けさニュースサイトを見ていたら、なにやらオソロシイものを見つけてしまいました。
……例の如くヤフーニュースさんのページです。
……なんだか最近こればかりのような……。
記事によると、なんと長時間座り続けることにより健康を害し、結果「座りすぎて」死んでしまうひとが毎年43万人はいるとのことです。
……座りすぎて人が死ぬ!?
なんだか予想の斜め上を行く死因ですが、言われてみればそうなのかななどとも思える気がします……。
そういえばついこの前読んだ朝日新聞さんの「天声人語」(だったかな?)に、大臀筋(お尻の大きな筋肉)は歩いたり走ったりするためにあるのであって、椅子に押し付けるためにあるのではない……みたいなことが書かれていたのですね……。
そしてどうやらこの「座りすぎ」による死亡は、日本人にとっても切っても切れないことのようです。
なぜならそもそも日本人は世界的に見ても「座りすぎ」の傾向があるそうなのですね。
とりあえず、それについて以下にいろいろ書いてみたのですね。
長くなりそうなので目次を入れてみるのですね。
もくじがわからない……。
日本人は、座りすぎ
2018年10月18日の「週刊朝日」に、世界20か国の平日の「座っている時間」の平均のグラフが掲載されたそうです。
こちらがそのグラフなのですね。
20か国の「座り時間」を分単位で棒グラフで表し、降順に並べたものなのですが……なんと、日本はサウジアラビアと並んで1位です!
その時間はというと、あろうことか1日に7時間以上も座っているというのですね。
20か国の平均「座り時間」は5時間程度ですから、これはかなりの長時間なのですね。
どうやら日本人の(サウジアラビア人も?)勤勉な性格が、長時間労働、ひいては「長時間座り」に繋がってしまっているのではないかと言われているようです。
……そういえば……。
私がブラック企業に勤めていたころは、往復二時間弱の通勤時間があったものの、会社にいる間は一日中座りっぱなしだったのですね。
徹夜になった日なんかは言うに及ばず、寝られた日でも会社に仮眠室などは無かったので、必然的にデスクに座ったまま寝ていたのですね……。
少なく見積もったとしても、当時は起きて仕事をしていたのが13時間強、寝ていたのが3時間ほどでしたから、単純に考えてもおそらく1日16時間程度は座っていたことになります……。
……今から思えばなんと不健康な!
実際「1時間座ると余命が22分短くなる」だの「1日11時間以上座ると死ぬリスクが40%増える」だのとと言われているのだそうです。
………なんと!
5割近い確率で死亡フラグが!
と、いうことは……。
あの時の私は文字通り「死と隣り合わせ」だったのか……!!!!
……会社辞めますか?それとも人生辞めますか?
……会社辞めてよかった!!!
座りすぎがいけない理由
さて……、日本人が「座りすぎ」で、そのため「健康的によろしくない」ということはよくわかりました。
ですがそう言われましても、「座りすぎる」と具体的に何がどうなるのか、これだけではよくわからないのですね。
とりあえず、いろいろ調べてみたのですね。
まずは座りすぎることによって一体ナニがドウなるのかを書いてみるのですね。
座りすぎるとどうなる?
