何とはなしに、きつねとコーラ。

管理人のきつねとその相棒のべっつりコーラが、日々の出来事について思ったことや感じたことをただ淡々と述べていくだけのブログ。

フサフサなのは恐竜だけじゃない?中国で発見された翼竜の化石に羽毛の跡!

羽毛付き翼竜化石、中国で発見

なんですと…………!!

な……何やらトンデモないものが発見されてしまったようです。

そうか……ついに「その時」が来てしまったのか……!!

今朝の朝日新聞に載っていたのですが、中国で「羽毛の痕跡が残っている翼竜の化石」が発見されたのだそうです。

見つかった場所は河北省にあるおよそ1億6000万年前の地層……つまり、「ジュラ紀」のど真ん中の地層なのですね。
発見された翼竜は2体で、いずれも翼幅40センチ程度の小さなものなのだそうです。

……ひょっとして新種か知らん。
プテロダクティルスくらいの大きさしかないのですね……だくちるだくちる。

なんにせよかなり保存状態の良い化石だったそうで、体の表面には細かい繊維状の跡が残されていたのですね。
調べた結果それらの繊維は原始的な羽毛の特徴を備えていたため、翼竜にも羽毛があったということが分かったのですね。

…………案の定。

発見したのは中国科学院などの研究チームで、研究結果を論文にまとめて18日付(つまり今日付)で科学雑誌「ネイチャー エコロジー&エボリューション」に発表するのだそうです。

論文そのものはこちらのリンクから見ることができるのですね。

https://www.nature.com/articles/s41559-018-0728-7.epdf?referrer_access_token=mXZbI8SqYHfUJyrmWCrAdtRgN0jAjWel9jnR3ZoTv0OhuDOmy4G-1OHvOkIfGGVaIkvKxBB9Vakc03yx-9ykWjNaUaeMv_u0QVYSeB63oRkcGVtSpyZuJtgulfUcAaVYUMebwJ7F1sGYxbxRj-xZmopy1bXoPmXPltIwrzCEW3BOjbIVnMpgb825SMWjWOKu9EtWme1JDgtuKdg8gFhnQqa5IF0UdBk2H_39rQ3fYH0%3D&tracking_referrer=www.asahi.com

…………でも読めないよ!!!

あっ、写真は見られます。
新聞に載っていた復元図も色付きで見られますね。

とても可愛い子ですね。

名前が気になるところですが、なんにせよ恐竜だけでなく翼竜にも羽毛があったとは……。

「やっぱり」と思う一方、「割とトンデモない発見だ」とも思うのですね。

なぜかと言われると少し説明が必要なのですが……。

とりあえず、詳しく見ていきましょう。


鳥と恐竜と羽毛の関係

まず、前提として……。

現在もれわれわの隣人として地球上に生息している鳥類は、「獣脚類」という恐竜の仲間にルーツを持つ動物ですね。

この獣脚類の段階で既に鳥と同じように羽毛を持っていたと考えられており、当初は体温を維持するため……つまり保温のために羽毛を生やしていたと言われているのですね。

ですがその羽毛はその副作用として「滑空」の能力を持ち主に与えたのですね。
手足や尻尾の羽毛が長く、強く発達することにより、小さな「翼」の役割を果たし、持ち主の恐竜が枝から枝へと飛び移る時に手助けをするようになったのですね。

もちろんそれだけではまだ地面から直接飛び立つことはできませんが、滑空できるようになった一部の獣脚類が、やがてさらに羽毛を発達させ、その結果本格的に空を飛ぶことができるようになり、現在の鳥類になったと考えられています。

つまり最初は寒さを防ぐために生やした羽毛が、少し長くなったため滑空に使えるようになり、さらに長くなったため空を飛べるようになってしまったのですね。

なんだか当初想定していた用途から大幅に外れている気がするのですが、進化ではよくあることです。

似たような例では「気嚢システム」がありますね。
鳥の体の中には「気嚢」と呼ばれる効率のいい独特の呼吸器官があり、飛ぶときに消費する大量の酸素を供給しているわけですが、これも元々は「恐竜が巨大な体を維持するために作り出した効率よく酸素を供給するシステム」が受け継がれたと言われていますね。

体の大きな動物はそれだけたくさんのエネルギーを消費しますから、そのエネルギーを生み出すために大量の酸素が必要です。酸素が無ければ薪は燃やせません。
十分な量の酸素を確保するために、吸い込んだ空気から効率よく酸素を体に取り込める「気嚢」が発達したのですね。

つまり、元々「大きな体を支えるために」生み出した効率のいい呼吸システムが、その後鳥類に進化して体が小さくなった後も「飛ぶときに酸素を体の隅々にまで供給できる」効率のいい呼吸システムとして役立っているわけなのですね。


まさに「想定外」だ……!


