倍に?カツオとアニサキスの謎の関係

間もなくカツオが旬。寄生虫にはご用心

そろそろ初鰹の時期ですね。

カツオは春と秋に旬を迎えることで知られており、秋のものを戻り鰹、春のものを初鰹などと言うのですね。

これはカツオの春になると黒潮に乗って北上し、また秋に戻ってくるという習性に由来し戻り鰹は脂が豊富で、逆に初鰹は脂が少なくカツオ本来の味が楽しめるのですね。


さて、旬を迎える前に気を付けなければならないことがあるようです。

いつぞや世間を騒がしたあの寄生虫による食中毒の件数が増えてきたらしいのですね。


先日3月13日に厚生労働省が2018年の食中毒の報告件数を発表したそうです。

そしてその原因として最も多かったのが、魚に寄生することで知られている寄生虫アニサキスによるものだったのですね。

アニサキスの報告件数は、2014年時点では79件とかなり少なかったようですが、その後年々増加し、2017年は230件、去年2018年は468件と倍増。2018年と2014年とで比べるとなんと6倍にもなったのですね。

その結果ノロウイルスなどのウイルスや細菌を追い抜き、はれてアニサキス食中毒の原因第1位となったようです。

これはアニサキス史上初めての快挙なのですね(?)。


また魚別にみると最も多かったのがカツオで、2017年は10件しか報告されていなかったカツオのアニサキス中毒の件数が2018年には100件と10倍になっていたのですね。


………アレ、カツオにも感染するんですね……。

てっきり白身魚だけかと思っていました。


……調べてみるとどうやらイカやサバなど白身魚以外の魚介類にも感染するようです。

そうとは知らずに「カツオは大丈夫だよね♪」などと言いながらスーパーで売られていたカツオのたたきを何のためらいもなく口にしていたあの頃……考えてみると恐ろしいですね。


それにしても、どうしてたったの数年でここまで件数が増えてしまったのでしょうか。

特にカツオは10倍と凄まじい増えようですが、一体カツオに何があったのでしょう……。


……それについて知るためにはとりあえずアニサキスについて知る必要があると思われるので、とりあえずその辺りから調べてみたのですね。


アニサキス

今回の主役(?)、アニサキスとは、

動物界-線形動物門-双腺綱-回虫目-回虫上科-アニサキス科-アニサキス

に属する線形動物のことで、学名を「Anisakis」というのですね。


………そのまんまじゃん。


どうやら和名が存在せず、そのまま学名で呼ばれているようなのですね。


また「アニサキス」というのは属名なのですね。

属名というのはキツネやタヌキ、イヌやイタチといったように生き物の大まかな種類を表す名前ですから、必然的にその下にさらに細かい区分である「種」があるのですね。

アニサキスはどうやら現在6種が知られているようで、人間に感染して食中毒(アニサキス症)を引き起こすのは

Anisakis simplex(アニサキスシンプレックス
Anisakis physeteris(アニサキス・ピュセテリス)

2種類だけのようです。

………どうやら似たような症状を引き起こす「シュードテラノバ(Pseudoterranova)」という虫がいるそうなのですが、とりあえずこれはシュードテラノバ属であり、同じアニサキス科であってもアニサキス属ではないので、とりあえずここでは考えないことにしましょう。

なんにせよ我々の宿敵である扁形動物門のエキノコックスもそうですが、このテの寄生虫みんなかなりややこしいライフサイクルを持っているのですね。

アニサキスに関しても例外ではなく、上の2種類の場合はこのようになっているのですね。

  1. 海の哺乳類(最終宿主。上の2種の場合は両方ともクジラ)の糞と一緒に、卵が海中に排泄される。
  2. 卵が育ち、「第二期幼虫」が生まれる。第二期幼虫は海の中を泳ぎ回り、オキアミなどの甲殻類に「食べられる」。
  3. 甲殻類に食べられると、第二期幼虫は育って「第三期幼虫」になる。
  4. 第三期幼虫が感染している甲殻類が、魚やイカなどに食べられる。
  5. 甲殻類の体から抜け出した第三期幼虫は、甲殻類を食べたイカや魚の筋肉に移動する
  6. 食物連鎖の過程で、第三期幼虫は魚から魚へと渡り歩く
  7. 最終的に寄生していた魚がクジラに食べられると、その体内で2回脱皮を繰り返し、成虫になる


…………ややこしいよ!!!


