この物入りな時期に値上げかよ
早いもので……今日で3月も終わってしまうのですね。
明日は4月1日……午前11には新しい元号も発表され、新しい年度が始まる日なのですね。
また明日1日はウソをついてもいい世界的なイベントの日ですね。
……さて、このたび……一足早いエイプリルフールかと思いたくなるようなニュースを見つけてしまいました。
先ほどヤフーニュースさんを漁っていたところ、このような記事を見つけたのですね。
………これ、冗談でしょう。
こちら、「4月からこう変わる」と題して図入りでことしの4月から始まる色々な変化を説明しているのですね。
図では働き方改革だの教育だの、諸々のニッポンの変化を説明しておりますが……ちょっと小さくて見えづらいのですね……。
とりあえず……他のところは放っておくとして、気になるのは一番上の部分なのですね。
どうやら4月からいろいろと値上がりするらしいのですね。
……と、いうより……図を見る限りではほとんどが食品なのですね。
こ、これは………。
……かなり由々しき事態の予感なのですね。
少なくともわれわれ庶民にとっては絶対に嫌な予感しかしないのですね。
……明日が終わったら「実は一足早いエイプリルフールのウソでした~!」ってことにならないかしらん……。
値上がりする食品・企業努力に限界?
とりあえず……具体的には一体何が値上がるのでしょうか。
たいへんわかりづらいのですが、図の中の「値上がり」という項目を見てみると、このようになっているのですね。
- 牛乳やヨーグルトの出荷価格(明治、雪印メグミルク、森永乳業、江崎グリコ)
- 大型ペットボトルの出荷価格(コカ・コーラボトラーズジャパン)
- クリームチーズ(伊藤ハム)
- 冷凍麺製品(まんぷく食品日清食品チルド)
- サバの缶詰(日本水産)
- 食塩(塩事業センター)
- ハンバーグ商品など(びっくりドンキー)
……その下に「値下げ」という項目がありますが、とりあえずそっちには目をつぶりましょう。
なんにせよ要するに、牛乳や麺類、塩などの生活の基盤を成していそうな食品類が全般的に値上がりするのですね。
原価が上がったり、物流のためのコストがかさんだりすることが主な原因のようです。
今まではこれらの会社が企業努力によりそのコストを吸収してくれていましたが、度重なるそれらのコストの値上げに伴いそろそろ音を上げてしまったのですね。
気になる値上げ価格は記事を見る限りでは10円~20円程度なのだそうですが……商品によっては(物理的な量と相対的にみると)ものすごい価格変化になるのかも……。
だいたい今まで「企業努力でカバーしていた」とか言っていますが、実際値上げの足音は今までも聞こえていました。
明治さんや雪印メグミルクさんのチーズを愛用じゃなくて愛食している人なら知っていると思うのですが、これ、以前と比べると値段はそのままなのに大分小さくなっているのですね。
パッケージの裏にもしっかり「内容量」が表記されているので、以前の「内容量」を覚えている人ならきっと「事実上の値上げ」に気付いているはずです。
……と、いうより、ここ数年でわざわざ数字を見なくてもわかるほど露骨に大きさが小さくなっているのですね。
変化が露骨すぎて……もはや手に乗せただけで「軽くなっているのがわかる」ほどなのですね。
おそらく「わからないほど少しずつ減らしていくのは消費者をダマしているみたいで申し訳がない」と考えたメーカーさんたちが、「それならいっそわかりやすく大幅に小さくしてしまえ!」と採った苦渋の決断だったに違いありません。
……きっとこれこそが「企業努力」だったのですね。
なんにせよ……記事には「各社が主力商品を10~20円値上げする」としか書かれていません。
……つまり、具体的にナニがドレくらい値上げするのかは結局4月になってみなければわからないのですね……。
わかった時には………手遅れかもしれませんが。
庶民泣かせ?でも本当は企業も値上げしたくない
こ、これは………
…………いかぬ!
