何とはなしに、きつねとコーラ。

管理人のきつねとその相棒のべっつりコーラが、日々の出来事について思ったことや感じたことをただ淡々と述べていくだけのブログ。

さらば、太陽圏よ!旅立つ船はボイジャー!NASAの2号機がついに「外」へ

ボイジャー2号が太陽圏外へ

昨日木星の話を書いたばかりなのに……また宇宙の話です。

どうにもこういうのは一連のシリーズが連続して出てくるようです(?)

今から41年も前の1977年に、木星土星を探索するため2基の探査機が打ち上げられましたね。

ボイジャー1号、2号と呼ばれたその探査機のうち、2基目が先日ついに「太陽圏」の外に出たようです。

圏外に出たのはボイジャー2号の方で、先に出ていた1号に次いで「星間空間に出た2番目の人工物」となったのですね。


……40年以上昔の探査機が今でも飛び続けているなんて……。
何だかものすごく壮大でロマンを感じさせる話ですが、そう言えばこれ、どんな探査機でしたっけ……。

「探査機」といえば最近では「はやぶさ2」や「インサイト」や「オシリス・レックス」にイメージが上書きされてしまっていまいちボイジャーの影が薄くなっている気がします……。

……昔本で見たことがあったと思うのですが……。

詳しく調べてみましょう。


ボイジャー

まず、今回の主役である探査機から。

ボイジャーアメリカの無人宇宙探査機で、正式名称を「Voyager」というのですね。
名前の意味は「旅する者」です。

…………とくに略称とかではないのですね。
インサイトだのオシリスだの、正式名称が恐ろしく長い最近の探査機と違ってずいぶんシンプルな名前ですね。

1号、2号ともにアメリカ航空宇宙局NASA)によって1977年に打ち上げられたのですね。

初めに8月20日に2号が打ち上げられ、その16日後の9月5日に1号が打ち上げられたようです。

……1号、2号の順番ではないのですね。
いつか書いた静岡大の超小型衛星「STARS-5号(てんりゅう)」と「STARS-4号(あおい)」との打ち上げ順番が逆だった……みたいな感じなのでしょうか……。

どうして2号が先になったのか詳しい理由は分かりませんでしたが、色々と大人の事情があったのでしょう、きっと。


1号に関しては、もともと5年間を掛けて木星土星およびそれらの衛星と環を調査するのが目的だったのですね。
土星だけでなく実は木星にも環があるということは最近では当たり前になっていますが、これも1979年にボイジャー1号が発見したのですね。

そしてその調査を終えた後もなお太陽系内を飛び続け、2012年についに太陽圏を脱出したようです。

この時点で1号は初めて太陽圏外の空間である星間空間に旅立った人工物となったのですね。

その後はずっと太陽系内を飛び続け、もはやどこまで遠くへ飛んで行けるのか記録に挑戦しているようです。

2号と合わせて現在も続いているNASAさんの最長のミッションとなっているのですね。


2号は木星土星だけでなく、その外側を回っている天王星海王星の探索も目的としていたようです。

木星へはこれまた1979年7月9日に最接近したようで、この時の観測により木星の巨大な雲の渦「大赤斑」が反時計回りに回転しているということがわかったのですね。

大赤斑については昨日の記事でもさらっと書きましたが、まさかこんな形で今日の記事に繋がっていたとは。

昨日書いた木星の詳しい構造も、ボイジャー計画により明らかになってきたものなのでしょう。


………あの美しい雲が、実はアンモニアでできているということも………。


太陽圏

ボイジャー2号についてはわかりましたが、そう言えばさっきから何気なく言っている「太陽圏脱出」ってどういうことなのでしょう。
そもそも「太陽圏」って何なのでしょう。「太陽系」とは違うのでしょうか。


太陽系の中心の恒星である太陽は、その活動の過程で光を放ちますが、実は太陽が出しているのは光だけではないのですね。
光のほかに「太陽風」と呼ばれるプラズマを放出しています。

この太陽風は太陽の大気と関係があるのですね。

太陽の表面には「コロナ」と呼ばれる大気がありますが、その温度はなんと100万度以上もあるのですね。


……太陽の地表は6000度しかないはずなのですがどうして大気はこんなに熱いのだろうか……。

……一説には「太陽常温説」なるトンデモな学説が存在し、それによると太陽の表面は実は27度程度しかないそうなのですが、それを採用すると話がさらにややこしくなるので、この際一般的に言われている6000度ということにして考えてみても、大気が100万度もあるのは少し……いや、かなりヘンです。

きっとここには何かよくわかっていない未知の力が介在しているに違いありませんが、一体それは何なのだろう……。


……などと考え出すと話題が太陽の方にずれて行ってしまいますから、とりあえずは考えないことにしましょう。

100万度もの熱があれば、気体は気体の姿を保っていることができません。
物質は熱を加えると固体→液体→気体の順に変化していきますが、その気体にさらに熱が加わることで「プラズマ」という状態になります。

