何とはなしに、きつねとコーラ。

管理人のきつねとその相棒のべっつりコーラが、日々の出来事について思ったことや感じたことをただ淡々と述べていくだけのブログ。

カキ生食用と加熱用の違い、ほとんどの人が知らない?かくいう私も……

生カキ……

もうすぐ季節ですね。

冬といえばカキなべ……!
あのぷっくりまるまる太ったカキを鍋にして食べると何とも絶妙な金属の香りと風味が口の中に広がり、この世の物とは思えないほど美味しいんですよね。

今年もまたすぐにカキなべが食べられると思うと……冬さまさまです。
いや、冬に旬を持ってくれたカキさまさま……

あれっ、でもカキの旬って夏にもありませんでしたっけ……。
確かうだるような暑い夏の一コマで、お寿司屋さんで巨大な生のイワガキにレモンを絞って食べたような記憶があるのですが……。

夢……?

いや違います!
あの時のレモンの酸っぱさやカキの香り、磯の香り……塩の味……ちゃんと覚えています。

貝殻と比べて中身は意外と小ぶり……いや、シンプルだったということも覚えています。

お寿司屋のおじさんが私の好物と知って「お稲荷さん」をおまけしてくれたことも、お魚の匂いがする手で頭を撫でてくれたことも……。

あれは確かに「食べた」はずなのですが……これはいったい何なのだろうか。

……そもそもカキって生で食べるものと火を通してから食べるものがありますよね……。
これってどこがどう違うのでしょうか……。

これについて気になる記事がヤフーニュースに出ていました。


https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181213-00006672-weather-soci


……ほとんどの人が勘違い?

記事によると、生食用と加熱用の違いについてほとんどの人が勘違いしているとのことなのですが……。

そもそも「生食=新鮮、加熱=新鮮じゃない」みたいに考えている人が多いがそれは違う、というようなことが書かれています。


……そ……そうなの……!?


そういえば具体的に何が違うのか……あまり気にしていませんでした。

一体何の違いがあるのでしょう?

というより、そもそもカキって何でしたっけ……。

おそらくこの謎を解明するためには……というか、この記事の内容を本当の意味で理解するためには、まずはカキという生物を生物学的な見地から理解する必要がありそうです。
そしてそれを理解することにより、夏に食べたであろうあのカキの記憶の謎も解明されるはず!

きっとそうです、そうに違いない!

……というわけで、カキについてちょっと調べてみました。


そもそもカキ

ええと……「カキ」という名前は分類学的には

軟体動物門-二枚貝綱-カキ目(もしくはイタボガキ目=ウグイスガイ目)-イタボガキ亜目-カキ上科-イタボガキ科

および

同ベッコウガキ科

に属する軟体動物の総称……なのだそうです。

なんだか定義が曖昧ですが、とりあえず日本で食用にされているカキに関して言えば「マガキ」や「イワガキ」という種類なのですね。

それぞれ

軟体動物門-二枚貝綱-カキ目-イタボガキ亜目-カキ上科-イタボガキ科-マガキ亜科-マガキ属

に属し、学名を

マガキ「Crassostrea gigas」、イワガキ「Crassostrea nippona」

というのですね。

に……ニッポーナ……。
なぜか「japonica」ではないのですね。
……。


まぁこの際どうでもいいですけど。


カキの仲間は2億9千500万年前のペルム紀には既に出現していたそうで、その後の三畳紀には生息範囲を広げていった……らしいです。

ペルム紀といえば哺乳類のご先祖様である単弓類が一大勢力を築き上げ、哺乳類へと進化する道を突き進み始めた頃ですね。
このころの動物ではディプロカウルスやディメトロドン、コエルロサウラヴィスなどが有名ですね。
ディメトロドンは単弓類であって爬虫類ではないのですね。………あんなカオして。

……話をカキに戻します。

カキは普通の貝とは異なり、岩や他の貝の殻などにくっついて生活し、自分ではほとんど動かない……というか動けないのですね。
……せいぜいカラを閉じるくらいでしょうか。

……じっとしていて退屈しないのだろうか……。

もしかして目とか脳みそとかもなかったりして……?


同じ「軟体動物門」つまり「貝の仲間」には他に「脊椎動物のような高性能の眼(カメラ眼)を持つ」頭足類が……その中でも「軟体動物最強クラスの頭脳を持つ」タコが属していますが、この門はモノによっていろいろと体のつくりに違いがあり、奥が深すぎていまいちよくわかりませんね。


なんにせよずっと動かずに生活するため筋肉が退化しており、中身は殆どが内蔵なのだそうです。

……なるほどあのヒョウタウツボカズラを思わせるかわいらしいぷっくりした体の中には内臓が詰まっていますものね。

またくっついた場所によって殻の形が変わるだけでなく、カキ本体の成長の仕方も変わるため、おなじ種類のカキでも個体差が激しく、DNA解析でもしない限りは正確に種類を特定するのは難しいのですね。


……くっついた場所によって成長の仕方が変わる……。


つまり栄養がある場所かそうでない場所か、安全な場所かそうでない場所か、そういうことに左右されるのですね。

カキは生まれてしばらく海中を2~5週間ほど漂って固着する場所を決めるのだそうです。

なんだかホヤの人生を彷彿とさせますが、なんにせよこれは一大事です……ドコにくっつくか、そのたった一回の選択だけでその後の人生が決まってしまうのですから。

しかもその大事な選択をするのは「人生の酸いも甘いも噛み分けたオトナなカキ」ではなく、「まだ生まれたばかりで経験が何も無いに等しい若いカキ」なのですね。

「ドコにつけばその後の人生が安泰」なのか何も知らないうちにわけもわからず決めなければならないのですから、そこには当然自分の意思≒責任が介在する余地などあるはずもなく、成功者と失敗者とを隔てるものは必然的に「運以外の何物でもない」ということになります。

