何とはなしに、きつねとコーラ。

管理人のきつねとその相棒のべっつりコーラが、日々の出来事について思ったことや感じたことをただ淡々と述べていくだけのブログ。

名古屋で豊漁?アカシャエビ、現在大売出し中!

エビの詰め放題!

最近なんだか宇宙の話題ばかりだったので……気分転換を兼ねて(?)、海の生き物の話を書こうと思います。
今日のテーマはエビです。

エビ……。
言わずと知れた海の幸ですね。

エビ以外にも、海には本当にたくさんの節足動物がいますが、日本で海の幸と言えばカブトガニグソクムシ、シャコを抜いてエビやカニが最も人気でおなじみですね。

比較的小型のものを「小エビ」などと言ったりしますが、その小エビの一つ、「アカシャエビ」が、今豊漁のようです。

このアカシャエビ、愛知県南知多町の豊浜漁港でたくさん水揚げされたのですね。

愛知県は言わずと知れた「エビ王国」ですが、今回のアカシャエビの水揚げ量は10.5トンで、例年より3倍ほど多いそうです。

そのため値段が二割ほど下がり、地元では「300円でビニール袋に詰め放題」などという売り方をする店も出てきたのだとか。

エビの詰め放題……。
野菜や果物なら聞いたことがありますが、エビって……。

堅いしギザギザしてるし、無理やり詰め込んで袋に穴が開いたりしないのだろうか……いっそ「穴が開いてそこからエビがこぼれたら失格」なんてルールがあったりして。

ところで、アカシャエビというのは一体どんなエビなのでしょう……。
少し気になったので調べてみました。


アカシャエビって?

節足動物門甲殻亜門エビ綱エビ目クルマエビ亜目クルマエビ上科クルマエビ科アカエビ属

……に属する「アカエビ(Metapenaeopsis barbata)」……の、「名古屋市での」名前ですね。

他に同じアカエビ属の「トラエビ(M. acclivis)」や、サルエビ属の「サルエビ(Trachysalambria curvirostris)」も名古屋では「アカシャエビ」というらしいです。

つまり、「アカシャエビ」とは一種類のエビのことではなく、数種類のエビを一纏めにした名前だったのですね。

……ややこしい……!!

アカエビとトラエビなら同じアカエビ属なのでいいとしても、サルエビ属のサルエビって……もう属が違いますよ!

哺乳類にたとえて言うなら「キツネ」と「タヌキ」くらいの大きな違いがあります!
アカエビとトラエビならまだ「アカギツネ」と「スイフトギツネ」程度の違いしかありませんし、これらは両方「キツネ」なので同じ名前で呼ばれていても違和感はありませんが……。


またアカエビ(M. barbata)それ自体も地方によって名前が異なり、他には

アカヤマエビ(熊本県芦北町)
トビアラ(大阪府
ガラエビ(愛媛県松山市
コエビ(徳島県徳島市漁業協同組合)
コモンジャコ(大阪府泉佐野市)
サルボ(徳島県
バチエビ(兵庫県明石市

……などの名前があるようです。

…………ややこしい!!!
せめて学名を併記して……。


……とりあえず、「アカエビ(M. barbata)」に限って言うと……底引き網などの沿岸漁業で漁獲される、手ごろな食材として流通しているのですね。

その用途はかき揚げ、むきエビ、素揚げ、ゆでエビ、すり身、唐揚げ、煮つけ、佃煮、干物、タイの釣りエサなど、本当にいろいろあるようです。

気になるお味ですが、「身には旨みが強くエビの風味も高い」……のだそう。
こればっかりは食べてみないことにはわかりませんが、エビらしい味がするのでしょう……。

……一説によると名古屋の「天むす」や「えびせんべい」にもこのアカエビ(M. barbata)が使われているのだとか……。
もしかして私も気づかないうちに食べたことがあったりして……。

なお、地方によっては「サルエビ(Trachysalambria curvirostris)」やその他のエビのことを「アカエビ」と呼んだりする所があるようです。
……それらとの混同を避けるためにここでは敢えて「アカエビ(M. barbata)」と学名併記で呼ぶことにします……。


異常気象の恩恵により豊漁

それで、気になる豊漁の理由ですが、どうやら今年の気候条件が大きく関係しているようです。

そもそも今の時点で漁獲できるエビは今年の5~6月に生まれたものなのですね。
アカエビ(M. barbata)の詳しい生態がよく分からないので断定はできませんが、春に生まれた個体が今大人になっているということは半年刻みのライフサイクルを持っているのでしょう。

……あれっでも他の文献によると「生まれた子供は翌年に急成長して卵を産むようになる」って……。

……もしかしてここでも「アカエビ=M. barbata以外の種類も含む」の怪が……?
「ことし5~6月に生まれて今漁獲できるエビ」は実は「アカエビ(M. barbata)」 じゃなかったりして……。

