ダイオウイカの標本が修復中
APF通信さんのニュースを見ていたら、何やらすごいものを見つけてしまったのですね。
どうやらパリの国立自然史博物館にて展示されている巨大イカの修復作業が行われたようです。
どうやらこれから「進化大陳列館」なる場所で展示されるので、その前に痛んでいる個所を直しておこうということらしいのですが……。
……………これ、作り物かとおもったら剥製だったのですね……2000年にニュージーランドで水揚げされたものらしいです。なんと……。
案の定世界最長のイカであるダイオウイカ(Architeuthis dux)なのだそうで、胴体だけで6メートル、重さは80キロもあるのだそうです。
……この標本、「フェケ(Wheke)」という名前があるそうなのですが……よく見たら見たことのあるやつでした。
Wikipediaのダイオウイカのページに写真が載っている子なのですね……。
……地味にいました……。
またダイオウイカだけでなくシーラカンスの標本も修復されたようです。
動画の最後の方には……んんん!?
あの刀のような長い魚……あれはリュウグウノツカイだろうか……。
なんだかしれっと出てくるだけで記事でも紹介されていないのですが……。
……まぁいいか。
なんにせよ巨大イカとシーラカンス(とついでにリュウグウノツカイっぽい魚)は来年1月5日まで同博物館で展示されるのだそうです。
………………と、いわれても……………。
パリの国立博物館だなんて……全然身近じゃないのですね。
……なんでそんなものわざわざニュースにしたと言いたいところですが、AFP通信さんはフランスの通信社なので、こういう地元のローカルなニュースが出てくることがあるのですね。
シーラカンス
………ところで、今私は完全にスルーしてしまったのですが……。
このシーラカンスの標本……タダのシーラカンスではないのですね。
やたらと色が抜けていてボロボロなところや、記事の解説を見ると……間違いなさそうです。
……このシーラカンス、シーラカンスがまだ生きているということがわかるきっかけを作った、あの個体なのですね。
……どういうことかというと……。
まず、前提として……。
シーラカンスは今でこそ「当たり前に生きている魚」ということになっており、現時点では「シーラカンス(Latimeria chalumnae)」と「インドネシアシーラカンス(Latimeria menadoensis)」の2種類が確認されていますが、ちょっと前までは「絶滅した魚」だと思われていたのですね。
そんな時、1938年にアフリカのとある川の沖の方で漁師さんの網に偶然「奇妙な魚」がかかったのですね。
(確か)博物館で魚を見てもらったところ……なんとそれは絶滅したはずのシーラカンスだったということが判明し、世界を震撼させたのですね。
おそらく一番ビックリしたのは博物館で魚を鑑定した人と、捕まえた漁師さん本人だったに違いありません。
……なんにせよ、この時に見つかったたった1匹のシーラカンス(Latimeria chalumnae)により、生物学会の常識が1つ崩壊してしまったのですね。
そして……なんと……記事の解説を読む限りでは……と、いうよりどう読んでも……このフランス自然史博物館で修復作業を受けたシーラカンスの標本………これこそがその時見つかったシーラカンスなのですね!
記事には「60年間ホルマリン漬けになっていた」「当時の扱いが丁寧じゃなかったんでボロボロだった」……とあります。
ホルマリンに漬かっていたのなら色が無いのも頷けます。
そして60年以上も前の標本なのですから……ほぼ間違いないでしょう。
これはあの伝説のシーラカンスに違いありません!
話には聞いていましたが……まさか現物をおがめるとは……!(動画ですが……)
というより、フランスにあったんだ……。
長年の心労がたたり(?)相当ボロボロになってしまっていますが……きっと網にかかるまでは元気に海を泳ぎ回っていたに違いありません。
この姿を見ても私には想像できるのですね……彼(彼女?)の在りし日の姿を!
われわれのご先祖様に近い魚
……なんにせよ……これはすごい魚なのですね。
……しかし「絶滅したと思っていたら見つかった」という点以外、シーラカンスのどこがそんなにすごいのか、我ながらこれではよくわからないのですね。
なのでそこを説明するのですね!
動物界-脊索動物門-脊椎動物亜門-顎口上綱-肉鰭綱-シーラカンス亜綱-シーラカンス目
……に属する魚の総称なのですね。(この辺の分類に関しては割と諸説あるのですがとりあえずヤヤコシイんでこの記事ではこれで押し通そうと思います。)
その下に「シーラカンス科」はもとより様々な科が存在するのですね。
ただし、殆どが絶滅種で、現在生きているのは両方とも「ラティメリア科-ラティメリア属」に属するシーラカンスで、「ラティメリア」という名前なのですね。
……なんだかややこしいのですね。
とりあえず、現在単に「シーラカンス」と呼べば、それは大抵「ラティメリア」のことを指すのですね。
なんにせよ彼らは「肉鰭類」と呼ばれる魚なのですね。
魚(硬骨魚類)はそのヒレの形状により大きく「条鰭綱」と「肉鰭綱」の2つのグループに分かれます。
「条鰭綱」というのはマグロやサケやタラなど、われわれが一般的に「サカナ」と呼んでいる脊椎動物のことなのですね。
扇のように無数のスジのような骨が通ったヒレを持っているためこのように呼ばれているのですね。
「肉鰭綱」というのはシーラカンスの仲間で……我々四足動物の手足のような関節の入ったヒレを持つ魚なのですね。
太古の昔、陸に上がり、両棲類に進化した動物……つまり陸上動物の始祖……が属していたグループなのですね。
これらの2つを合わせて昔は「硬骨魚綱」とよび、この2つは「亜綱」だったようですが……。
……なんだか分類に諸説いろいろありすぎてややこしいので、とりあえずここでは「条鰭綱」「肉鰭綱」で統一するのですね。
なんにせよ、肉鰭綱にはさらにいくつかの「亜綱」が属しており、当然いくつもの「種」がその下にいます。
この中のどれか……おそらく単一の種が……陸に上がった結果、両棲類に進化したものと思われます。
……この中の一体どの「亜綱」の……と、いうより、どの「種」がそうなったのかは今のところよくわかっていないそうなのですが……なんにせよ1ついえるのは、シーラカンスという魚は、われわれ陸上動物の祖先にひじょうに近い生き物だ、ということなのですね。
………すごいのですね!
殆どご先祖様、なのですね!!
……あれ……。
イカの話をしていたはずが……なんだかシーラカンスにズレてしまったのですね。
……とりあえず、そろそろやめにしておくのですね。
フランスの博物館……絶対に行けそうにありませんが、なんにせよシーラカンスとついでにイカは興味深いのですね。
このような展示がもし日本の上野辺りにあったら、是非行ってみるのもいいかもしれません……?