何とはなしに、きつねとコーラ。

管理人のきつねとその相棒のべっつりコーラが、日々の出来事について思ったことや感じたことをただ淡々と述べていくだけのブログ。

世界と日本じゃ立場が真逆!チェスと将棋についての考察その1

なにぶん個人的な話題で非常に恐縮なのですが……今回は私の趣味の1つである「チェス」について書いていこうと思います。

興味が無い方も……その方が多分多いと思うのですが……なにとぞ最後までお付き合いいただければ幸いです。

きっと少しは興味がもてる……可能性もありますので……………断定はしませんが。


チェス

言わずと知れた有名なボードゲームですね。

主にヨーロッパを中心に色々な国々で指されているもので、「西洋の将棋」などとも言われたりしますね。
チェスを知らない方でも漠然と「将棋に似たゲームなんだろうな」というようことは知っているのではないかと思います。


………知って……………いますよね………?


……念のために説明します。

チェスは白と黒の8×8……64マスの市松模様の上で繰り広げられる「盤上の戦(いくさ)」です。

プレイヤーはそれぞれ王様ないしはお殿様となり、白か黒、いずれかの色の軍(=駒)を率いて戦い合うのですね。

それぞれの駒は兵隊さんもしくは1つの部隊を表し、種類によって異なる能力・弱点を持ちます。
1種類の駒ではできることは限られていますから、複数種の駒を組み合わせ、お互いの弱点を補い合いながらゲームを進めることが攻略の鍵なのですね。

これらの駒を操り、先に相手プレイヤーの「王様」の駒を追い詰めた方が勝ちになります。

「王様」の駒はそれぞれのプレイヤーの分身となるもので、ビデオゲームで言うところの「プレイヤーキャラククター」ですね。

身近なゲームに喩えるなら「マリオ」だの「リンク」だの「主人公」だの、アレです。


また、盤の市松模様は駒の位置や動きを把握しやすくするためのものであり、これ自体は特にゲームの勝敗やルールに直接は影響しません。
あくまで目印のようなものなのですね。

ですが私は個人的にこの市松模様の盤がお洒落で綺麗だと思うのですね。


西洋将棋」か「国際将棋」か

ヨーロッパ周辺の「多くの国と地域」で楽しまれてきたという歴史上、各駒の解釈や名前、デザインなどは場所によって違うのですね。

「王様」と「歩兵」は大体共通しているようなのですが、他の駒は割といろいろな解釈があります。

ある国では「ゾウ」と呼ばれる駒が別の国では「僧侶」と呼ばれていたりします。
またある国では「司令官」と呼ばれる駒が別の国では「女王」だったりもします。


それぞれの国の文化を反映し、文化に合ったスタイルの名前で呼ばれるのですね。


ですがそれぞれの駒の動きやルールは全世界で統一されているので、たとえ駒の名称や解釈、デザインが違っても、違う国の人どうしで問題無く対局ができるのですね。

駒のデザインに関しては現在では「スタントン型」と呼ばれるかわいいデザインが世界標準になりつつありますが、必ずしもこの形の駒を使う必要はありません。

他のデザインの駒……たとえば「ルイス島型」だの「セントジョージ型」だの「スターウォーズ型」だの「ゼルダの伝説型」だの「戦国武将型」だの、何でもいいのですね。


ルールさえ守れば、あとは何をしてもいい。


この自由度の高さがチェスの魅力の一つなのですね。


日本では各駒の名前と解釈はイギリスのそれに則ったものです。

「王様」の駒は「キング」と呼ばれますし、「ゾウや僧侶の駒」は「ビショップ」と呼ばれるのですね。

また「司令官」や「副将軍」などとも呼ばれることがある「最強の駒」は「クイーン」と呼ばれています。


おそらくイギリスは女王様の国であるため、このような解釈・名称になったのではないかと思われます。


なんにせよこのような名称のせいもあってチェスは「西洋将棋」などと呼ばれてしまうわけですが、そもそもチェスの発祥の地は西洋ではありません。
発祥の地に関しては後述しますが、「駒の解釈や名前は各国に任せる」というチェス本来のスタンスから考えれば「西洋将棋」ではなく「国際将棋」という名前がふさわしいのではないかと思われます。

実際に中国語ではチェスのことを「國際象棋(グオジー シャンチー、国際将棋)」と呼ぶのですね。

またそれに則れば、駒の名前ももっと日本的な名称にしても良かったんじゃないかとも思います。

「殿様」「足軽」「車井楼」「騎馬武者」などという和風な名前でも実は問題ないのですね。


日本の将棋との違い

そう言えば、「西洋将棋」という名前ができるほどチェスと将棋は似ていますね。


……知らない……?
似ているのです!!