これは「何も知らない若い時代」に訪れる「新卒一括採用」で失敗してしまうとその後の人生が決まってしまうという古き良き時代の伝統を今もなおくそまじめに踏襲し続けるとても進歩的な日本社会のシステムそのものですが、おそらく日本の社会構造は彼らの生態を模倣して作られたものであると思われます。

さすが日本の伝統的な食文化と切っても切れない関係にある貝類は違います!
あの世界において素晴らしい技術やおもてなし精神を持っていると絶賛されている超一流国家・ニッポンの社会にこんな形で大きな影響を与え、成功者と失敗者とを「運」の名のもとに振り分けし、その後の人生には一切責任を持たない「自己責任社会」という名の非の打ちどころのない素晴らしい社会の形成と発展に大きく関与しているのですから!

カキはやっぱりすごい貝だったのですね、きっと!

また、この「一度固着すると動かない」という性質が、本来ならば運動によって失われてしまうはずの栄養素を節約して体内に溜め込むため、「海のミルク」と呼ばれる栄養満点の肉体を作り上げるのですね。
もっともそのようなことができるのは良い場所に固着することができたいわゆる「成功したカキ」だけなのでしょうが……その「栄養満点の肉体=資産」を最新鋭のハイテク金庫の如く強靭な「殻」にしまい込んで保護し、誰にも見せない、触らせない、与えない

こ……これは……!

「自分の『偶然の』成功によって得られた利益をがめつく溜めこんで自分だけのものとし、社会には還元しないし人助けにも使わないしもちろん部下にも与えない」という現在の日本企業の有り方そのものではありませんか!

不景気なんてなんのその……トリクルダウンなんて起こさない!!

……こんな形でカキと日本が密接に関わっていたとは……長年日本に住んでいながらきつね、全然知りませんでした……。


そして……おっと……この時点で謎が1つ解けました。

マガキは冬が旬ですが、イワガキは夏が旬なのですね!

そうか、そう言えばきつねが昔お寿司屋さんで食べたカキも「イワガキ」でした。

そうかそうかそういうことだったのか。
明確に種類が違ったのですね。

……と、いうことは、現在ヤフーニュースで話題になっていた「生食用と加熱用との違い」の対象となっているカキは冬が旬のカキですから、要するに「マガキ」であるということになります。

つまり、ここはとりあえずマガキについて考えれば問題が無いのですね。


……さて、わかったところでようやく本題です。

(マガキの)生食用と加熱用との間には一体どんな違いがあるのでしょう。


肝心の生食と加熱との実際の違い

記事に書かれていた違いをまとめると、以下のようになります。


生食用:

各県が生食用カキの養殖用に定めた「指定海域」で獲れたものを、特別に処理したもの。

生で食べてもいいように、養殖中から食中毒菌やノロウイルスなどが入り込むのを防ぐ必要がある。
河口近くは雑排水が流れ込むため、それらの細菌やウイルスがいる可能性がある。
そのため河口を避けた場所で養殖し、安全な養殖が可能となる場所が「指定海域」となっている。

そして「指定海域」で育てたカキを、収穫後2~3日の間殺菌した海水に入れ、「浄化」する。

カキは呼吸のため1時間で20リットルもの水を吸入・排出するので、綺麗な水に入れておけば体の中も綺麗になる。

また、県によっては「指定海域」が無いところもあるが、その場合でも浄化した後のカキが厚生労働省の定める「生食用かきの規格基準」に適合していれば「生食用」としての出荷が可能。


……要するに収穫後に「浄化」を行い、最後は「生食用かきの規格基準」なるものを満たしさえすればドコで育ててもいいようです。


加熱用:

指定海域以外で獲れたもの。
ちゃんと加熱しなきゃ食べられない。

どうせ加熱するので、河口近くで養殖してもOK。

どうせ火を通して食べるので、べつに浄化する必要はない。

上記の通り河口付近は有害な細菌やウイルスが豊富だが、同時に栄養も豊富。
そんな毒も栄養も入り混じった河口で育つため、こちらの方が太っていて味も濃いと言われる。

ただし生では食べないように。


……なのだそうです。


なるほど……そうだったのですね。
きつね、ちっとも知りませんでした。

ですがおかげでよくわかりました。

別にカキについて調べる必要なんてなかったんじゃないかというくらい簡潔にまとめられていました。
まぁ夏のカキと冬のカキの謎が解けたので、調べたのもまんざら無駄ではなかったわけなのですが。

さすがヤフーニュース……いや、もとより提供元のウェザーニュースさん、すごいですね!


……と、いうことは……。

私が以前食べた「生のイワガキ」は「生食用のイワガキ」だったのだろうか……。

イワガキとマガキ、夏と冬……双方にそれぞれ「生食用」と「加熱用」がある……のですね、きっと。

イワガキを加熱して食べるのはおそらく夏でしょうからレシピとしてはカキフライやカキのアリョーヒン……じゃない、アヒージョなどであってカキなべではないとは思いますが、こう考えると夏のカキ料理と冬のカキ料理の食べ比べなんていうのもやってみたくなります。

毎年夏と冬にはそれぞれの旬のカキをいろいろ調理して試してみようか知らん。

ああいけない、きつねは料理ができないのでした……。
いろいろ買ってきて……と言い換えましょう。

ともあれ、カキ……。

日本社会との多大なる関連性も相まって、奥が深い生き物です……。