「サルエビ(T. curvirostris)」の場合は「春に生まれて冬に亡くなる短命の世代」と、「秋に生まれて越冬し、翌年いっぱい生きる長命の世代」とがあると言われているようですね。
要するに、生態があまりよくわかっていないのかな……。

なんだかミツバチみたいですが、「アカエビ(M. barbata)」はどうなのだろう……。

……とりあえず、漁業関係者の方の話によると「今漁獲されているアカシャエビは今年の春生まれた個体」なのだそうなので、それを信じて話を進めます。
もうこの際これが「アカエビ(M. barbata)」なのかどうかはともかくとして。


今年は春から初夏にかけて雨が多く、また晴れた日も多いという不思議な天気でしたね。
まるで梅雨と夏が3日置きくらいのサイクルで交互にやってくるみたいでした。

このヘンテコな天気のおかげで体調を崩された方も多くいらっしゃると思います。かく言う私もその一人ですが!

ただ、この雨のおかげで陸から養分が海へ流されていき、その結果海が豊かになったのですね。
さらに日照時間が長かったことも合わさって植物プランクトンが大繁殖したようです。

そのため、植物プランクトンを餌としているアカシャエビもたくさん育ったのではないか、と言われています。

……と、いうことは……。
今現在のこのアカシャエビの豊漁の前に、「植物プランクトンの大豊作」があったに違いない!
ただ流石に植物プランクトンは人が食べられるものではありませんので、人間たちの間ではどうしても「植物プランクトンの大豊作」よりもその後の「エビの豊漁」の方が目立ってしまうのでしょう。

ですがきっとエビたちの間では、今年の春から初夏にかけて「ことしは植物プランクトンが豊作だ!」「これで子供が育つ!産めよ増やせよ」「第24587次ベビーブームの到来だ!」などと大騒ぎになったに違いありません。


また、植物プランクトン以外にも、台風がいくつもあったこともこのエビーブームに影響しているようですね。

台風の役目としては強風で海全体をかき混ぜ、海面近くの酸素を含んだ温かい水と、底の方の酸素が少ない冷たい水とを混ぜ合わせることにより、海全体をまんべんなく温かく、なおかつ酸素がすみずみまで行きわたるようにしているのですね。

今回の場合、台風で海水がかきまぜられ、その結果酸素を多く含んだ海面近くの水が海全体に行きわたり、アカシャエビが育ちやすい環境が整ったようです。

……あれっ、なんだかカンブリア紀に似ているような……?

今からおよそ5億4000万年前のカンブリア紀に、それまで海底にくっついてじっとしているだけだった生き物たちが爆発的に進化して、今の動物のように活発に動き回るようになったのですね。
その結果、海の水がかき混ぜられて海底の砂や泥の中に眠っていたカルシウムなどの成分が水の中に溶け込んで水質が変化したのですね。
そのおかげで生き物たちは体にカルシウムを取り込んで硬い骨や殻などを作れるようになり、高性能の鎧やひれ、足などを獲得し、防御能力や運動能力が上昇。進化をさらに促した……と、言われているのですが、今回の台風、なんだかそれに似ていますね……。

……おそらく海の水を「かき混ぜる」ことによって、さまざまな「良いこと」を起こすことができるのでしょう……多分。
海の進化と繁栄のカギは「かき混ぜる」ことにあるのですね……おそらく。

そしてその「かき混ぜる」力は、現在では台風が握っているのですね、きっと。

今回の台風たちも、陸には大いなる厄災をもたらしましたが、海にとっては恵みだったのでしょう。
アカシャエビの世界でも、10年ぶりにいつもの3倍もの数の子供たちが豊富な植物プランクトンを食べながら「第24587代団塊の世代」としてすくすくと育っていたに違いありません。

……その後水揚げされて天むすになるとは知りもしないで……。


今が旬!

アカシャエビの旬はどうやら春と秋……年に2度あるみたいですね。
半年のライフサイクルだから2度旬が来るのだろうか……やっぱり漁師さんの言っていた「今漁獲できるのは春生まれの個体」というのが正しいのでしょうか。

とりあえず、秋に楽しめるのは今月いっぱいまでのようです。値段も安いですし、今のうちに試してみるのも面白そうかも……。

……でも愛知県以外でも豊漁・低価格になっているのだろうか……?


ところで、アカエビ(Metapenaeopsis barbata)の学名なのですが、サイトによっては「Metapenaeopsis barbaraz」と表記されています。

barbaraz で検索してみても国内のサイトが少し出てきただけでしたが、barbata で検索すると海外の文献や論文がたくさん出てきました。
ラテン語の辞書にも載っている単語でしたし百科事典にもこちらの学名で載っていましたのでたぶん、barbata の方が正しいのだと思います……。

学名……確かに普通はあまり見ないかもしれませんが、見ている人は見ていますし、このように別名の多い種類の場合はこれを頼りに種を特定したりするので、発信する側はできるだけ書き間違えないでいてくれると助かるのですが……。