きつねとべっつりコーラのブログ。

きつねとべっつりコーラの2匹が、日々の出来事について思ったことや感じたことをただ淡々と述べていくだけのブログ。生物多め。

これぞ環境破壊「カブトガニの採血」無事に廃止できるか

アメリカブトガニ

昨日の記事といささか被る内容だと思うのですが……。

ちょっと、言いたいことがあったので物申すことにします。


今日も昨日の記事に同じく動物と自然環境の話なのですね。

昨日はマングースのことを書きましたが、今日の動物はカブトガニ……より正確に言うのなら、アメリカブトガニ(Limulus polyphemus)なのですね。

カブトガニという動物についてはこちらの記事にいろいろ書きましたのでよろしければご覧ください。

blog.kitsune-vetulicola.net


血液にすごい力が

さて……、本題です。

みなさんはカブトガニの血液が医療現場において人命を救うことに大いに貢献しているということはご存知でしょうか。


アメリカブトガニの血液にはLAL(Limulus polyphemus amebocyte lysate、アメリカブトガニ変形細胞溶菌物)と呼ばれる物質が含まれているのですね。

……なんだか難しい名前なのですが、要するに有害な細菌が作り出す毒によって医療機器などが汚染されていないかどうかを確かめることができる成分なのですね。


細菌の毒(エンドトキシン)は人の体に入ってしまうと様々な悪影響があるため、体の中に入れる必要のあるもの……注射する薬や医療器具など……は、使う前に一度この毒で汚染されていないか、ちゃんと確かめなければならないのですね。

もし毒が混ざっている薬を体に入れてしまっては大変なのですね。


そこで登場するのがこのLALなのですね。

この物質は細菌の毒と反応するとゲル化して固まり、毒素を内部に閉じ込めるのですね。

逆に固まらなければそこには毒はないということになります。

つまり注射したい薬などにこの物質を入れれば、それが細菌の毒で汚染されているかどうかがわかるのですね。


……ちなみに日本にも生息している「カブトガニ(Tachypleus tridentatus)」 にもTAL(Tachypleus tridentatus amebocyte lysate、カブトガニ変形細胞溶菌物)という似たような物質が含まれていて、こちらも同じ用途に使えるそうなのですが、LALとは微妙に使い方が違うのですね。


カブトガニ献血……割とザンコク

なんにせよ、LALの材料である血液を採るために、アメリカでは毎年50万匹もの生きたカブトガニを捕まえているのですね。

捕まえたカブトガニは特別な許可(つまり、血を抜く許可)を事前にもらっている6つの会社のどこかに送られ、体を洗った後で採血装置に固定され、30%ほどの血液を取られるのですね。

……30%の血だなんて……そんなにたくさん採って平気なのだろうか……。


具体的な工程はこちらの動画で解説されているのですね。

youtu.be

泥だらけの沼のようなところで捕まえたカブトガニを綺麗に洗い、その後ちゃんと消毒してから注射針を刺し、血を貰うのですね。


字面だけでみると人間の採血と同じみたいなのですが、ですが……。

そもそも水の中に住んでいる生き物、陸に上げて平気なのでしょうか……。


それに、カブトガニさんたち……体を二つ折りにされて台の上に縛り付けられて……背中にぶっとい針をぶすっ!

血がみるみる滴り落ちてきて……なんだかすごく苦しそうです……。


………なんか、ザンコク…………。


………死んじゃうんじゃ……。


と思ったら、採血が終わったカブトガニさんたちはちゃんと海に戻されるのですね。

また捕まることがないよう、もといた場所から遠く離れた海に還されるそうです。


なんだ、案外ダメージは少ないのですね。

血を抜かれたカブトガニもその後1週間ほどで血液量が回復、血液細胞の数も2~3か月で元に戻るようです。


死者が出ないのなら……まぁいいのかな……。

カブトガニを捕まえてから海に戻すまでの間の工程には数日かかるそうですが、誰も死なないなら数日間海を留守にするだけなので、特に生態系に悪影響があったりとかもしないのかな……。


……などと思っていたら!

どうやら案の定問題があるようです。


相当高い死亡率。どう見ても環境破壊。そもそもなぜ続けた

なんと、この「採血」によって1~3割ほどの子は死んでしまうのですね。


…………やっぱり死ぬんじゃん!!

ってか!
3割、だって!?


少なく見積もって1割だったとしても…………死亡率高すぎです!!


人間の献血ですら何人か死んだ人がいるみたいですが、それでもこんなに高い死亡率ではありません!


こ……これは……。

環境破壊の匂いがプンプンです!


案の定、この「採血目的の乱獲」により、アメリカのカブトガニの数は大分減ってしまったのですね。

正確な個体数は定かではありませんが、産卵された卵の数は1990年代初頭から考えると10分の1ほどにまで減ってしまっているのですね。


……卵の数が10分の1になったのなら、個体の数も10分の1ほどにまで減っていると考えてよさそうです。


当然ですがカブトガニの卵は他の動物の食べものになったりと生態系と密接に関わりを持っているのですね。

もちろん親のカブトガニも何らかの形で生態系とかかわりを持っているはずですから、減ってしまえば何らかの悪影響が出てくるのは目に見えています。


と、いうより。


年間50万匹も捕まえて、うち1~3割を死なせているとすれば、つまり少なく見積もっても年間5~15万匹ものカブトガニが余分に死んでいることになります。

余分に、というのはつまり「自然界で自然に死ぬ数に加えてさらに」ということです。


またカブトガニが亡くなる人為的な理由は献血以外にも釣り餌にするための乱獲や生息地の破壊などがあげられますから、実際の「余分な死亡数」は相当な数になるものと思われます。

それらの問題を除いたとしても、年間15万匹も余分に死んでいる時点でかなりの数です。


……献血による死亡率が3割に達した時点で……いや、それが仮に1割だったとしても……どこからどう考えても環境破壊を誘発することは目に見えていますね。

……なぜにこのような活動を長年続けていたのだろうか……。


代替品もあったのに……

このような現状に対し、さすがに各地で反対の声が上がりつつあるようです。

またLALに似た成分は人工的に合成することができるようで、実際にアメリカの大手製薬会社、イーライリリー・アンド・カンパニーさんは「Recombinant Factor C(組み換え因子C、代替ファクターCとも。通称 rFC )」という物質の合成に成功したのですね。

これを使えばカブトガニの血液は必要なくなり、結果採血で亡くなる子もいなくなるのですね!

これは素晴らしい発明です。
一体いつ実用化されるのだろうか……などと考えていると……。


……この「rFC」、元々は生物学者のJeak Ling DingさんとBow Hoさん夫婦(名前の読み方がわかりません……どこの人だろう)が開発したもので、どうやら2003年にはDingさんたちと提携するロンザさんという会社から既に流通していたようです。


………なんだって!?

そんなに便利なものがそんなに早くからあったのに、どうして今まで使わなかったのでしょう。


……どうやらこのrFC、なぜか普及しなかったらしいのですね。

そのせいでその間ずっと15年以上もの長きにわたりカブトガニは血を取られ続けてきたのですね……。


そしてその間3割もの子が……数にするとおそらく200万匹以上のカブトガニが、採血によるダメージで亡くなっていたのですね。


それが最近になってようやく普及し始め、カブトガニが無駄に血を流すことも無くなりつつある……ようです。

少なくともアメリカでは、カブトガニの採血が段階的に廃止されていくことになった……ようです。


…………本当でしょうね…………。


そもそもそんな代替品があるのに、どうして今まで普及しなかったのでしょうか……。

単に認知されていなかったのでしょうか。
それとも開発が進んでおらず、安全面で問題があったのでしょうか。


……それとも何か別の理由があったとか……。


……まさか血を採っていた会社の利益を優先したとか…………。


……なんだか大企業の陰謀の匂いがプンプンしますね。

 

誰が責任を取るんだ!


調べてみると、どうやらそのようです。
普及しなかった理由は大きく分けて2つ。


1つは単純にrFCをはじめとする代替薬品の開発元が少なすぎて、安定供給ができるのか疑問に思った製薬会社など医療業界が取引を渋っていたようです。

つまり、「なんだかカブトガニの血に変わる新しい成分が開発されたらしいけど、今のところ売ってるのってロンザさんだけなんだよな~。カブトガニを守るためにもこれに切り替えた方がいいと思うんだけど、ロンザさんだけで必要な量作れるのだろうか。それにもしこれに切り替えてからロンザさんが倒産でもしたらどうなるんだろう……」

……などという懸念があったものと思われます。


また、もう1つは……ああ、やっぱり。

カブトガニの血を売ってなんぼの会社が、代替薬品の流通に反対していたのですね。

代替薬品が流通すれば、自分たちの採血したカブトガニの血が売れなくなってしまいますものね。

カブトガニの血は1リットル当たり180万円(!)もするそうですから、これは大きな損失なのですね。


………ですがだからといって代替薬品の流通を邪魔していいことにはなりませんし、そんな理由で流通を邪魔していたのだとしたらこれは大きなスキャンダルです。


もし本当にその必要がないとわかっていながら、15年間で200万匹もの希少生物カブトガニを死なせてきたのだとしたら、企業の責任は凄まじく重いのですね。

せっかく素晴らしい代替品があったにも関わらず、その存在が無視され、採らなくてもいいカブトガニの血を採り続け、結果死ななくてもいい子たちが死に、壊れなくてもいいはずの環境が破壊され続けた……。


………一体誰が責任を取るのでしょう。

会社幹部総辞職……となったとしても軽すぎるのですね。


さらに悪いことに……おお……。

なんと「代替薬品rFCの流通に反対するカブトガニの血液を売ってなんぼの会社」には、「代替薬品rFCを作っているロンザさん」自身も含まれているのですね!


……身内に悪魔の手先がいました。

これじゃぁ流通するはずもありません。Dingさんたちは大いに失望したそうです。


……当たり前ですね。

自分たちの利益を追求するあまり、生き物の命だの自然環境だの大切なことが後回しになる辺りいかにも人間らしいですが、カブトガニがいなくなったら人間も血を取れなくなりますし、生態系もおかしくなってしまいます。


結局それで困るのは自分たちだということに……どうして気付かないのだろうか。


マングース問題に同じく後先考えないで無責任な行動をする人がなぜこうも跡を絶たないのであろうか……。


……その辺の問題を根本的に解決しない限り、rFCは永遠に普及しそうにありませんし、環境にもカブトガニにも人間にも、未来はないと思うのです。

 

だがまだ希望はある?


