きつねとべっつりコーラのブログ。

きつねとべっつりコーラの2匹が、日々の出来事について思ったことや感じたことをただ淡々と述べていくだけのブログ。生物多め。

これが「便利」の裏側の現実!「コンビニオーナーになってはいけない」という本の内容が恐ろしすぎる件について

コンビニのオーナーさんからお借りした本

コンビニ……。

便利ですよねー。
どこにでもあって、いつでも開いていて、おまけに食品から文房具、果てはチェス盤やオセロ盤まで、日常生活で必要そうな大抵のものは売っているのですね。

私もよく最寄りのコンビニを利用するのですが、最近では24時間開いていますしいつでも色々なものが揃っていてつくづく便利な世の中になったなと思います。

日本初のコンビニとなったのはセブン-イレブンさんで、当時は文字通り朝7時から夜11までの間だけやっていたのですね。

それがいつの間にか24時間営業となり、いつしかそれが全てのコンビニで当たり前のことになったようです。

私がコンビニを利用し始めたのはシステム開発をしていた頃なのですね。
あの時は深夜過ぎまで残業だったり会社に泊まり込みだったりすることが日常だったので、いつでも開いていてくれるセブン-イレブンさんやファミリーマートさんは本当に重宝していました。


ああ……思い返しても……「あいてて良かった!」。


……最近はそんな深夜帯まで働くこともなくなり、またよく行くお店も会社ではなく住んでいるところの近くのお店に変わったのですね。

……それで、そのお店のオーナーさんが、とある本を貸してくれたのですね。
是非君にも読んでほしいと言われたのですが、このような本なのですね……。

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…………「コンビニオーナーになってはいけない ~便利さの裏側に隠された不都合な真実~」……。

なんという意味深なタイトル……。
きつねは鼻が利くのですぐにわかります。「コンビニ」という文字通り「便利な店」の裏側に隠された社会問題の匂いがプンプンです。

そう言えばオーナーさんは常々「名ばかりの経営者」だの「給料がバイト以下」だの「13時間労働でブラックすぎる」だの「利益は全部本部のもの」だのと仰っていたのですね……。

この本を貸してくれた時も「俺がこんな本書きたかったのに先に書かれちゃったよ」などと言っていました……。

……つまり、オーナーさんの意見を代弁しているのがこの本であると考えて差支えなさそうです。

「他の人にも貸したいからなる早で返して」と言っていたところを見ると、おそらく私以外の常連さんや店員さんにも(?)貸しまくっているのでしょう。


こ……これは……!
コンビニを利用してコンビニのお世話になっている以上、ぜひとも読まなければなりません!
おそらく世の中のあらゆる問題はこの本の中に集約されているに違いない!


……と、いうわけなので、先日の「松尾豊先生のAIの本」に引き続きまたしても読書感想文なのですね。

……感想文……。
苦手なのですが頑張って書こうと思います。


コンビニオーナーになってはいけない ~便利さの裏側に隠された不都合な真実

まず、この本についてです。

著者名を見ると「コンビニ加盟店ユニオン+北健一」とあります。

中を読んでみるとわかるのですが、「コンビニ加盟店ユニオン」というのは全国のコンビニのオーナーさんたちにより結成された組織なのですね。

2009年にセブン-イレブンさんが公正取引委員会より排除命令を受けたことをきっかけにして誕生した……とあります。

「オーナーとコンビニ本部」とでは交渉しようにも交渉にならないため、「組織対組織」で交渉できるようにと生まれたもの……なのだそうです。


……なんだか「労働組合」と似ていますが、こういう組織を作らなければならない時点で大きな問題の匂いがしますね。

また北健一さんはコンビニ問題やブラック企業、不当契約などの問題について取材をされているジャーナリストの方なのですね。


コンビニ加盟店ユニオン」さんたちがニコニコ生放送YouTubeで放送している「衝撃!コンビニの現場」という番組があるそうなのですが、これを元にして書いたのがこの本なのですね。
……この番組、なぜだかいつの間にか消されてしまうのですね……。

どうやら裏でコンビニ業界がYouTubeに圧力を加えているのだとか……いないとか……。


ちなみに「オーナー」というのは「店長」の1つ上の位なのですね。
「オーナー」がお店の所有者として契約している人で、「店長」はあくまで「お店の中でのリーダー」なのですね。

……なんだかややこしい感じですが、大体はオーナーと店長は夫婦なのが一般的なようです。
そういえばこの本を貸してくれたオーナーさんも夫婦でお店を経営なさっているのですね。