このプラズマ化した大気が太陽の重力を逃れ(もはや太陽の重力でも大気を地上につなぎとめておくことはできないようです……)、宇宙空間に放出されたものが「太陽風」なのですね。


そしてこの「太陽風」が届く圏内が「太陽圏(Heliosphere)」と呼ばれているのですね。


宇宙は真空だと言われていますが、実は完全な真空ではなく、「星間物質」と呼ばれる物質(ガス?)で満たされているのですね。
この星間物質のうち、電荷を持っているものは太陽風電荷と反発しあい、中に入ってくることができないようです。

つまり太陽圏は星間物質の海の中にできあがった泡のような形をしているのですね、「大気」だけに。

そしてその泡が、有害な外側の宇宙からの放射線……「宇宙線」なども防いでくれているのですね。

……まさに太陽風の結界だ……。

太陽系の惑星はこの中にあるのですね。

また、もちろん「泡」であるため、外の世界との境界があります。

その外は「星間空間」と呼ばれる空間があり、そのさらに外側には「オールトの雲」と呼ばれる氷でできた小さな星が沢山集まっているエリアが広がっているのですね。

そしてこのオールトの雲までが太陽系であると言われています。
(太陽圏内までが太陽系だという考え方もあるようです。)

またこの太陽圏とその外側の星間空間との境目を「ヘリオポーズ」といい、これを検出するのが木星土星探索を終えた現在のボイジャー1号(2号も?)の新たなる目的の1つとなっているようです。


………木星土星その他の探査は終わったのですが……。
任務が終わりさあ後はアフターファイブだ!……と思ったらまた新しい仕事が目の前にドン!と音を立てて山積みに置かれた感じなのですね、きっと……。

……時間外労働?

と、いうより……もうヘリオポーズを過ぎてしまったのですが……。
これにて任務終了……とはいきませんよねさすがに。


なんにせよ「太陽からの風」が及んでいる結界のような泡のような領域を「太陽圏」というのですね。
そして今回のニュースは、ボイジャー2号がついにその泡の外へ踏み出し、海の中へと入って行った、ということなのですね。

なるほどここまで調べてようやく理解できましたね。
宇宙分野は専門用語が多すぎてよくわかりませんね。


11月5日に太陽圏を脱出

さて……ニュースの意味が分かったところでようやく本題です。

この太陽圏脱出劇、NASAさんが12月10日に発表したのですね。

探査機であるボイジャー2号には当然ながら数々の観測機器が搭載されていますが、その中には太陽風を検知するものもあるのですね。

どうやらさかのぼって8月後半から、本来なら太陽風によって防がれているはずの宇宙線が観測されるようになってきていたようです。
そのためその時点で間もなく太陽圏を脱出して星間空間に入るだろうと言われていたのですね。

そして5日以降は機体の周辺で太陽風が観測できなくなったため、NASAさんは2号が星間空間に出たとわかったのですね。

これにより、2号は1号に引き続き星間空間に旅立った2個目の人工物となったわけです。


……あれ、2号の方が先に打ち上げられたんじゃ……。

なのになぜかここで順番が入れ替わっています。


実は飛行経路が違ったため、1号よりも6年遅れて圏外に出たのですね。

なるほど、2号より回り道をしていたのか……。

たまに「2人で一緒に博物館に入ったはずなのに、どういうわけか片方が先に出てきて、それからもう1人が出てくるまでに1時間以上掛かった」という謎の現象が発生することがありますが、ボイジャーの順番が入れ替わったのもそれと同じ理由なのですね、きっと。

また、現在は地球から180億キロ離れた場所を飛行中だそうで、NASAさんとの通信には片道だけで16時間半かかるのですね。

……既に光の速さでも16時間半かかるほど遠い領域に足を踏み入れてしまっているのですね……。

こんな時に「超光速粒子『タキオン』」を使った「タキオン通信」があれば地上にいるのと変わらない速度で通信ができて便利なのに……などと思ってしまう私はSF映画の観すぎなのでしょう。


また、こんなに遠くまで来ているのにボイジャーの旅はまだ終わっていません。

これからボイジャーは太陽系の外に向かって星間空間を飛び続けるわけなのですが、その先にあるオールトの雲の内側にたどり着くまでに300年、雲を突破するまでにはなんと3万年掛かると言われているのですね……。


……相当分厚いのですね……雲。

まさかアンモニアでできているんじゃ………。


いやこの際雲の材質には目をつぶるとしても、問題なのはその厚さです。
たどり着くよりも突破する方が時間がかかるとはどういうことでしょう。
これじゃぁ先に人類が滅んでしまいます。