ただ、最近では変化もあるのですね。

2016年にはヨーロッパでrFCを使うことが法律で認められ、アメリカも後に続くものと思われます。

……法的な問題もあったのですね……。
rFC、受難多し。

また2013年には「ハイグロス」さんという会社が2社目のrFC供給元として参入し、その後もrFCを製造できる会社も増えつつあるようですから(上のイーライリリー・アンド・カンパニーさんもその中の1つかな)、今後安定的に供給することができるようになっていくのですね。

これでやっと、カブトガニさんたちが安心して暮らせるようになりますね。

カブトガニの血液を売っていた会社がどう出るかは定かではありませんが、せっかく良い方向に事が進んでいるのですから余計なことはしないで欲しいものですね。

カブトガニさんたちにはさんざん人の命を助けてもらって、人はカブトガニさんを助けない……では道理が立ちません。

 

カブトガニさん……無事に数が回復するといいですね。

島の生態系を壊すマングース。でも決して彼らが悪いわけじゃない

奄美マングースが間もなく終了のお知らせ

……どうにも微妙なニュースがあったのですね……。

沖縄本島や鹿児島県奄美大島で現在生態系を壊すとして問題になっている動物がいますね。

その名もマングース

このマングース環境省およびその依頼を受けた一般財団法人により、長年の苦労の末ついに島から根絶されようとしているのですね。

多い時では3000匹を超えていた捕獲数が、2018年度でついに1匹となり、間もなく奄美大島からいなくなりそうです。

もし島からマングースがいなくなれば、これで奄美大島の環境は保たれるのですね、多分。


……おそらく喜ばしいことなのだとは思うのですが、素直に喜べないのですね……。


そもそもどうしてこうなったか

さて……マングース

もともと奄美大島には……というか日本には、いなかった動物なのですね。

奄美大島マングースに限って言うなら、もともと1979年、ハブやネズミへの対策として奄美市名瀬に30匹が放たれたのが始まりなのですね。


……つまり、人が意図的に持ち込んだ動物なのですね。


そしてその後マングース奄美大島全島に分布を拡大し、2000年頃には1万匹を超えるほどの集団と化してしまったのですね。


……たった30匹のマングースが、いつの間にか島全域を支配する勢いで爆発的に勢力を伸ばしてしまったのですね……。

凄まじい繁殖力に脱帽したいところですが、その結果アマミノクロウサギなどの在来種を食べてしまい、生態系に深刻なダメージを与えてしまったのですね。


……かんじんのハブやネズミはどうなのかというと、残念ながらマングースさんたちはあまり彼らを食べなかったのですね。

ネズミに関しては、どうにも彼らは木の上などのマングースの手の届かないところに住んでいるため、捕まえることができなかったようです。

また、ハブはマングースにとっても狩りづらい相手だったのですね。
そのためマングースアマミノクロウサギなど、もっと簡単に捕まえることができる別の動物を獲物にしてしまったのですね。


……そもそもハブなんて、人間にとっても危険な毒蛇です。こんなの一体誰が好き好んで食べるのだろうか……。

一歩間違えれば自分がガブリ!
毒が回って即アウトです。

こんなに危ない生き物をわざわざ食べようだなんて思う動物はいませんよね。
サバンナ最強と噂されるあの動物ならば話は別かもしれませんが……。

……こんなに簡単なこと、どうして気付かなかったのだろうか……。


なんにせよ、増えすぎたマングースがハブを駆除してくれるどころか結果として他の動物を食べてしまい、奄美大島の生態系を荒らしてしまったのですね。

そのため2000年ごろから環境省一般財団法人自然環境研究センターに捕獲・駆除業務を委託したのですね。

そして対策チームである「奄美マングースバスターズ」が中心となり、これまで駆除活動を進めてきていたようです。


……マングースバスターズの皆さん、本当にお疲れ様です……。


苦労の甲斐もあり、ピーク時には1万匹を超えたマングースは、17年度末で50匹以下にまで減ったと言われているのですね。


……50匹……。

まだ、油断ができない気がするのですが……。

だって、最初はこれよりもさらに少ないたったの30匹から全てが始まったのですね。
ここで油断すればまたこの50匹が爆発的に増殖してしまい、再び奄美大島が陥落してしまいますね。

ここは最後の踏ん張りどころ……島の環境を守るためにも、マングースバスターズの皆さんにはぜひ頑張って欲しいところです。


……正直微妙な気持ちですが……それが島の生き物たちのためになるのなら、仕方がありません。

 

奄美大島マングース

とりあえず、奄美大島ならびに沖縄本島に住んでいるマングースについて調べてみたのですね。

彼らは分類学的には「フイリマングース」と呼ばれる種類なのですね。

動物界-脊索動物門-脊椎動物亜門-哺乳綱-ネコ目-マングース科-エジプトマングース

に属するマングースの仲間で、学名は「Herpestes auropunctatus」というのですね。

上にも書いた通り、奄美大島には1979年に放たれたわけなのですが、実はそれに先立って1910年時点で沖縄本島に放たれていたのですね。


どうにも沖縄のマングース動物学者の渡瀬庄三郎さんが、ガンジス川の河口付近で捕まえたフイリマングースを持ち込んだのが始まりのようです。
当初は那覇市西原町に十数匹が放たれたのですね。


……なるほどこれが全ての始まりであったか……。


その後渡瀬さんの死後、沖縄本島から奄美大島にも導入されたようです。


……沖縄の生態系がこの時点でおかしくなっていて、またかんじんのハブが減らないことに気付かなかったのだろうか……69年も時間があったのに。


またこの渡瀬庄三郎さん、他にもウシガエルアメリカザリガニの輸入も行っているのですね。

この時に輸入されたウシガエルアメリカザリガニはその後逃げ出し、結果現在では両方とも野生化しており、日本の在来ガエル、在来ザリガニその他在来種の存在を脅かし続けているのはみなさん周知の事実ですね。


……なんと、マングース問題だけでなくウシガエル問題やアメザリ問題も渡瀬さんが原因を作っていたのですね。


あれ……。

……と、いうことは……。


…………………悪いのは全部コイツじゃん。

わ~た~せ~!!!!


……ただ、同時に渡瀬さんは生物学界に多大なる貢献もしていたようで、なんとあの我々の食卓にとってとてつもなく重要でなくてはならない存在であるすごい動物………「ホタルイカ」、の、名付け親でもあるのですね。世の中狭いものですね。

ホタルイカ、学名も「Watasenia scintillans」と、しっかり「わたせ」です。


いや、それだけすごいことなのでしょう。
それまでは単に「コイカ」「マツイカ」などと呼ばれていた淡く輝く小さなイカに「ホタルイカ」という立派な名前を与えるだなんて……。

これは生物学史上類を見ないとてつもない貢献です!

たとえマングースさんやウシガエルさんやアメリカザリガニさんを持ち込んで日本の生態系をめちゃくちゃにして、さらにその責任を環境省やバスターズの皆さん、ひいては当事者であるマングースさん、ウシガエルさん、アメリカザリガニさんたちに押し付け、彼ら「悪い悪い外来種たち」に「駆除」の名のもとに甚大なる死者を出したとしても、十分に許されてしまうほど素晴らしい成果なのですね!


こ、これは……!!

まさに「腕のいい動物学者は、何やっても許されるんだよ」、なのですね。

きっと渡瀬さんはその手腕を以て数々の動物たちを「片っ端から研究してやるよ」と研究し続けていたに違いありません。

他にも「シロアリさんたちを『駆除』する方法」や、養狐業……つまり、「お金持ちを満足させるための毛皮を取る目的でキツネを飼育し殺害する方法」などの偉大な研究を行っていたのですね。


……すごい……さすがに「腕のいい動物学者」は違います。こんなに素晴らしい研究をなさるだなんて。

シロアリさんたちを皆殺しにしたり、キツネたちを強制収容所よろしく劣悪な環境で育て、時が来れば「毛皮の為だけに」殺害する研究だなんて……本当に動物を愛している真の動物学者でなければまったくもってできませんし思いつくことすらもできないようなすごい研究なのですね!凡人の私には到底理解できません!


渡瀬さん……とってもすごい動物学者さんなのですね。

今のご時世、彼のようなことができる動物学者さんはおそらくいないでしょう。

それなのにきつねは「悪いのは全部コイツ」だなんて言って……自分が恥ずかしいですし非常に申し訳がないのですね!


言うまでもなくマングースが悪いわけではありません

さて……いろいろと脱線してしまいました。
このままではこの記事が渡瀬さんを「褒めちぎる」だけの内容になってしまいそうなので、話を元に戻しますね。


マングースさんたちは結果として島の生態系を壊してしまいました。

ですが、きっと皆さんならわかって頂けると思うのですが、決して彼らが悪いわけではありません。

言うまでもないことですが、彼らは自分たちが来たくて島に来たわけではありませんし、壊したくて生態系を壊したわけではありません。

全部すべて「偉大なる動物学者の偉大すぎる失敗」が引き起こした悲劇なのですね。

本来いるはずのない場所に彼らが来てしまったことも、その結果自然環境が壊れ、多くの生き物たちが危険な状態に陥ってしまったことも、また環境省やバスターズの皆さんが多くのマングースさんたちを泣く泣く死なせなければならなかったことも。


できればマングースさんたち……駆除するのではなくて元いた場所に返してあげられればいいのですが、コスト的な理由を除いたとしても、遺伝子汚染の問題からそれはできないのですね。

つまり、すでに日本で暮らすようになってしまった彼らは、日本の環境に適応して変化し、もともと住んでいたガンジス川の河口近くのマングースとはもはや違うものになってしまっているのですね。

ここでガンジスマングースたちの中に日本マングースたちを戻してしまうと、その時点で交雑が起き、今度はガンジスマングースたちが雑種化し、純粋なガンジスマングースがいなくなり、結果ガンジス側の環境がおかしくなってしまうのですね。


