何とはなしに、きつねとコーラ。

管理人のきつねとその相棒のべっつりコーラが、日々の出来事について思ったことや感じたことをただ淡々と述べていくだけのブログ。

いよいよ昆虫が世界を救う!?広まる「昆虫農場」、根付くのか

広がる昆虫食

みなさんは昆虫、食べたことありますか?
……実は私は虫より魚が好みでして……あまり食べたことがないのですね。子供のころイナゴを少し頂いたきりなのです。意外に思われるかもしれませんが。

前回、ハエがごみを処理して動植物を育てるという内容の記事を書きましたが、今回も昆虫を暮らしに役立てようという話です。
昆虫そのものを食べる、いわゆる「昆虫食」について書いていこうと思います。

最近欧米を中心に昆虫食がじわじわと広まってきているみたいですね。

欧米……日本と同じようにあまり昆虫を食べる文化が無い国々な気がしますが……意外にも流行らせようという動きがあるのですね。

規模はまだ小さいながら、昆虫を育てる会社が幾つも立ち上がり、活動しているようです。
一体どうしてそのようなことになっているのでしょうか。

実は今の世の中に横たわる無数の課題の解決に昆虫が役に立つと言われているのです。


これからの世界は……

昆虫食に触れる前に、そもそもこの後世界がどのように変わっていくのか、まずはそれについて書かないといけませんね。

まずは人口です。

昭和の半ばには30億人と言われていた世界の人口は、その後増加の一途をたどり、平成の終わりを迎えた現在では既に70億人に達しています。
今後もまだ増え続けていくでしょう。一説によれば2050年には90億を超えると言われています。

さらに、その頃までには途上国は経済発展をし、中間層の割合が増えていくと予想されています。

生活水準が向上し、豊かになってくると、穀物・植物中心の食生活からたんぱく質……つまり、肉が中心の食生活へと変化していくのですね。
つまり、人が増え、なおかつ肉を食べる人が増えるので、今後さらに肉をたくさん作らなければいけなくなっていく、というわけです。

……一説によれば2050年までに世界の食料生産量を2倍にしないと追いつかなくなるようです。

するとどうなるでしょう?

今回は肉・たんぱく質の話なので、植物性の食料(野菜や果物)は置いておいて肉のことだけを考えることにして……。
肉だけでも2倍にするにはどうすればいいのでしょうか。

まず、単純に考えて肉の持ち主である家畜をたくさん育てなければいけなくなります。
そうすると人口だけでなく、家畜の数も増えていくことになります。

すると、当然新たな問題が生じてきます。
家畜も生き物です。つまり、食べ物を食べて生活しています。

家畜を増やすためには、まずは家畜の食べ物……飼料――を確保しなければいけません。

例えば鶏肉の場合、100グラムの肉を得るためには200グラムの飼料が必要と言われています。
豚肉の場合は同じ100グラムで400グラム、牛肉なら800グラム。

そしてその飼料の大半はトウモロコシや大豆などの植物ですね。
なのでこれらの植物も(人間が食べる植物とは別に)育てる必要があります。
植物を育てるには広い畑や大量の水や肥料が必要です。

でも、畑となる土地の面積は限られています。これ以上増やしたいのなら、森林を伐採して土地を確保するしかありません。
それでは森林破壊に拍車がかかってしまいます。

おまけに家畜自身が出す温室効果ガス……これが増えることも問題になっていますね。
家畜ももちろん息をすれば酸素を消費し、二酸化炭素を吐きだします。ただでさえ温暖化が心配されているこのご時世にさらに二酸化炭素の排出量を増やすのは大きな問題ですね……。

なんにせよ、「肉食」というのはこうも効率が悪いものなのですね。
だからこそ私たち肉を食べる動物の数は動物全体から見ると少ないのですが……。

現状のまま肉の生産量を増やすことはかなり難しそうですね。

魚も似たような状況のようですね。
魚の飼料は基本的に「魚粉」……つまり、魚を材料として作られたものですね。
そしてその材料は「天然の魚」です……あれ?

魚を育てるために天然の魚を獲ろうにも、最近では漁獲規制や温暖化による環境の変化により漁獲量に影響が出てしまいます。
つまり、作れる魚粉の量もそれらに左右されてしまうので、結果育てられる魚の量にも限界が来てしまいます。

つまり、肉だけでなく魚も足りなくなるかも……しれません。

……そもそも魚が欲しいから魚を育てているのに、そのためには魚が必要になるなんて……この時点で本末転倒な気がしますね……。


国連が推奨

それらの問題の打開策として昆虫が……しかもあの国連によって推奨されているようです。

国連食糧農業機関(FAO)が2013年に「Edible insects Future prospects for food and feed security(食用昆虫 食料と飼料の安全保障に向けた将来の展望)」という報告書を発表しました。

私は原文を読んだわけではないのですが(というか読めない……邦訳版無いのかな……)、調べたところによるとこの報告書の中でFAOは昆虫食や昆虫の飼料化を推奨しているようです。

推奨の理由は大きく三つあるそうですね。

健康面で推奨

昆虫は良質なたんぱく質以外にも、ビタミン、ミネラル、脂肪、食物繊維などの栄養素を多く含み、なおかつ狂牛病鳥インフルエンザなどの感染症が発生するリスクが少ない、とのことです。

環境面で推奨

昆虫は繁殖能力が高く、飼育に必要な土地、餌、水などが少なくて済むうえに、昆虫自身が排出する温室効果ガスの量も少ないですね。
また生ごみなどの廃棄物を飼料として育てることができるものもいるため、環境にやさしい資源として推奨されているようです。