……進化の過程で一体何がどう間違ってこんなにややこしいライフスタイルを確立するに至ったのかは謎ですが、なんにせよ肝心なのは……アニサキス複数の宿主を梯子して寄生するのですね。

そして次の宿主に感染しなければ成長できないのですね。

……食べられることで成長するというのもなんだかアレですが……。

なんにせよ、人間がうっかり食べてしまうのは魚に感染した状態の「第三期幼虫」であり、第三期幼虫は最終宿主(つまりクジラ)に食べてもらうことで、初めて成虫になることができるのですね。

ですが人間に食べられても大人になることはできず、またサカナのような中間宿主でもないため筋肉へも移動できず、結果どっちつかずの状態で消化管内に留まり、数日で死んでしまうか、もしくはそのまま排泄されてしまうのですね。


万が一食べてしまったとしても大体は何事もなく死滅もしくは排泄されてしまい、症状が出ることはないらしいのですね。

ですがさらに万が一、いなくなるまでの数日の間に、アニサキスが胃壁などに咬み付くと、アレルギー反応を起こして腹痛や吐き気がする……これが「アニサキス症」なのですね。


………アレルギーなのか……。


てっきり胃袋に咬み付くために物理的な痛みが生じるのだと思っていました……。

なんにせよアニサキスの本来のライフサイクルでは第三期幼虫はクジラに食べられることが前提であり、人間に食べられるのは想定外の事態なので、きっと食べられたアニサキス本人もどうしたらいいかわからず困ってしまうのでしょう。

これはきっとアニサキスにとって、地球を目指して進んでいたはずの宇宙船が、うっかり火星に不時着してしまうのと同じくらいまずいことなのですね。

正規の宿主以外の体の中に入ってしまうと病気を引き起こしてしまうというのは、エボラウイルスエキノコックスもそうですが割とよくあることなのですね。

……ちなみにアニサキスはクジラの体内では特に何もしないようです。

というより、クジラにとってはアニサキスが消化管に住んでいるのは当たり前らしく、もはやわれわれにおける「腸内細菌」のような状態になっているものと思われます。

……「寄生」か「共生」かの違いがありますが………。


なんにせよアニサキス症……彼らのこの妙なライフスタイルと関係していたのですね。


とりあえず、アニサキスが物理的に胃壁に咬み付いて起こる症状ですから、内視鏡で物理的に摘出してしまえば治るのですね。

すんなり治るところはエキノコックス症に比べればずっとマシなのですね。


それにしても………線形動物なんてぜんぜん縁が無い動物なのですね……。

ほとんどの線形動物は地中などで自分で活動し、寄生はしないそうですが、この仲間にはアニサキスのように他の動物に寄生して生活するタイプのものも少なからず存在しているようです。


また線形動物の種類は数億種を超えると言われているのですね。

寄生するもの以外は最近になってやっと研究が進んできた生き物ですから、文字通りいまだに「少し掘ればザックザックと出てくる」状態であり、詳しい数は不明らしいのですが、もしかすると地球上で最も繁栄している節足動物と言われる昆虫の種類を遥かに上回ってしまうかもしれないのですね。

地球は昆虫の惑星……ではなく線虫の惑星であったか……。


でも……あんなシンプルなつくりの動物……一体どうやって種類を区別するのだろうか……。

私はさっぱり見分けがつかないのですね。


最近になって増えたアニサキスの謎

さて、アニーについてよくわかったところで本題に戻るのですね。

最近になってアニサキス症の報告件数が上がったのは、単に埋もれていたものが表に出てきただけであり、アニサキス症の発生件数自体は以前から変わらないのではないか……。

……などと思っていたのですが、実は実際にアニサキスそのものが増えているようなのですね。

……少なくとも人間がアニサキスが入った魚と遭遇する件数は増えているのですね。

……というより実際に感染している魚の数が増えたのかも……。


どうにも魚の食べ物である小さな甲殻類アニサキスが入っていることが多くなってきた……と言われているようなのですが、詳しい理由はよくわかっていないそうなのですね。


………つまり、魚が感染する件数が多くなり、結果人間に感染する件数も多くなったが、原因はいまいち不明、ということなのですね。

……原因がわからない以上、ここで原因についてあれこれ言及しても仕方がありません。

謎は謎のままにして……とりあえず次に行くのですね。


対策は?

