何とはなしに、きつねとコーラ。

管理人のきつねとその相棒のべっつりコーラが、日々の出来事について思ったことや感じたことをただ淡々と述べていくだけのブログ。

ぜったいに飼えない日本アライグマの現状についての考察

飼育は不可能?北米原産の動物

某ニュースサイトをあさっていた所、「ぜったいに飼ってはいけないアライグマ」の著者、さとう まきこさんの話が載っていたので読んでみました。
さとうさん自身、以前にアライグマを飼っていたことがあり、その時の過酷な体験を元にこの本を出版されたのですね。

この動物……記事を読む限りでは非常に飼育が難しい……というより不可能に近いようです。
そのような動物をそもそもどうして飼っていたのかと不思議に思いますが、そこにはどうやらあの有名なテレビアニメが関係しているようですね。
それを含めて、アライグマの現状について調べてみようと思います。


アライグマ

まず、そもそもアライグマは一体どんな動物なのでしょうか。

アライグマ元々は北米原産の動物で、ネコ目イヌ亜目クマ下目イタチ小目アライグマ科アライグマ亜科アライグマ属に属していますね。
漢字表記は「洗熊」ですね。彼らは目があまり良くないため、水に手を入れて食べ物を探す様子が手を洗っているように見えるという所から付けられた名前なのですね。

学名は Procyon lotor(プロキュオーン・ロートル)と言いますが lotor にも「洗う」という意味が含まれています。

……この綴り……どうやら完全なラテン語ではなくギリシア語由来の名前のようです。私も読めませんでした。

名前のとおり分類上はクマに近い動物で、クマと同じく後ろ足の踵を付けて歩く「蹠行(しょこう)」という歩き方をします。
この歩き方はクマやサルの仲間などにしか見られない珍しい歩き方ですね。二本足で立った時にとても安定しますが、素早く動くのには向きません。
よく二本足で立つ動物がこの歩き方をします。

アライグマにそっくりな動物にタヌキがいますが、タヌキはイヌやネコやキツネなどの他のネコ目の動物と同じく踵を付けずに歩く「趾行(しこう)」という歩き方をしますので大きな違いがあります。
趾行は安定性は欠きますが素早く動くのに適した歩き方で、鳥や獣などは殆どの動物が採用していますね。

アライグマとタヌキの違いについては他にもいろいろあるのですが、ここでは触れないことにします。


アニメの影響で日本へ!

これは私も知っていました。
1977年にアニメ「あらいぐまラスカル」が放映されたため、その影響で人気になり、ペットとして輸入されたのが日本のアライグマのルーツなのですね。

ただし成長するにつれて気性が荒くなり、飼いきれなくなって捨てられたりした個体が野生化して増えていき、今の状態になったようです。
アライグマは2005年には特定外来生物に指定され、現在では研究などのため以外の輸入や飼育は禁止されているのですね。

「ぜったいに飼ってはいけないアライグマ」が法律によって「絶対に飼えないアライグマ」になったわけです。

この規制により流入自体には歯止めがかかりそうですが、国内での繁殖は止められそうにありません。

ちなみにこの「あらいぐまラスカル」、アメリカの作家が自身の幼少期にアライグマと交流した体験を元に書いた本「はるかなるわがラスカル」が原作となっています。
私も昔読んだことがありますが、改めて比べてみるとアニメ版と違い、原作版は何とも重々しいタイトルですね……。

内容は作者の体験に基づいて書かれているので、もちろん殆どが実話です。
原作ではラスカルが成長と共にだんだん粗暴になっていき、飼い主である主人公の手に負えなくなっていく過程がしっかりと描写されていますね。
これはただの「少年とアライグマの友情物語」ではなく、おそらく全体を通じて野生動物と人が付き合う難しさを描いたものなのだと思います。

おそらくそれはアニメの方も変わらないと思うのですが(私はアニメは見たことがないのです)………。

……そんな話を見て、どうして当時の人たちは飼いたいなどと思ったのでしょう?

だって、物語自体が「アライグマは最初は可愛いけど成長すると手に負えなくなるから飼わないほうがいいですよ」って言っているようなものじゃないですか……。

「洗い熊」が成長して「荒い熊」に!

……そんな物語を見たら誰だって「これはやめておこう」と思いとどまりそうなものですが……そこまで見なかったのかな。

もしかしてアニメ放送中、多分冒頭のラスカルと主人公が仲睦まじくしている辺りだけを見て飼いたいと思ってしまったのかも…………?