なんにせよこういう行き当たりばったり気味に「今ある物(=持てる才能)」を適当に活用して難関を突破し、その結果として別の使い方を生み出していく……というあたりがいかにも生物の進化らしくて面白いですね。


……まるで人生そのものですね。


どんなに「役に立たない」と言われる才能でも、それは決して無駄にはならない。
使い方次第ではもっと大きなことができるのですね……!

そう、「モフモフで温かいだけのもの」だった羽毛が、「夢を乗せて空へと羽ばたく翼」になったように!

……なんだか違う気もするのですが、なんにせよ羽毛というのは「最初に恐竜が生やし始め、それを鳥類が受け継いだ」というのが現時点での定説なのですね。


恐竜と翼竜の関係

さて……、「羽毛と恐竜」の関係はわかりました。
「鳥類の翼」が実は恐竜が羽毛を行き当たりばったり気味に活用していた結果割と偶然誕生したものだということも。

お次は恐竜と翼竜の関係を見ていきましょう。

まずは本日の主役……翼竜からです。

翼竜(Pterosauria)というのは「地球史上初めて空を飛んだ脊椎動物」と言われており、分類学的には

動物界-脊索動物門-脊椎動物亜門-爬虫綱-双弓亜綱-主竜形下綱-翼竜上目-翼竜

……に属する動物の総称です。

知っての通り「地球史上初めて空を飛んだ動物」は昆虫ですが、脊椎動物で初めて空を飛んだのは鳥でも恐竜でもなくてこの翼竜なのですね。

鳥類に同じく空を飛ぶため、体は見た目よりもかなり軽いのですね。

しかし翼竜の翼は鳥とは異なり、コウモリの翼のような皮膚の膜……「飛膜」というつくりになっています。

ですがコウモリとも違ってたった1本の指で支えているのですね。

知っての通りコウモリは長く伸びた人差し指~小指までの4本の指が翼を支えており、翼の外に出ているのは親指だけなのですね。

ですが翼竜は親指、人差し指、中指の3本が外に出ており、翼を支えているのは長く伸びた薬指1本だけです(小指はありません)。

なんだかすごく使いづらそうな翼ですが、実はこの皮膚の膜の中には筋肉も含まれており、細かい翼のコントロールが可能だったのではないかと言われています。
つまり、翼竜の翼は指1本で支えられているにもかかわらず、かなり器用に動かすことができたのですね。

そのため翼竜は見かけによらず高い飛行能力があったのではないかと考えられています。実際どうだったのかは知りませんが。


……もちろん翼竜はコウモリではありませんし、恐竜でもありません。
よくむかしの映画とかでは恐竜と首長竜と翼竜が一纏めに「恐竜」と呼ばれていたりしますが、現在では別物であるということがわかっています。


ちなみに恐竜は

動物界-脊索動物門-脊椎動物亜門-爬虫綱-双弓亜綱-主竜形下綱-恐竜上目

に属しています。

恐竜と翼竜は「主竜形下綱」までは同じですが、そこから先が違うのですね。

両方とも今からおよそ2億年ほど前の三畳紀中期……もしくはそれ以降に共通の祖先から枝分かれしたグループであると考えられているのですね。

ですが残念ながら翼竜もまた、恐竜や首長竜に同じく白亜紀末の大量絶滅により絶滅してしまったのですね。

上にも書いた通り恐竜の一部は鳥類へと進化して現在もまだこの地球上にしぶとく居座り続けていますが、翼竜の子孫は存在しません。


……残念だ……。


これでは「翼竜の翼は指1本だが筋肉内蔵で器用に動かせた説」の真偽も迷宮入りになってしまいますね。


……それにしても、今しれっと「翼竜と恐竜は三畳紀に共通の祖先から枝分かれした」と書きましたが、これこそが今回の発見がトンデモない理由なのですね。


つまり、翼竜と恐竜は枝分かれしたのち、それぞれ別の道を行くことになりました。

……「進化の上では」という意味です。決して「別の場所に住んでいた」というわけではありません。


また翼竜が恒温動物だった可能性や、羽毛を持っていた可能性は以前から指摘されてはいましたが、羽毛付き化石が見つかったことにより、その可能性が現実のものとなってしまいました。

