きつねとべっつりコーラのブログ。

きつねとべっつりコーラの2匹が、日々の出来事について思ったことや感じたことをただ淡々と述べていくだけのブログ。生物多め。

命と食べ物の大切さを思い出せる? 名古屋の水族館の特別展にお寿司が

水族館で寿司ネタの展示……だって?

先日、国立科学博物館の特別展示に行ったという記事を書いたのですね。

 

blog.kitsune-vetulicola.net

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この特別展示がどのようなものだったかはこちらの記事を見ていただくとして……。

とりあえず、あれ以来私は「特別展示」という言葉にいささか敏感になっているようです。


そのおかげで今日ヤフーニュースさんでこのような記事を見つけてしまったのですね。

news.yahoo.co.jp


曰く、愛知県名古屋市にある名古屋港水族館にて、「寿司ネタ大集合~水族館が斬る!寿司のいろいろ~」と題して現在特別展示が開催中なのですね。

そしてその内容は「寿司ネタとその水族を一緒に展示する」というものなのだそうです。


……つまり、クルマエビやマダイ、スズキといった「水族館でお馴染みであり、またお寿司屋さんでもおなじみの生き物たち」の、実物と寿司(の食品サンプル)を一緒に展示しているのですね。


………こ、これは…………

…………見に行きたいのですね。


と、言うより、名古屋港水族館でしたらお正月に名古屋に行った時に一度見に行ったことがあるのですね!

あの時は単に普通の水族館として中を見て回り、イルカショーを見て、例の如く記念メダルを買っただけだったのですが……まさかあそこが、このような展示を始めたとは……!


……う~ん……、展示は6月2日(日)までだといいますから、見に行くのでしたらその間に行くべきだとは思うのですが……。

いかんせん上野ならともかく、名古屋港までだなんてさすがにそう簡単に気軽に行ける距離ではないのですね……。


………残念です。


調理の動画とオリジナルな寿司も!

さて、問題の展示ですが、単に寿司ネタと生きている魚を一緒に並べているだけではないのですね。

当然ちゃんと丁寧に飼育員さんの熱意と遊び心が注ぎ込まれた(?)解説が書き込まれ、寿司ネタだけでなくその魚についてちゃんとよく知ってもらえるようなつくりになっているのだそうです。


また、寿司ネタは本物のお寿司を使うわけにはいかないので、地元のメーカーさんにお願いしてお寿司の食品サンプルを作ってもらい、それを展示しているのですね。


中にはなんと水族館オリジナルの創作寿司と、その制作過程を動画で解説したコーナーもあるようで、「創作寿司 完全新作!水族館寿司」なるタイトルが付いているのですね。


普通に考えるとまずお寿司にしないであろうような生き物を使い、この水族館独自で「新作」を作り上げ、実際にスタッフで食べてみたのだそうです。

……もちろんさすがにお客さんに出すわけにはいかないそうなのですが、制作過程や味の感想などが動画で詳しくまとめられているのですね。


……他のところと同じく、創作寿司の模型もあるのか知らん……。


またこの特別展示を企画した飼育展示部の岡本仁さんによると、一番おいしかったのはユムシという生き物で作った軍艦なのだそうです。


……これ、問題の水族館公式サイトのページにも動画が載っているのですね。

www.nagoyaaqua.jp


「あまりにも映像がグロいのでお見せすることができません!」

…………一体どうなったのだろうか……。


ユムシはなにやらシンプルな外見をした動物で、日本では釣り餌として普及していますが、あまり食用にはなっていないのですね。

………でも食べてみるとけっこうおいしいらしいのですね。


分類学的にはユムシ動物門」という私の知らない動物門に属しているようですが、岡本さんによるとどうやらミミズやゴカイ……つまり環形動物門」……に近い生き物なのだそうです……。


環形動物門は軟体動物門(つまり貝の仲間)とも近い系統ですから、おそらくユムシ動物門もそれらの「同盟」の中に入るのでしょう。

実際に貝のような味がするとのことなので、きっと間違いありません。


なんにせよ、お寿司の展示……こんなことまでやるとは……!

ユムシ寿司はちょっと食べてみたいのですね……!


