何とはなしに、きつねとコーラ。

管理人のきつねとその相棒のべっつりコーラが、日々の出来事について思ったことや感じたことをただ淡々と述べていくだけのブログ。

減り続けるズワイガニ!少子化高齢化社会に突入?将来は棺桶型人口ピラミッドか

ズワイガニ少子化で水揚げ量が減るというニュース

新聞を読んでいて目に留まったのですが……、ズワイガニに異変が起こっているようですね。

今日からズワイガニ漁が解禁らしいのですが、研究機関の報告によるとズワイガニ世界でも少子化が起こっており、3年後には数が半分になってしまいそうなのですね。

新潟の日本海区水産研究所の調査によると大人のカニは今までどおりたくさんいるらしいのですが、稚ガニ……カニの子供がとても少ないようです。
どうやら何らかの原因で幼生段階での死亡率が高くなっているのではないかと言われています。

そのため今年の漁では去年と同じくらい水揚げできるようですが、来年以降は水揚げ量が減ってしまうとのこと。

研究所の見積もりによると

2018年 2万2千トン
2020年 1万5千トン
2022年 1万2千トン

と、これから先どんどん減っていくのですね……。

ズワイガニを守るため、国が定めた基準では、オスは甲羅の幅が9センチ以上のもの、メスは卵を産めるもの以外は獲ってはいけないことになっていますが、各地の底引き網業者はその基準以外にも今まで自主的に漁獲量を規制してきたのですね。

しかしこのような状況になってしまってはさらに規制を強めていかなければいけないかもしれないようです。


ズワイガニ

さて、今回の話題のカニであるズワイガニについて。

ズワイガニ山口県より北の日本海や、茨城県より北からカナダまでの北大西洋オホーツク海ベーリング海などの北の方の海……ようするに、寒い海に広く分布しているカニですね。
我々の食卓でもおなじみのカニだと思います。……多分。

分類的には「節足動物門甲殻亜門エビ綱エビ目エビ亜目カニ下目ケセンガニ科ズワイガニ属」に属するカニで、単に「ズワイガニ」と呼ばれているのは学名を Chionoecetes opilio(キオノエケーテス・オーピリオー)というカニですね。

属名の Chionoecetes はギリシア語で「雪の居住者」というような意味ですが、ラテン語の名前にするために綴りを変えてあるみたいですね。寒い所に住むカニのためこのような名前になったのだと思われます。

種小名の opilio はラテン語で「羊飼い」のことですが…………われわれの持つズワイガニのイメージとちょっと違いますね。どうしてこんな名前になったのだろう……。
……ズワイガニって羊を飼ったりしましたっけ。

日本語でも色々と別名がありますが、雄と雌とで名前が違うのですね。
雄と雌の大きさがあまりにも違うため別の名前が付けられるようになった……のだそうです。

雄:

エチゼンガニ
マツバガニ
ヨシガニ
タイザガニ

……等

雌:

メガニ
オヤガニ
コッペガニ
コウバコガニ
セコガニ
セイコガニ
クロコ

……等

また、同じ「キオノエケーテス属(ズワイガニ属)」に属する近縁種にはオオズワイガニ(C. bairdai)やベニズワイガニ(C. japonicus)などがいますが、今回の事件は普通のズワイガニ(C. opilio)に限った事なのだ……とおもいます……多分。

……他の種類のズワイガニまで少子化になってしまったら事態はさらに大変なことになってしまいますね……。


稚ガニになるまで

ところで、そもそもこの少子化、どうして起きているのでしょう。
「何らかの原因で幼生段階での死亡率が高い」とありますが、実は詳しい原因はまだよくわかっていないのですね。

幼生段階……というのは稚ガニになるよりもさらに前の段階ですね。
卵から孵って間もない段階です。

ズワイガニ

卵 → 第1齢ゾエア → 第2齢ゾエア → メガロパ → 稚ガニ → 親ガニ

という順番で進化……じゃなくて成長をしていきます。
ズワイガニのように海に住むカニは、卵から孵った直後はまだカニの姿はしていないのですね。

この段階が「幼生」と呼ばれます。
幼生が何度か進……じゃない、変態を繰り返すことによってお馴染みのカニの姿に成長するのですね。

最初の姿である「ゾエア」は生まれたばかりのエビ目の動物のことで、つまりエビやカニの赤ちゃんですね。
小さなエビのような姿をしていますが、大人のエビとは少し違いますし、カニの姿からは想像もできません。

