無人の本屋さん
先日このような記事を書いたのですね。
東京都三鷹市に無人で本を販売している古本屋さんがあり、レジにはまさかのガチャマシンが使われている、という内容だったのですね。
また、この記事の最後には、とても気になるので今度行ってみたいと書いたのですね。
……と、いうわけで!
早速ですが予告通り、あの後お休みの日に実際に現地に行ってみたのですね!
善は急げ!です。
なので今日はその時のことについて書こうと思います。
まるで「漏れ鍋」……電車を乗り継いで目的地へ!
私が住んでいるところは別のところにあるのですが、この時は他の用事も兼ねて町田にいたのですね。
……また町田が出ました……なんでも揃う、我らが都会!(?)
なのでそこからならば一度小田急線に乗って新宿まで行き、そこから中央線に乗り換えて三鷹駅を目指す、というルートが最短だったのですね、多分。
……少なくともNAVITIMEさんによれば「最安」ではありました。
なのできつねもそのルートで三鷹に向かったのですね。
三鷹駅………。
けっこうわかりづらい建物です……言われなければ駅ビルに見えないでしょう……たぶん。
とりあえず、事前にルートの調査は(「Google Street View」で)済ませておいたので、駅から迷うことはなかったのですね。
問題なのは帰ってくるときです。
……とりあえずその心配は後回しにして、大通りを抜け、裏路地に入り込み……人気のない道をしばらく進むのですね。
そして小さな公園のそばに……ありました。例のあのお店です。
急いで撮ったのでちょっと写真が曲がってしまいましたが……噂通り看板が無いのですね。
おまけに小さく目立たないので、ここに本屋さんがあるということを意識していなければうっかり素通りしてしまいそうです。
まるでハリー・ポッターシリーズに登場する魔法の世界への入り口の1つである目立たない居酒屋……「漏れ鍋」のようです。
きっとこのお店の中に魔法の世界ならぬまだ見ぬ未知の本の世界への扉が隠されているのだろう。
いや、ですがここまでは予想していた通りです。
ここにアップするためにわざわざ自前で写真を撮りましたが、きつね、既に似たような写真をネットや新聞のそこかしこで見ていたのですね。
クオリティはそっちの写真の方がだんぜん上なのですね。
……そしてわざわざお店の外観を撮影している間に、どこからともなくやってきたおじさんが「ここか……」と言いながらお店の中へと入っていったのですね……見事に先を越されてしまいました。
きつねも後に続くのですね。
本当にガチャマシンがレジになっている店内
とりあえず中に入ると……本当に誰もいません。
そして本当にレジ代わりにガチャマシンが置いてあるのですね。
まぁ、事前に写真を見ていたので知ってはいたのですが、改めて自分の眼で見てみるとこれはこれでかなりのインパクトなのですね。
……おまけになんだか絵になっています。
きつね、ガチャマシンというものがここまで幻想的になるとは思ってもいませんでした。
もし時間帯がもう少し「夕暮れ時」なら、ここで「黄昏のガチャマシン」を拝めたに違いありません。
きっと現実世界と魔法の世界……ではなくて、あの世とこの世の間を繋ぐ扉が開くトワイライトプリンセス的な世界観を、目の前のガチャマシンを通じて見られたことでしょう。
ですが残念ながらまだ時間は2前……黄昏時には程遠いのですね。
もっともガチャマシンの向こう側の窓は北側を向いているので、もし本当に黄昏時にここに来たとしてもそのような幻想的な世界観が演出されるかどうかは保証できませんが。
とりあえず……気になりました。
ここ、ガチャマシンはあるのに両替機が無いのですね。
きつねは来る前にネットの写真を見て予想していたので、事前に町田でしっかり両替してきたわけなのですけれども。
ともあれ、暫くおじさんとお話していたのですね。
……知らない人とこのようにお喋りするのはとても珍しいことなのですが、こういうのもこのお店の魔力じゃなくて魅力のようです。
近所の人たち同士が繋がる本屋さん……というのはこういうことなのですね、きっと。
……あれ……。
たしか元々の趣旨は「人と本が交流する」だったような……?