ともあれ、コンビニというのはオーナーと店長の二人三脚で経営されているようです。


本に記された恐ろしい内容=コンビニ現場の真実

そしてきつね……先ほど読み終わったのですが……この本、想像以上に恐ろしいことが書かれているのですね。

詳しいところまではとてもじゃありませんが書き切れないので、詳細を知りたければご自身で本を読んでみて下さいと言わざるを得ないのですが、ざっとまとめると

・対等と言いつつ対等じゃない「本部」と「店舗」の関係
・収益は全部俺の物、廃棄が出たらお前の負担
・どう転んでも本部が儲かるチート級の会計手続き
・なぜだか命を掛けなければならないオーナー

……というような感じなのですね。

詳しく見ていきましょう。

・対等と言いつつ対等じゃない「本部」と「店舗」の関係

まず、前提として……。

コンビニの店舗の大多数は「フランチャイズ」と呼ばれる方式で運営されているのですね。
これはセブン-イレブンさんやファミリーマートさんなどのコンビニを運営している会社(以下、「本部」と呼びます)と、個々の店舗のオーナーさんとが契約を結ぶことで成り立つのですね。

つまり、セブン-イレブンさんを例にとるなら「新しいお店を出したい本部」と、「コンビニを運営してみたいオーナーさん」とが契約を交わすのですね。
それによりオーナーさんは、売り上げの何割かを本部に納める代りに、自分のお店を「セブン-イレブン」として運営することができ、また本部にその商品の仕入れや経営ノウハウの提供、看板などのサポートをしてもらえるのですね。

セブン-イレブンさんは「新しいお店」を出すことができ、オーナーさんのお店は非常に強いブランド力を持つ「セブン-イレブン」という名前を名乗ることができます。

また本部とお店、セブン-イレブンさんとオーナーさんは、お店の売り上げがそのまま両者の利益に直結しますから、文字通り運命共同体なのですね。

なのでお互いに協力し合いながらお店を運営していく必要があり、また契約も「会社対会社」の契約であるため、両者の関係は「対等」であるのですね。


…………表向きは。


実際は両社の関係は「対等」とは程遠いようなのですね。

「会社対会社」の契約と言っても、「大企業対普通のお店」の契約なわけですから、この時点ですでに資金力や人員数などに大きな差が出てきてしまっています。


まるで「下町ロケット」の世界ですね。


またこの契約を続けるかどうかを決める権限はどうやら本部にあるようです。
つまり本部が「この店は利益が出ないからもうやめよう」といえば簡単に契約打ち切りになってしまいますし、逆にお店の方から辞めたい場合は「損害賠償」を求められるのですね。


こ……これは……!
本部側がお店に対して「~してよ、やってくれなきゃ契約更新してあげないからね!」みたいな脅しを掛けることができてしまいます。

いや、本によると実際にそのような脅迫行為が横行しているようです!

なんとまるで大企業であることをいいことに中小企業を思うがままにしようとする的場氏率いる帝国重工のようだ!
実際的場さんはその強引なやり方のせいでとうとう部下にまで愛想を尽かされてしまい会社を辞める羽目になりましたが、そのようなドラマみたいな展開が現実に起こるのはまだまだ先のようです。


また仕入れなどの運営システムにも不透明なブラックボックスが多いようで、お店のオーナーさん側がそれに介入することはできないのですね。

……早い話が、「こっからここまでは全部本部でやるから、お店は口出ししないでね」という状況なのですね。

そのためお店側では自分たちで売る商品を殆ど選ぶことができず、またこの「こっからここまで」の間に様々な「不正」が働いているのではないか……などとオーナーさんたちの間ではまことしやかに語られているのですね……。


もちろん、契約段階ではこのようなことは明かされません。
みなさん契約するときはあくまで「対等な契約です」との説明を受けており、後になって不平等が発覚するのですね。


・収益は全部俺の物、廃棄が出たらお前の負担

さて、それが次につながってくるのですね。

コンビニに売られている商品の60%は食べ物なのですね。
当然ですが「賞味期限」や「消費期限」というものがありますし、もし売れずに期限が切れてしまった場合は「廃棄」しなければなりません。

「廃棄」になってしまった商品は当たり前ですが売ることができないため、その部分はコンビニ側の負担になるのですね。

……コンビニ側、というのはつまり「本部とお店」のことですね。

……さて、敢えてこのような書き方をしましたが疑問が残ります。

「本部とお店」、一体どちらが「廃棄」の負担をするのでしょうか。


……実際は「お店」なのですね。


どうにも契約上は「廃棄はお店が負担する」ということになっているようですが、さすがにこれは問題となり、公正取引委員会によって断罪されたのですね。
実際に断罪されたのは「賞味期限が近くなった商品を半額などの低価格にして売る行為を本部が組織ぐるみで妨害していたこと」なのですが、これに伴ってセブン-イレブンさんでは「廃棄」の一部を本部が負担するようになったようです。

さすがにセブンさんも現状のやり方ではまずいと思い直してくれたのでしょう……………だよね?

