きつねとべっつりコーラのブログ。

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ITの進歩で実現した「棋譜解析」!ボードゲーム上達方法の今昔について思うこと

ボードゲーム解析

いまさらなのですが……昨今のコンピュータやインターネット、人工知能などの技術の発展は目覚ましい限りですね。

画面上での紙面編集だの写真加工だのちょっと前まではできなかったようなことができるようになったり、テレビ電話だのSNSだのなかったようなものがいつのまにか作られていたり……本当に日進月歩というか発展のスピードが速すぎてついて行けませんね。

これらの技術によって、直接コンピュータとは関係がないはずの、昔から脈々と続いていたものにも思わぬ変化が訪れることがあるのですね。

私はチェスが好きなので思うのですが、チェスの世界も……いや、似たようなボードゲームの世界も、ITの発展によってさまざまな変化があるのですね。

みなさんはボードゲームと聞くとどのようなものを思い浮かべるでしょう。

一口にボードゲームと言っても、何やら果てしのない数が存在するのですね。

ですがここではチェスや将棋や囲碁、オセロ、マルバツゲームなどのいわゆる「二人零和有限確定完全情報ゲーム」について話をしようと思います。

二人零和有限確定完全情報ゲームとは、つまり

2人で行い、
それぞれのプレイヤーの利得を合わせるとプラマイゼロになり、
双方の出す手の数には限りがあり、
サイコロなどの運要素が無く、
手札などの要素がないため盤上に全ての情報がある

ゲームの総称ですが、とりあえず将棋や囲碁の類だと思っていただければここでは問題無いと思います。


今どき解析ソフトを使えばこれらのゲームが解析できてしまうのですね。


解析というとどうやら大きく分けて2種類があるようで、1つは

双方のプレイヤーが最善の手を出した場合、「先手が必ず勝つ」「後手が必ず勝つ」「必ず引分けになる」のいずれかを求めるというものなのですね。

これで解析されてしまったゲームは「寿命が尽きた」などと表現されます。

もう1つは単に「今の対局のどこがだめでどこが良かったか」を調べるというもので、いわゆる「棋譜解析」というものなのですね。

前者の解析についてはまたの機会に考えるとして、この記事ではこちらの「棋譜解析」について書いていこうと思います。

 

ミスしたところがすぐわかる!

割とマニアックな話題のようなので、念のため棋譜解析について説明しておきますね。

将棋や囲碁などの対局は、それぞれが繰り出した手を履歴として書き留めておくことができるのですね。
つまり、対局が終った後、その書き留めたものを見返せば、お互いがいつどのような手を繰り出したのかがわかりますし、盤があれば対局を一人で再現することもできるのですね。

このように対局を書き留めておいたものを「棋譜(きふ)」と言います。

どのように書いておくのかはゲームによって違うのですが、私の好きなチェスの場合は以下のように書きます。

1. d4 - Nf6
2. c4 - g6
3. Nc3 - Bg7

これは私がよく使う「キングズ・インディアン・ディフェンス」という定跡の3手目までの棋譜なのですが……なんとなく「棋譜」というもののイメージがつかめるでしょうか……。

これ、要するに「動いた駒」と「行き先のマス」を「先手―後手」の順番でどんどん記録していっているだけなのですね。
左の数字が「手番号」、「-」の前が先手、後ろが後手、そして大文字アルファベットが駒の名前、小文字アルファベットと数字がマスの座標です。

大文字が何もないところもありますがそこは「ポーン」と呼ばれる将棋の「歩兵」にあたる駒を動かしたところなのですね。
ポーンを動かす時だけは例外的に駒記号を書きません。

なんにせよたったこれだけの情報で盤上で起こった全ての手を記録しておくことができるのですね。
これはサンプルなので3手目までしか書いていませんが、もちろん最初から最後まで書きとめておけば対局を丸ごと1つ記録することができます。

棋譜を書くものは何でもよくて、いちおう専用のノートや棋譜用紙がありますが、もちろん普通のノートや紙に書いても構いません。

これを後で見直して対局を振り返れば、どこが良くてどこがダメだったのかわかるのですね。

棋譜ってすごいですね!


