きつねとべっつりコーラのブログ。

きつねとべっつりコーラの2匹が、日々の出来事について思ったことや感じたことをただ淡々と述べていくだけのブログ。生物多め。

日本にもいるあの世界最強のハチ、中国のお茶の産地で巨大化?

最強を超える最強がどうやら存在していた件

先ほどAFP通信さんのニュースを開いてみたのですね。

そうしたらこのような記事を見つけたのですね。

www.afpbb.com


なにやら中国雲南省普洱(プーアル)市で、これまで知られている中では最大サイズのオオスズメバチが見つかったのだそうです。

四川省にある成都華希昆虫博物館の昆虫学者の人たちが発見したのですね。


………あれ………。


……なんだろう、この既視感は……。

以前にもなんだかでかいハチの記事を書いた気がするのですが……。


……まぁいいか。


とりあえず、ありがたいことに写真が何枚か出ていたので見てみたのですね。

……ものさしと一緒に映っていますが、予想以上に巨大なハチなのですね。

……もしかして前回書いたあのハチに迫る大きさなのではなかろうか……。


ただ、今回のハチの場合、ハチ本人も大きいですが巣も桁違いに大きいのですね。


……つまり、前回の「巨大蜂」はハキリバチだったので、我々がイメージするような六角形の穴がたくさん並んだ板……いわゆる「ハチの巣」は作らないのですね。


ですが今回はスズメバチなので、バリバリ「ハチの巣」を作るのですね。


そして……その巣がでかい!!!


写真が出ていますが、直径だけでも人の身長ほどもありそうです。

人が両手を広げた長さと同じくらいの直径に見えますが、人が両手を広げた長さとはそもそもおよそその人の身長と同じくらいになるはずなので、それと同じ直径ということはそれすなわち人の身長と同じ直径ということなのですね!


また写真に写っているのは巣の内部にある巣の本体である「巣盤」が何枚かだけです。

つまり、スズメバチの巣は生きている時……というか実っている時……というか……、ハチたちによって運用されている時、この巣盤が幾重にも重なり合った状態で吊るされており、それがひと揃い木の皮でできた球状のケースに収まった格好をしていますから、この巣がもし完全な状態だったら一体どれだけの大きさになるのでしょう。


と、いうより、こんなんいったいドコに実ってるんだ!?

普通のスズメバチの巣と同じように木や軒下にぶら下がっているのだとしたら、それこそ相当なインパクトなのですね。


……まさに巨大スズメバチの巨大なる要塞なのですね。いくらハチ本人も大きいとはいえ、きっと建造には途方もない労力が必要に違いありません。

おまけに中身もしっかり詰まっている様子で……これは蜂の子好きな人が見たら泣いて喜ぶに違いない!


とりあえず本人の大きさといい巣のサイズといい発見した昆虫学者の人たちがどうしてプーアル市をさまよっていたのかといい、ツッコミどころが満載すぎてどこから手を付けたらいいのかわからないので、順を追って整理するのですね。


オオスズメバチ Vespa mandarinia

そもそもオオスズメバチとは、

動物界-節足動物門-六脚亜門-昆虫綱-膜翅目(ハチ目)-細腰亜目(ハチ亜目)-スズメバチ上科-スズメバチ科-スズメバチ亜科-スズメバチ属(ウェスパ属)

に属するハチで、学名を「Vespa mandarinia(ウェスパ・マンダリニア)」といいます。


属名の「vespa(ウェスパ)」というのはラテン語スズメバチのことですね。

種小名になっている「mandarin(マンダリン)」というのは元々サンスクリット語由来のポルトガル語で「大臣」を表し、昔の中国の官僚のことを西洋人たちはこう呼んだのですね。

現在は英語にもなっており、「マンダリン・チャイニーズ」といえば中国の公用語である「普通話(プートンフア)」……日本で言うところの「ふつうの中国語」のことを指すのですね。


なんにせよ「マンダリン」というのは既に中国の代名詞と化していますから、この学名をそのまま意訳すると「チュウゴクスズメバチ」「タイリクスズメバチといったところでしょうか。


名前のとおり中国とその周辺地域に生息しており、東南アジアや東アジア、もちろん日本にも住んでいるのですね。

日本のオオスズメバチ「Vespa mandarinia japonica(ウェスパ・マンダリニア・ヤポニカ)」と呼ばれるもので、名前のとおり日本固有の亜種なのですね。