……、これはきつねが独断と偏見で感じたことなのですが、ここ、「人と本」どころか「人と人」をも繋いでくれると思うのですね……。
なのでこの記事ではとりあえずそういう趣旨のもとで話を進めて行こうと思います。
本来の趣旨から逸脱しているかもしれませんが、敢えて気にしないことにしましょう!
とりあえず、店内はこのような感じなのですね。
ひじょうにわかりづらい写真で大変申し訳ないのですが……噂通り2坪ほどの空間に色んなジャンルの本が並んでいるのですね。
また色々な植物がところどころに置かれていたりと小さいながらもお洒落なのですね。
まるで地味ながらも独特のお洒落な魅力を持つ無印良品のようだ……!
……ところでここ、特に「撮影NG」みたいなことは書いていなかったのですが、こんな風に勝手に写真を撮ってしまって怒られないだろうか……。
大丈夫かな……。
……まぁいいか。
どうやら私と同じくおじさんも新聞を読んで来たらしいのですね。
なにやら奥さんに頼まれたようです……何とかの本を探していると言っていたような……?
とりあえず私も自分用に本を探します。カンブリアカンブリアカンブリア……カンブリア紀の動物の本があるかななどと思っていたのですが……無い!
……やはり少しマニアックすぎるようです。
そうこうしているうちに3人目のお客さん……お姉さんが入ってきたのですね。
ですがお姉さんとは特に会話をしなかったのですね……。
おそらく私とおじさんが普通に(まるで旧知の仲であるかのように)会話をしているので、友達同士か何かだと思って入り込めなかったのでしょう。
……何も見つからなかったのか、いづらくなったのか、お姉さんはすぐにいなくなってしまったのですが、とりあえずおじさんはなんだか好い本に巡り合えたようで、分厚い本を私に見せて「これを買うよ」と言ったのですね……値段は500円。
……ここ、前の記事に「値段は300円か500円か800円」と書いてしまったのですが、実際は「300と500の倍数なら何でもアリ」らしく、「1000円」とか「600円」とかもあったのですね……なんとまぁ。
なんにせよおじさん、気に入った本が見つかったみたいでよかったのですね。
……ですが百円玉を持っていなかったらしく、「五百円玉が使えない?まいった~」と言っていたのですね……。
そうです、ガチャマシンというものは百円玉(と最新型では十円玉も)しか使えないのですね。
なのでガチャマシンのそばにはほぼ確実に両替機が置かれているものなのですが……あいにくとここにはありません。
おじさん……どうやらガチャマシンを使うのは初めてのようです。
……ここはきつねが手助けしてあげねば……!
というわけで、両替してあげるのですね。あなたの使うぶんは大丈夫なのかと心配されたのですが、幸いなことに百円玉はたくさんあります。
来る前に町田のガチャコーナーの両替機で(ガチャも買わずに)両替したのでたくさん持っているのですね。
……弁解するようですが私以外にもガチャも買わずに両替だけしていた人がいたので……おそらくガチャコーナーの両替機というものは往々にしてこのような使われ方をするものなのでしょう。
ともあれ、無事にお金が揃ったところでついでにマシンの使い方も説明するのですね。
500円なので、「下の」マシンです。
「このマシンはバンダイさんの『カプセルステーションV(ファイブ)』です。ネットで3万円台で買えるのですね」などというマニアックなことまではさすがに説明しませんでしたが、「こんなのやったことないよ」というおじさんに対し「楽しいですよ!」と妙に力をこめて言ってしまったので、私がガチャマシンおたくだと思われてしまっても不思議ではありません。
とりあえず……めでたく欲しい本を購入し、お店を後にしたおじさんは、暫く外の公園のベンチにいたのですね。
……きっと本を読んでいるのでしょう。
私も本を買ったら後でお喋りでもしに行こうかな……。
……などと思ったのですが、カンブリアの本が無いのでした。
……どうしよう……まさかせっかくここまで来て何も見つけられずに手ぶらで買える羽目になるのでは……と思ったのですが、無事にちょっと気になる本が見つかりました……値段は300円。
……これでいいか(?)。
とりあえず……きつねは自分の本を買って……、「上の」マシンで300円を払ったのですね。
噂通り、中にはレジ袋が入っています。
青が300円、黄色が500円なのですね。
また、予想通りマシンの横のごみ箱はカプセル置き場だったのですね。
中を見るとしっかり空のカプセルが入っていました。
きっとこのあと店長さんが来た時に回収して再利用するに違いありません。
……そういえばおじさんは……カプセルどうしていたかな……。
開封してここに入れて行ったかしらん……。
……おじさん!?