日本の環境を守るためにガンジス側の環境を壊してしまうのでは本末転倒です。


結果として…………皆殺しにするしかないのですね。


これはもう、何も考えないで他所の生態系から動物を輸入したことのツケを支払わされてしまっているのですね……マングースさんに食べられてしまう島の生き物たちと、やりたくもないマングース駆除に追われる環境省ならびにバスターズの皆さん、また駆除されてしまうマングースさんたちが。


とてつもない理不尽ですし、もはや悲劇としか言いようがないのですが……ですが、島の環境を守るためにはマングースさんたちに島からいなくなってもらうしかないのですね……。


非常に残念な結果なのですね……。

深海の訪問者ダイオウイカとリュウグウノツカイ、なぜ水揚げされる

能登地方で深海生物が水揚げ

昨日のニュースで何やらすごいものを見たのですね。

石川県七尾市で、なんとリュウグウノツカイとダイオウイカが同時に定置網にかかり、水揚げされたのだそうです。

水揚げされた時点で残念ながら既に2匹ともお亡くなりになっており、のとじま臨海公園水族館に運ばれたのですね。

この2種が同時に持ち込まれるのは開館以来なかったことなのだそうで、このあと調査をしてから1~3日に展示されるのだそうです。


深海に住んでいるだけに、両方とも生態がよくわかっていない種なのですね。

ダイオウイカは割とよく網にかかったという話を聞きますが、リュウグウノツカイの話は初めて聞いたと思います……たぶん。


とりあえず、疑問です。

そもそも深海に住んでいるはずの2匹が、どうして網にかかったのでしょう。

……2匹同時に掛かったのはただの偶然だとしても、彼らが網にかかるというのには何らかの秘密があるのではなかろうか……。


と、言うわけなので、2種について調べてみるのですね。


ダイオウイカ

これはかなり有名なイカなのですね……名前だけは。

動物界-軟体動物門-頭足綱-鞘形亜綱-十腕形上目-開眼目-ダイオウイカ科-ダイオウイカ

に属する軟体動物……つまり貝の仲間で、学名を「Architeuthis dux」というのですね。

ダイオウホウズキイカ(Mesonychoteuthis hamiltonia)と共に世界一大きい無脊椎動物(もしくは頭足類)として知られています。

ダイオウイカは世界一長く、ダイオウホウズキイカは世界一重いのですね。

また、こちらはヨーロッパの伝説に出てくる巨大イカ「クラーケン」のモデルになったのではないか……とも言われているのですね。


属名の「Architeuthis」は古いギリシア語で「最高位のイカ」を意味し、種小名の「dux」はラテン語で「首領」を意味するのですね。

……つまり、「最強のイカのボス」というような意味なのですね。

巨大な目はわずかな光でも捉えることができ、深海でもものが見えるのですね。


……ただし、詳しい生態はよくわかっていないようです。


名前こそ有名ではありますが、その暮らしぶりは文字通り暗闇のベールに包まれているのですね……。


……次に行きましょう。


リュウグウノツカイ

これも名前だけは有名な魚なのですね。

動物界-脊索動物門-脊椎動物亜門-顎口上綱-条鰭綱-新鰭亜綱-アカマンボウ目-リュウグウノツカイ科-リュウグウノツカイ

に属する脊椎動物つまり魚で、学名を「Regalecus glesne」というのですね。

学名の意味は……よくわからないのですね。

和名は文字通り「竜宮の使い」で、昔の人たちはこの魚の神々しい姿を見て竜宮城から来たようだとこの名前を付けたようです。

とりあえず英語では「Oarfish(櫂魚、カイウオ)」もしくは「King of Herrings(ニシンの王、オオサマニシン)」というのですね。


……櫂………。

これはおそらくタチウオのように平べったい形をしているからなのでしょうが、もう1つの方の名前……。

……なんで「ニシン」なのだろう……。


……本家ニシンは

動物界-脊索動物門-脊椎動物亜門-顎口上綱-条鰭綱-新鰭亜綱-ニシン目-ニシン科-ニシン属

に属する魚なのですね。

われわれがニシンと呼んでいるものは「Clupea pallasii」という種で、英語の「Herrings」は「Clupea harengus」いわゆる「タイセイヨウニシン」ですから微妙に違うのですね。

なんいせよこの2種は同じ「ニシン属」ですから、お互いにアカギツネスイフトギツネくらいに近縁の魚なわけではありますが、リュウグウノツカイとニシンは目レベルで全く異なる生き物なのですね。


……どうして「オオサマニシン」なのかは全くの謎です。


ちなみに「アカマンボウ目」というのは「マンボウの仲間」ではなく、「アカマンボウの仲間」なのですね。
マンボウはアカマンボウとは違って「フグ目」なので、「フグの仲間」です。

つまり、マンボウは「アカマンボウの仲間」ではなくて「フグの仲間」なのですね……ややこしい!


……確かにフグを縦に短くしたらマンボウになるような……。


……このままでは主役がマンボウになってしまいそうなので、話を元に戻します。


なんにせよリュウグウノツカイについてはこちらのサイトさんに詳しい記述があるのですね。

jimbee.jp


日本でこのような名前がついたのと同じように、ヨーロッパでも特別な魚だと思われていたようで、向こうでは漁が上手くいくか教えてくれる魚だったのですね。


結局なぜ網に掛かったんだ!

それで、深海に住むはずの彼らが網に掛かった理由なのですが…………よくわかりませんでした。

とりあえずダイオウイカに関しては、東京海洋大学名誉博士東京海洋大学客員准教授でもあるあのお方……さかなクンさんが、「単にブームだからたくさん掛かっているだけ」と発言しているようです。


……つまり、昔から頻繁に網に掛かってはいましたが、注目されるようになったのは最近なので、最近になって数が増えたように感じるだけ、ということなのですね。


さすがにこの人が言うと説得力があるのですね。かんじんの「昔から頻繁に網に掛かっていた理由」はわかりませんでしたが。


ただ、こちらの記事に似たようなことが書かれており、もしかしたらこれが今回2匹が網に掛かった理由の答えなのかもしれません……。

www.ntv.co.jp

本日2度目の外部サイトへの丸投げです。

最後の方にそれらしいくだりがあります。

どうにも深海魚の生息域に冷たい水の層が広がりつつあるようです。
そこに深海魚が入ってしまうと動きが鈍くなり、潮に流されて浮かんでくるというのですね。


……まるで「深海の水よりも上の方の水の方が冷たい」というような……。

またリュウグウノツカイに関しては子供のころは深海ではなく海面付近で過ごすとのことですので、もしかしたら大人になっても自分から上がってくることもあるのかも……?


う~ん……、謎は深いですね……。

とりあえずここでは「冷たい水の層説」を結論と考えることにしましょう。


……余談ですがこれ、本当は昨日の時点で記事にしたかったのですが、昨日は同時に「竹の花が咲いた」などというビックリなニュースを拾ってしまっていたので、そちらを先に書いてしまったのですね……。

……1~3日に展示……と日付が入っているので、こちらが先の方が良かったかな……。

……まぁいいか。

とても珍しいタケの花。あなたのお隣にもあるかも……

明石市クロチクが開花

けさニュースを見ていたらなにやら珍しい現象が確認されたようです。

兵庫県明石市のとある高校の庭で、なんとタケに花が咲いたらしいのですね。

花が咲いたのは「クロチク(Phyllostachys nigra)」というタケで、工芸品などの材料にもなる良質のタケなのだそうです。


……タケの花が咲くのはとても珍しいことですね。


タケという植物は何年かに1度、全国一斉に花が咲くようで、またその後は一斉に竹藪ごと枯れるのですね。

というのもタケは1度花が咲くと枯れてしまい、また竹藪全体が1つのタケの株になっているので、花が咲いた後は竹藪が丸ごと全滅してしまうのですね。

開花の周期は60年に1度とも120年に1度とも言われているらしいのですが、なにせ周期が長すぎるため観測が難しく、詳しいことはわかっていないのですね。

……おそらく種類によって開花の周期や時期が違うのでしょう。


と、いうわけで……。

面白そうだったので、せっかくだからタケについて調べてみたのですね。


タケ

そもそもタケというのは

植物界-被子植物門-単子葉植物綱-イネ目-イネ科-タケ亜科

に属する植物のうち、茎が木のように硬くなるもののことを言うのですね。

また木のように硬いとはいっても、分類的には「草」に近く、竹が果たして木なのか草なのかはわりと議論が分かれているようです。
(そもそも1度花が咲くと枯れてしまうというのは「草」の特徴なのですね。)

タケ亜科はその成長の仕方により「(より狭い意味での)タケ」「ササ」「バンブー」の3つのグループに分かれるのですね。


……タケ……。

イネ科なのですね。

言われてみれば確かにイネっぽいような……。

きつね、植物に関してはずぶの素人なのでこの辺の区別の仕方がよく分からないのですね……。


……もっと勉強しなくちゃ。


それで、今回の主役であるクロチクは、狭い意味での「タケ」に分類でき、タケ亜科の下にある「マダケ属」に属しているのですね。

学名を「Phyllostachys nigra」といいます。

「Phyllostachys」はどうやらギリシア語のようですが、「マダケ属」を指すのですね。読み方は「ピュッロースターキュス」?……ギリシア語なんてよくわかりませんが。

そして「nigra(ニグラ)」というのはラテン語で「黒い」という意味ですね。

つまり、「Phyllostachys nigra」で「黒いマダケ」という意味なのですね。


…………そのまんまじゃん。


この仲間は「地下茎」と呼ばれる触手じゃなくて器官を横に広げることでどんどん増えていき、またかなりのスピードで成長するのですね。

親のタケから伸びた地下茎の先が、別の場所から顔を出したものがいわゆる「タケノコ」なのですね。
このタケノコは1日で1メートル以上も成長することがあるといいますから相当なスピードです。

またこういう増殖の仕組みからもわかるように、1つの竹藪全体が実は地下でつながっており、1つのタケなのですね。

そのため花が咲く時は竹藪全体が一斉に開花するのですね。


……ですがわかっていないことも多いようです。

タケの開花は竹藪全体どころか全国的に一時に起こるらしく、どうしてそのようなことになるのかはまだ解明されていないようです。


……つまり、クロチクも、明石市で花が咲いたということは間もなく全国的に開花のニュースが流れるのかも……?