さて、本題に入りましょう。

最近ではこの棋譜を読み込ませることで……つまり、対局の一部始終を見せることで、どの手が良くてどの手が駄目だったのかなどの色々なことをコンピュータが解析してくれるシステムがあります。

これが「棋譜解析」なのですね。

昔は棋譜を解析するには後で自分で棋譜と盤を持ち出し、1手ずつ駒を動かして再現しながら検討していくしかなかったのですが、最近では自分でやらなくてもコンピュータが教えてくれるのですね。

私も毎回対局のあとで Chess.com さんというサイトの解析機能を使って棋譜を分析しているのですが、良い手と悪い手を判定してくれるだけでなく、自分と相手、1手ごとにそれぞれのプレイヤーの「有利さ」を数値化した得点(「評価値」といいます)や最善手を出した割合などの情報まで求めて教えてくれるのですね。

評価値があれば、たとえば自分が負けた場合、自分が何手目まで有利で、一体どこから立場が逆転して相手の方が有利になったのか……などということもわかるのですね。
そして評価値と手の解析結果を見れば、たとえば「〇〇手目であの駒をあそこに置いたのが間違いだった」などということがわかるのですね。

たった1手のミスによる損失が原因で相手側に形勢が傾き、最終的に負けてしまうというのはこの類のゲームではよくあることです。

これらのゲームは過去の手を元に次の手になり得る選択肢が決まり、そしてさらに未来の手も……という風に選択を繰り返しながら進んでいくのですね。
そのため一回選択を間違えると、次の手の選択肢も減ってしまい、最終的に負ける手しか出せないというようなことになりかねません。
そのため序盤では、たとえ相手より優位に立てなくとも、ミスをせず互角を維持するように進めていくことが大切なのですね。


……序盤で失敗すると、その後はもう、取り返せない。

一度失敗した者にはもう、挽回するチャンスはやってこない。


こ……これは……!!

……失敗した人に人生のやり直しを認めず、やり直すチャンスも与えない、今の日本の社会そのものですね。


人生の序盤では失敗するとやり直せないかもしれませんが、ゲームでは序盤で失敗して負けてもまた次に勝てれば問題ありません。

特にこのように棋譜を解析することで、自分のどの手が悪手(ミス)だったのかがわかれば、次からは似たような失敗をしないように気を付けることができます。

このようにしてどんどんミスが少なくなっていくのですね。

……そういった意味では「勝った棋譜」よりも「負けた棋譜」の方が大事なのかも……。

この手のゲームは極論を言えば「失敗しなければ負けない」ので、ミスが減るということはそれだけ勝てる確率が上がるのですね。

(もちろん本当に1回もミスをしなければ勝てるのかどうかはわかりません。
既にゲームそのものがコンピュータによって解析されてしい、「寿命が尽きて」しまったゲームの場合は、双方のプレイヤーが最善の手だけを出した場合……つまり、両方とも一度もミスをしなかった場合、その結果がどうなるのかは求まっていると上に書きました。
ですがチェスや将棋や囲碁やオセロはゲームとしてあまりにも複雑なため、そういった意味でのコンピュータ解析はまだ終わっていないのですね。つまり、これらのゲームの「寿命が尽きる」までには当分時間がありそうです)

なんにせよ、この手のゲームで上達をするには「棋譜解析により対局を振り返り、ミスを少しずつ無くしていく」ことが重要なのですね。


今どきの練習方法?

さて、「棋譜解析」というのがどれほど便利で素晴らしいものなのかは上に書きました。
これがあれば昔のように仲間同士みんなでわらわら集まって棋譜を検討しなくても、コンピュータにお任せするだけで色々なことがわかるのですから素晴らしいですね。

きつねのように一緒にわらわらできる仲間がいない非リア獣が上達するためにはとても重要な技術なのですね。
(ご存知の通り日本ではチェスは殆ど普及していません、念のため……)


また、これらの技術が発達してきたせいでしょうか。最近では各「ボードゲーム界」に若い達人が多くなっている気がします。

快進撃を繰り返した将棋の藤井聡太七段やこの前囲碁井山裕太五冠が通算43期のタイトル獲得数を記録し、ずっと年上の先輩棋士の記録を塗り替えてしまったというニュースは記憶に新しいですね。