……どうにも肝心なところを説明し忘れてしまったようです……無事に本を買ったおじさんを、そのまま見送ってしまったのですね……。
……まぁいいか。
……いや!ダメです!
このせいでお店の運営経費がカプセル1つぶん余計に増えてしまうのですね!
……なんだか悪いことをしてしまいました……。
また、「本を寄付してくれる人が本を入れて行ってくれる」という噂の「木箱」もあります。
この中にもイロイロと本が入っているようですが……おそらくまだ値段も付いていないものかもしれないので、この中身には触らないことにして……帰るのですね。
お店を出る前にまた新しい人……おばさん……が来たのですが……ほとんど入れ違いになってしまいました。
……ですがきつね、挨拶だけはするのですね。
おそらくこのようにして地域の人々の絆が強まっていくのだろう。
……これは!
まさに地域の人々の公共の本棚……なのですね。
もっとも私は「三鷹の人」ではありませんが……。
インターネットはもはや「地球(ほし)の本棚」と化していますが、ここは「三鷹の本棚」であるに違いありません。
きっと素敵な2人組の名探偵の片割れが、不可思議な事件の解決のために役立てるのだろう。
……検索を始めよう。キーワードは……。
まさに「一期一会」な不思議な空間
ところで、お店を出るとおじさんはもういなかったのですね……さっきまで公園のベンチにいたはずなのに。
きっと私が本を物色している間にいつの間にか帰ってしまったのでしょう……奥さんの元へ。
もう少しお喋りしたかったのですが……ちょっと残念です。
とりあえず私も帰ります……また今度来ようかな。
なんにせよ不思議な空間だったのですね……。
裏路地の片隅にぽつねんと佇んでいるこの妙な存在感や、ガチャマシンとは思えないほど幻想的なガチャマシンもそうなのですが、なぜかこの中にいる人たちとはお友達になれそうな気がしてくるのですね。
きっと私が「本を買いに・読みに来る」という段階を越え、「本を持ち込む」ようになればさらに、この「不思議な感じ」は強まっていくに違いありません。
まさにとても素敵な、人と本だけでなく人と人をもつなぐ「不思議な本屋さん」なのですね。
きっとこれは古本屋さんの未来の形に違いありません。
……おじさんにもらった五百円玉は大事に取っておくのですね。
……ただ、少し気になったこともありました……。
せっかく立派なガチャマシンがあるのに……両替機が無いのは問題です……。
私が現地に行く前に調査をして、両替機が無いことを知っていて、事前に他所のお店で両替して百円玉をたくさん持っていたからよかったようなものの……もし私も何も知らずに来ていたらおそらくおじさんも私も本が買えなかったかも……。
こ、これは……。
……うん。
きっと色々な事情で設置できなかったのでしょう。
両替機……安いものでも7万円近くしますし、おそらく常に電源を入れておかなければならないので24時間営業で運用するとなると待機電力もかなりかかってしまうのですね。
2つセットで3万円かそこらで買え、また電源も必要がないガチャマシンとはえらい違いです。
ですがここが全く新しいタイプの古本屋さんであることに変わりはありませんし、私としてもとても素晴らしい試みだと思ったことは紛れもない事実なのですね。
なんにせよ、帰り道は迷うこともなく無事に三鷹駅まで帰れました。
事前に「Google Street View」で散々道に迷っていたのが功を奏したのでしょう。
とりあえず……中央線の上まで出てきたので……せっかくなのでその足で秋葉原へ!
……行ったのですが、それはまた別の機会にお話することにします。