またどうやらタケの種類によっても開花の周期が違っているようですし、その周期は殆どの種類でわかっていないようです。

……とりあえず記録によるとモウソウチク(Phyllostachys heterocycla)は67年周期らしいです。


………クロチクは………?


身近なようでいて謎の多い植物

う~ん……、なんだか調べてもよく分からないのですね……。

そもそもタケという植物の生態がよくわかっていないのですね……。

一般的な植物は春夏秋冬それぞれの周期……つまり、年単位の周期に合わせて花が咲いたり実が生ったりしますが、なぜかタケは数十年から百年以上というヘンな周期で花が咲くのですね……。

なんだかジュウシチネンゼミとジュウサンネンゼミのような「素数ゼミ」を思い出すのですが、敢えてヘンな周期で花を咲かせることによって異種間で競合するのを避けているのかもしれません。


……そういえば、モウソウチクの開花周期の67年というのも素数なのですね。


単純に「種まき競争」に陥ることを避けているだけでなく、同じタイミングで花を咲かせて異種交配をしてしまうことを防ぐという目的もあるのかも……。


ただ、1つわかったことがあるのですね。

「木」という概念とは違い、「竹」という概念はイネ科植物のごく一部のグループのみを指すのですね。

従って、一般的によく言われる「木でできているか竹でできているか」みたいに「木」と「竹」をセットで語るのは厳密には正しくないのですね。

それぞれの言葉の表す分類階級が根本的に違うわけで、この2つを同列に扱うのは言ってしまえば「脊椎動物がいいかそれともズワイガニがいいか」と比べているようなものなのですね。

「木」と対を成すのは「草」ですから、厳密には「木でできているか草でできているか」というのが良いのかも……?
タケがどっちに属しているのか、またここで議論になってしまいそうですが。

……でも「木か竹か」と言っている時点で、そもそも「竹は木ではない」と言っていることになるような……。


……なんだかよくわからない結論になってしまいましたね。

とりあえず、タケを見る目が変わりそうなのですね……。

今度竹藪に入った時はきっとそのタケの開花周期がどれくらいなのだろうかなどと言うことに想いを馳せながらしげしげと見てしまうに違いありません。

NHKスペシャルのセラピー犬の話 感動的な実話なのに素直に感動できない自分

NHKスペシャル「ベイリーとゆいちゃん」

今月27日の日曜日に、NHKスペシャルで「ベイリーとゆいちゃん」という番組をやっていたのですね。

これは難病を治すために大手術を受ける10歳の女の子ゆいちゃんと、彼女に寄り添い癒しながら、共に苦難を乗り越えていくセラピー犬ベイリーのお話なのですね。

今となっては「セラピー犬」という概念も割とメジャーになりましたし、またベイリーは日本のセラピー犬の先駆けとしてそのきっかけを作ったすごい犬です。

ですがそもそもどうして犬と人は種が違うにもかかわらず互いに愛情を感じ、心を癒すことができるのか……番組ではその謎にも迫っているのですね。

つまり、最近ではその仕組みが最近解明されつつあるという事実を紹介する科学的な番組であり、同時に純粋に女の子と犬が共に試練に立ち向かうという感動的な友情ドキュメンタリー番組でもあるのですね。

最後は手術が無事に成功してゆいちゃんはめでたく退院、またベイリーは引退して余生を満喫するというハッピーエンドで終わるわけなのですが、犬と人は3万年もの長きにわたり一緒に暮らしてきたため、このようにお互いに強い絆をもったのですね。


……とても感動的な番組だったのですが、途中で1つ、気になることがあったのですね。


おかげでかんじんのその後の感動的な部分がなかなか頭に入ってこないという困ったことになってしまいました……。

録画してあるので何度でも見直せるのですが……。


ロシアの研究所のキツネ

さて……、この番組、真ん中辺りの「犬と人が仲良くなったメカニズムが解明された」というくだりで、場面はそのカギを握るとあるロシアの研究所になったのですね。

そこでナレーションは「……実験動物が飼育されている……」と続いており、同時にたくさんのケージが並ぶ敷地と、それぞれのケージに1匹ずつ入ったギンギツネ達が映し出されるのですね。


ギンギツネというのは「キツネ」という言葉の代名詞にもなっている「アカギツネ(Vuples vulpes)」の色違いで、名前のとおり黒い地の背中に銀色の模様があるのですね。
どうやら「Vulpes vulpes fulvus」という亜種小名を持つ亜種扱いのようで、主に毛皮動物として飼われているのですね……ん!?


……この子たちが「実験動物」って……ま、まさか……!!

まさか……このあと「その時」が来たらここにいる子たちは「怪しいお部屋」に連れていかれ、冷たい金属の台の上に仰向けにさせられて手足を縛りつけられ、文字通り無防備な「大の字」にされてしまい、研究者たちによってあんなことやこんなことをされてしまうのではなかろうか……。
そしてその後はもはや「ガス室で処分」もしくはお尻と口に電極を入れられて「電機屠殺」となり、「実験」により毛皮に傷がついていなければそのまま毛皮を剥がれて毛皮のコートにされてしまうに違いない!

そうか、だから「ギンギツネ」なのか!

……こ、これは……。

いきなり危ない所に来てしまいました。


まさにここは「キツネたちの強制収容所」です!


NHKさん一体ドコに潜入取材に行っているのでしょうか……。
いくら最近民放化しているといってもさすがにそれはマズいのでは……。


これにより自称「動物好き」な人たちの多くが「見て見ぬふりをする」もしくは「全く気付くことすらない」この世界の「裏の顔」が一気に表に露見してしまうことになります。
いや、私の立場から言えば「露見してしまった方がいい」のですが、「動物という動物を慈しみ愛する」多くの「動物好き」のみなさんはそれを望んでいないことでしょう。


きっと次の日から全国各地の「動物好き」からの「このままずっと見て見ぬふりをし続けていたかったのにあんな裏の事情公表するんじゃねーや!」という「動物への慈愛に満ちた」電話が鳴り止まなくなり、NHKさんはクレーム対応に追われ続けるに違いない!


……などと妄想していたら、実は違うようです。
実験は実験でも「交配実験」なのですね。

……つまり、野生動物であったオオカミが、どのようにして犬になっていったのか、それを探るために「実際に野生動物を交配させて品種改良し、『犬化』できないか」という実験を行っている施設なのですね。

オオカミは飼育が難しいため、おなじイヌ科であるキツネで実験しているようです。
つまり、ここでは単にキツネを育てて「犬のように人に懐きやすい個体」を増やそうとしているだけなのですね。


……なんだ、よく巷でポケモン廃人たちがやっている「厳選」と同じなのですね。


とりあえず、キツネたちがこの後手足を縛られていろんなことをされたり毛皮にされたりするようなことはないのですね。

………ほっ………。


なんにせよ、この実験により実際にキツネが「犬化」し、そのプロセスが明確になってきたようです。
これにより先人たちが一体どうやってオオカミを犬にしたのかがわかってきたのですね。


……この研究、実は私も知っていたのですね。
立場上人間から見たキツネのことをよく調べるので、その時にたまたま検索にヒットしたのですね。

ですが実際に映像として見るのは初めてでしたので、どうにも昔見た「毛皮農場」のイメージと被ってしまったのですね。


……確かにケージが沢山並んでいてキツネが1匹ずつ入っている、というところまでは同じです。


なんにせよ、この交配実験は旧ソ連時代にまでさかのぼるのですね。


旧ソ連時代から続く壮大な研究

この研究機関はシベリアのノボシビルスクにある、ロシア科学アカデミーのシベリア支部に所属する細胞学遺伝学研究所(Institute of Cytology and Genetics)なのですね。
そしてこの実験を始めたのは当時ここの所長だったドミトリ・ベリャーエフさんなのですね。

ベリャーエフさんはすでに亡くなっていますが、研究自体は愛弟子のリュドミーラ・トルートさんに引き継がれ、今でも続いているのですね。

最初は毛皮農場からもらってきた(買ってきた?)ギンギツネのオス30匹と、メス100匹からスタートしたのですね。


……それでギンギツネなのですね。


「人に懐きやすい」キツネ同士を掛け合わせ、その子供でまた「人に懐きやすい」個体を掛け合わせ……と世代を重ねていったのだそうです。


さいころから人が育てていれば有無を言わさず「懐きやすい」キツネになりそうですが、この研究で目指したのはそのような「後天的な懐きやすさ」ではなく「生まれつきの先天的な懐きやすさ」なのですね。
そのため人の接触は最低限にしているのですね。


そして10代目を超える辺りから既に「生まれつき人懐っこいキツネ」が誕生し、56代目を迎えた現在では「芸を覚えるキツネ」まで出てきているのですね。


……生まれつき人懐っこいって……一体どういう仕組みなんでしょう。

いや、もちろん特定の遺伝子が関わっていることは解明されているのですが、そもそも人とは最低限の接触だけをしており、人間を知らないはずのキツネが人間に甘えたがるなんてなんだか信じられません……。


また耳が折れる、尻尾が巻きあがる、鼻が短くなる、模様が増えるなど、外見まで犬のような形に変化していき、文字通り本当に「犬化」したのですね。

これにより先人たちが数百年かけて狼から犬を生み出した工程を、わずか数十年で再現できたのだそうです。


……ただ、色々と苦労もあったようです。

まず当時のロシア(ソ連)では遺伝学の研究がタブー視されていたらしく、下手をすると捕まりかねなかったのですね。
……タブーとされている研究をしただけで逮捕されてしまうなんてなんだか怖いところですが、そのため名目上は「より毛皮を取りやすいキツネを作るための研究」として始まったのですね……にゃぁ。

また、いくら短時間で犬化できたと言っても数十年は掛かっています。

研究者たちにとっては文字通り一生をかけた壮大な実験だったのですね。

途中に何度か研究存続の危機や資金難にも見舞われたそうなのですが、先生から弟子へと無事に引き継がれ、今に至るのですね。


……なんだか裏に「プロジェクトX」のようなドラマがあるのですね。同じNHKだし。


また今ではこの研究所は「人懐っこいキツネをペットとして購入できる世界で唯一の場所」になっているのだそうですね。
価格は1匹あたり81万円とペットにしてはとてつもなく高価なのですが、キツネ好きにはたまらないようです……?


また、テレビでは「懐くグループ」と「狂暴なグループ」が紹介されており、「狂暴な」方を「普通のキツネ」といっていたのですが……キツネってそんなに狂暴でもないはずじゃ……?