また最近では小学生の子がオセロの世界チャンピオンになりました。


調べてみるとどうにも彼らはインターネットでの対局やAI相手の対局、また棋譜解析技術などを駆使して経験を積み、強くなったようなのですね。

なるほど先輩棋士たちの時代にはAIもインターネットも棋譜解析ソフトもありませんでしたから、先輩方はわらわら仲間どうして棋譜を解析していたものと思われます。
ひとりで解析をするだけなら見落としなどもたくさん出ますが、複数人で一緒にやれば見落としなどは少なくなるのですね。


また、練習対局にしても昔は人と対戦するしかありませんでしたが、今どきこれらのゲームの練習相手になってくれるソフトはいくらでもあります。

かくいう私もいつも使っているWindows7のパソコンに「マインスイーパー」などと共に標準搭載されているチェスアプリ、その名も「Chess Titans」を愛用しているのですね。

これがなかなか優秀なものでして、レベルが10段階で調節できる上にレベルによって戦い方や使ってくる定跡が微妙に違うのですね。

おまけに綺麗で見やすい盤や、臨場感あふれる演出や効果音など、本当にWindowsのおまけアプリなのかよとツッコミを入れたくなります。

きっとこのアプリには開発した人たちのものすごい努力の結晶がたくさん詰まっているに違いありません。

……ただ、コンピュータが先手になった場合、どういうわけか1手目は毎回同じような手を指してくるのですね……作者の好みだろうか。
おかげで私は「キングズ・インディアン・ディフェンス」を覚えたのですが。
(先手の1手目が決まると後手の1手目はどうするべきかがおのずと絞られてきます)


たまには他の手から始まる定跡も練習したいですし、他の1手目を指す相手とも対局してみたいものですが、自分と一緒にチェスをしてくれる人なんてChess Titans以外にはほとんどいないんだから仕方がありません。


なんにせよ同じ囲碁や将棋でも、世代によって大分練習内容や練習方法が変わってしまっているのですね。


どちらの練習方法が良いのかはまぁ置いておくとして、「わらわらできる仲間がいない」のなら「棋譜解析その他IT」を使えるのならばそれに越したことはありませんね。

今どき仲間と一緒に「わらわら棋譜を解析できる」だなんて、よほどのリア獣でなければ不可能でしょう。


……個人的な話で大変恐縮なのですが、きつねにはチェスを始めたばかりの子供のころ、近くに一緒に対局してくれる人がおらず練習もままならなかったという悲しい歴史があるのですね……。

周りの子たちを誘ってみても案の定誰も相手にしてくれません。

また当時はパソコンなんて便利なものも持っていませんでしたから、当然今や私にとってなくてはならない存在となっている Chess Titans も Chess.com さんもありませんでした。

これによりきつねの進歩は少なく見積もっても10年以上は遅れたと考えられます。


Chess Titans や Chess.comさんが当時から存在していたのかどうかはともかくとして、このような自分で選べない環境の違いで上達のスピードやその後の将来に大きく差が出てくるなんて理不尽極まりないですし、人間の社会の闇を感じますが、いずれにせよ私のような非リア獣にとっては「IT」一択です!!


きっと技術の進歩が今どきの「非リア獣」な棋士たちに希望を与えたのだろう。
これらの技術革新によって「わらわらできない非リア獣」な棋士たちにも達人への道が開かれたに違いない。

仲間に恵まれ、師匠に恵まれ、「え?相手がいない?ナニソレあり得ないんですけど~」だなんてこっちがイラつく台詞を堂々と平気で言ってくる「リア獣棋士」がその「リア獣っぷり」を鼻にかけて威張り散らす時代は間もなく終わりを迎えるのだろう。
これからは仲間とわらわら練習しているリア獣棋士よりも、一人で部屋に閉じこもってコンピュータ相手に黙々と研鑽を積んでいく「インドア派オタク系棋士が圧倒的な実力を誇るようになるんだ、絶対そうだ!


……打倒、リア獣…………だよ!