生物の基本は「食」にあり。少なくとも動物は、そのあらゆる種が「食べて出す」という機能を中心にその体を形作っているのですね。
ホヤやサンゴやクラゲやベッツリコーラのように一見すると単純な作りをしている動物でさえ、消化管はちゃんと持っているのですね。
つまり、「食べる」ということは全ての動物にとって必要不可欠なことなのですね。
そこで「食べる」対象である「食品」が……しかもどうやらより「ネイティブレベル」の……つまり、料理における「材料」となるような「基本的な」ものばかりがこうも値上がりするとは……。
まさにわれわれ動物の生命を揺るがす大事件なのですね!
10円や20円だなんてお金持ちにとっては大したことがない額かもしれませんが庶民にとっては死活問題です。
きっとこの平成最後の値上げは10月の消費増税を含む「消費税」という仕組みに同じく、「お金を持っている人が沢山負担をするべき」という本来あるべき税金と経済の原則から外れ、むしろ「お金を持っていない人ほど負担が大きくなる」という何ともちぐはぐな怪現象の元に成り立つ、現代の格差社会を象徴する歴史的な「遺業」となるに違いない!
私たち庶民はこれから食べ物が高すぎて文字通り「食べるだけで精一杯」となり、とてもじゃないが夢を語ったり将来に向けて自分に投資したりできなくなってしまうんだ、絶対そうだ!
こ、これは………!!!
……日本はもう死んでいる、のですね。
……ただ、もちろんあまり値上げをするとみんな音を上げてしまい、誰も買ってくれなくなりますね(買えなくなる……というのが正しい?)。
企業の側ももちろん進んで値上げをしたいわけではないようで、できることなら現状の価格のまま抑えたいのですね。
とりあえず、記事によるとまだ希望がありそうです。
味の素、カゴメ、日清オイリオグループ、日清フーズ、ハウス食品グループ本社の5社が提携して、4月から「F-LINE」という独自の物流システムを作るのだそうです。
これによりお互いに助け合いながら物流のコストの上昇という難問に立ち向かうのですね!
原価の上昇を抑えるのは難しいかもしれませんが、流通させる時のコストならばこうして協力し合うことで抑えることができるようです。
……まさに「助け合わなければ生きていけない時代」なのですね。
もはや「戦わなければ生き残れない」昭和に始まった「高度競争社会」は終わりを迎えつつあるのだろう。
競争が大好きな古き良き時代のあの世代の考え方は、そろそろ新しい時代のもたらす「淘汰圧」に負けて淘汰されていくに違いない。
財布のひもがさらに締まる予感しかしない
ですが……。
実際面、F-LINEさんが頑張って輸送コストを抑えてくれ、その結果食品価格の上昇が数十円程度で済んだとしても、それを月々の家計に換算するとやはり相当量の食費の上昇が予想されるのですね。
おそらく4月以降、日本中の家庭でエンゲル係数が極端とまでは言わなくとも緩やかにしかし確実に上昇の一途をたどる羽目になるに違いない。
しかし食べ物は上にも書いた通り動物にとっての生活必需品です……これが「高級マンション」だの「高級車」だの「高級たばこ」だのの「ファッション」や「嗜好品」の類なら、思い切って節約することもできると思います。
ですが食べ物である以上、やはりそう簡単に買う量を減らすということはなかなか難しいと思うのですね。
……ではどうするのか……。
……具体的にどれほど家計の負担が増えるのかも今の段階ではよくわかりませんし、結局この段階では「4月になってから考えよう」としか言いようがないのですね……。
……エンゲル係数が増えるのは仕方がないとしても、せめて食べ物以外で出ていくお金を節約するか、もしくはそもそも収入そのものを上げることができればいいと思うのですが……。
悩ましい問題ですね。
食べ物の値上がりについて書いていたはずなのに、いつの間にか「収入を上げる方法」の方に話が行ってしまいそうなのですね。
その件についてはまた後程考えることにして……とりあえず、収入を上げる方法が見つからないかぎりはわれわれ下々は財布のひもを締め続けるしかなさそうです。
……なんとも救いようのない終わり方……なのですね。