実際はこの研究所では比較のため「懐くグループ」同士、また「懐きにくいグループ」同士が交配を重ねているようです。もしかすると「普通のキツネ」はそもそも残っていないのかもしれません。


……そういうことなのかな……。


でもやっぱり「動物実験」であることには変わりない?

ただ、幾つか気になったこともあるのですね……。

檻、狭いんじゃ……。

そもそもキツネは活発で野山を駆け回りたい動物ですから、犬に同じく狭いところに閉じこもっているのはかなりのストレスになるのですね……。

おそらく上記の通り「懐きやすい個体」もしくは「懐きにくい個体」同士を繁殖させたいため、それを見極める前に勝手に繁殖されないようキツネ同士は離しておかなければならないものと思われます。
そのために檻に入れておかなければならないのでしょう……多分。

せめてもう少し大きな檻にしてあげたほうがいいのではないかと思うのですが、この研究所には既に数千匹のキツネが住んでいるといいますし、物理的な場所の事情もあるようです。

せめて「散歩」くらいはさせてあげてもいいと思うのですが、何千匹もいるためそれも難しいものと思われます。

また上にも書いた通り、あくまで「生まれつきの人懐っこさ」を研究しているため、それ以外の要因で人になついてしまわないよう人間との接触を避けるため……とも思われます。


ですがこの飼育環境……見た限りでは毛皮農場と大して変わらないのですね。


また、ここにいる子たちは一生檻から出られないのですね。

研究者の皆さんも一生をかけて研究していますが、キツネたちも死ぬまでこのままです。


それにここでは「懐きやすい個体」もしくは「懐きにくい個体」以外は生殖することもできませんから、交配しない子は外に出してあげてもいいんじゃ……。

……遺伝子汚染を避けたいのだろうか……。

いや、そもそも彼らは最初から飼育下で生まれているので、どうにも自然には帰せないようです。

……もちろん「用済みになったら毛皮にされる」などということはなく、最後までスタッフの皆さんが責任を持って面倒を見て下さっているようなのですが………………だよね!!??

……この部分もかなり疑問なのですね。ここのスタッフさんのことですから、ちゃんと最後まで面倒を見ていると信じたいですが。


それから、1995年には600匹いた「非常によく懐くキツネ」が、その後の経済危機で「200匹まで削減された」というのも気になります。

……「削減」された400匹は一体どこに行ったのでしょう……。

体よく81万円でペットとして売って、今では新しい飼い主さんの元で幸せな暮らしをしているのでしょうか。
それとも泣く泣く「毛皮にしてしまった」のでしょうか……。


また、ここにいる子たちは外に出たいとは思わないのでしょうか……。
……最初からこういう環境で育っているキツネたちなので、外の世界を知らず、そもそも出たいとも思っていない……とすればいいのですが……。


結局どうするべきなのだろうか

……「ベイリーとゆいちゃん」……。
感動的な犬と人の友情物語を見ていたはずなのに、なんだか悩ましい問題に直面してしまったようです。

多くの「自称動物好き」の人がおそらく「犬と人の友情に感動」「人懐っこいキツネさんかわいい~」などという感想を述べるだけであろうこの番組を見て、このようなことまで考えてしまう私の感覚はいささかおかしいのかもしれません。


実は最初ははっきりと「このような実験には反対だ」と言いたかったですし、この記事の結論としてもそう書くつもりだったのですね。


……ですが、実際にこの研究所について調べてみると、この研究のおかげで「懐きやすさ」の遺伝のメカニズムだけでなく、体が犬化したり模様が変わったりする遺伝子の秘密など、色々なことがわかってきていますし、それが科学や生物学の発展に大いに貢献しているということもまた事実だということがわかったのですね。

そしてやがてはそれらの知識が動物のために活かされるであろうということも……。


それに、この研究所の「実験」は他の動物実験と比べると遥かに良心的なのですね。

別にヘンな薬を注射したりするわけでもなければ台の上に縛り付けて体を切り刻むわけでもありません。あくまで「交配実験」なので、「交配する相手を人間が選ぶ」というところ以外、キツネたちは「ただ飼われているだけ」です。


また、職員の皆さんは本当に動物が好きで、ここのキツネたちを大切にしているということもわかるのですね。

そもそも元々が毛皮農場から「救出」されてきたキツネなので、一生檻から出られないとしてもここで毛皮にならずに天寿を全うできるのはそれなりに意義のある事ではないのだろうか……とも思うのです。
(天寿を全う……できるんだよね?途中で毛皮にされたりしないよね!?)

「飼育員たちは不親切。時が来れば檻から出られますが、毛皮になって下さい」と「一生出られませんが、みんな優しいし天寿を全うできます」、どっちがいいのだろうか……立場上私は後者を選びますが。


悩ましいところですし明確な答えが出せないのですが、それが自分が思った素直な感想ですし、とりあえずここは自分が感じたままを書いておくことにします。

将来の自分がこの記事を読み返した時、きっと「なにヌルいこと書いてんだ、もっと批判しろよ」などと思うかもしれませんが、残念ながらそれが今の私……2019年1月31日現在のきつねの出せる結論の限界なのですね。

とりあえず、今は研究所のキツネたちが「そもそも自分たちは外に出ても生活ができない。ここは狭い檻で走り回れないけど掃除はちゃんとしてもらってるしそこそこ快適で食べ物にも困らないからこれはこれでOK」と思ってくれている……ことを祈るしかありません。

結局自分が幸か不幸かを決めるのは研究所のキツネたち自身であり、町中で人間として生活している私がどうこう言えることではないのですね。

バンダイ「だんごむし」特別な色と海洋堂の古生物再び

東急ハンズの「ガチャ祭り」、まだまだ続くようです

先日このような記事を書いたのですね。

blog.kitsune-vetulicola.net

blog.kitsune-vetulicola.net


バンダイさんの「だんごむし2」と海洋堂さんの「カプセルQミュージアム 古生代~生命大爆発~」を回した……と言っているだけの記事なのですが、この2つ、その後進展があったのですね。


なんだか最近ガチャの話題が続くのですね……。

私のブログはどうしてこうもマニアックな方向に行ってしまうのだろうか。
他のアニメキャラとかのガチャならともかく、ダンゴムシ古生代って……。


とりあえず、最初のブログの最後に「もうこれで町田のヨドバシさんに行かなくて済む」とかなんとか書いておきながら、結局あれからまた町田に行ってしまったのですね。

……なんかもうスキを見つけては行っている気がするのですね……。


そこで、このようなものを手に入れたのですね。

 

f:id:kurokitsune:20190130224155j:plain


左が「カプセルQ 古生代」のカプセル、右が「だんごむし」のカプセル兼本体なのですね。見たまんまですが。

古生代」は東急ハンズさんの「ガチャ祭り」で並んでいるもので、まだ先日と同じところに自販機があったので回しただけなのですが、「だんごむし」は……なんと近くのブックオフにあったのですね。


まさかブックオフで見つけるとは思ってもいませんでした……なんとなくありそうだとは思っていたけど。


しかも、見たことのない色なのですね。

このシリーズは今のところ第一弾と第二弾が出ており、それぞれ3色ずつのカラーバリエーションがあるのですね。

第一弾は「黒」「白」「青」、第二弾は「グレー」「赤」「クリアオレンジ」です。

ですがこれはその中のどの色でもありません。

中のつくりを見る限り「だんごむしの第一弾」なのですが、第一弾は私の知る限りでは「黒」「白」「青」しかないはず……。

第二弾には「赤」という近い色がありますが、それとも違うようです。


……一体何なんだ、コレは!?

なんだかよくわかりませんが、特別な色に違いない!


と、いうわけで、結局買ってしまったのですね……定価の1.5倍のお値段でしたが。


いけない……こんなことにお金を使っては。
そうでなくとも最近ただでさえ物入りなのに。

もう何も買わない予定だったのに早くも意思の力が底を尽きてしまったようです……キツネって弱いのですね。


とりあえず、開封します

f:id:kurokitsune:20190130224258j:plain

開封して比べてみます。
左が新しい子、右が第二弾の「赤」。

……案の定第二弾の「赤」よりも赤いのですね……。

何色……というのでしょうか。

 

f:id:kurokitsune:20190130224324j:plain

裏面はこの通り。
左が新しい子、右が第二弾の「赤」。

新しい子の構造は第一弾のものなので、裏面はカラクリがむき出しになっているのですね。

 

f:id:kurokitsune:20190130224402j:plain

もちろんお団子モードにもなれるのですね。いまさらですがよく出来てます。

お店には他の色の子も並んでおり、また並んでいる時点で他の子はみんなこの状態だったのですが、この子だけなぜか半分開いていたのですね……。

この子だけ新品(つまり、自販機から出てきたばかりの丸まっていてセロファンで包装された状態)ではありませんでしたし、また第一弾を丸めるのは結構コツがいりますから、お店の人が丸め方を知らなかったのでしょう。
もっともそのおかげで中の構造が見え、レアものだということに気付いたわけですが……。


それで、気になる正体なのですが、後で調べてみた結果、実はこれは「ミニクレ」というクレーンゲーム限定の景品らしいのですね。

そういえばどこかで「だんごむしがクレーンゲームになった!」などという話を読んだことがあるのですね。

てっきり中身は普通の第一弾だと思っていたのですが、なんと色違いだったのですね。

ちなみにこの色はラズベリーというらしく、他にもターコイズ」と「ネイビー」というのがあるらしいのですね。


……なんですって!!

……こ……これは……。
全部集めたくなってしまうのですね。


……ですがそもそも第一弾ですし、このシリーズはガチャですら常に「品薄」の状態ですから、おそらくクレーンマシンももうどこにも無いでしょう。
また、あったとしてもそもそも私はクレーンゲームをやったことがないのですね……。
もし私がやったとしても、きっと丸くてつかみやすそうな本体で、なおかつミニクレのアームは4本の爪を持っているのに何も掴むことができず、空気だけが取り出し口に送られてくることになるのでしょう。

……残念です……。


仕方がないのでガチャの方の第一弾で唯一持っていない「青」の代りということにしておきましょう。


……ちなみにヨドバシさんの「だんごむし2」の自販機はあの後覗いてみるとこのようになっていたのですね……。

 

f:id:kurokitsune:20190130224656j:plain


見事にからっぽ……。
あれからまだ数日しか経っていないのに、人気の高さがうかがえます。

おまけに例の如く「おひとり様2回まで」の貼り紙がしてあります。


……私は思い切り3回回してしまったのですね……。


あの時は確かにまだ貼り紙が無かったのですが……きっと店員さんが後で気付いて慌てて貼ったのでしょう。

……なんだか悪いことをしてしまったようです……。


カプセルQ古生代=オパビニア!