……アニーに関する多くのサイトでも見かけますが……感染予防のための対策としては基本はこの4つに尽きるのですね。

  • 確認する
  • 加熱する
  • 冷凍する
  • 噛み砕く

………なんとも大雑把で原始的な……。

確認はまぁ言うまでもないとして、加熱というのは60度以上で1分以上で良いようです。
また冷凍はマイナス20度以下で24時間以上……なのですね。

極端な高温もしくは低温にさらされると、さすがのアニサキスも死んでしまうのですね。

また彼らは胃壁に咬み付いてアレルギー反応を起こしますが、彼ら自身が毒を持っているわけではないため、死んでしまえば食べても問題無いのですね。

最後の噛み砕くというのは……つまり、加熱だの冷凍だの面倒なことはせず、もう物理的に歯で噛み砕いて殺してしまうのですね……ぶっつりと。

……ただ、アニサキスは割と頑丈なようで、一説によると輪ゴムのような歯ごたえで硬くて噛み切れない……らしいです。

そのためうっかり噛み切り損ねる危険性もあるので、あまり噛み砕くのは推奨できないそうです。

また熱を加えると「輪ゴム」から「少し大きめの小骨」にまで強度が上がってしまうという話もあります。

もっとも熱を加えれば死んでしまうわけですから、その辺は問題無いでしょう。


なんにせよ、こうしてみると加熱するのが一番手軽にできそうですね。

またアニサキスは腹側に好んで感染し、背中側にはあまりいないという話がありますので、柵を買う場合は背中の方を選ぶと良いのだそうです。

……どうしても腹側を食べたい、もしくは背中が欲しいのにもう売れ残っているのが腹側しかない、という場合は鮮度のいいものを選ぶか、それでもだめならやはり加熱するしかないようです。


なんにせよお刺身を食べるのはちょっと遠慮したくなりそうな状況ですが、1匹のカツオにアニーが入っている確率はだいたい2%、多い時でも4%ほどらしいので、そんなに神経質になる必要もないのかもしれません。

虫嫌いの原因は「知らない」ことにあり?克服のためには「知れば」いいのかも

虫嫌い……

きのう「虫嫌いが若年層では7割超で、思いのほか多くて驚いた」、というような内容の記事を書いたのですね。

blog.kitsune-vetulicola.net


一記事で全部綺麗にまとめようと思っていたのですが、思いのほか手間取ってしまい(?)なんとまさかの二部作なのですね。


というわけで今日は昨日の続きを書くのですね。


さて……虫嫌いな人たちの中には、自身の虫嫌いを克服したいと考えている人がけっこうな数いるようです。


……嫌いならべつに嫌いなままでいいじゃないかと思うのですが、どうやらそういうわけにもいかないようで……きっと色々と諸々の事情があるのですね。


なのでこの記事についでに虫嫌いを克服する方法でも書ければ、きっとみんなの役に立つのだろうとは思うのですが……

……いかんせん私は虫嫌いになったことがないため、そのような方法を知りませんし、残念ながらここに書くこともできないのですね……。


でもそれだとあまりにも味気ないので、とりあえず参考までに「好き」の度合いを上げる方法を書いておこうと思うのですね。

……たぶん「好き」を「大好き」にする方法は、「嫌い」を「普通」、もしくは「普通」を「好き」にする方法と原理的には同じ………はずです。

よって虫嫌いの克服にも少しは応用できると思います………多分。


なんにせよ予告通り(?)、まずはそもそもみんなが虫嫌いになってしまう理由と、それによって人と虫双方にどのような悲劇が起こるのかについて書いてみようと思います。


虫嫌いの理由について

きつね、あれからいろいろと調べてみたのですね。

探してみると虫嫌いについて書かれたサイトが結構たくさんありました。

これはこれでびっくりしたのですね……おそらく虫嫌いは今や日本全体を揺るがす社会問題と化しているに違いない。

ただ、虫嫌いになる理由に関してはどのサイトでもおおむね似たようなことを言っているのですね。


………おそらくここに虫嫌いの本質が隠されているに違いありません。


理由としては大きく分けると大体この4つのどれかになるようです。

 