ボイジャー2号は現在時速5万5千347キロという恐るべきスピードで飛んでいます。
これは有名な国際救助隊の救助メカの1号機の倍以上の飛行速度ですが、それでもやはり「次元波動エンジン」を使わなければ太陽系脱出は難しいのですね……。


また、ボイジャーは通信システムの電源に「原子力電池」なる電池を使っているのですね。
これは当初の予想を大いに上回り今現在もまだ稼働を続けているツワモノなのですが、それでも2025~2030年頃には電池切れになると言われています。

つまり、それ以降はたとえ本当に太陽系の外に出られたとしても通信ができなくなってしまうのですね……。

残念だ……。

きっとこのままボイジャーは1号2号ともども太陽系版「恒星間天体『オウムアムア』」となり、数億年後に他所の恒星系で観測されて、そこの惑星か衛星に住んでいる人たちが「あれは何だ!?宇宙人の探査機か!?」とパニックになるまで宇宙空間をさまよい続けるのだろう。

ですがむこう数年間はまだ星間空間の状況を知らせてくれる………はず。


ゴールデンレコード

……「恒星間天体となって~」で思い出したのですが……、ボイジャー、確かレコードを積んでいるのですね。

調べてみるとそれらは「ゴールデンレコード」と呼ばれているそうで、アナログなレコード盤に地球上の色々な音が記録されているのですね。

これはいつか未知の天体に住む人たちが受け取って解読し、その頃には滅んでいるかもしれない地球人へと想いを馳せることができるようにと積まれているものなのだそうです。

なんだかとてもロマンを感じさせるレコードですね。
映画になりそうだ……。

いや、逆の設定だとどうだろう……つまり、地球人が地球に墜落した未知の無人宇宙船から「金のレコード」を回収。
最初は一体どこの国の誰のいたずらだと半信半疑だった科学者たちが、もしかしたら異星人からのメッセージなのではないかと考え解読に着手。
そして苦難の末ついに内容を解読し、それが何億年も昔に銀河の彼方の滅び行く星から送られてきたものであることを知り、今はもう命尽きてあるであろうその送り主たちに想いを馳せる……。

……なんだかとても感動的です……。
まるで無人島から流されたビンに入った手紙みたいだ。

遠い未来に地球発のこの手紙も宇宙のどこかにいるタコともイカともつかない放射相称の体を持つスミを吐く7本足の巨大な宇宙人によって解読されることになるのですね、きっと。
そして遠い文明に想いを馳せた宇宙人たちは宇宙船である巨大な「ばかうけ」に乗り、発信源である地球を目指すに違いない!

何やらいろいろと妄想が膨らみますが、積まれているのはもちろん手紙ではなくレコードなので、本体は固いものでできているのですね。
どうやら金メッキされた銅でできているそうで、地球の色々な言語でのあいさつや音楽、鳥の鳴き声や木々のさざめきなどの自然の音が録音されているのですね。
そのレコードはアルミのカバーに入れられ、さらにその表面は純金ならぬ「純ウラン238」で覆われているそうです。

ウラン238は44億6800万年の半減期を持つため、これを誰かが受け取った場合、放射性炭素年代測定ならぬ放射性ウラン年代測定によりいつごろに収録されたものなのかがわかるのですね。

ウランという金属はそのすべての同位体原子核に含まれる中性子の数が違うが同じ元素)が放射能を持つという変わり種ですが、その中の1つであるウラン238は核燃料などに使われるウラン235とは違い比較的安定しており、そのままでは核分裂は起こしませんし強力な放射線も出ていませんから、もちろん受け取った人が素手で触っても安全………なはず!?

……せっかく宇宙人に見つけてもらっても、被ばくさせてしまってはいけませんね。


それにしても銅でできたレコード盤って……。
銅やって再生するのだろうか……。


2基のボイジャー、未知の生命体に出遭えるか

……長くなってしまいました……。
今朝までは今日はネタが無いからあまり書けないかもとか言っていたはずなのにどうしてこんなに長くなるのだろうか……。

なんにせよ、今までさりげなく見聞きしていたボイジャーですが、実はこんなにも色々なドラマとロマンと観測機器と時間外労働を積んだ探査機だったのですね。

星間空間を突破してオールトの雲にたどり着く頃にはもう地球との通信はできなくなってしまっていますが(もしできていたらNASAさんはまだボイジャーミッションを続けているでしょう……)、オールトの雲が無理でも今まで未知の空間であった星間空間についてまた新しいことがわかるかもしれませんね。

きっとボイジャーが先へ進むたび、人類の知っている太陽系はどんどん広がっていくのだろう……。

あと数年……あと少しだけ、最後のお仕事を頑張ってくれるのですね。

そして引退後は太陽系発の「恒星間天体」としてどこかの恒星系の人たちに無事に拾ってもらえると良いのですが……。


さらば、ボイジャー

……はまだもう少し先ですね!