昨日言っていた「空飛ぶ車」
昨日の記事でちょっとだけ取り上げた「空飛ぶ車」なのですが、取り上げてしまった以上今日はその記事を書こうと思うのですね。
昨日は論文の解読に追われてアレでしたが、気になっていたので色々と調べてみるのですね。
ニュースの内容は「ボーイングさんが開発した『空飛ぶ車』が試験飛行に成功した」というものでした。
一体どのような「車」だったのでしょうか。
アメリカ航空宇宙機器大手ボーイングさんが開発
……「航空宇宙機器」って……飛行機だけじゃなく宇宙船も作っていたのですね……ボーイングさん。
ボーイングさんの飛行機は日本の航空会社でも使われていてお馴染みですね。
私も何度か乗ったことがあります。
ですが飛行機や宇宙船に飽き足らず、ついに「空飛ぶ車」にまで手を出したのですね。
……より厳密に言うと実際に作ったのは子会社であるオーロラフライトサイエンスさんのようです。
なにやら「オンデマンド自動運転航空輸送」開発プロジェクト……なるものの一環なのですね。
……よくわかりませんが。
それで今回試験飛行に成功したのは
全長: 9メートル
幅 : 8.5メートル
最大飛行距離: 80キロ
の試作機なのですね。
電気により動き、離陸から着陸まで完全自動操縦で、ヘリコプターのような垂直離着陸やホバリングができるそうなのですが……
……AIを搭載しているのでしょうか……。
なんにせよ最大のウリは「無人で自律飛行ができる」ということなのですね。きっとGPS衛星からの情報を頼りに動いているのだろう。
試作機はどうやら2人乗りらしいのですが……自律飛行ということはつまり「パイロットが不要」ということなのですね。
それなら乗客を2人運べることになるのですね。多いのか少ないのかはわかりませんが。
また、機体は丸みを帯びた最新鋭の飛行機のようですが、足元は無骨なフレームがむき出しになっているのですね……。
おそらくまだ試作機だからなのでしょう。そのうち全体的に丸みを帯びたデザインになるものと思われます。
なんにせよ今回の成功はまだ始まりにすぎず、これからさらに飛行実験を繰り返し、安全性と信頼性を高めていくのですね。
そしてゆくゆくは……「都市における空飛ぶ移動手段」として普及するようになっていく……のだと思われます。
また、このように自律飛行で人を運ぶ車両(飛行機?)はボーイングさん以外にもアメリカの配車サービス「ウーバー」さんや、世界中の企業が開発しているのですね。
もちろん日本も負けておらず、実際関西では地元の中小企業の力を結集して「空飛ぶ車」を開発しようとしているようです。
こちらは2025年の大阪万博でデモ飛行をするのですね。
こちらは日本版GPSである「ヤタガラス」からの電波を頼りに無人で空を飛ぶに違いない!
また、都市における空飛ぶ移動手段、とありますが、これ、都市部だけじゃなくて地方でも活かせないのでしょうか……。
確かに都市での移動手段は大切ですが、本当の意味で移動インフラが足りなくて困っているのは地方だと思うのですね。
都市部ではちょっと動いただけで色々なものがありますが、地方では長い距離を移動しなくては必要なものにたどり着けないのですね。
つまり、都市部ではそこらじゅうにお店がありますが、地方では遠出をしなければ何も買えない、などということも珍しくはありません。
もしこのような自動運転の車……たとえ空を飛ばなくても……が地方で普及すれば、お年寄りが無理をして車を運転し続けなければならない現状を変えることができると思うのですが……。
お上がなんとかしてくれないか知らん。
「最新技術」が「企業だけのもの」になっている現状
ところできつね、こういうニュースを見る度にいつも思うのですね……。
基本的にこのような「最新鋭の技術」を駆使したものを開発できるのは、すでに他の物の開発で培われた実績とノウハウを持っている大企業か、複数の中小企業がそれぞれの専門分野を活かして結集した「中小企業連合」だけなのですね……。
つまり、ここまで技術が高度化すると「マニアックな個人がガレージで廃材を組み合わせて自作する」というようなことは、もうできないのですね。
……なんだかだんだん「個人」の価値が低くなってきている気がします。数十年前はこんなことなかったような……。
朝ドラなんかを見ていると当時のことが思い起こされて改めてわかるのですが、当時と今とでは大分環境が違うのですね。
こういう言い方はいささか不謹慎かもしれませんが、当時は今と比べてみて技術的な水準は低かったのですね。
逆に言うと、普通の人がそこそこ頑張れば社会的に見てそれなりの水準に到達することができましたし、名もない個人が業界に新規参入……そもそも業界そのものを作ってしまうということも今と比べればそんなに難しいことではなかったのですね。
ですが最近は何を作るにしても高度な技術が必要になってきています。
技術の進歩とともに専門分野が次々と細分化されてゆき、1つの分野だけで膨大な量の知識を掘り下げて学ぶ必要が出てきたのですね。
また、それにより個々の技術者のつぶしが効かなくなっているだけでなく、名もない個人が新しく業界に参入するのも難しくなってきているのですね。
……ましてや業界そのものを作るなど。
生物の進化と似ている……?