  • 本能的に嫌い
  • トラウマで嫌いになった
  • 負の情報がインストールされた
  • よく知らないから怖い


……、なんだこれ……。


とりあえず、ひとつずつ見ていくのですね。


理由その1 本能的に嫌い

まず、前提として……。

我々動物はそもそも本能的に自分たちと異なる姿形をしたものに嫌悪感を持つようにできているようです。

つまり、相手の生き物の体のつくりの方向性である「ボディプラン」が、自分のそれとかけ離れれば離れるほど、その生き物を嫌いになってしまうようです。


全ての生物は「分類階級」と呼ばれる大きく分けて8つのカテゴリで分類でき、それは大きな方から順に


域-界-門-綱-目-科-属-種


という風になっています。

分類階級についての詳細はこちらの記事にも書かれているので、細かいことは省きます。

ですが分類階級とは体の特徴や進化の系統などを元に決まるものですから、単純な話これが違えば違うほど、体のつくりも違うということになるのですね。


右の方は小さな分類ですから、少々変わっても体のつくりに大きな違いはありませんが、左の方に行くほど大きな分類になってきますので、それに伴いそれが変わった時の体の構造の違いも大きくなるのですね。


具体例を挙げると、たとえば我々哺乳類は

動物界-脊索動物門(脊椎動物亜門)-哺乳綱

に属しており、その中に

ネコ目
サル目
ネズミ目

などのさらに細かい分類があります。

ですが目以下の分類が少々ちがっていたとしても、哺乳類はみんな毛におおわれてふわふわで、4本の足があり、子供を母乳で育て……などという基本的な所は変わりません。
これらの特徴は哺乳類の特徴ですから、ネコにもサルにもネズミにも、みんな当てはまるのですね。

ひとつ上の分類である「綱」も同じで、これは「哺乳類」「爬虫類」「鳥類」「硬骨魚綱」といった類の分類です。

この分類が違うと大分見た目の印象が変わるということはご存知の通りですが、ケモノもトカゲもトリもサカナも、全部脊椎動物であることには変わりませんから、やはり4本足で背骨がある、というところはどれも一緒なのですね。

ですがそのさらに上の分類……「門」まで変わってしまうと、これはもうエラい違いなのですね。


「門」とは動物をそのボディプラン……つまり、体の大まかなつくりの違いで分類した階級で、ケモノもトカゲもトリもサカナも、全て「脊索動物門」という門に属しています。


ですが昆虫やクモやムカデなど……いわゆる「虫」は「節足動物門」と呼ばれる別の門に属しており、また系統上でもその両者の間には類縁関係が殆ど無いのですね。


………おそらくこの「門」レベルの体のつくりの違いこそが、「本能的な嫌悪感」の根源であるものと思われます。


つまり我々ケモノは、トカゲやトリやサカナこそ「見た目はちょっと違うけどまぁ同じ仲間かな」みたいに受け入れますが、そもそも構造が根本的に違うムシに対しては本能的に「なんだこいつ!?」となってしまうようです。


なるほどそういうことか……。


……と素直に納得したかったのですが、なぜか知らん、この説に関しては書いている間に色々と疑問が生じてしまったのですね。

パッと見なんとも説得力がありそうな説ですし、私もこう長々と書いてしまったのですが……考えてみると脊椎動物だから節足動物が嫌い」というところ、理由としては微妙だと思うのですね。


だって、そんなこと言ったら脊椎動物であるケモノはみんな本能的にムシが嫌い」ということになってしまいます。


でも考えてみて下さい……そもそもそのケモノの中にはムシを好んで食べるコウモリやアリクイ、キツネやタヌキなどが含まれているのではありませんでしたっけ。

それに、実際昆虫はケモノに限らず多くの脊椎動物の食料となっているわけで、トカゲやカエル、サカナの一部などは「節足動物を食う脊椎動物」というものを体現しているといっても過言ではありません。


そもそも人間だって、全員ではありませんがムシを好んで食べる人たちがいるではありませんか!


