何とはなしに、きつねとコーラ。

管理人のきつねとその相棒のべっつりコーラが、日々の出来事について思ったことや感じたことをただ淡々と述べていくだけのブログ。

クライオ電子顕微鏡、エボラウイルスの弱点解明!?

ウイルス核の構造解明

かの有名な悪名高いウイルス、「エボラウイルス」の構造が解明されたそうですね。
沖縄科学技術大学院大のウォルフ・マティアスさんたち研究チームが、研究結果を17日のネイチャー(イギリスの科学雑誌)電子版に発表したそうです。

このウイルスが感染して引き起こす病気である「エボラ出血熱」は、発症した場合の致死率が90%という恐ろしい病気な上に、ウイルス自身も非常に高い感染能力を持ちます。
2014年に西アフリカで猛威を振るい、欧米でも多数の死者を出した事件は記憶に新しいですね。

そもそもエボラウイルスは、元はと言えばアフリカの奥地にひっそりと(野生動物に感染する形で)生息していたウイルスのようです。
それが人の生活圏の拡大に伴い表に出てきたようですね。

ウイルスは生き物ではなく、内部にDNAないしはRNAなどの遺伝情報が入ったたんぱく質のカプセルですね。
生物の基本構造である細胞を持ちませんから、自分自身の力で増えることができません。
そのため他の生き物の細胞に入り込み、細胞が増える時に使う機能を借りて増えていくのですね。

この時自らの遺伝情報を生き物のDNAに注入してパッチを当て、生物進化を促すことがあるようです。

ウイルスは特定の生き物に感染した場合は特に悪さはせず、感染された生き物が病気になることもありません。
ウイルス自身が宿主として選んだ生き物なのですね。

ですが他の生き物にうっかり感染してしまうと、その生き物に対しては病気を引き起こします。
ウイルスと生き物とが合わないのですね。

エボラの場合も、元々ウイルス(とその宿主)と交わることが無かった人が彼らと交わってしまったために、恐ろしい病気として表に出てきたしまったようです。

今の所有効な治療法が見つかっていませんが、これをきっかけにしてそのうち特効薬が開発されるかもしれません。


エボラウイルス

主にアフリカに生息しているフィロウイルス科のRNAウイルスですね。
エボラウイルスは属名(生物の大まかな名前。ネコ、キツネ、タツノオトシゴなど。その下にさらに細かい「~ネコ」、「~ギツネ」、「~タツ」などの「種(しゅ)」がある。ウイルスだから厳密には生物じゃないけど……)です。
その下に現在5つほどの種が確認されているようです。

今回の研究対象になったのはどの種類なのだろう……?
この前西アフリカで流行ったやつなのだろうか……。

なんにせよ、このウイルスは核となる部分が「複合体」と呼ばれるらせん状のタンパク質の塊と、遺伝情報を記録するRNAとでできているようですね。

RNA(リボ核酸)というのは……DNA(デオキシリボ核酸)と同じ「核酸」という物質の仲間で、生物の遺伝情報などを記録します。
DNAが二本鎖のらせんなのに対し、RNAの鎖は一本しかありません。
鎖の上に一列にたくさん並んで、その組み合わせで情報を記録している物質(塩基)や鎖の材料となっている糖の種類も微妙に違います。

なんだか「ダブルドライバー」と「ロストドライバー」の違いみたいだな……。
ソケットが一つしか無くて、おまけに「メモリ」の種類も違うのか。

なんにせよ遺伝情報を記録し、次世代に伝えていくぶんには一本鎖でも特に問題は無いみたいですね。

このRNAと複合体周りの詳しい構造が、らせんであるということ以上は実は今までよくわかっていなかったそうです。
その構造を原子レベルで解明したのが今回の研究なわけなのですね。

研究は上記沖縄科学技術大学院大のほかに、大阪大学の杉田征彦さんや東京大学との共同で進められたようです。
杉田さんは今では大阪大学に籍を置いていますが昔は沖縄科学技術大学院大の研究員だったのですね。
昔のよしみで研究に参加したのでしょうか。

液体窒素並みの極低温で試料を凍らせて観察できる「クライオ電子顕微鏡」によって、感染して細胞内にいる時の状態に限りなく近い状態でウイルスを観察できたようです。
普通の電子顕微鏡では解像度が低く細かい所がよく見えなかったのですね。

なお、観察に使ったウイルスは本物のエボラウイルスではなく、安全なRNAを使って同じ構造の複合体を再現したものだったようですね。

おそらく毒性は無く、なおかつ本物のウイルスと同じ形の複合体を生成できるRNAを使ったのでしょう。
いわゆる「エミュレーション」という奴ですね。(なんか違う……?)

それにしてもどうやって作ったんだろう……。

RNAって人工的に合成できるのかな?もしくはDNAと同じく編集ができるのかも……?
DNAゲノムの編集はよく耳にしますけど、RNAゲノムも同じように編集ができるのだろうか……。


治療に期待!

なんにせよ、ウイルスの詳細構造が分かったということは、弱点も分かったということなのですね。

核となる部分はたんぱく質のらせんにRNAが巻き付いている構造だったそうですが、この部分を作れなければウイルスは増殖できないようです。
たんぱく質が結合してたんぱくらせんになるのを妨害できれば……もしくはRNAとたんぱくらせんとの結合を妨害できれば、病状の進行を抑えることができるようですね。

これらの構造データはインターネットで世界中の研究者と共有するそうなので、これから世界中で薬の開発が始まることでしょう。

エボラ出血熱の特効薬が開発される日もそう遠くはないのかもしれませんね。