……前から翼竜に羽毛があると言われていたのならそんなに大騒ぎすることもないじゃないかと思われるかもしれませんが、実はこれが大いなる矛盾の始まりなのです。


上にも書いた通り、現在我々が知っている鳥類の羽毛とは、鳥類の祖先である恐竜が「保温のために」生やしたものが起源であるとされています。

つまり、「翼竜」と「恐竜」が枝分かれした後で、「恐竜」の方に羽毛が生えたのですね。

ですがここにきて「羽毛の生えた翼竜の化石が発見されてしまいました。


……はい、この時点で新たな疑問が生じますね……羽毛は恐竜が作ったんじゃなかったの!?

恐竜に同じく翼竜まで羽毛を持っていたのだとすれば、もはやその理由は2つしか考えられません。


1つ目は、そもそも両者が枝分かれする前の共通祖先が羽毛を持っていたということ。

2つ目は、祖先に羽毛はありませんでしたが、恐竜と翼竜に分かれたのち、それぞれが別々に羽毛を生やしたということ。


1つ目の仮説が本当だとすると、これまた割と大きな発見です。

両者の共通の祖先は「ラゴスクス」と呼ばれる動物の仲間だと考えられており、ラゴスクスには羽毛は無かったとされていますが………(されていた……はず!)
……もし1つ目の仮説が本当だとすればこのラゴスクスが既に羽毛を持っていたことになってしまいます。


……それでもいいか……。


いやいやそれは大発見です!


また、もし2つ目が本当だとすると、べつにラゴスクスに羽毛があったわけではなくて、翼竜の羽毛と恐竜の羽毛が似ているのはただの収斂進化だということになるのですが……どうしてこうも似たような形に進化するのでしょう?両方とも元が「ウロコ」だから……?


……いずれにせよこれまでの定説を大きく覆してしまう大発見です。

つまり今回の中国の翼竜化石はそれほどすごいものなのですね。

なんとなくそのうち出るんじゃないかな~という気はしていましたが。


羽毛翼竜、誕生。

さて……これにてめでたく「羽毛恐竜」ならぬ「羽毛翼竜」がものの見事に爆誕してしまいました。

そしてこれは研究者たちの間に上に書いたような底知れぬ疑問を投げかけ、事実上これまでの定説を覆しそうな勢いの大発見となってしまっています。

これにより羽毛の役割やその進化……そもそも羽毛はいつどこで生まれたのか……などの研究と解明に拍車がかかるものと思われます。

も……もしかして……。

さらなる研究によって「実はラゴスクスにも羽毛があった」などという結論に至ったりして……。

恐竜はラゴスクスの子孫ですから、そんなことになればそのうち「実は他の恐竜にも羽毛があった」「トリケラトプスにも」「ブラキオサウルスにも」「ステゴサウルスにも!」……などということになりかねません。

いや、おそらくよしんばラゴスクスに羽毛があったとしても、トリケラトプスブラキオサウルスなどの大型種は、ちょうど現在でもゾウやサイに毛がほとんどないのと同じく、二次的に羽毛が無くなった可能性があります。
大型動物が毛や羽毛でフサフサしていると、氷河期でもない限り体内に熱がこもってしまい熱中症になるのは目に見えていますから、この「他の恐竜も羽毛を着ていた説」がもし有効だったにせよ、おそらく最終的には彼らは羽毛を脱ぎ捨て、今まで通りの姿になっている可能性があります。

フサフサなトリケラトプスやフサフサなブラキオサウルスだなんてちょっと見てみたい気もしますが。

……なんにせよこの「羽毛翼竜」……存在は予想されていましたがいざ出現してみるととてつもない衝撃ですね。
ちょうど羽毛恐竜が登場したあたりから「恐竜」というものの姿形が大幅に書き換えられてきたのと同じく、羽毛翼竜の登場によって、翼竜どころか他の恐竜の姿さえも大幅に変わってしまうかもしれません。

……ある意味「羽毛恐竜」以上の発見なのかも……?

いずれにしても今後の研究から目が離せません!
さらなる論文を待ちましょう!

……英語の論文なんて、見られたとしても読めないけど!