ただ、一部を本部が持ってくれるようになったとはいえ、廃棄を出せばお店に負担が出ることには変わりありません。

……それどころか実際には一定の量は確実に廃棄を出すようにとの命令があるのですね。

きつね、これには目を疑ったのですね。
「廃棄を一定量以下にしろ」ではなく「一定量以上廃棄を出せ」、だって!?


・どう転んでも本部が儲かるチート級の会計手続き

なんだか不可解なことなのですが、これらの原因はどうにも会計手続きにあるようなのですね。

ここに関しては本の中で具体的な計算式を挙げてしっかり説明してくれているのですね。
詳しくはひじょうにややこしくなってしまいますので省きますが要点をまとめると、その計算式は「どう転んでも本部が得をして、お店の方が損をする」ようになっているようです。

なにやら「ロスチャージ問題」などと呼ばれているようなのですが、早い話が「廃棄が出てお店が損をしても、本部側は儲かる」ようになっているのですね。

……一定量の廃棄を必ず出せというあの命令は、表向きは「いつでもお客さんが買えるように商品を置いておくように。その過程で廃棄が出てしまうのは仕方がない。廃棄を抑えるよりも棚を空にしないことを優先させろ」とも捉えることができますが、その真意は……ま……まさか……!!


……こんなことをしているから、日本から食品ロスが無くならないのですね。


またチート会計はなにも廃棄に関するものばかりではありません。
このほかにも「売れた分」と「売らなかった分」とで「原価の割合が違う」、不平等な「粗利分配方式」など、いろいろとおかしな会計処理があるのですね。

そしてこれこそが本部とお店との間の「不平等」の根源なのですね……。


・なぜだか命を掛けなければならないオーナー

また、会計とは別の話になるのですが、一部のオーナーさんは本部から「災害が来ても店を閉めてはいけない。この地域で最後に避難するのはオーナーさん、あなただ」などと言われているのですね……。


これ……正気ですか。


実際東日本大震災の時にもこの命令のせいで逃げ遅れたオーナーさんと店員さんがいて、この本でも取り上げられていました。
この人たちは何とか助かりましたが、実際このようにして命を落としたオーナーさんや店員さんも多くいたと思われます。


どうにもコンビニというものは24時間営業どころか、「何があっても店を閉めてはいけない」ものらしいです。


さすがにこの未曾有の大災害の後はセブンさん本部の態度も変わってきてはいるらしいのですが……未曾有の大災害が起こって多数の死傷者が出ない限り態度を改めないというのがそもそも大問題なのですね。


近年(おそらくは2009年頃から)になり、「コンビニ加盟店ユニオン」さんの活動の成果もあり、これらの問題は少しずつ解決に向かってきてはいるのですね。

ですがまだまだ完全解消には程遠いのだそうです。


……このようなことが常態化しているなんて……コンビニ業界って一体……。

いや、そもそもどうしてこのような状況になってしまっているのでしょうか……。


諸悪の根源はアメリカのセブン-イレブンがやっていた仕組み?

そういえばセブン-イレブンさん、元々はアメリカの会社なのですね。
近年ではアメリカ人の中にも「あれ、セブンって日本のコンビニじゃなかったっけ?」などと言っている人がいるらしく、かくいうきつねも危うく忘れるところだったのですが、もともと「サウスランド」さん(現「7-Eleven, Inc」さん)というアメリカの企業から、イトーヨーカ堂さんの子会社である「ヨークセブン」さん(現「セブン-イレブン・ジャパン」さん)がライセンスを得て始めたのが日本のセブン-イレブンの、ひいては日本のコンビニの始まりなのですね。

セブン-イレブンさんが日本でコンビニ事業を立ち上げたのち、他の各社が真似をして新しいコンビニが続々と出来上がり、日本は現在のような「コンビニ大国」となっていったようです。