ようするに、もしこの「脊椎動物節足動物に対して嫌悪感を抱く」説が本当だとしたら、彼らはそもそもムシなんて気味悪がって食べないはずなのですね。

ですが、彼らはムシを採って食う……さも美味そうに、ムシャムシャと。それはなぜか……。


………好きなんじゃん。


まだあります。

昨日の記事では「今は虫嫌いでも子供のころは平気だったという人が多い」と書きました。

「本能」とは生まれながらにして持っている性質ですから、もし本当に「本能的に虫が嫌い」ならば、子供のころから嫌いだったはずです。

でも実際は違います。


……つまり、「虫嫌い」というものはおそらく本能とはあまり関係がないのですね。


理由その2 トラウマで嫌いになった

おかしいな……個人的におそらく一番説得力があると思った「節足動物だから嫌い説」を書いたはずなのに、書いている途中でそれがどうにも眉唾らしいということに気が付いてしまいました……。

書き始めた時はまだ「これこそが真の理由だろう!」などと思っていたのですが……。


……まあいいか。


とりあえず、次に行くのですね。


トラウマで嫌いになった……というのはつまり、「過去に虫と関わって嫌な目に遭い、それ以来虫を嫌いになってしまった」ということなのですね。

具体的には

「ハチに刺されて痛かった」「ケムシの毒で手がエラいことになった」「ムカデに咬まれて一週間ペンが持てなかった」「カメムシの臭いで一張羅が台無しになった」「ガの大群に遭遇して怖かった」

………などですね。
なんとまぁわかりやすい……。


どうにも幼少期にそのような目に遭った場合はそうでない場合に比べて、それ以降の「虫嫌い」度がかなり高くなる………ようです……。

……よくわかりませんが。


なんにせよ「嫌なことがあったから嫌いになった」というのは後天的な理由であり、いかにも理由らしい理由です。ようするに「動物嫌い」になる理由と同じなのですね。
(上記の通りボディプランが人間と同じ哺乳類に対してはだれも「本能的な嫌悪感」は抱かないのですね。)

この理由なら説得力があるのですね。


理由その3・4 負の情報がインストールされた・よく知らないから怖い

さて……、個人的には「本能」よりも「トラウマ」よりも、これの影響が一番大きいんじゃないかという気がするのですね。

3番目の「負の情報がインストールされた」とはつまり「周りの人たちが虫に対して悪いことを言っているから、自分も嫌いになる」ということなのですね。


つまり、昨今テレビやらなんやらで殺虫グッズだの防虫グッズだのを普通に宣伝しているのですね。

しかもそのターゲットの中には、虫に詳しい人ならば「こんな虫まで追い払う必要ないじゃないか!」というような虫……たとえばクモやヤスデダンゴムシなど……まで含まれていたりするのですね。

また一般的には「ゴキブリ=不潔」と言われていますし、「ハチ=刺す」「ムカデ=咬む」「イモムシ=気持ちが悪い」「タランチュラ=猛毒」なのですね。


もちろん、たとえ周りがそのように言っていても、知識のある人なら「そんなことはない」と聞き流すことができます。


クモが人間にとってそばにいてほしくない虫……いわゆる「害虫」を食べてくれる虫であり、ムシろそれを「益虫」と呼ぶのだ、ということや、ヤスデダンゴムシが落ち葉を分解して土壌を肥やすだけの無害な存在である、ということは、ちょっと虫に詳しい人ならわかっているのですね。

また「ゴキブリが汚い」のは「汚い場所を歩き回る」からで、その理由はつまり「家の中に汚い場所がある」ということなのですね。
「汚い場所」というのは主に「汲み取り式トイレ」のことなのですが、最近ではトイレの水洗化が進み、そもそもそのような場所は殆どの家庭においてもはや存在しないのですね。