どうやら100グラムの昆虫肉を得るためにたった200グラムの飼料だけでよいそうですね。
先に挙げた牛肉の800グラムや豚肉の400グラムと比べると大分少なくて済むようです。

昆虫は変温動物であるため、恒温動物に比べると少ないエネルギーで活動できるのですね。

恒温動物である哺乳類や鳥類は体の中に体温を維持するための「暖房設備」を持っていますね。
しかし変温動物である昆虫の体内には暖房はありません。

つまり、恒温動物は体温を維持するために体内の暖房を常に動かしておかないといけませんが、昆虫はそれをしなくて済むので暖房に使うエネルギーが節約でき、その分食料が少なくても良い、という事のようです。

あれ……でも、100グラムの肉に200グラムの飼料って……ニワトリと同じ数字のような……?

経済的な面で推奨

昆虫の養殖は他の家畜に比べると手間が掛かりませんし、小さいので場所もとりません。なので比較的安価な投資ではじめることができるのですね。
これにより先進国だけでなく、途上国でも昆虫ビジネスをはじめやすいようです。

なるほどこれなら先の食料を2倍にする話は(少なくともたんぱく質の方は)実現できるかもしれませんね。


しかし誰が食べたがるのだろう

理論的に考えれば確かに昆虫は効率のいいたんぱく質資源になり得るのかもしれませんが……、実用化するまでには何かと課題も多いようです。

まず、世界の多くの人たちには昆虫を食べるという習慣がありません。
日本もそうですね。一部の地域では確かに昔からイナゴだの蜂の子だのが食されてきていますが……他の地域の人たちはどうでしょうか。

ある日突然「人口が増えて肉や魚が手に入らなくなったので、明日からご飯は昆虫にします」と言われて、はいそうですかと納得できる人がどれほどいるのでしょうか……。
頭では「科学的に考えれば凄い食品なのだ」とわかっていても、いざそれを食べるとなると「食べたくない」というのが多くの人の本音なのではないでしょうか……。

また、心理的な問題は克服できたとしても、法律的な問題が残ります。
昆虫食文化を持たない国にとっては、昆虫は「想定外」の食品ですね。
そもそも法律での食品としての扱いがどうなるのか、それすらあやふやです。
これはもう法律を書き換えるしかありません……。


結局家畜や魚のエサに……?

結局は人が直接昆虫を食べるのではなく、昆虫を飼料にして魚や家畜を育て、それを人が食べる、というサイクルで当面の間は落ち着きそうですね……。
ただ、そもそも昆虫を飼料にする時点で多くの場合は規制に引っかかるみたいですが……。

牛や豚ならともかくニワトリなんて普通に虫を食べるんだから別に虫で育ててもいい気がするのですが……。
アメリカでは魚の飼料にする場合は法律で認められているようなのですが……日本はどうなんだろう……。


実際に食べられている昆虫たち

昆虫食……なんだか雲行きが怪しくなってきた気もしますが気を取り直して……。

そう言えばそもそもどんな虫たちが食用になっているのでしょうか……。
少し気になったので調べてみました。

FAO曰く、世界で食品として食べられている昆虫の内訳はこうなるようです……。

甲虫  :32%
芋虫  :18%
ハチ  :14%
バッタ :13%
セミ  :10%
シロアリ: 3%
トンボ : 3%
ハエ  : 2%
その他 : 5%

なんと、甲虫が一番多いのですね!あんなにカタそうなのに……。
エビやカニに近い感じなのでしょうか……味も似てるらしいし……。

ハチは旨み成分が豊富……だそうです……。
そういえば昔「いきなり黄金伝説」という番組でお笑いコンビ「よゐこ」の濱口さんが油で揚げたスズメバチを食べてまんまエビだと言っていました……。
確かに同じ節足動物ですし、成分が似ているのかも……。

ミルワームゴミムシダマシの幼虫。これも甲虫ですね)やミズアブの幼虫が大人しくて飼いやすく家畜や魚の飼料として人気らしいですね。
特にミズアブは生ごみで育てることができるので環境にもやさしいのかも……?

人間が食べる用としてはコオロギが一部の地域で人気のようです。
ただし食べ物の好みにうるさい、鳴き声がうるさい、逃げ出した場合は近隣の農家の畑に被害を与える可能性があり、お隣からのクレームがうるさい、などの理由で飼育はしづらいようです……。


結局浸透するのか

……………なんだかわからなくなってきました……。

誰の目から見ても昆虫は地球の未来を担いそうな凄い食材であることは明らかなのに、それを受け入れる準備ができていない。
むしろほとんどの文化圏において昆虫は食べ物の中に紛れ込む「異物」という扱いになっていますね……。

何だかみんなが未来のエネルギーだと言いながら一向に浸透しない再生可能エネルギーみたいですね……。
こんな状態で本当に昆虫は流行るのだろうか……?

いやむしろ!
昆虫食が無事に流行して、一般に浸透したとしましょう!
それで肉の生産量が無事に2倍になったとしましょう!
でもまだ問題が残っています――野菜はどうするのでしょう?

これではまだ動物性たんぱく質つまり肉の問題しか解決していません。
いくら昆虫が凄い食材だからと言って、肉は肉……さすがにそればかりでは栄養バランスは偏ってしまうはず……。

やはり野菜が必要になりそうですが、どうやって生産量を2倍にするのだろうか……。

なんにせよ2050年……あと30年とちょっとしかありません。
それまでにこれらの問題が解決してくれるといいですね……。