きつねとべっつりコーラのブログ。

きつねとべっつりコーラの2匹が、日々の出来事について思ったことや感じたことをただ淡々と述べていくだけのブログ。生物多め。

クモの仲間では最初に「今の姿」になったザトウムシ。まさかゴキブリもびっくりの完全生物?

何億年も進化していない?

………ゴキブリではありません。

昨日クモの記事を書きましたが……。

blog.kitsune-vetulicola.net


……最後に予告した通り、今日はザトウムシなのですね。

例の如くナショジオさんのサイトにいろいろ書いてあり、興味深かったので読んだのですね。

こちらその記事なのですが……ちょっと古く、2011年のものなのですね。

natgeo.nikkeibp.co.jp


……記事の中では「ザトウムシが3億年間その姿を変えていない」と書かれているのですが……現在の学説では最古の化石の記録が更新されているらしく、最も古いものでは4億1000万年前デボン紀のものがあるのですね。

……つまり、ザトウムシは「3億年」どころか「4億年以上」もその姿を変えていないのですね……。


どっちにせよ、これはゴキブリもびっくりの相当なツワモノなのですね。


ザトウムシ

さて、ザトウムシ……。

見たことが無い人はおそらくいないと思うのですが、どうやらクモと勘違いされることが多いようなので改めて書いてみるのですね。

ザトウムシとは

動物界-節足動物門-鋏角亜門-クモ綱-ザトウムシ目

に属する鋏角類(クモやサソリ、カブトガニの仲間)なのですね。クモはクモ目、サソリはサソリ目ですから、目レベルでクモとは異なるのですね。


よく森の中に行くと見かける、丸い玉のような胴体に不釣り合いになっがーいハリガネのような足を持ったあの虫です。

クモに似ていますが、胴体部分がクモは頭胸部と腹部とに分かれているのに対しザトウムシでは一体化しているのが大きな違いなのですね。


……モニターとキーボードが一体化したパソコンみたいなのですね。

きっとノートブックなのでしょう。


また鋏角(口の前にある小さな付属肢)の形もクモと異なり、「ハサミ型」をしているのですね。

鋏角亜門の中ではクモは唯一(?)「折り畳み式ナイフ型」の鋏角を持つことで知られており、「ハサミ型」はむしろ多数派なのですが、ザトウムシもこちらのようです。


足で前の方を探りながら歩く様子が、杖で前を探りながら歩く座頭市……じゃなくて盲目の人に似ているのでこのような名前になったのですね。

別名「メクラグモ」もしくは「アシナガオジサン」!!!


きっと盲目で仕込み杖をついた足の長いおじさんが、抜群の居合の技で悪と戦うに違いない!


……こんな狭いところで、刀そんな風に掴んじゃだめだよ。


昔近所の森にたくさん住んでいたので、子供のころはよく遭遇したのですね。
当時はアシナガグモとかなんとか呼んでいたのですが…………クモじゃないのですね。


……ちなみに「メクラ」だの「ザトウ」だのという名前ですが、一部の種類を除いてちゃんと目はついているのですね。

……どれほど見ているのかは定かではありませんが……。

クモ綱の仲間の眼は(カブトガニをクモ綱に含めるなら全て「単眼」で、例外はカブトガニだけなのですね。

そのうちクモやサソリなどには8つの眼があり、それぞれ顔の真ん中の方にある「中眼」が1対、横の方にあって、もともとは1対の複眼だったものが単眼化した「側眼」が3対あるのですね。

ですがザトウムシの場合は真ん中の「中眼」を残して退化し、無くなってしまっているようです。
(問題の化石のザトウムシには中眼1対、側眼1対の4つの眼があったようです。古いザトウムシは4つの眼を持っていたのですね。)

……眼を発達させたハエトリグモなどの一部の例外はいますが、どうにもこの仲間は眼を退化させたがる傾向にあるようです。


また付属肢は他のクモ綱に同じく鋏角が1対、触肢が1対、歩脚が4対あるのですね。

種類によっては鋏角が長かったり触肢がカマになっていたりいろいろあるようです。


またあの8本の長い足にはいろいろ凄い秘密があるようで、いやなにおいを出して身を守ったり、また音や振動、味やにおいを感じることもできるのですね。
さらに敵に襲われると根元付近で「自ら」切るという荒業を繰り出します。