……ごく自然に「だんごむし」の話題にシフトしてしまっていますね。

この日私が手に入れたものは「だんごむし」だけではないのでした。

次はいよいよ(?)「古生代」を開封です。

このカプセル、開けたらこの子が出てきたのですね。

f:id:kurokitsune:20190130224813j:plain


こ、これは……!!!!


オパビニアさんだ――――――――!!!


実は欲しかった子なのですね!

先に挙げた記事でも「『だんごむし2』が全色でてくじ運がいい」などと言っていましたが、この日もついている!?

また、小さいながらもさすが海洋堂さんとしかいいようがないクオリティで、裏側もしっかり再現されているのですね……。

f:id:kurokitsune:20190130224900j:plain


そうそう、そうでした、オパビニアには足があるのです!
長らく確認できなかったらしいのですが、最近の研究で発見されたのですね!

オパビニアは5億4200万年ほど前のカンブリア紀に遠浅の海に生息していたと考えられている原始的な節足動物(エビやカニや昆虫の仲間)ですが、この辺りの構造はなんだかご先祖様である葉足動物っぽいのですね。

葉足動物はイモムシのような姿をした軟らかい生き物で、海の中を歩き回っていたと考えられているのですね。

オパビニアも泳ぎ回る以外にも海底を歩き回っていたのでしょう。

この子がゾウの鼻のような腕を使って砂を掘り返して食べ物を探しながら海底をごそごそ歩き回ってるって……。

なんだかほほえましいのですね。


とりあえず、これで「カプセルQ」は3種揃ったのですね。

全部で5種類あるので、本当は残りの2匹も気になるのですが、1回400円と財布へのダメージが尋常ではないのでこれでやめにしておきます。

縁があればまたそのうち何処かで……ブックオフででも(!?)出会えるはず……。

【生物・環境】8つの分類階級についてのメモ書き

きつねの備忘録です

……いまさらなのですが、当ブログでは割とマニアックな専門用語がよく出てくるのですね……。

いつもしれっと使ったりしますし、またなんとかしてちゃんと意味を説明しなければ、とも思うのですが……なかなか意味を解説している余裕はないのですね……。
()を付けて簡単な説明を加えたりなどはしているつもりなのですが……多分、不十分かと……。


と、いうわけなので、解説専用の記事を書いてみようと思ったのですね。


きつねの備忘録を兼ねて、またマニアックな記事を書いてしまった場合にリンクを貼って「辞書代わり」に使えるようにすることによって周囲の人たちにドン引きされることを防ごうという狙いです。
……恥ずかしい話ですがきつね、友人同士の間でもついうっかり「マニアックなこと」を口走って周囲をドン引きさせてしまうということがよくあるのですね……。


とりあえず、「備忘録兼辞書(?)」の第一弾として、今日は「生物の分類」についての用語を書いていこうと思うのですね。


私が生物の記事を書くとごく頻繁に

節足動物門-鋏角亜門-カブトガニ綱-ウミサソリ

……などという分類上の階級が出てきたりするのですね。

ですが「門」だの「亜門」だの日常生活にはまず出てこないものなので、多分戸惑う方も多いのではないかと思います。

……じゃぁこんなこと書くなよってツッコミが来そうですが、生物の系統上の位置をはっきりさせるためについつい書いてしまうのですね……。


なので今回はこの「門」だの「亜門」だのの「分類階級」について解説するのですね。


それからタイトルの【生物・環境】というのはこの記事の内容が出てくるであろう別の記事のタグを表しています。

また、毎回専門用語が出てくるたびに一応解説しようと試みてはいるので、この記事での解説と過去の記事での解説と少々被る場合があります


……実際用語はもっとたくさん使っていますが、とりあえずこれらの階級についての解説だけでおそらく記事が1つ書けてしまうものと思われます。

というわけで、ひとまずこれだけなのですね。

必要に応じて第二弾、第三弾などを追加していこうと思います。

……ガシャポンではありませんが。


系統樹

まず、前提として……。

人間やキツネを含む私たち生き物は全部すべて、たった1つの大きな「樹」の上にいるのですね。

「樹」というのは進化の筋道を表したもので、まずは最初の生命である1本の「幹」から始まり、幹から先……「枝」の方向に行くにしたがって、当然ですが細かく枝分かれしていきます。

枝の先に向かうほどにさらに細かく分かれていき、そしてその枝の末端にそれぞれの「種」があるのですね。

これを専門用語で「系統樹」といいます。


……なんだか難しいですね。


この系統樹、図で示すことができれば簡単なのですが、言葉にするとどうにも煩雑になってしまうようです。

簡単に言うと、それぞれの種類の生き物(「種(しゅ)」といいます)を「枝の先」、全ての生命の始まりを「樹の根元」と見立てた図なのですね。


会社の組織図に似ている……かもしれません。

組織図では大体一番上に社長さんがいて、その下に部長さん(部)、その下に課長さん(課)、さらに下に係長さん(係)、そして普通の社員の皆さんが属していますね。

社長、部長、課長、係長などを「役職」や「階級」などと言ったりしますが、これと同じものが生物の世界にもあるのですね。

生物の「階級」は「分類階級」と呼び、大きく分けると8つあります。

階級の内訳については次の見出しで説明しますが、この階級を並べて組織図のような図にしたものが「系統樹」なのですね。


分類階級

さて、分類階級は8つある、と書きましたが、これらは全て「基本の階級」なのですね。

……基本……というのは、実際必ずしもこの8つだけを使うとは限らないからです。

ちょうど会社で「社長」と「部長」の間に「本部長」が挿入されることがあるように、必要に応じて増えたり減ったりすることがあるのですね。

なんにせよまずは基本がわからない事にはお話になりませんから、8つの階級を説明しますね。
それぞれ以下のような名前がついているのですね。


域(いき、ドメイン、Domain)
界(かい、Kingdom)
門(もん、Phylum)
綱(こう、Class)
目(もく、Order)
科(か、Family)
属(ぞく、Genus)
種(しゅ、Species)


……なんだか難しい名前ですが、要するに「社長」とか「部長」とか「課長」とかいうのと同じなのですね。
(より正確に言うなら「社」「部」「課」であると思われます。「役職」の名前ではなく所属している「場所」の名前なので……。)


この階級、上に行くほど大きくなり、下に行くほど小さくなります。

一番下にある「種」というのがすなわち「系統樹の枝の末端」で、「それぞれの生き物の種類」を表しています。

また、「域」だけはどういうわけか普通一般的には英語名の「ドメイン」という呼び名で呼ばれているので、以下「ドメイン」と呼びます。


とりあえずそれぞれについて簡単な説明と、また主なるものの具体的な名前(「〇〇部長」「〇〇課長」の「〇〇」の部分)を挙げていくのですね。


ドメイン(域、Domain)

最も上位の分類なのですね。

……より正確に言うならこの1つ上に「生物」という分類があるのですが、そもそもこれは生物の話ですし、ドメイン以下も生物であるということが前提ですから、それには特に触れないことにします。

地球で最初に誕生した生命は細胞1つだけで生きているいわゆる「単細胞生物」だったため、分類階級も「細胞レベル」になるにしたがって大きくなっていくのですね。

このドメインは細胞レベルの大きな違いで分類され、以下の3つがあります。


細菌(バクテリア、Bacteria)
古細菌アーキア、Archaea)
真核生物(ユーカリオタ、Eukaryota)


……なんだか昔理科の教科書で見た気がしますね。

細菌というのは………「細菌」としかいいようがありませんね。いわゆる「バイキン」なのですね。
厳密には「大腸菌」や「乳酸菌」などの仲間なのですね。
……この辺説明するまでもないと思います……。


古細菌というのは「細菌」に似ていて非なる生き物たちで、細胞分裂の際に使う仕組みや酵素の種類が「細菌」とは違っているのですね。

「細菌」「古細菌」ともに細胞内に「核」を持ちませんから、「真核生物」に対して「原核生物」なんていったりします。


それに対して真核生物というのは「細胞内に核を持つ生き物」のことをいい、われわれ動物や植物、キノコなどの「多細胞生物」は全部すべてこの中に含まれているのですね。


遥か昔、全ての地球生命体の共通祖先である「原始生命体」が生まれ、そこからさらに「共通祖先」と呼ばれる姿に進化したと言われています。


……共通祖先である生物がさらに「共通祖先」になったというのはなんだか妙な感じがしますが、とりあえず現状の研究結果ではこのようになっているのですね。


そして「共通祖先」が「細菌」と「古細菌」とに分かれたようです。

「共通祖先」は当然単細胞生物だったと考えられていますので、細胞レベルの特徴の違いでまずは2つに分かれたのですね。

そしてやがては「古細菌」の中から自分の体の中の大事な部分を1か所に集めて隔離するものが現れたのですね。

……隔離された組織は「核」となり、この生き物は「真核生物」となったのですね。


この時点で3つのドメインが生まれました。

つまり、まだ1本の「幹」しかなかった「系統樹」が、最初の3本の枝に分かれたのですね。

以下、ひとつ下の分類である「界」に続きますが、とりあえずここでは「真核生物ドメイン」に属する「界」の例を挙げて説明していくのですね。


界(かい、Kingdom)

さて……お次は「界」です。

ドメインの1つ下の分類階級で、「どういう生き方をする生き物なのか」を大雑把に分類したものです。

その正確な数は諸説ありますが、とりあえず当ブログでたびたび登場するのは以下の3つなのですね。


動物界(どうぶつかい、Animalia)
植物界(しょくぶつかい、Plantae)
菌界(きんかい、Fungi)