胸部にある2対の付属肢(足)を使って泳ぎ回り、海の中を漂ういわゆる「プランクトン生活」をして暮らします。
カニのゾエアも、エビが泳ぐときのように腹部を曲げる力で泳ぐこともできるのですね。

昆虫と同じく、卵から孵った直後は第1齢、一度脱皮をすると第2齢と呼ばれます。
この時点ではエビの子もカニの子も同じような姿をしているのですね。

カニの場合、このゾエアがさらに脱皮をして成長すると「メガロパ幼生」となります。ズワイガニの場合は第3齢幼生からメガロパになるのですね。
頭胸部(いわゆるカニの甲羅の部分)が丸く大きくなり、よりカニらしい姿になります。
でもまだ腹部がエビのように伸びていて、泳ぐ時はこの腹部の付属肢を使います。

ゾエアは胸の足で泳ぎますが、メガロパはお腹の足で泳ぐのですね。なんだか大人のエビみたいですが……。

ただ、このころになると泳ぎ回るよりも海の底を歩き回ることのほうが多くなるようです。「プランクトン生活」から少しずつ「カニ生活」に近づいていくのでしょう。
そしてこのメガロパがさらに脱皮をして成長するとようやっと「稚ガニ」になるのですね。

メガロパ時代、泳ぎ回るのに使っていた腹部が折りたたまれて頭胸部(甲羅)の下に収まり、ついに見慣れたカニの姿になります。
このころになると親ガニと同じように海の底を歩き回って生活するようになり、姿、生活スタイルともに完全に「カニ」になるのですね。

卵から稚ガニまで、大体2か月かけて成長するようです。

ですがこの2か月の間にゾエアやメガロパの段階で何らかの原因で死んでしまったため、今回の少子化が起きてしまったのですね。

ただ、ゾエアやメガロパがどうして死んでしまうのか、上にも書きましたが今の時点ではまだ原因がわからないみたいです……。
急いで究明しなければ少子化に歯止めがかからなくなってしまうかも……。

大変だ……。
このまま少子化が進み、年配のカニばかりが増えてしまったら、きっとズワイガニ世界も少子高齢化社会に突入してしまうのだろう。
近い将来ズワイガニ世界における「人口ピラミッド」はついに末期症状である「棺桶型」となり、世界中の底引き網業者や他の種類のカニ達、果てはタコやアザラシからも「もうズワイガニはお終いだ」と言われるようになってしまうに違いない。
今までズワイガニを食べていたタコやアザラシはズワイガニの代りに他のカニ達を食べるようになり、その分彼らにしわ寄せが……。
こんなふうにズワイガニの棺桶型の人口ピラミッドは他のカニ達にも悪影響を及ぼしていくんだ、絶対そうだ。そうに違いない!

ちなみにこの「幼生」、同じエビ目の動物でもサワガニやザリガニには見られません。
彼らの場合は卵の中でゾエアやメガロパの時代を過ごすため、卵から孵った時には既に大人と同じ姿になっているのですね。

同じエビ目なのに成長の仕方にこのような違いがあるなんて、なんだか不思議ですね。


解決方法は?

上にも書いたとおり、現時点では漁をしている人たちが自主的に漁獲の時期を制限するなどの規制をしてズワイガニを守ろうとしていますが、やはりそれだけでは限界が来てしまいそうです。
ウナギと同じように、漁をする側だけでなく私たち消費する側も考えないといけない時期に、そろそろ差し掛かってきているのかもしれません。

私もズワイガニ、食べる量を減らさなきゃ……。
……というより、ズワイガニなんてそう頻繁に食べられるものでもない気がするのですが…………。

と、いうより、もうかれこれ何年も(私が)食べていない気がします……。どうしよう……これ以上減らしようがない……。