はやぶさ2間もなく着陸
いよいよですね……!
はやぶさ2が今月22日、ついにリュウグウに着陸するのですね。
地球生命誕生の謎を探るため、太古の太陽系の成分を残しているであろう小惑星にやってきたはやぶさ2でしたが、これでいよいよ旅の目的である「小惑星サンプル」を採ることができます。
今までなんだかんだいろいろありましたが、これでやっと目的が果たせるのですね。
これは宇宙戦艦ヤマトがイスカンダルでコスモリバースシステムを手に入れるくらいの偉業なのですね(なんか違う気が)。
それを記念して(?)、昨日のヤフーニュースさんにはやぶさ2を操縦している人たちの記事が載っていたのですね。
正確には操縦ではなく「運用支援」というようです。
あくまではやぶさ2は自律して動き、人は地上から細かい指示を出すだけ、ということなのでしょう、多分。
「運用支援」しているのはNECネッツエスアイさんのスタッフ4人なのですね。
NEC……。
JAXAさんじゃないのですね。
どうやらJAXAさんの衛星や探査機の運用支援はNECネッツエスアイさんがやってきたのだそうです。
なるほど、長年の同盟軍というか戦友だったのですね。
……そういえば、どうやって操縦……じゃなくて運用支援しているのでしょう。
……じつはきつね、ずっと気になっていたのですね。
はやぶさ2に限らず、そもそも探査機ってどうやって操作するものなのでしょうか。
記事では操……じゃないや、運用支援の方法についても触れていたのですね。
昔ながらの操作方法?
私としてはかなり意外な方法だったのですが、はやぶさ2には地上から「コマンド」を送ることで指示を出しているようです。
……コマンド……。
……コマンドって……アレ、ですよね……。
Linuxの「端末画面」とか、Windowsの「コマンドプロンプト」とかから打ち込んで、パソコンを操作できる「cd」とか「mkdir」とか「touch」とか「gcc」とか、あの短い命令文+いくつかのデータ(コマンド引数)のこと……だと思います、多分。
具体的なやり方は書いてありませんでしたが、とりあえずキーボードから入力して「最後にエンターキーを押す」のだそうです。
……やっぱりコマンドだ!
おそらく「何時何分にエンジンをこれくらい噴け」という指示を出したい場合は、エンジンを作動させるコマンドに、作動時間と出力を引数として渡して送信するのでしょう。
コマンドの正体は内部コマンドを除けばそのコマンドの機能を実装してあるプログラムのファイル名なのですね。
そしてコマンドと、コマンド引数を「端末画面」に入力し、「最後にエンターキーを押す」ことによって実行するのですね。
コマンドが実行されるとOSがそのコマンドに対応しているプログラムを起動し、その「main関数」に「コマンド引数」が流れ込み、コマンドの機能が発動するのですね。バーン!と。
今でこそWindowsはじめとするGUIのOS……つまり、画面をクリックやタップするだけで操作ができるOSが普及していますからコマンドを目にする機会は減りましたが、むかしのコンピュータはみんなコマンドで操作していたんですよねわかります!
だからこそむかしは「コンピュータ=難しい」というイメージがあり、「困ピュータ」なる造語も生まれたわけなのですよね(?)。
こ、これは……!
とっても親近感がわきます。
パソコンとおんなじです!
……まさか、Linuxと同じ……だったりして……。
そういえばはやぶさ2のOSってどうなっているのだろうか……。
おそらく……いや、絶対確実にウィンドウシステムとカーネルが独立しているLinux系OSであるはず……!
間違っても両者が一体化しているWindows系ではないはず……!
コンビニなどのレジはWindows系が主体らしいですが操作画面を持たない探査機は違うはず!!
…………考えても答えが出そうにないので、次に行きます。
とてつもなく責任重大なコマンド入力
なんにせよ、はやぶさ2の操作がコマンドを使ったものであるということがわかりました。
よくSF映画で遠隔操作のロボットを画面を見ながら操縦していたりしますが、きつね、今まで漠然となんとなくあんな感じかな~などと思っていたのですね。
でも、地球とはやぶさ2との通信は光の速さで飛ぶことができる電波を使っていますが、よくよく考えたらはやぶさ2までの距離は3億キロも離れており、光の速さでも片道20分もかかってしまうわけですから、そんなリアルタイムな操縦ができるはずがありませんね。
コマンドを入力してエンターキーを押し、はやぶさ2がそれを受け取って動くのが20分後……そして結果がわかるのはさらに20分後になってしまうのですね。
こりゃ、コマンドでやるしかありませんね。
……おそらくキカイの操作というものの究極の形はコマンドなのだろう。
そういえばアニゴジに登場したナノメタルもビルサルドの言語をベースとした制御スクリプトにより動いていました。
GUIによる操作は「可能ならば」という条件が付いて初めて可能になるに違いない!
なんにせよこの4人のスタッフさんたちが日夜地上の端末(パソコン?)からコマンドを送り、はやぶさ2を操作しているのですね。
送信するコマンドの数は多い時には1日4000個、しかも一回送るごとにミスがないか確認していく必要があるわけですから大変ですね。
……実際にLinuxやWindowsのコマンドを操作したことがある人はわかると思いますが、アレ、1文字間違ってもちゃんと動かないのですね。
相手がパソコンならばスペルミスしても即座に「そのようなコマンドはありません」と教えてくれますが、20分後にようやっと入力が完了する探査機ならおそらくそうもいかないでしょう。
いや、そもそもそのようなスペルミスは論外です!
きっとこの人たちはそのようなミスはしないはず!?
問題なのは「どのコマンドをどのタイミングで送るか」と「コマンド引数をどうするか」だと思います。
また天候もかなり重要で、天気が悪いとコマンドが送信できなかったり、出来たとしてもはやぶさ2からの「返事」を受け取れなかったりするのですね。
往復40分もの時差があるため、40分後の天気も考慮に入れて送信しないといけないようです。
普通のパソコンのコマンドですら打ち込むときは神経をすり減らすのに、これは……。
……とてつもなく神経が消耗してしまいます……!
……そういえば、いつだったかNASAさんの火星探査機キュリオシティを運用している人が、「世界一高価な車を運転しているのだからミスができないしものすごく緊張する」みたいなことを言っていたのですね。
きっとこの人たちも同じに違いありません。
そのキー入力には高価な探査機と、生命の起源の研究の未来が掛かっているのですから!
……皆さん、本当にご苦労様です。
ともあれ着陸予定は22日……あと10日後なのですね。
これは無事に成功することを祈るしかありません。