きつねとべっつりコーラのブログ。

きつねとべっつりコーラの2匹が、日々の出来事について思ったことや感じたことをただ淡々と述べていくだけのブログ。生物多め。

トンボのお肌に次世代日焼け止め?くれぐれも乱獲はしないように……

トンボのワックス

なにやら身近な昆虫の大きな秘密が発見されたようです。

国立の研究機関である産業技術総合研究所の研究チームがシオカラトンボを調査し、彼らが水をはじき、紫外線を反射するワックスを分泌していることを突き止めたのですね。

ワックスの詳しい性質は現在調査中とのことですが、これでもしかすると生物由来の画期的な日焼け止めが作れるのではないかと期待されているようです。


……従来の日焼け止めはチタンや亜鉛などの金属成分が含まれていたりするため、人によっては金属アレルギーを起こしてしまう可能性もあるのですね。

ですがトンボのワックスはもしかするとそれらの「副作用」に悩まされることなく日焼け止めとして使用することができるのではないか……と言われているようです。


……もしそれが可能なのだとしたら「トコトン掘り下げ隊! 生き物にサンキュー!!」で取り上げられるレベルの素晴らしい発見だと思うのですが、シオカラトンボ……。

そんなワックスみたいな成分ついてましたっけ……。

とりあえず、もしかすると彼らは身近なようでいて実はあまり知らない(?)昆虫なのかもしれないと思ったので、今一度シオカラトンボについて調べてみるのですね。


シオカラトンボ

さて……シオカラトンボは昔から今の今まで夏になるといたるところで見かけることができるトンボなのですね。

オニヤンマやアカトンボに並んで「トンボ」という昆虫を代表する種である……かもしれません。

きつね、「トンボ」という言葉を聞くと真っ先にこのシオカラトンボが思い浮かぶのですね。


また、オスとメスとで色が違うことでも知られており、メスが黄色くて黒い模様があるプリッツみたいな色をしているのに対してオスは青みがかった色をしているのですね。

このためメスは「ムギワラトンボ」とも呼ばれるのですね。


このシオカラトンボ、分類としては

動物界-節足動物門-六脚亜門-昆虫綱-トンボ目-トンボ科-ヨツボシトンボ亜科-シオカラトンボ

に属する昆虫で、学名を「Orthetrum albistylum」というのですね。

日本に住んでいるシオカラトンボその日本亜種である「Orthetrum albistylum speciosum」というのですね。


オスの体の本当の色は黒色ですが、年を重ねるにつれて体が黒くなり、また表面が灰白色の粉で覆われていくため、青白く見えるようです。

この粉を塩に見立て、「シオカラトンボ」という名前になったようです。


イカの塩辛……とは関係がないようなのですが、驚きです。

……なんと、本当は黒いのですね。
青く見える部分は全部すべて粉の色でしたか……これは私も知りませんでした。てっきり模様なのかと……。


ちなみに若いオスはまだメスと同じような黄色に黒の模様がある姿をしているのですね。

また、稀にメスでも年を取ったオスと同じようにシオカラくなる子がいるようです。


……どういう仕組みなのだろうか……。

……環境ホルモン……………?


……考えだすとキリがないのですね。
とりあえず基本的にはシオカラいのは年上のオス(おじさん?)だけだそうなので、ここでは「シオカラい=年上のオス」という前提で話を進めていくことにします。


さて、このシオカラトンボ……のオス、この粉でなんと紫外線を反射するのですね。
研究チームが調べた結果、どうにも油のようなワックス(蝋)成分が見つかったのですね。

……蝋も油の一種ではありますが、とりあえずこのワックスの表面を顕微鏡を使って観察すると、板のような細かい粒が沢山重なったつくりをしており、この板のような粒が紫外線などの光を拡散反射させるのですね。

この成分、他の生き物ではあまり見られないものだそうで、かなり特殊な成分なのですね。


……なるほど、紫外線を反射するわけですから、これをまとっている限りオスが日焼けをすることはなさそうです。

またオスは肌の色も黒色ですから、おそらくは紫外線を吸収してしまい、粉と共に二重の防御壁の役割を成しているに違いありません。


まさに鉄壁の「紫外線対策」なのですね。

シオカラトンボのオスはメスにモテるために美肌を気にしているのかもしれません。


また、この粉の成分は人間にも応用できそうで、今はまだ安全性の確認をしている段階のようですが、もし実用化すればこれで新世代の日焼け止めが作れるのですね。


カブトガニの二の舞にはならないように……

ただ、1つ疑問もわきます。

たとえ成分がわかり、また人体への安全性が証明されたとしても、このような成分を果たして人工的に作れるのでしょうか。


………作れない場合はどうするのだろうか……。

まさか、シオカラトンボから直接採取する?


そうだとしたら大変です!

あんな小さな昆虫1匹からとれる成分の量なんてたかが知れています。

日焼け止め1瓶作るのに一体何匹のトンボが必要なのでしょうか……。
集めるだけでも大変そうです。


また、折よく全国の「虫取り少年」や「昆虫マニア」に協力してもらい、無事に必要な数のトンボを集めることができたとしても、あの青白い粉を採ってしまって……果たしてトンボは平気なのだろうか……。

そもそも粉に日焼け止めというか紫外線を遮る効果があるということは、つまりシオカラトンボのオスはあの粉を使って紫外線を遮ることで夏の炎天下の下お肌を守っているはずです。

いや、もし違う用途だったとしても、何かしらの用途のために必要だからこそ敢えて粉をまとっているはずです。


……その粉を取ってしまって……トンボは大丈夫なのでしょうか。


昨日書いたカブトガニの血液に同じく「採った後は自然に還す」のだとしても、シオカラトンボ界……ひいては日本の自然界にどれほどの影響が出るのかは定かではありません。


……もしかするとカブトガニの血液と同じように、「採った後は30%が死亡する」などという恐ろしい副作用が起きるかもしれません。


……カブトガニの血液よろしく環境破壊につながらないだろうか……。

下手をすると環境破壊が進んだ昨今でもまだなお身近に居続けてくれるシオカラトンボが、日本各地から永久に姿を消す、などという事態になるのかもしれない。


きっと今後はアカトンボに続きシオカラトンボまでもが絶滅の危機に立たされ、また1つ古き良き時代から続く日本の自然の風物詩が消えてなくなっていくに違いない!


……もっとも、そもそもカブトガニの血液と違ってトンボのワックスはそうたくさん採れるものではないでしょうから、最初からそのような考えは誰も持たないかもしれません。

つまり、集めるのはあまりにも大変なので、最初からみんな人工的に合成する方向で考えるのではなかろうか……。


……カブトガニの血の件では早いうちから人工の合成品が市場に出回っていたにも関わらずみんなが買うのを渋っていたため、そのせいで結局15年もの時が無駄に過ぎてしまい、結果200万匹もの尊い希少生物の命が無駄に犠牲になりましたが、トンボの場合はそうならないといいですね。