……なんだかお馴染みの言葉なのですね。

われわれがよく使う「動物」だの「植物」だのという分類は、系統樹の上では「界」という階級になるのですね。

動物界というのは言うまでもなく動物のことなのですね。

植物界というのも言うまでもなく植物のことなのですね。

菌界というのはカビやキノコの仲間のことで、一般的には「菌類」と呼ばれていますね。


……同じ「菌」の字がついていますが、「細菌」や「古細菌」とは全く別の生き物であり、単細胞生物である彼らに対して「菌類」はれっきとした多細胞生物なので注意が必要です。


また「類」というのは「界、門、綱」などの分類全ての代名詞として使うことができる便利な言葉なのですね。

……つまり、「菌界」を「菌類」と呼ぶことができるように、「〇〇門」「〇〇綱」もそれぞれ「〇〇類」と呼ぶことがあるのですね。


なんだかややこしいですが、「類」という字を見たらその裏には「界、門、綱~」のどれかが隠されていると思って差し支えないでしょう。


……これで「界」のことがわかりましたね!
では次、「門」に行きますが、ここでは当ブログによく出てくる「動物界」に属する「門」の例を挙げることにします。


門(もん、Phylum)

「界」の1つ下の分類階級で、生物の「ボディプラン」……つまり、「ごく大雑把な体の形やつくり」を元にした分類なのですね。

……などと言うとわかりづらいので、具体的な名前を挙げます。

当ブログによく出てくるのはこれらの「門」なのですね……。


脊索動物門(せきさくどうぶつもん、Chordata)(頭索動物亜門、尾索動物亜門、脊椎動物亜門)
節足動物門(せっそくどうぶつもん、Arthropoda)(甲殻亜門、鋏角亜門、六脚亜門、多足亜門)
半索動物門(はんさくどうぶつもん、Hemichordata)
棘皮動物門(きょくひどうぶつもん、Echinodermata)
軟体動物門(なんたいどうぶつもん、Mollusca)
刺胞動物門(しほうどうぶつもん、Cnidaria)


……なんだかいきなり複雑になりましたね。

おまけに……はい、「亜門(あもん、Subphylum)」。

早速「必要に応じて追加された分類階級」が出てきてしまいました……。

とりあえずわれわれにお馴染みの「脊索動物門」から順を追って説明します。


脊索動物門(せきさくどうぶつもん、Chordata)

生物を「ごく大雑把な体のつくり」で分けたものが「門」でした。

この「脊索動物門」は体の中に「脊索(せきさく)」と呼ばれる1本の芯を持っている動物のことなのですね。

そしてその「芯」がどのようなものかにより、さらに以下の3つに分かれるのですね。


頭索動物亜門(とうさくどうぶつあもん、Cephalochordata)
尾索動物亜門(びさくどうぶつあもん、Urochordata)
脊椎動物亜門(せきついどうぶつあもん、Vertebrata)


頭索動物というのは名前のとおり「頭の方に脊索を持つ脊索動物」のことで、「ナメクジウオ」などが属しているのですね。

尾索動物も同じく「尻尾の方に脊索を持つ脊索動物」のことで、ホヤなどが属しています。

脊椎動物は「脊索がさらに発達して細かい骨に分かれている脊索動物」で、われわれのことですね。

(より厳密に言うなら、発生段階……つまり、卵なりお母さんのおなかの中なりで体が作られていく段階……で、脊索が置き換わったものが脊椎なのですね。

つまり、もともとあった脊索を一旦取り除き、新たにそこに置かれたものが脊椎なのですね。

………説明しているつもりが余計ややこしくなった気が……。)


このように「門が同じだけれど微妙に違う」グループを表す時、「門」の下に「亜門」を設けるのですね。

同じようにして「亜綱」「亜目」「亜科」など、さらに下の分類でも「亜」の付くものがあります。

とりあえず「亜」がついたら「同じ分類だけど微妙に違う分類を下に設けたいんだな~」と思っておけば問題ないと思います。……たぶん……。


節足動物門(せっそくどうぶつもん、Arthropoda)

これは名前のとおり「節の付いた足を持つ動物」なのですね。
身近な例ではエビやカニ、クモや昆虫、ムカデなどが属しています。

つまり、「外骨格を持つ動物」の仲間なのですね。

これまた3つの「亜門」に分かれ、それぞれ


甲殻亜門(こうかくあもん、Crustacea)
鋏角亜門(きょうかくあもん、Chelicerata)
六脚亜門(ろっきゃくあもん、Hexapoda)
多足亜門(たそくあもん、Myriapoda)


と呼ばれています。

甲殻亜門というのはいわゆる「甲殻類」のことで、エビやカニダンゴムシの仲間のことです。

……また「類」が出てきましたね。ここでは「類」は「亜門」を表すのですね。

鋏角亜門というのは「鋏角(きょうかく)」と呼ばれるハサミ状の器官をもつ動物、いわゆる「鋏角類」のことで……クモやサソリ、カブトガニなどの仲間です。

六脚亜門というのは「六本の足を持つ節足動物」のことで、つまり「昆虫」の仲間です。

多足亜門は「たくさんの足を持つ節足動物」で、ムカデやヤスデの仲間なのですね。


……次に行きましょう。


半索動物門(はんさくどうぶつもん、Hemichordata)

「脊索動物門」に近くて遠い動物なのですね。
原始的な「背骨」である「脊索」の、そのまた原始的な姿であるとされる「半索」と呼ばれる器官を体内に持ちます。

ギボムシなどが知られていますが、当ブログでも割とマイナーなのですね……。


棘皮動物門(きょくひどうぶつもん、Echinodermata)

ウニやナマコ、ヒトデ、ウミユリなどの仲間です。

「五放射相称(ごほうしゃそうしょう)」と呼ばれる独特の形をしていることで知られています。

……つまり、「星形」もしくは「五角形」なのですね。

普通の動物は「左右相称」つまり「右と左」がありますが、このグループに属する動物たちは体の真ん中を中心として放射状に「対称」となっています。

われわれを線対称とするなら、彼らは点対称なのですね。

なんだか幾何学の問題みたいになってしまいますが、こんな不思議な形をした動物がいるとはなんとも興味深い話です。

また、こんな形をしてはいますが、「半索動物」や「脊索動物」に近縁の生き物なのですね。


軟体動物門(なんたいどうぶつもん、Mollusca)

いわゆる「貝の仲間」の動物です。

一口に「貝」と言ってもアサリやハマグリなどの「二枚貝」からアワビ、トコブシなどの「一枚貝」、サザエやカタツムリなどの「巻貝」、はてはアンモナイトやオウムガイ、タコやイカなどの「頭足類」まで、その形状はもはや「何でもアリ」なのですね。

基本的には「軟らかい本体を硬い貝殻で守っている」という構造をしていますが、タコやイカ、ナメクジやウミウシクリオネなど、貝殻を持たないものもいるのですね。

また運動性能や知能の発達度合いもものによって大きく異なり、カキのように眼も脳も持たず動き回りもしないものがいる一方で、イカやタコは非常に発達した眼と高い知能、優れた運動能力を持ちます。


……非常にデザインに柔軟性があるグループともいえますね……軟体だけに。


刺胞動物門(しほうどうぶつもん、Cnidaria)

「刺胞(しほう)」と呼ばれる毒針を仕込んだ小さな袋をたくさん体に持っている生き物のグループです。

棘皮動物に同じく「放射相称の体を持つ」珍しいタイプの動物なのですね。

身近な所ではクラゲやイソギンチャク、サンゴやヒドラなどが属しています。

刺胞は狩りや防御のための武器として使われるのですね。
それぞれの刺胞についている「センサー」に相手が触れると、袋の口が開いて毒針が飛び出します。

なんだか忍者の隠し武器みたいでかっこいいですが、一度使った後の刺胞はどうなるのだろうか……。

……クラゲが自分でちまちま「飛び出した針を袋に戻している」姿なんて想像できません。


……さて、上に上げた「門」の例はこれでお終いなのですね。
これより「門(や亜門)」の下の「綱」について書きますが、とりあえずここでは「脊索動物門(脊椎動物亜門)」に属する綱を挙げてみようと思います。


綱(こう、Class)

「綱」の内訳は以下のようになるのですね。


哺乳綱(ほにゅうこう、Mammalia)
爬虫綱(はちゅうこう、Reptilia)
鳥綱(ちょうこう、Aves)
両棲綱(りょうせいこう、Amphibia)
硬骨魚綱(こうこつぎょこう、Osteichthyes)
軟骨魚綱(なんこつぎょこう、Chondrichthyes)


……本当はもう少したくさんあります。
とりあえず当ブログに出てくるもののみを挙げます。

……ここまでくるとどうにも見覚えのある名前ばかりになってくるのですね。


哺乳綱は言うまでもなく哺乳類のことですね。ここでは「類」は「綱」を表すのですね。

爬虫綱は言うまでもなく爬虫類のことです。

鳥綱……言うまでもなく鳥さんのことですね。

両棲綱は言うまでもなく両生類……つまり、カエルやイモリ、サンショウウオの仲間なのですね。

なお、漢字に関しては一般的には「両生類」と言われていますが、正式な綴りは「両棲類」なのだそうです。
「棲」という漢字が常用漢字に含まれていなかったため敢えて「生」の字を当て、こちらが広まったのですね。

硬骨魚綱はいわゆる「硬骨魚類」のことで、つまり硬い骨を持つ魚の仲間なのですね。

われわれももとはといえば魚から進化してきたわけですから、広い意味では我々地上の脊椎動物全員を硬骨魚綱というのですね。
ですが狭い意味ではもっぱら「硬い骨を持つ魚」のことをこう呼ぶようです。
私たちが一般的に「サカナ」と呼ぶものは大半がこの「硬骨魚類」です。

それに対して軟骨魚綱とはサメやエイなどの軟らかい骨(軟骨)でできた骨格を持つ魚のことを言うのですね。

同じ魚でも硬骨魚であるマグロと軟骨魚であるサメは哺乳類と爬虫類くらいの違いがあるのですね。

また便宜上「硬骨魚綱」と書きましたが、現在ではこれは「条鰭綱」と「肉鰭綱」の2つの「綱」に分かれています。

条鰭綱というのは硬骨魚のうちうちわのような形をしたヒレを持つ魚のことで、マグロなどのいわゆる「普通の魚」のことなのですね。

肉鰭綱というのはヒレの付け根にさらに陸上脊椎動物の手足を短くしたような「柄」を持つ魚のことで、シーラカンスなどの仲間です。

この仲間が上陸してその後陸上の脊椎動物になったわけですから、地上の脊椎動物を硬骨魚と呼ぶ場合、肉鰭綱ということになるのですね。


……さて……、以下、「目」の話になります。とりあえずここでは「哺乳綱」の下にある「目」について書きますね。


目(もく、Order)