未だにセブン-イレブンさんは業界最大手で、最近ファミリーマートさんとサークルKサンクスさんが合併し、「ファミリーマート・サークルKサンクス連合」となりましたが(何かが違うような……)、それでも太刀打ちができないほどなのですね。


上の方でセブン-イレブンさんの「チート会計」がコンビニ本部とオーナーさんたちとの間の根本的な不平等の原因となっていると書きましたが、この「チート会計」、どうやらヨークセブンさんがサウスランドさんより受け継いだものなのですね……。

つまり、この諸悪の根源はアメリセブン-イレブンからそのまま受け継がれてしまったものなのですね……。


……セブン-イレブンなのですね……ほっ。

私がよく利用するコンビニはつい最近まではサークルKサンクスさんだったファミリーマートさんなのですね。
きっとこの辺りにはこのような問題はないのでしょう……。

などと楽観的に考えていたら!
日本のコンビニは全部すべてセブン-イレブンさんのビジネスモデルと会計システムを参考にしているのですね。

つまり、こういった悪いところまでそっくりそのままコピーしてしまっているのですね!

上の記事……というか、元の本の内容は、セブン-イレブンさんについて書かれたものだったのですが、実はセブンさんに限らずこのようなことは他のコンビニ各社でも起こっていることなのですね……。

また、これはあくまでアメリセブン-イレブンさんが本当に7時から11時までだけ営業していたころのシステムなのですね。
近年ではそれが24時間営業となり……これらによるお店側の負担はもっとさらに深刻に危なく危険なレベルにまで増えているのですね。


こ……これは……!!!

「あいてて良かった!」などと言っている場合じゃありません!!

コンビニさんせめて夜は休んで……。
売り上げは減ってしまうかもしれませんが……オーナーさんの健康の方が大事です!


原因はもしかして私たちにあり!?

この本のあとがきにも書かれていましたが……、この本ならびに「コンビニ加盟店ユニオン」さんは決してコンビニを無くしたいわけでもセブン-イレブンさんその他コンビニ各社を批判したいわけでもありません。
ただ純粋にコンビニを愛しているが故にこのままではいけないから改善していこう、コンビニ各社とそれぞれの店舗のオーナーさんたちが対等に仲良くやっていける関係を作っていこうと言っているだけなのですね。

書かれていた内容は非常に衝撃的でしたが、彼らの意図は十分理解できましたし、私もコンビニ各社や業界そのものを批判する気は起きないのですね。

コンビニは今や重要な社会インフラになっていることは周知の事実ですし、私自身も何度もお世話になっているということは既に述べました。
セブンさんにも何度もお世話になっており、実際「あいてて良かった!」などと思ったことも何度もあります。

それに……おそらく「24時間営業」だの「常に棚を商品で一杯にしておかなければならない」だの、このようなお店の負担を増やすことになったのはおそらく私たち利用者にも原因があるものと思われます。

実際この本は本部の不当な要求だけでなく、利用者からの過剰な要求についても触れていたのですね……。

「コンビニだから何でもしてくれる」「コンビニに対しては自分は何をしてもいい」……。

このような考えが我々利用者の中にも蔓延しているものと思われます。


コンビニに限らず日本のサービスは親切丁寧で有名ですが、海外の人から見れば「過剰」だというのですね。

つまり、「親切丁寧」どころかもはや「やりすぎ」なのですね。
私の友達は殆どが外国の人なのでそのような話をよく耳にするのですが、他の国の人からしてみたら既に「何もそこまでやらなくても……」というレベルになってしまっているようです。


それにもかかわらずとある調査によると、日本のサービスに満足していると答えた当の日本人は4割しかいないのですね。

……つまり、こんな「やりすぎ」なサービスでも、なんと6割もの日本人が「満足していない」と考えているのですね。


このような「完璧を求めすぎる顧客」という日本の土壌と、アメリカから入ってきた「便利な店、コンビニ」という要素が組み合わさった時、本に書かれているような悲劇が起こってしまったのではないかと思われます。

つまり、利用者が便利さに完璧を求め、「便利な店なんだから何でもしてくれなくちゃな!」などと過剰な要求をし、本部が何とかしてそれに応えようとすると、結果として各お店にその負担のしわ寄せが行ってしまうのではないでしょうか。


お店は本部には逆らえませんが、本部もまた、お客さんには逆らえないのではないかと思われます。


だとすると根本的な問題解決の方法は、私たち利用者が意識を改め、また本部側にそれが伝わるようにしなければならないのではないか……と思うのですが、いかがでしょう。