どうやら足の付け根に切るため専用の関節があり、そこを境に切れるようになっているようです。
つまり、「うっかり切れてしまう」のではなくて、「そもそも最初から切ること前提で設計されている」のですね……使い過ぎは体に悪そうですが。

切られた足はトカゲのしっぽの如くしばらく動くので、敵がそれに気を取られているうちにさっさと逃げてしまうというわけですね。

そして切った後の傷口は瞬時に特殊な筋肉によってふさがれ、止血が行われるようです。

……自分から切る仕組みもそうですが一体どんな構造になっているのだろうか
足の付け根に炸薬が仕込まれており、足を切り離す時に炸裂したりするのか知らん。


……なんだかSF映画に出てくるロボットみたいなのですね。


また、切った足はカニやナナフシよろしくその後脱皮をすることにより少しずつ再生していくようです。

……この辺外骨格を丸ごと作り直すことができる節足動物の頼もしい仕組みだと思うのですが……脱皮って……生きている限り無限にできるのでしょうか、それとも大人になったらもう脱皮しなくなるのでしょうか……。


………この辺ザトウムシは資料が少ないので……イマイチよくわからないのですね。
きっとマイナーな動物なのでしょう。


なんだか「生まれた時は足が無く、脱皮を繰り返して8本になる」だの「一度無くなった足は再生しない」だの色々と眉唾な意見もあるのですが、いかにもアヤシイのでこれは置いておきましょう。


ちなみにあの長い足、みんながみんな持っているわけではなく、種類によっては足が短いクモやダニのような体形のものもいるのですね。

あくまでザトウムシは「目」の名前ですから、その下にかなり多様な「科」「属」「種」がいても不思議ではありません。


最初期に分岐したクモ綱の動物

さて……。

問題のナショジオさんの記事なのですが、2種類の化石について書いているのですね。

それぞれ「カイキザトウムシ亜目」「ヘイキザトウムシ亜目」という2つのグループに属するザトウムシの古代種のようですが、この2系統のザトウムシが当時から今と大差ない姿をしていたという事実により、ザトウムシはクモ綱の中でも最初期のころに現在の姿になったのではないかと結論付けているのですね。

というのも、4億年前はまだ他のクモ綱のメンバーたちは今とは異なる姿をしていたのですね。

かんじんの(?)クモでさえも、現在のような姿になったのは3億年ほど前で、それより前はまだサソリモドキともクモともつかない姿をしていたのですね。

ですが他のメンバーたちが試行錯誤をして姿を決めかねている間にも(?)ザトウムシは既に今の姿となり、そのまま現在までほとんど変わらずに生き続けている、というのがこの記事の趣旨のようです。

もちろんすこしは変わったところもあり、眼の位置や数、また肺の入り口の穴の位置なども現在のものとは少々異なるようなのですね。

ただ、それでもやはりザトウムシが最も初期に枝分かれして「わが道を往く」ようになったことには変わりはないようです。


あれ………。

と、いうことは……。


……「ザトウムシがクモに似ている」のではなくて、「クモがザトウムシに似ている」のですね。

つまり、両者のあの形……いわゆる「クモ型」は、クモ型と言いつつ実はザトウムシが先に使い始めたのですね。


こ、これは……。

クモ綱の正式名称が「クモガタ綱」ではなくて「ザトウムシガタ綱」になってしまうのですね!

きっと既に特許も取得されており、あとであの形になったクモやダニはその姿の維持のためにザトウムシに特許料を支払わなければならないに違いない!!


これで……ザトウムシ型の、一人勝ちだ!!


………3億年前から姿が変わらない節足動物……といえば真っ先にゴキブリを思い出すのですが、ここにもこのようなツワモノがいたとは……。

もはやそれ以上進化する必要がないのでしょう……。
何億年も昔に既に「完璧な」姿形を手に入れていたとは……いやはやザトウムシ、恐るべし、なのですね。

もう森の中をうろうろしているだけの地味な動物とは言わせません!?