食べ物=生き物、生き物=食べ物

それにしても、お寿司と魚を一緒に展示するだなんて、今まで誰かがやっていそうで誰もやっていなかった斬新な企画なのですね。

きっとみんな思い付いてはいても……いや、むしろやりたいと思ってはいても、何らかの事情によりできなかったものと思われます。


おそらくそこには「食べ物と生き物を同時に展示するなんて」という水族館業界のタブーのようなものがあったに違いありません。


しかし、岡本さんたち名古屋港水族館の勇気ある行動により(?)それらの「前例」は見事に打ち砕かれてしまったのですね。

おそらく今後は水族館だけでなく動物園、はたまた昆虫館や植物園までもが、今までのフラストレーションを解放し、名古屋港水族館に続けと言わんばかりに「料理+生き物」を組み合わせた展示を雨後の竹の子のごとくそこかしこで続々と開催するに違いない!!!


こ、これは……

…………水族館や動物園業界に新たなる旋風を巻き起こす大革命なのですね。

きっと十数年後には食べ物と生き物を一緒に展示するのはごく当たり前の光景になってしまうに違いありません。

 

革命の火蓋は……切られた。


でも、それはいいことだと思うのですね。


そもそも食べ物と生き物を同時に展示することにより、食べ物とはもともと生き物であるという認識を新たにし、命を大切にしようとする、というのがこの展示の狙いなのですね………たぶん。


われわれ肉を食べる動物は……いや、植物しか食べない動物であっても、基本的に生き物は他の生き物を食べることで生活しているのですね。

つまり、われわれが言う「食べ物」とは、すなわち元はといえば「生き物」なのですね。


どんな動物でも他の生き物を食べますし、またどんな動物でも他の生き物に食べられる可能性があります。

たとえ生きている間は無敵で、生態系の頂点にいる動物、いわゆる「頂点捕食者」であっても、死後は誰かに食べられるかもしれませんし、植物のコヤシになるかもしれないのですね。

また、最後はほぼ確実に微生物によって食べられ、分解されるでしょう。


……つまり、「食べ物=生き物」であり、また同時に「生き物=食べ物」でもあるのですね。


……中にはミネラル(鉱物)だけを食べて生きていられるとか、自分で栄養を作り出せるとか、そういう変わり種もいますが、この際そういうのは置いておくとして……。


……それにしても、岡本さんがおっしゃったことはちょっと衝撃的なのですね。

魚を切り身の状態でしか見たことがない子供がいる………だって!?

………そういえば、「切り身=魚」であり、魚が切り身の姿のまま海の中を泳ぎ回っていると思っている子もいる……という話も聞いたことがあるのですね。


なんにせよ、昨今は都市化によって生き物と触れ合う機会が減ったためか、「食べ物=生き物である」という実感がなかなか得られにくくなっているのだと思うのですね。


昨今コンビニやスーパーどころか個人までもが、割と手軽に食べ物を捨ててしまういわゆる「食品ロス問題」が社会問題として顕在化している背景にはそのような事情もあると思われます。


今回「寿司と魚」……つまり、「食べ物と生き物」とを結び付けて展示した名古屋港博物館の特別展示は、私たちに「食べ物とは生き物なのだ」という当たり前なのに忘れてしまいがちな事実を改めて思い起こさせてくれるのですね。

そういった意味では、おそらくこの展示は時代が望んでいたものであり、今の時代に合っている……いや、今の時代ならではのもの………むしろ、今の時代に無くてはならない類のものなのではないでしょうか。


私の妄想通りに(?)これからもこういう展示が各地で増えていってくれれば、みんなが大切なことを思い出してくれ、また食品ロスの問題も少しは無くなっていくのではないか……と思うのですね。


ともあれ、さすがに「食べ物を扱っている展示」です。

水族館館内のレストラン(そう、館内レストランがあるのでした!)では、今回の展示とコラボしたメニューも出されているようで、これまた非常に興味をそそるものなのですね。


私は多分、行くことができないと思いますが、近所にお住いの方や、遠距離でも平気だという方は是非行ってみるとよいのではないでしょうか。


……などと書くとまたしても宣伝のようになってしまいますね。