早い話が「ゴキブリが汚い」のは今は昔……今どきほとんどの家庭においてゴキブリは「タダの虫」なのですね。
(むしろハエやネズミの方が汚いという話も……)

また毒があって攻撃的なムカデと、大人しくて無害なヤスデ性格こそ真逆ですが見た目が似ていますから、おそらく両者を混同して怖がる人もいるのでしょう。

ですがちょっと知識があればムカデとヤスデの区別なんてたやすいですし、ムカデだって怒らせなければ咬み付いたりしないのですね。
(手に乗せたって平気です。うっかり相手のお気に召さないことをしてガブリとやられてしまう可能性もあるので、あまりやらない方がいいと思いますが……)


……ついでに、タランチュラに咬まれて死んだ人はいません。

……さらについでに、ゴキブリはシロアリの仲間であり、カマキリと近縁の昆虫です。こう考えるとなんだか親しみがわくのですね。


なんにせよ、虫についての悪い話を聞いても、私の場合はこうやって否定できます。

ですが知識の無い人がいきなり聞かされたら、当然「そうなのかな」と思ってしまうのですね。


……この辺4番目の理由である「よく知らないから怖い」とも密接に関わってくるのですね。


つまり、虫についてよく知らない人が、知らないがゆえに周囲から悪いイメージを植え付けられ、また知らない人がいきなりこのようなイメージを植え付けられたら、そりゃ虫を嫌いになるのですね。


……どうやらこの辺りに「虫嫌いの本質」が隠れているようです。

昨日の記事でも書いた「子供の時は平気だったが、大人になってから嫌いになった」という謎の怪現象の原因も……これでわかりましたね。


つまり、「子供のころは虫に関する負の知識も何もなかったため、普通に虫を触ることができたが、何らかの事情……『都市化で虫から離れてしまう』などして、虫に対する正の知識の供給が途絶えた状態で、周囲から負の知識を吹き込まれると、結果として負の知識の方が勝ってしまい、虫を嫌いになってしまう」……というわけなのですね。

つまり、「虫=カッコいい」とか「虫=可愛い」とか、そういう正の知識を知らず、「虫=怖い」「虫=危ない」などという負の知識だけを知ってしまうと嫌いになってしまうのですね。


どうやら私の場合は都市化の影響が比較的少ないわりと田舎な土地に住んでおり、また子供のころから虫に対する知識が豊富でその後も負の知識を受け止めることなく聞き流すことができたというのが幸いし、虫嫌いにはならなかったようです。


虫嫌いが当たり前になることで引き起こされる悲劇。虫が無駄に虐殺される?

さて……、上にも書きましたが……。

どうにも玄人目に見れば「益虫」としか言いようのない虫まで最近では嫌われてしまうのですね。

それどころか「殺虫剤」などという恐ろしい大量破壊兵器のターゲットにも指定されてしまっているのですね。


こ、これは……

………いかぬ!!


本当に人間に害がある虫はごく少数のはずです。

でもこのような状況では害のない虫まで虫であるという理由だけで一緒くたにされて大量破壊兵器の餌食になってしまうのですね。

なんというとばっちり!!


こんな風に無駄に殺生を行い、それが当たり前になってしまっては……昆虫の減少、ひいては世界の滅亡につながる……かも……。


そのせいかどうかはわかりませんが、実際に今現在昆虫そのものが絶滅の危機に瀕している、ということは以前の記事で書いたのですね。

知っての通り、昆虫に限らず虫というものは地球の生態系の重要な部分を支えている非常に重大な存在であり、その重大さときたら「昆虫がいなくなれば世界は3日で滅ぶ」とも言われるくらいなのですね。

3日というのはさすがに大げさかもしれませんが、昆虫がいなくなれば生態系が回っていかなくなるということは確実なのですね。


また昆虫を救うことができるのは人類だけであり、これからの時代は人間が積極的に虫を保護していかなければならないのですね。


こ、これは……。

「嫌いだから大量破壊しましょう」などと言っている場合ではありません。


それに昆虫は将来の食糧不足から人類を救う生き物としても大いに期待されています。


……つまり、もう時代は「人と虫とが手を組んで助け合わなければ生きていけない」というところまで来てしまっているのですね。

もはや奴らと争っている場合ではない!!……のですね。


好きになるには?

