何とはなしに、きつねとコーラ。

管理人のきつねとその相棒のべっつりコーラが、日々の出来事について思ったことや感じたことをただ淡々と述べていくだけのブログ。

エビとカニの水族館で展示?カブトガニ、夫婦でべったり

和歌山県のエビカニ専門の水族館

ぱっと見て一瞬魚屋さんのサイトかと思ったのですが、水族館の公式サイトでした。
だっておいしそうな生き物の写真が沢山並んでるんだもん……。

和歌山県すさみ町江住には、エビやカニ専門の水族館があるのですね。

その名も「すさみ町立エビとカニの水族館」。

……名前からしてなんだかマニアックな匂いがプンプンですね。
マニアックなものが好きなきつねはついつい惹き寄せられてしまいそうです。

この水族館で今月、何やら特別展があるようですね。

特別展はいい夫婦の日(11月22日)にちなんだもので、雄と雌との間に特別な関係がある甲殻類4種を展示するのですね。

今月14日の時点でニュースサイトに特別展をやるという記事が貼り出されていたのですが……展示自体はどうやら24日までのようです。


…………終わってるじゃん。


しかも、昨日までです!!

いけない……のんびり「だんごむしの記事」なんて書いている場合じゃありませんでした……。
せっかくの三連休真ん中の日だったのですから、速やかにこの水族館に急行するべきでした。

残念、見たかったのに……。
いや、どのみち和歌山なんて遠い所、きつねの財力では行けませんが……。


ところで、この特別展で展示されていた甲殻類

・雄が雌に抱きついたまま行動を共にする「アメリカブトガニ
・常につがいで暮らす「オトヒメエビ」
・繁殖期になると雄が雌を掴んで運ぶ「ホンヤドカリ
・雄が雌の後ろから抱きつく「メガネカラッパ」

の4種なのだそうです。

なるほどなるほど、どれも変わった男女の関係を持つ仲睦まじい個性的な甲殻類なのですね。

しかし一つ、気になる事が……。


……アメリカブトガニだけ、甲殻類じゃないのですが……。


まるでアヒルの子供たちの中に、一羽だけ白鳥の子が混じっているのを見たような奇妙な感じです。

なんでだろう……。

かなり特別な夫婦の関係を持っているので、スタッフの方が「これは絶対に展示するべきだ!」と考えて強引に4種の中に加えたのでしょうか。
おそらくどうしてもカブトガニを特別展に加えたいと考える「カブトガニマニア」の一派が、他のスタッフさんたちの反対を押し切り、自らのアイディアを無理やり押し通したのだろう。

きっとそうですね。そうに違いありません。

しかし……、「雄が雌に抱きついたまま行動を共にする」って、何とも気になる習性ですね。これは確かにごり押しででもなんでも特別展示したくなると思います。

具体的にはどういう習性なのでしょうか。
カブトガニについて少し調べてみることにしました。


カブトガニ

そもそもカブトガニとは……

節足動物門-鋏角亜門-カブトガニ綱-カブトガニ

……に属する節足動物の総称で、最も狭い意味では「Tachypleus tridentatus」という種類の日本名なのですね。

カブトガニは4億4500万年前のオルドビス紀に誕生し、今の今まで生き続けているため「生きた化石」と呼ばれますね。
絶滅した種類も含めると80種類以上がいる一大繁栄グループなのですね。

ですが今生きているのは

カブトガニ(Tachypleus tridentatus)
ミナミカブトガニ(Tachypleus gigas)
マルオカブトガニ(Carcinoscorpius rotundicauda)
アメリカブトガニ(Limulus polyphemus)

の4種類だけのようです。

4種全部を合わせても「カブトガニ」、また「Tachypleus tridentatus」の和名も「カブトガニ」。

何だかものすごく紛らわしいですね……。せめて「Tachypleus tridentatus」の和名は「ホンカブトガニ」とか「マカブトガニ」、「シン・カブトガニ」みたいにわかりやすくしてもらえると助かるのですが。