……その後どんな大破局が待っているかを知らずに……。

ちなみに物語に登場するアライグマの名前……ラスカル(Rascal)……は英語で「いたずらっ子」「やんちゃ坊主」といった意味がありますが、同時に「ならず者」「乱暴者」という意味もあるのですね。
幼いうちは「いたずらっ子」、大人になると「乱暴者」……おそらく両方の意味を兼ねて名付けられたのでしょう。非常に深い意味を持つ名前です……。


普通に日本に居座っているという現状

さて、ラスカル……じゃなくてアライグマ。
元々はアメリカに生息しており、日本にいるはずがない生き物ですが、上記の理由で日本に来て以来、最近は都心でも頻繁にみられるようですね。

ことし10月の夜、東京都港区赤坂5丁目で、出動した赤坂署員が木の上にいるアライグマを発見して捕まえるも逃げ出し、大騒ぎになった事件は記憶に新しいですね。
結局このアライグマは捕まったそうですが、その後も署員が噛まれてけがをしたそうです……。

北海道大学の池田透教授は「環境適応能力が高く、都心にいても不思議ではない」と仰っているようですね。

アライグマは1匹のメスが平均で3~4頭、多くて7~8頭の子供を産むという非常に高い繁殖能力がある上に、雑食性で生ごみなどを利用して生きていけるため、川や下水道などの水場を利用して生息数が拡大している可能性があるのだそうです。

しかも野生化したアライグマはニホンザリガニなどの絶滅危惧種を食べてしまったり、タヌキなどの日本土着の動物の生活にも悪影響を与える可能性があります。
また農作物に対する被害も深刻で、狂犬病エキノコックス、イヌジステンバーなどの感染症を媒介する可能性もありますね。

本来そこにはいないはずの動物ですから、日本にいる限りかなり悪い影響をもたらしても不思議ではありません。

さらに生息頭数も年々増えてきているようです。
都内のアライグマ捕獲数は右肩上がりに増加中だとのこと。

通報の数の増加や捕獲技術の進歩により捕獲効率が上がったからなのか、それとも根本的に生息頭数が増え続けているからなのか……。
私としては後者のような気がしてならないのですが……。

また、環境省が今年8月に公表した調査によると全国的にアライグマの数は10年前の3倍に広がってきており、生息が確認されていない地域は秋田、高知、沖縄の3県だけなのですね。

……ほら!やっぱり増えている!!

沖縄は遠く離れた島ですから問題は無いとして、このままでは秋田、高知が陥落するのも時間の問題なのかも……。

近い将来、アライグマは沖縄を除く日本全土に侵出し、強大な軍事力を以てそこに住んでいる在来生物たちを制圧するのだろう。
そして日本全土を領土とする大日本アライグマ帝国を築き上げるに違いない!

彼らと競合する日本在来の全ての小動物はその生息域を奪われ路頭に迷うことになるのだろう。

……どうしよう……タヌキやキツネも住処を奪われてしまうのだろうか……。
もしアライグマ帝国軍が私の住むところにも攻めてきたら……。

キツネは気性の荒さでも体格でも喧嘩の強さでも手先の器用さでも、アライグマには敵いません。
頭の良さと記憶力では……勝てるだろうか……?

アメリカのキツネさんたちは一体どうやって彼らと共存しているのだろう……?
何かいい知恵があるなら教えてくれないかな……。


解決に向けて

ただ……もちろん皆さんはお分かりだと思いますが、たとえ彼らが日本国中に侵出し、大日本アライグマ帝国を築き上げたとしても、決して彼らが悪いわけではありません。
アライグマは単に日本の生態系の中でなんとかして生きていこうとしているだけですし、そもそも好きで日本に来たわけではありません。

日本に生息するアライグマをどうするかはいろいろと議論の余地があるようですが、とりあえず動物保護団体などは人道的な解決策を求め、捕まえたアライグマをどこか別の場所へ移動させてそこで暮らせるようにするべきだと考えているようですね。

私も元々アメリカに住んでいた動物なのだからアメリカに帰してしまえばいいのではないかとも思うのですが……実際は既に日本で何世代かにわたり生活していたアライグマをアメリカに戻すと、逆にアメリカの環境やアライグマに遺伝子的な悪影響を与えてしまうのではないかと懸念されていますね。

日本のアライグマとアメリカのアライグマとが交雑し、雑種化……悪い言葉で言えば「遺伝子汚染」が生じてしまうのではないかと言われています。
既に何世代にもわたり環境の異なる日本で繁殖を続けているのですから、同じアライグマであってもそれはもうアメリカのアライグマではないのですね。
アメリカのアライグマにとっては、日本のアライグマこそが外来種になってしまうのでしょう。

結局、現時点では駆除するしかないようです……。
かなり理不尽な気もしますが私としては複雑な気持ちです。

……………正直人間が怖い外敵を退治してくれるのなら、自分たちは安全に暮らせますしそれもそれでいいのかな……などと思ってしまいます。

……いけないですね、こんな考え方……。こんなふうに他人の不幸を喜ぶなんて……自分が嫌になります……。
どんなに怖い相手でも、こうなってしまった以上本来ならば受け入れて、共存の道を探るべきなのに……。

……ちなみにアライグマ……食べると美味しいらしいです。
……本当なのかな………………?