何とはなしに、きつねとコーラ。

管理人のきつねとその相棒のべっつりコーラが、日々の出来事について思ったことや感じたことをただ淡々と述べていくだけのブログ。

オセロの世界大会、小学生の男の子が優勝!

世界大会、福地啓介さん優勝

今月の9日から12日にかけて、チェコの首都、プラハでオセロの世界大会がありました。

優勝したのは神奈川県の小学五年生、福地啓介さん。

オセロ世界選手権は1977年以降毎年行われており、今大会で42回目です。

今までは1982年の第6回大会で15歳で優勝した谷田邦彦さんが史上最年少の世界チャンピオンでした。
ですが今回11歳の福地さんの優勝により、最年少記録が36年ぶりに更新されたのですね。

福地さん、オセロ界の藤井聡太だなんて言われているようです。はにかんだ笑顔が子供らしくてとてもかわいいですね。
でもこの子、オセロの段位は六段だそうです。何かすごいな……福地六段とお呼びした方がよろしいのだろうか……。

ところで、調べてみると歴代チャンピオンの殆どが日本人なのですね……。しかも同じ人の名前が何度も出てきているような……。

さすが日本発祥のゲーム……やはり本場の力が強いのでしょう。

そう言えばどうやってオセロは世界大会が開かれるほどの競技になっていったのでしょうか……。
少し気になったので調べてみました。


オセロ

オセロはゲーム理論的には二人零和有限確定完全情報ゲームに分類されていますね。
二人零和有限確定完全情報ゲームというのは……とりあえず、将棋や囲碁やチェスと同じ部類に属するゲームで、ギャンブルやすごろくやトレカやなんかとは違う類のもの、ということです。詳しい事はややこしいんで省くとして……。

そもそもオセロは日本のボードゲーム研究科、長谷川五郎さんが学生時代に囲碁を基に考案したゲームが原型になっていますね。
その後長谷川さんと仲間たちが改良を重ね、現在の形になっていったようです。

1960年代に製薬会社で働いていた長谷川さんは、患者さんに入院中も楽しめるゲームは無いかと言われて囲碁や将棋を教えたそうなのですが、根付かなかったのですね。

患者さんには囲碁や将棋は難しすぎたのかもしれませんね……。

そこで奥さんと一緒に牛乳瓶のふたで自作のゲームを作り教えたところ、これがなかなか好評だったようです。
当初は今よりも複雑なルールで、盤の大きさも8×9だったみたいですね。

その後会社にドイツの製薬会社(取引先かな?)からチェスセットが贈られた事をきっかけに、チェス盤(8×8)を使うようになったみたいです。
そして研究を重ね、ついに現在のルールのオセロが誕生したのですね。

……オセロの盤……気になっていたんです。
囲碁を基にしたゲームだということは(見た目で)想像がついたのですが、盤は大きさといい石の置き方といいどう見ても囲碁ではありません。

盤の大きさはチェス盤と同じ8×8で、おまけにそれぞれのマスを1~8とa~h、8つの数字とアルファベットで表します。
おまけに石の初期配置は右下が白……「White to right」って……「Light to Right」?チェス盤の配置ですか!

オセロ盤とチェス盤との間には何か深い関係がありそうだと思っていたのですが、元々チェス盤を使って開発されたゲームだったとは……これで全ての謎が解けました。

ちなみに着手については先手が黒で、後手が白。チェスと逆になるところは囲碁と同じですね。


手始めに日本一のゲームになる

発端は、とある病院の医局長先生の一言だったようです。
実際に対局してみたその先生は、これは患者さんのリハビリに大きな効果を発揮するゲームだ、と言われたのですね。

そしてその後の1972年、長谷川さんは玩具メーカーである旧ツクダオリジナルさん(ロケットの部品を作っている佃製作所ではなくて、おもちゃ屋さんの方です)にオセロを持ち込み、翌年には製品化されて大ヒットとなりました。
シンプルなルールと深い戦略性が受けたのかもしれません……?