また、それだけでなくこの4種類……外見では区別が難しいほどそっくりです。
おそらく知識の無い人なら見分けがつかないでしょう。私もまったく違いが判りません。

……名前だけでなく見た目まで紛らわしいとは。

ですが過去に生きていたたくさんの種類のカブトガニたちはかなり個性的な形をしていたのですね……。

一番生存に都合の良い格好をしていた4種類が生き残ったため、結果としてお互いにそっくりな形になってしまったのだろうか……。

……これぞ、「収斂進化」ですね。


また名前に「カニ」と入ってはいますが、「鋏角亜門」という分類が示す通り、甲殻類ではなく鋏角類……つまり、カニではなくクモやサソリに近い仲間なのですね。

どうやら昔、カンブリア紀に栄えた「三葉虫」の一種から枝分かれして進化したらしいです。

……そういえば三葉虫の形って……縮めて押し込んで引き伸ばしたらカブトガニになるような……。

三葉虫は5億4200万年前のカンブリア紀から、2億5100万年前のペルム紀まで、3億年近くも栄えた有名な古生物ですね。

節足動物門-三葉虫綱に属する節足動物を「三葉虫」と呼び、その種類はなんと1万種を超えているのですね。

体がとても硬く、化石としても残りやすく、また至る所で見つかるため、化石が見つかる地層の年代を示す「示準化石」としても重宝されているようです。

この1万種の中のどれかが進化して、「光楯類(こうじゅんるい)」と呼ばれる動物になったのですね。

さらにその中のどれか(アグラスピス属?)がさらに進化し、カブトガニの祖先である「ルナタスピス」や「ウェインベルギナ」などが生まれたようです。

また、その過程で分岐して分かれた他方はさらに進化を重ねて「ウミサソリ類」になった……らしいですね。

ウミサソリ類はカブトガニと同じく「カブトガニ綱」に属する絶滅したグループですね。

名前にサソリと入っていますが、陸のサソリは「クモ綱」なので、「カブトガニ綱」のウミサソリとは違う生き物なのですね。

……「カニ」と見せかけて「鋏角類」だったり「サソリ」と見せかけて「カブトガニの仲間」だったり……なんだかこのグループには名前がねじれているものが多いですね。

……でも「クモ綱」自体が「カブトガニ綱」から分岐して誕生したものみたいですから進化論的に考えれば同じものなのかも……。

これは……我々「哺乳類(哺乳綱)」も「硬骨魚類(硬骨魚綱)」とみなせる、というのに似ていますね。どっちも「綱」ですし。


気になる夫婦でくっつく習性

さて、問題の「雄が雌に抱きついたまま行動を共にする」という習性です。

カブトガニは繁殖期になると、雄が鈎状になった前足4本を使って雌にくっつくそうです。
これは「抱接」もしくは「抱合」と呼ばれるのですね。

カブトガニの足の先はそれぞれハサミになっていますが、雄は前足4本(アメリカブトガニだけは2本)が雌にしがみつきやすいように鈎状に変化しているようです。

また、日本にもいるカブトガニ「Tachypleus tridentatus」に関しては雄の甲羅の前に雌にくっつきやすくするためのくぼみがあるのですね。

またカブトガニの雌のお尻のとげは雄がくっつきやすくなるために小さくなっています。

……もはや体が雌に「くっつく」もしくは雄に「くっつかれる」ために進化してしまっているのか……。
そうまでしてくっつきたい理由って一体……。

また雄はなかなか強い力でしがみ付いてくるらしく、雌と間違えられてウミガメや魚などが雄に掴まれ放してもらえなくなり、困ることがあるようです。

……割と迷惑……。

一夫一妻制の動物で、一度決めた相手とはずっと一緒にくっついたまま過ごすのだとか。

岡山県にあるこれまたマニアックな「笠岡カブトガニ博物館」の記録によると、3年間もくっついたまま離れなかったカップルがいたそうです。

……3年間一緒にいるのはともかくとして、わざわざこのような電車ごっこを休みなく続ける理由は一体何なのだろうか……。

そのうち雌の方から「動きづらいんで別れてくれ」と離婚届を提出されることはないのかと勘繰りたくなるのですが……。


なぜ抱接するのか

気になるこの習性の理由なのですが、どこを調べてみても答えが見つかりませんでした……。

おそらく現時点では理由が解明されていないのか、もしくは単にきつねのリサーチ不足なのか、よく分かりませんが。

一体彼らは何だってあのような奇妙な習性を持っているのだろう……。

……い……いかぬ……。
これは……き……気になるではないか!
というより、本来この記事の目玉であるはずのこれの謎が解けないって……。

……謎は謎のまま解けませんでしたが、当方ブログを書くために毎日色々と雑学を集めている身ですので、もしかしたらそのうち何かわかるかもしれません。
全然関係のない分野のことを調べていたら、偶然探し求めていた答えが落ちていた……ということも割とよくありますし……。

と、いうわけで、この「カブトガニはなぜ雌に抱きつくのか」問題、今しばらく棚上げにしておきたいと思います……。

なんと消化不良な終わり方だ!


……それにしても……いいなぁ、カブトガニ

ダンゴムシやベッツリコーラもいいですが、カブトガニもなかなか個性的で魅力を感じます。
もしカブトガニのデザインが人工物だったとしたら「作者は天才」レベルです。

また書こうかなあ……カブトガニの記事。今度こそ「抱接」の謎を解いた後で……。