和名の通り、スズメバチの仲間でも特に大型の種であり、日本のハチの中では最も強力な毒と高い攻撃性を持つ非常に危険なハチであるとされています。

産卵管に由来する毒針は敵に直接刺すだけでなく遠距離から毒液を吹きかけることも可能で、目に入った場合は人間でも失明の危険があるのですね。

また針以外にも強力なあごから繰り出される噛み付きの威力は相当なもので、成虫はこれを使って獲物を狩るのですね。

自らは体の構造上樹液のような液体状のものしか食べることができませんが、幼虫の間は他の虫の肉を食べて育つのですね。

またハチですから当然飛行能力が高い上に、柔軟な腹部はあらゆる方向に曲がり……つまり、毒針をフェンシングの突きよろしく自由自在に操ることができ、強力なあごと相まって格闘戦にも対応。さらにその体は甲虫のように頑丈な外骨格に覆われ優れた防御性能を誇るという、まさに猛毒の機関砲と装甲で武装した攻守ともに完全無欠の「戦闘ヘリ」のような昆虫なのですね。


1匹だけでも手ごわそうですが、恐ろしいことにこのハチはミツバチよろしく集団で生活しますから、その威圧感ときたら凄まじいものなのですね。


………まさに「最強のハチ」なのですね。

一説によると「最強の昆虫」とも。


これらの高い戦闘能力やその美しい姿を誇る彼ら……じゃなくて彼女らは、おそらく多くの昆虫少年少女たちにとって憧れと畏怖の対象となっていたに違いありません。


また最近では(10年前だけど)、百田尚樹さんが書いた小説の主人公になったことでも知られています。

小説ではとある働き蜂の視点からハチの世界が描かれており、今まで昆虫図鑑などで何気なく見ていたハチの一生とはかくもドラマチックなものだったのかと思い知らされため息が出る作品になっているのですね。


恐ろしい毒虫でありながら、その一方でこうもわれわれを惹きつけてやまないオオスズメバチはきっと大いなる自然の恵みと脅威が具現化した姿であるに違いありません。

まさに自然の化身……まさに神!


……なのですね。


……そういえばハチの神様っていないような……。
フンコロガシの神様はいましたが……。


なんにせよこのオオスズメバチ……大きなものでもふつうは体長4センチ程度なのですね。

今回発見されたものは6センチを超えていたといいますから、その大きさの桁外れ感がわかるというものなのですね。


また巣はどうやら土の中にあったようです。

オオスズメバチは木のうろだの土の中だの色々な所に巣を作りますが、さすがにこのサイズではうろの中は無理なのですね、きっと。

 

有名なお茶の産地との関係は……

さて、この巨大オオスズメバチ……雲南省普洱(プーアル)市の、ミャンマーとの国境近くで発見されたのですね。

プーアル市といえば「プーアル茶」が有名なあの場所なのですね。

どうして昆虫学者の人がこんな所でハチを探していたのかは謎です……何か別の昆虫の調査をしていて偶然見つけたのでしょうか。


そういえば雲南省といえばカンブリア紀の生き物の化石の産地で有名な澄江(チェンジャン)があるところなのですね。

カンブリア好きな私としてはここに何らかの縁があるのではなかろうかと勘繰らずにはいられないのですが、なんにせよ雲南省は何らかの生物学的情報の宝庫であるに違いありませんし、学者の方々もそれを求めてこの辺りを調査していたのでしょう。


またこのような大きさになった理由についてはどうやらこの土地柄が関係しているようで、上記博物館館長、趙力(ヂャオ リー)さんは、この地域は極端に冬が短く、温かい季節が長いため、成長に長い時間を使うことができ、その結果桁外れに大きくなったのではないか……と推測しているそうです。

ですが詳しいことはまだわかっていないのですね。


………今後研究を進めていく予定だそうですから、その後の調査でその辺りが解明されていくのだろうか……。


と、いうか……

そもそもこれ、本当にオオスズメバチなのでしょうか……。

何か新しい種類のハチ……もしくは亜種なんじゃないのだろうか……。


……「Vespa mandarinia puerensis」……みたいな名前が付いたりして。

「新亜種」ではなくて「新種」だったら「Vespa puerensis」でしょうか。


とりあえず、その辺りも含めて現在調査中なのですね。

もしかしたらこれは近い将来スズメバチ研究の歴史にまた新たなる1ページを刻むであろう大発見なのかもしれない!?


巨大オオスズメバチ……今後が気になるのですね。


……ところで、雲南省でも食べるそうなのですね、蜂の子。

どうにもハチの目が利かなくなる夜間を狙い、巣を掘り起こして採るのだそうです。

オオスズメバチのさなぎはなかなかに美味なのだといいますが…………博物館の方が巨大な巣を採取した理由って…………ま、まさか………。


…………さすがに最初から食べる目的だったわけではありませんよね、いくらなんでも。

……この後みんなで食べたのかもしれませんが……。