そしてその後数年で国内のファンが2500万人を超え、あっという間に日本一人気のボードゲームに。

チェス(当時500万人)はともかく囲碁(当時1000万人)や将棋(当時1500万人)まで抜いてしまったのですからその快進撃は驚異的だったのですね。
同じ「チャトランガ系ゲーム」ということで将棋とチェスを「同じもの」と見なして無理やりファン数を合計したとしても2000万……とてもかないませんね。

………ありゃりゃりゃ……?
と、いうことは、日本の「ゲームの王様」はもしかしてオセロ……?
……ずっと将棋だとばかり思っていました……。


次は世界をねらう

めでたく日本を征服したオセロでしたが、それでも世界的に見てみれば人気は圧倒的にチェスの方が上でした。
当時で競技人口は5億人だったそうですから20倍も差があります。言うまでもなく当時はまだオセロの世界大会も開催されていませんでした。

ここで事件が起こります。
イギリスの国営テレビ局、BBCが面白い企画を考えたのですね。
それはチェスのグランドマスター(チェスの称号で、段位に換算すると十段)であり、当時のイギリス国内チャンピオンであるトニー・マイルズさんと、当時のオセロの日本チャンピオン、藤田二三夫さん(五段)がオセロで対局するというものです。

……凄いですね……イギリス一のチェスの選手と、日本一のオセロの選手がオセロで対局するのですから。

でもオセロとチェスって全然互換性が無いような……?同じ戦略ボードゲームだから基本的な所は似ているのでしょうか……?
私にはチェスとオセロの共通部分を見つけ出すことは、将棋と囲碁のそれを見つけ出すのと同じくらい難しく感じるのですが……。

なんにせよ当然グランドマスターはチェスの達人であり、オセロの達人ではありません。
マイルズさん側は2か月間、準備をさせて欲しいと言い、藤田さん側も快くその条件を受け入れました。

かくしてそれから2か月、マイルズさんはひたすらオセロを猛特訓し、理髪師であった藤田さんは600人のお客さんの髪を切り揃え続けたのでした……あれ?


とうとう世界を手中に収めた

そして運命の対局は3番勝負でロンドンで行われました。
両者一歩も引かない激戦の末、第3局で見事藤田さんが勝利しました。

この様子はBBCが世界中に放送し、日本を征服したオセロは一躍世界でも有名に。
競技人口も爆発的に増え、翌1977年に東京で初の世界選手権が開かれたことを皮切りに、以後毎年世界のどこかで世界大会が開かれるようになったというわけなのですね。

アメリカやフランスなどではボードゲームの人気は一にチェス、二にオセロ、となっているようですね。

そして既に「ゲーム界のエスペラント」などと呼ばれるようになるまでに至ったのですね。

……エスペラント……まさかオセロについて調べていてこの単語を目にするとは思いませんでした。ここでは「共通語」みたいな意味なのでしょう。

エスペラントは1887年にポーランドのルドヴィコ・ザメンホフ博士が考案した人工言語ですね。
世界共通の言葉、全ての人にとっての外国語にしようと開発されたもので、簡素化・規則化された無駄の無い文法と単語構造、覚えやすいアクセントや発音が特徴の言語です。
使用文字は英語と同じラテン文字アルファベットで、一説には世界一習得が簡単な言語なのではないかとも言われています。

詳しいことはまた別の機会に書くことにしますが、この言語は不規則動詞の数の少なさでギネスブックにも載っており、その数はなんと0!……この上なく少ない数ですね。
植物と平和を象徴する明るい緑色がイメージカラーで、その色で星を象った「Verda stelo (ヴェルダ・ステーロ)」と卵を象った「Esperanto ovo(エスペラント・オーヴォ)」の二つのエンブレムはあまりにも有名です。

そういえばオセロの盤も緑色……。
誰か命名センスのある人が両者の特徴をなぞらえてこう呼んだのかもしれませんね。

……こんな記事を書いていたらオセロをやってみたくなった……チェスにドンハマりしているくせに我ながらミーハーだな……。

さて、そのオセロですが、現在では「ツクダオリジナル」改め「メガハウス」さんの登録商標となっていますね。
名前以外は他のメーカーさんでも利用可能になっているようで、他社さんの作ったオセロは「リバーシ」なんて呼ばれていたりします。丁度「ホチキス」と「ステープラー」の関係ですね。

最近ではきのこの山たけのこの里となりのトトロなどをモチーフにしたものが登場していたりしてなかなか冒険している感じがします……。
……ちょっとほしいかも……。

コンピュータを使ったゲームが一般化してきた中、アナログなゲーム盤の売れ行きが伸び悩んでいると言えなくもないですが、やはりゲーム盤にしかない魅力もたくさんあります。
オセロに限らずこれらのゲーム盤にはこれからも生き続けてほしいと思います。