「座りすぎ」によって引き起こされる健康被害……「万病のもと」?……は、一言で言うと、
- 血行が悪くなる
- 体の代謝が衰える
の2つなのですね。
鍵はどうやら太ももの筋肉である「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」と、「ハムストリングス」にあるようです。
……などと解剖学の名称で言われてもあまりピンとこないと思うので、とりあえずこれらの筋肉についてざっと書きますね。
大腿四頭筋はその名の通り、「大腿部(太もも)にある四頭筋(頭が4つに分かれた筋肉)」なのですね。
ヒンズースクワットで鍛えることができる、アレです。
「頭」というのは「起始」ともいい、筋肉の末端のうち「体の中心に向いている方」なのですね。
つまり、足の筋肉の場合は「足の付け根側」が「頭」になるのですね。
大腿四頭筋は太ももの、座った時に上を向く側にありますが、「頭」がそれぞれ、ももの内側にある「内側広筋(ないそくこうきん)」、外側にある「外側広筋(がいそくこうきん)」、真ん中を通る「中間広筋(ちゅうかんこうきん)」、中間広筋の上を通る「大腿直筋(だいたいちょっきん)」の4つに分かれています。
この4つの筋肉を合わせて「大腿四頭筋」というのですね。
もう片方の末端である「停止」つまり「尻尾」は1つしかなく、膝蓋骨を経由して脛骨……つまり、「脛の骨」に繋がっているのですね。
そのためこの筋肉が縮むことで、膝を伸ばしたり立ち上がったりすることができます。
そしてこの大腿四頭筋の反対側にあるのが、通称「ハムストリングス」と呼ばれる筋肉です。
「ハムストリングス」は3つの筋肉(数え方によっては4つ)をまとめて呼ぶ名前で、それぞれ「半腱様筋(はんけんようきん)」「半膜様筋(はんまくようきん)」「大腿二頭筋(だいたいにとうきん)」という個別の名前が付いているのですね。
……余談ですが日曜劇場の「陸王」を見ていた人なら「半腱様筋」という名前に聞き覚えがあると思うのですね。
物語の鍵を握るマラソン選手の茂木裕人さんは、この筋肉の怪我がきっかけとなり怪我をしにくいランニングシューズである「陸王」を履くことになりました。
これら半腱様筋も、他の2つと合わせて大腿四頭筋と逆の役割を持ち、膝を曲げる働きをします(厳密にはもう少し複雑ですが……)。
筋肉は「自力では縮むことしかできない器官」ですから、必然的に「関節を伸ばす筋肉」と「関節を曲げる筋肉」とが対になっているのですね。
また、大腿四頭筋は人体の中でもっとも大きい筋肉なのだそうです。
……人体最長の筋肉は同じく太ももにある「縫工筋(ほうこうきん)」ですし、見かけ上の大きさならば大腿四頭筋よりもどう見ても背中から腕を動かす「広背筋(こうはいきん)」の方が大きいので、ここでいう「大きい」とは「体積の大きさ」だと思われます。
そして立ったり歩いたりすることにより大腿四頭筋が動くと、血液中から糖や中性脂肪などの物質が筋肉の細胞に取り込まれ、エネルギーに変わる代謝が起きるようです。
またこれによる代謝は大腿四頭筋だけでなく、どうにも大腿四頭筋の動きが引き金となって全身の筋肉で起こるようなのですね。
そのため、逆に座ってしまうことで大腿四頭筋が動かなくなってしまうと、全身規模で代謝が鈍ってしまい、その結果血液中の糖や中性脂肪が増えてしまうのですね。
……他の部分を動かしても大腿四頭筋が動かなきゃだめということか!
また座ることにより大腿四頭筋が動かないだけでなく、反対側にあるハムストリングスが椅子に押し付けられて圧迫され、血液循環が悪くなるため、心臓への負担が増えるのですね。
……なるほど、詰まった鼻で息をすると肺や横隔膜や肋間筋に負担がかかるようなものか(なんか違う気が)。
なんにせよとある実験結果によると、5分座ると血流速度が急激に下がり、30分間座り続けると70%も低下するそうなのですね。
……「70%『に』なる」じゃなくて、「70%『も』下がる」、だって!?
それはつまり「30%になる」ということなのですね!!
……そういえば……。
上に書いたことは、あくまで「普通に椅子に座った状態」での話なのですね。
……当方いつもこのブログの記事を書く時は小さなテーブルの前で「正座」しながら作業しているのですね。
何せ和室に住んでいるので……普通の椅子に座れないのですね。
こ、これは……。
普通に椅子に座るよりハムストリングスが圧迫され、より健康に悪そうです……。
我ながらなんとかせねば……。
なんにせよ……、「座る」ことにより「代謝が悪くなってしまう」ということはわかりました。
代謝となすなわち生命の基本活動ですから、これが「悪くなる」という時点で、なんだか不健康な匂いがプンプンするのですね。
どんな病気になる?