……なぜなのでしょう。

そもそもチェスとは、

遊戯界-盤遊戯門-升盤亜門(スゴロク亜門)-等升綱-チャトランガ目-チャトランガ科-チェス属

に分類されるボードゲームで、学名を「Scacci scacci(スカッキー・スカッキー)」といいますね。

同じチェス属には他にも「クレイジーハウス(Scacci ceritus スカッキー・ケリトゥス)」や「チェス906(Scacci fischerii スカッキー・フィスケーリイ)」などの所謂「変則チェス」が属しており、広義ではこれらチェス属全般を単に「チェス」と呼ぶ場合もあります。

日本の将棋である「本将棋(Shougius japonicus)」も、目までは同じ「チャトランガ目」に分類されていますが、その下の分類は「チャトランガ科」ではなく「象棋上科-ニホンショウギ科」に属するので、両者の間には上科レベルの大きな違いがあることになります。


チャトランガ目」に属するゲームは世界中にありますが、それらのおそらく全てが、およそ3000年ほど前のインドで誕生したと言われるボードゲームチャトランガ(Chaturangus duoreges チャトラングス・ドゥオーレーゲース)」に起源をもつと考えられています。

そこから西に渡ったものがチェスになり、東に渡ったものが将棋になりました。


つまり、チェスと将棋は両方とも「インドに起源をもつ遠い親戚」なのですね。
これで「なぜこんなにも両者は似ているのか」という疑問が解けましたね。


両者とも「王様を追い詰める」という勝利条件は全く同じですが、盤のマス目の数や駒の種類などに違いが見られます。

特に将棋には「持ち駒」と呼ばれる独特のルールがあり、一度取った相手の駒を味方の駒として再利用できるというのが最大の特徴なのですね。
なんだかリサイクルを推進していてエコな感じがしますが、この「持ち駒」システムは他の「チャトランガ目」のゲームには見られないのですね。

チェスも例外ではなく、一度取った駒はそのゲームではもう使うことができません。
そのため駒はどんどん少なくなっていきますし、自分の駒が相手に取られそうな時、どうするべきかを慎重に考える必要があります。

(その後この「持ち駒」システムを採用した新たなチェスである「クレイジーハウス」や「バグハウスチェス Scacci immigratio」などが誕生しましたが。)


また実際に両方遊んでみるとわかりますが、チェスの駒は将棋の駒と比べると全体的にかなり強力です。

一番弱い駒「歩兵」ですら将棋の「歩兵」とは比べものにならないほど強いですし、なにより一度に盤の端から端まで行ける足の速い駒……いわゆる「走り駒」が多いのですね。
駒の射程が長いため、どうしても盤全体を使った戦いになりがちです。

その分わずかなミスや見落としが勝敗を分けるギリギリの戦いが楽しめるのですね。

逆に将棋の走り駒はあまり多くはありません。
またほとんどの駒が後ろに進むことができず、そのため敵陣に進入すると後ろに進める「金将」になるのですね。

金将」は斜め後ろを除くすべての方向に1マスずつ動ける駒ですね。
大変優秀な駒ですが、走り駒ではありません。

駒の射程が短く、殆どが局所戦になるため、比較的戦いは穏やかに進行するのですね。

……いつどこに持ち駒を「打たれる」かわからないという恐怖はありますが。

この「持ち駒」システムのおかげで将棋ではチェスよりさらに奥深い戦略が楽しめるのですが、これがあるのできつねは将棋が苦手なのですね……。


強さの認定システムについて

ここまででチェスと将棋の間にはかなり大きな違いがあるのだということがわかりました。

知らない人から見ると「似たようなもんじゃないの?」と思われがちな両者ですが、実はこんなに大きな差があるのですね。

また直接ゲームのルールに関係することではありませんが、チェスや将棋の「強さ」のことを「棋力」というのですね。

チェス・将棋ともに「レーティング」と呼ばれる方法でこの「棋力」を数値化して表すことができます。

なんだか某アニメの「戦闘力」みたいですが、これが割と便利で色々な所で出てくるのですね。


「棋力」以外にも強さを表す方法はいろいろあり、その一つに「タイトル」というものがありますね。

この「タイトル」……チェスにも将棋にもあり、それぞれ同じ名前で呼ばれていますが、チェスと将棋とでは大きく違います。

要約すると以下のようになります。

チェスのタイトル:

グランドマスター
・インターナショナルマスター
・FIDEマスター
・キャンディデイトマスター

の4つ。
上に行くほど強くなる。

主催組織は「国際チェス連盟(FIDE)」。

取得条件は公式戦でレーティングが一定の値を上回るなどの特定の成績をおさめること。

成績が良ければプロ・アマ問わず誰でもタイトルを取得できる。
年齢制限もない。

一度タイトルを取得するれば一生無くならない。


将棋のタイトル:

竜王
・名人
叡王
・王位
・王座
棋王
・王将
棋聖

の8つ。
上に行くほど強くなる(?)。

主催組織は「日本将棋連盟」。

取得条件はそれぞれのタイトルを賭けた「タイトル戦」に優勝すること。

竜王」と「棋王」以外はプロでなければ取得できない。
プロになるには年齢制限がある。

一度優勝してタイトルを得ても、次に負けると無くなってしまう。


………なんだかずいぶん違うものなのですね……。


成績が良くなれば……言い換えれば上手くなればもらえるチェスのタイトルはいわば「段位」に近いものです。

ですが大会に優勝するとその間だけもらえる将棋のタイトルはいわば「チャンピオン」に近い概念ですね……。


両方を同じ「タイトル」という名前で呼ぶのは少々無理がある気がするのですが……。


また、チェスのタイトルは「プロでもアマチュアでもOK」で、年齢制限もありません。
この辺りはさすが世界中の色々な国に広まっている競技だけあって「来るもの拒まず」のオープンな感じがしますね。

年齢制限が無いことに関しても、「チェスを始める年齢は人によって違うのだから、そんなの設けても意味がない」という運営側のスタンスが伝わってきますね。


対して将棋のタイトルを得ることができるのは例外を除きプロだけなのですね……。
プロになるには年齢制限がありますから、間接的にはタイトルにも年齢制限があることになります。


……なんだかすご~く内向きで閉鎖的な感じがするのですが……。


今時「ここに就職するには〇〇歳以下じゃなきゃダメです」なんて言ったら他所の業界じゃ雇用対策法違反になりますし、下手をすれば損害賠償ざたになってとてつもない額の賠償金を支払う羽目になります。

昨今はそのおかげで人員募集に年齢制限を設ける企業が少なくなってきたわけですが、そんなことをあの日将連が今もやっているだなんて……。


……基本的に「日本国内限定」で発展してきた将棋はどうしても内向きになってしまうのだろうか……。
そう言えば外国人の棋士さんなんて殆ど見たことがない気がするのですが……。

年齢制限に関してもほとんど根拠がわかりません。
「若い人を育てたい」からなのでしょうか……。
それにしたって上の世代を排除する意味がわかりません。

外国の人など「年を取ってからやっと将棋と出会える人」もいますし、そもそも年長になってから活躍する棋士さんだっているのに。


……我が国のチャトランガはここまで内向きだったのであろうか……。

まるで「これは我々だけのもの、ヨソ者にはやらん!」とでも言わんばかりな……。


なんだかとても残念な気持ちになります。


…………これじゃぁ将棋はチェスには敵いませんね……。


こんな調子では世界の人たちに自信を持って「これぞニッポンの伝統文化だ!」だなんてとても言えません。その後に続く言葉は「だがオマエたちは仲間に入れてやらん!」なのですから。
むしろ日本の将棋を好きでいてくれる数少ない外国の人たちに対して申し訳がありません………。


気になる競技人口

年や文献によって若干の推移がありますが、それぞれの国内での競技人口はチェスが2万人、将棋が530万人と言われています。


……なんと……チェス人口は将棋人口に遠く及ばないのですね……。
予想はしていましたが改めて数値を突きつけられると一チェスファンとしてはとても肩身が狭……じゃなくて残念な気持ちです……。


ですが世界的にみると話は逆で、将棋が1500万人であるのに対しチェスはなんと5億人もいるのですね。
……文献によりどういうわけか5億~8億と幅があるのですが、とりあえず一番小さな数字を取っても5億人です。


……今度は将棋が遠く及びませんね。


おそらく元々複数の国々が協力して発展させてきたた競技であるため参加国が多くなり、必然的に競技人口が増えたという歴史的な要因と、それによって培われた「来るもの拒まず」のオープンな姿勢が新しいファン層を次々に呼び込み、さらに人口が増えたという気質的な要因の2つが密接に関係しあってこの結果につながったのではないかと思われます。

……要するに「みんなで一緒にやろうぜ!」と「これはウチらだけのもんじゃ!」の違いだ……としか言いようがないのですが…………にゃぁ。


……でも日本国内だけならそれでもいいのでしょうか……。
実際将棋は国内では十分チェスよりも強い勢力を持っています…………こんなに内向きなのに。

…………もっと日本にも広まらないかな……チェス。
だめなのかな……国内では将棋というライバルが強すぎるのだろうか……。


…………面白いんですけどね、これ………。

 

なお、記事のタイトルに「その1」と書かれていますが、続きを書くかどうかは今の所未定です…………。

(※上で書いたようなあんな生物の分類のような分類やラテン語名は実際にはありません。あくまでわかりやすくするための喩えです。念のため……。)