このような現状を見て、なんだか多細胞生物の進化みたいだ……と思うのは私だけでしょうか。
遠い昔、初めて地球上に誕生した頃の生命はみんな全て細胞1つだけで生きている生命体……いわゆる「単細胞生物」だったのですね。
当初は1つの細胞が単独で行動し、それだけで1つの生命として成り立っていたのですね。
つまり、1つの細胞が「食事」「移動」「生殖」など、生物として必要なこと全てをやっていたのですね……ひとりで。
ですがいつしかその中から群れを作って集団で生活する細胞たちが現れたのですね。
最初は「ただの個体の集まり」だった群れは、次第に結束を強めてゆき、やがてそれぞれの細胞の役割が「食事」「移動」「情報伝達」「生殖」など高度に専門家されて細分化してゆき、それに伴いそれ以外の能力を失い、もはやそれぞれの細胞単体では生存ができなくなっていったのですね。
……そして、我々のように複数の細胞が集まって1つの個体を形成する生き物……いわゆる「多細胞生物」が生まれたのですね。
こ、これは……!
まさしく現代社会そのものですね。
おそらくこれらの中に生物の進化や文明の発展といったものの本質が隠されているのだろう。
そしてそれは「最初は一人で何でもやる。次にみんなで助け合い、全体として生きる。そして最後は一人一人が全体の中の歯車の1つになり、そこに『個』というものは存在しなくなる」という一連の流れに回帰していくに違いない。
それを現代社会に当てはめると……それはすなわちやがて個々人の社会的な立ち位置≒身分が固定化され、「脳みそとして生まれたものはその子々孫々に至るまで脳みそでいられるが、尻として生まれてきたものは子々孫々に至るまで尻であり、絶対に脳みそになることはない」という絶対的な「役割カースト制度」が誕生するんだ、絶対そうだ!
こ……これは……!!!
………………まさしく「全体主義」……なのですね。
既に37兆個もの細胞がたった1人の人間を構成しているのと同じように、やがては70億人もの人々がたった1つの「セカイ」を構成するようになるのだろう。
そして人間の細胞1つ1つに「個」という概念が存在しないのと同じように、世界中の人々ももはや「個人」として尊重されることはなくなり、ただの「70億分の1、One of Them」として見なされるようになっていくに違いない!
さらに、1つ1つでは何の意識も処理能力も持たない脳細胞が、複数個つながることにより意識や処理能力を生み出すのと同じように、何も考えない個々人が複数人つながることにより、個々人の意思とは全く関係のない集団としての意識が誕生し、もはや人々のあずかり知らぬレイヤーの上で事実上の「セカイの意識」として機能し、「セカイ」はこの単一の「集合意識」によってコントロールされるようになっていくんだ、絶対そうだ!
こ……!これは!!!!
新たなる次元の「多細胞生物」の誕生です!
……まさに「SPACE BATTLESHIP ヤマト」における「ガミラスとイスカンダル」!……なのですね。
必ず、生きて還る。
個人の手に「技術」が戻る日はもう来ない?
色々と妄想しましたが、1つはっきりしていることがあるのですね。
どうにもこの流れで行けば「個人の力で何かをする時代は、もう終わりだ」なのですね……。
いや、古き良き時代の「みんながお店を持っていた時代」から、近代の「誰かが持っているお店でみんなが働く時代」……いわゆる「資本主義の時代」になった時点でこうなることは予想できました。
この時点で既に「個人」よりも「資本」が重視される世界になりつつあったのですね。
そしてそれが加速するとやがて「セカイ」そのものが「1つのお店」になってしまいかねませんね。
……そんなお店で作ったものなんて、一体誰が買うのだろうか……。
一体誰が「自分たちで開発したものに対して好き好んでお金を払う」のだろう。
なんにせよそろそろこの社会の仕組みについて考え直さなければならないのですね。
このままでは全ての人たちが「セカイ」の歯車の1つになってしまいますね。
……なんだか新たなる社会問題にぶち当たった気がするのですが、きつね、現状ではこれを解決する術を知らないのです……。
一体どうすればいいのだろうか……。
上に同じく生物の進化にヒントを見出すなら、可能性が見えてくるのかも……。
地球上で現在、多細胞生物が繁栄していますが、それは決して単細胞生物が滅んだという意味ではないのですね。
現に細菌や酵母などの単細胞の生き物は身の回りにあふれていますし、彼らは我々の文字通り見えないところで地球上の生態系を支えているのですね。
また深刻な病を引き起こす病原菌が動植物を苦しめることがあるように、単細胞生物は少なからず多細胞生物に直接的な影響を与えているのですね。
これを人間社会に置き換えるとすると、大企業などの大きな集団が中心となる社会が形成された後でも、まだ個人事業主が存在し続けているし存在する余地がある、ということなのですね。
……たぶん……。
きっとこの辺りにこれからの社会を単細胞生物として生き延びるヒントが隠されているに違いありません。
それが分かり次第きつね、これに続く記事でまた何か書こうと思います。
……続くかどうか知らないけど……。