さて……、「座りすぎ」はじつは早くも(?)2000年頃から問題視されていたそうなのですね。
……ちっとも知りませんでした。
2012年時点のWHOさんの発表によると、「座りすぎ」は喫煙やアルコール、偏った食生活などとならび、
……などの病気の原因となるのだそうです。
……いわゆる「生活習慣病」ですね。しかもどれもこれも下手をすると命に係わるものばかりです(そもそも生活習慣病ってそうだったか知らん)。
どうやら血行が悪くなることで初めに血液がどろどろになり、それが長期間続くことによりこれらの病気を併発するようです。
その結果、毎年全世界で46万人もの人が亡くなってしまうのですね。
これを避けるためには、毎日今より2時間、理想を言うなら4時間、座っている時間を減らし、立ったり歩いたりする時間に充てるのが望ましい……とも言われているようです。
……そういえば、最近高いデスクに立ったまま向き合ってデスクでの仕事をする……いわゆる「スタンディングデスク」を取り入れている職場が増えていると聞きますが、これにはそういう背景があったのですね……。
このスタンディングデスク、働き方改革と一緒に日本でも実践する企業が出てきているようです。
ただ、あくまで大手IT企業や外資系の会社が中心であり、末端の中小企業にまで浸透しているのかどうかはわからないのですが……。
どうすればいいのか
さて、「長時間座り続けることにより、血行や代謝が悪くなり、生活習慣病にかかりやすくなる」ということはわかったのですね。
では具体的にどうすればいいのでしょうか。
……「座りすぎ」が問題なのだから、単純に考えると上に書いたスタンディングデスクのように「立っていれば」いいのでは……などと思うのですが……。
とりあえず、ここでは国を挙げて「座りすぎ対策」に乗り出している「座りすぎ対策先進国」、オーストラリアを参考にするのですね。
オーストラリアの対策
……上のグラフを見るかぎりではオーストラリアの「座り時間」は4時間ほどで、特に問題は無いように思われます。
こんなに少ない座り時間……しかも平均以下の国でも、国を挙げて対策をしてるのですね……。
きっとオーストラリアは高得点を獲得しつつもおごらずに努力を続ける真面目な国民性なのでしょう。
……などと思ったのですが、実際はどうやら「平均以下でも対策を怠らない」ではなくて、「対策をした結果、平均以下になった」であるようです。
ちょっと前まではオーストラリアも「勤務時間の8割を座って過ごす」状態だったらしく、「座りすぎ」が問題視されていたのですね。
そこから努力を続け、平均以下の座り時間にまで減らしたようです。
つまり、この少ない数値はおそらく対策のたまものなのでしょう。
実際オーストラリアでは官民一体となり、「座りすぎ防止キャンペーン」を展開しているだけでなく、2014年の時点で小学校に「高さを自由に調節できる机」が導入され、1日30分以上は立って過ごすようにしていたり、職場で1日2時間以上は立って過ごすことが推奨されるなど、やっぱり努力を怠らないのですね。
スローガンは「オーストラリア人よ、立ちあがれ(物理的に)」だそうです。
……日本もやりましょう!
日本ではどうするべきか
……ともあれ、物理的に「高さが変わる机を全国規模で導入する」というのは少々ハードルが高い気も……。
ですが日本人の「座りすぎ」問題は深刻そうです。
上に書いた私の例は(ブラック企業なので)例外であり、論外だとしても、「座って仕事をするのが当たり前」「仕事中はずっと座りっぱなし」という意味ではあれはおそらく今のサラリーマンたちの「日常」に違いない!
そして日本では、働く人のうちおよそ85%がサラリーマンだと言われていますから、この数値は大半の日本人に対して当てはまるということになるのですね。
……つまり、「サラリーマンの問題」はそれすなわち「日本人の問題」………なのですね。
いかぬ、日本のサラリーマンたちの健康で文化的な最低限度の生活を守るためにも、この状況は何とかせねば……!
オーストラリアのように全国規模でやるのが難しいなら、まずは草の根から……つまり、それぞれの個人が気を付けるしかありますまい!
とりあえず対策としてはヤフーニュースさんの記事の最後に書いてあるのですね。
つまり、少なくとも1時間に一度、5分間……理想を言えば30分に一度、3分間、立ちあがって歩き回るのが良いようです。
歩き回るのが難しい場合、その場で立ち上がって踵を上げ下げ……もしくはスクワットをするといいのだそうです。
……社内でいきなりそれをやるのは相当目立つ気がするのですが、これは会社全体でそういう時間を設ければ問題無さそうです。
もしくはどうしても立ち上がることができない場合は、その場で踵を上げ下げしても効果がある……のかどうかはわかりませんが、やらないよりはマシかもしれません。
なんにせよ大事なのはこまめに歩き回ることなのですね。
せっかく一日の中に「通勤通学」という運動の時間を設けていたって、それ以外の大半の時間を座って過ごすなら意味が無いそうです。
こ、これは……。
……日本人よ、立ち上がれ(物理的に)!!
………なのですね。