そんなこと言ったって、嫌いなものは嫌いなんだよ!

……というご指摘はごもっともです。

できれば人類全員が虫を食卓に乗せても抵抗が無いくらい虫好きになれるといいのですが……なかなか難しいのですね。私もどうしたものやらさっぱりわかりません。


ですが、「虫嫌いになる理由」の最後の2つ……「負の情報がインストールされた」および「よく知らないから怖い」……これがおそらく手がかりなのですね。

つまり、ということは、逆に「正の情報をインストールして」「よく知ってしまえば怖くなくなる」のですね。


参考になるかわかりませんが私の場合、知らない虫を見つけたらとりあえずその虫についてざっと調べてみるのですね。

まずは分類学的な位置づけ、それから「毒の有無」や攻撃性などの実害から、「食べ物」などの生態まで、「得体のしれない相手」と思わなくなるのに必要なだけの情報を探すのですね。


……ごく単純な調査ですが、これで少なくとも「もしかしたら毒を持っているんじゃないか」「狂暴な性格で咬み付いてくるんじゃないか」などという不安は無くなるのですね。

またこうやって知識が増えていけば、近い系統の虫を見つけた時にも「これはアレに似ているから、多分似たような習性だ。そしてアレは人畜無害だ。したがってこれも人畜無害なのだろう」と類推できるようになります。


……調べるついでに「子育ての仕方」なども調べてみると面白いかもしれません。

見た目がコワモテでいかにも危険そうな虫が実は無害であり、また子供を後生大事に背負って世話をし守る習性があったりすると、かえって愛しくなるのですね。


またたとえ凶暴で毒を持っていたにしても、積極的に攻撃してくる虫はいないのですね。


虫に限らず動物が他の動物を積極的に攻撃するのは、基本的に狩りや縄張り争いの時だけなのですね。

人間は大きすぎてどう考えても虫の獲物にはなり得ませんし、種が違うため元々縄張り云々は関係ありませんから、したがって虫が人間を自分から積極的に攻撃することは無いと思ってよいでしょう。


それでも攻撃してくるとしたらそれは「防御」のための攻撃なのですね。

つまり、こちらから知らず知らずのうちに相手を怒らせたり怯えさせたりしてしまったとき、ということです。


ではどうすれば相手を怒らせず、怯えさせずに済むのか……。

それは相手の立場になって考えてみればおのずと答えは出るはずなのですね。人間関係とおんなじです。


なんにせよ、「嫌いにならない」ためには、まずは「相手のことをよく知ること」が大事だと思うのですね。
これまた人間関係とおんなじなのですね。相手が人間じゃないだけこっちの方が楽だとは思いますが……。

 

………それでも嫌い………有害無害にかかわらずあのたくさんある足の「うぞうぞ感」がだめ……。


………これはちょっと難しいのですね……。


たぶん、「足が沢山ある」と考えるからなのではないか……と思います。

おそらく足を4本しか持たない脊椎動物にしてみれば、たくさんの足を持つ節足動物「異形の生命体」であり、「エイリアン」と同じなのでしょう。


ですが節足動物の「歩脚」と、脊椎動物の「脚部」は、名前こそ同じ「あし」ですが、実際は由来が根本的に異なる全く別の器官なのですね。

つまり一概に足の数を比較することはできないのですね。


……「形が嫌」という場合、もしかするとその「形」そのものについて知れば嫌ではなくなるのかも……。

特に「体節と付属肢の関係性」を知った上で節足動物……つまり虫を見ると、また違って見えるのですね。


難しい問題ではありますが、やはり「知る」ということが大きな手掛かりとなっているようです。

幸いなことに今の時代はインターネットという便利なものがありますから、おそらく知識の供給源には困らないのですね。


虫嫌い克服のために身近なあの虫について調べてみる……。


案外それが一番の近道なのかもしれません。