さらに細かい分類です。
もはや具体例を挙げた方が良いでしょう……。

食肉目(ネコ目、Carnivora)
齧歯目(ネズミ目、Rodentia)
ウサギ目(Lagomorpha)
鯨偶蹄目(ウシ目、Cetartiodactyla)
霊長目(サル目、Primates)
翼手目(コウモリ目、Chiroptera)

「目」は「漢字の難しい名前と、カタカナの簡単な名前」の2つがあるのですね。
(片方だけの場合もありますが。)

どうやら最初はラテン語の学名の直訳によって漢字の難しい名前が誕生し、その後より簡単な「カタカナの動物の名前」な名前が誕生したようです。

以下、できるだけ簡単な方の名前を使います。

ネコ目は名前のとおりネコやイヌ、キツネやタヌキ、アザラシやクマ、パンダなどが属するグループなのですね。
これらの動物の特徴としては「肉球」を持っていることが知られており、また「食肉目」という名の通り大部分が肉食性なのですね。

優れた知能と運動能力をもつ優秀なハンターなのですね。

ただしアザラシなどの仲間は海で生活するため、二次的に肉球を失ったようです。


ネズミ目はいわゆる「齧歯類」で、ネズミやリスなどの仲間が所属します。
哺乳類の中では原始的な部類に入り、なんと「鎖骨」という骨があるのですね。

この「鎖骨」、実は大部分の哺乳類では失われており、ちゃんとした鎖骨を持っているのはネズミ目、コウモリ目、サル目の仲間だけなのですね。


ウサギ目はその名の通りウサギの仲間なのですね。
これだけ最初から学名でも「ウサギ目」という名前だったので、したがって最初から難しい漢字の名前にならなかったのですね。(強いて言うなら「兎目」でしょうか)。

以前はネズミ目に分類されていたウサギさんですが、近年の研究によりネズミ目とは異なる独立したグループであるということが明らかになったのですね。

ですが系統としてはネズミ目に極めて近いのだそうですね。


……あれ……。
ということはウサギにも鎖骨が………………?

……まぁいいや。


鯨偶蹄目はウシやブタ、ヒツジやヤギ、シカ、イルカ、クジラ、シャチなど、「偶数の蹄をもつ動物」なのですね。

……かつては「クジラ目」と「偶蹄目」とに分かれていましたが、近年の遺伝子解析により分類が見直され、両方とも同じ目であるということになったのですね。

クジラがあの姿で「偶蹄目」なのはなんとも不思議ですが、クジラのご先祖様はそもそも偶蹄目の動物でしたし、クジラはおそらくアザラシが肉球を無くしたのと同じように海に進出したことで蹄を無くしたものと思われます。

……さて、次です。


サル目は名前のとおりサルの仲間なのですね。
キツネザルやマーモセットに始まり、ニホンザルチンパンジーやオランウータン、はてはゴリラや人間までも含むグループで、高い知能と器用な手先、また草食動物であるにもかかわらず前を向いて付いている眼などが特徴なのですね。

樹の上で暮らすのに適しており、手足ともに器用で物を掴むことができますが、人類の場合は地上に降りて歩き回るようになったため、足の親指が二次的に真っ直ぐになり、後ろ足では物が掴めなくなっています。

また、人類に関しては他のどの動物にも真似できない「マラソン」という特技があり、また体のつくりも直立二足歩行をするためあの手この手で改造が施してあるので、割れる腹筋やS字型の背骨、巨大な大臀筋、丼型の骨盤、背中側が凹んだ肋骨、土踏まず、など、あらゆる面で他のサル目とは違っているのですね。


コウモリ目……意外に思われるかもしれませんが、これはつまりコウモリの仲間、なのですね。

………………以上です。


……さて、次、「科」に行きます。
とりあえずここでは「ネコ目」に属する「科」を例として挙げてみましょう。


科(か、Family)

ここまで来るともうお馴染みの分類なのですね。
分類学にはなじみのない人たちの間でも頻繁に「イヌ科動物」「ネコ科動物」「リス科の幻獣」などという単語を耳にしますが、あの「科」です。

ネコ目の下にはこのような「科」があるのですね……。


ネコ科(Felidae)
イヌ科(Canidae)
クマ科(Ursidae)
ハイエナ科(Hyaenidae)
スカンク科(Mephitidae)
アライグマ科(Procyonidae)
レッサーパンダ科(Ailuridae)


……まだほかにもあります。
……もう名前を見ただけで誰が所属しているのかわかってしまいますね。


ネコ科はそのままネコやライオン、トラ、チーターなどが属しているのですね。Ride on Right time ラトラーター!

イヌ科はイヌやオオカミ、キツネ、タヌキが属しています。

クマ科はクマやパンダの仲間なのですね。

ハイエナ科はハイエナ、スカンク科はスカンクですね。

アライグマ科はアライグマ……なのですね。

レッサーパンダ科はもちろんレッサーパンダです。


……さて、次、「属」なのですね。
とりあえず「イヌ科」の「属」を例として挙げてみましょう。


属(ぞく、Genus)

属……というのは大雑把にその動物を表す名前で、通常もうその動物そのものなのですね。

……つまり、「キツネ」や「タヌキ」、「イヌ」などというのが「属」です。

主なるものとしてはイヌ科には

イヌ属(Canis)
キツネ属(Vulpes)
タヌキ属(Nyctereutes)
オオミミギツネ属(Otocyon)
リカオン属(Lycaon)

などが属しているのですね。

イヌ属にはコヨーテ(Canis latrans)、オオカミ(Canis lupus)、セグロジャッカル(Canis mesomelas)、アビシニアジャッカル(Canis simensis)などが属しています。

()の中に書いたのは彼らの学名……つまり、ラテン語で付けられた世界共通の名前なのですね。
学名は「二名法」と言って、「属名(属の名前)」と「種小名(種の名前)」を一緒に書くのですね。

かんじんの「犬」がいませんが、実はわれわれが犬と呼んでいる動物……ラブラドールレトリバーやビーグル、柴犬、シェパードなど……は、全部すべて単一の「種」であり、オオカミ(タイリクオオカミ)の「亜種」なのですね。


……またしても「亜」が出てきました。

「亜種」というのは例の如く「同じ種なんだけれども微妙に違う分類」です。
詳しくは後ほど説明しますが、要するに「オオカミ」と「犬」は生物学的には「同じ種類の動物」なのですね。


キツネ属にはアカギツネ(Vulpes vulpes)やフェネックギツネ(Vulpes zerda)、スイフトギツネ(Vulpes velox)やホッキョクギツネ(Vulpes lagopus)など、「キツネ」と名の付くほとんどの動物が属しているのですね。
また、本州には「ホンドギツネ」が、北海道や東北地方、当ブログには「キタキツネ」というのがいますが、これらはアカギツネの亜種なのですね。
後ほど詳しく説明しますね。


タヌキ属にはタヌキ(Nyctereutes procyonoides)ただ1種のみが属しています。
……このタヌキはさらにエゾタヌキやホンドタヌキに分かれますが、これは「亜種」の話なので後ほど書きます。

オオミミギツネ属にはオオミミギツネ(Otocyon megalotis)ただ1種のみが属します。
これは名前のとおり大きな耳を持つキツネに似た動物で、タヌキ属と共にキツネ属に近い動物ではありますが、キツネではありません。


リカオン属にはリカオン(Lycaon pictus)ただ1種のみが属します。
リカオン属はイヌ属に近縁の属です。

……リカオン属とイヌ属、それにキツネ属とタヌキ属とオオミミギツネ属は、もちろん全部イヌ科ですから近縁なのですが、その中でも特にお互いに近いのですね。

同じ「科」に属している「属」同士でも、お互いの分類上の距離は実はまちまちなのですね。

……同じ部屋の中にいても一緒に座っているテーブルまで同じとは限らない、といったところでしょうか。


……とりあえず、次です。
次は「亜種」が出てしまった問題の「イヌ属」「タヌキ属」それから「キツネ属」の「種」について書いていきます。


種(しゅ、Species)

さて……問題の「種」と「亜種」についてです。

とりあえずこの3つの種と亜種について書いていきますね。


オオカミ(Canis lupus)
タヌキ(Nyctereutes procyonoides)
アカギツネ(Vulpes vulpes)


まず、オオカミには「ホッキョクオオカミ」「ニホンオオカミ」そして「犬」という「亜種」がいるのですね。(本当はもっとたくさんいるのですがとりあえず比較するため3つだけ書きます。)

それぞれ学名はこのようになるのですね。


オオカミ(ハイイロオオカミタイリクオオカミともいいます。学名は Canis lupus)
ホッキョクオオカミ(Canis lupus arctos)
ニホンオオカミ(Canis lupus hodophilax)
犬(正式には「イエイヌ」と言います。学名は Canis lupus familiaris)。


ラテン語で「Canis」は「イヌ」、「Lupus」は「オオカミ」です。

学名で見るとわかりますが、みんな「Canis lupus(イヌ属オオカミ種)」までは同じなのですね。
この2つの名前が同じだということは、すなわち同じ種であるということです。

ただ、生き物の名前は先に言った通り「属名+種小名」で表しますが、「オオカミ」以外はなんだかその後にもう1つ余分に名前が付いているのですね。


これは「亜種小名」……つまり、「亜種の名前」なのですね。


この4種の動物は「種」としては全部すべて同じですから、お互いに結婚することもできますし子供も産めるのですね。

またイエイヌ(Canis lupus familiaris)にはさらにゴールデンレトリバーだのシェパードだのチワワだの土佐犬だのの「犬種」に分かれますが、彼らはすべて「Canis lupus familiaris」なので、種どころか亜種までも同じ生き物なのですね。


ちいさなチワワと大きなゴールデンレトリバーが全く同じ生き物だというのはなんだかすごく不思議な気がするのですが、このようにイエイヌは個体によって(犬種によって)まったく異なる姿をしているのですね。


さて……、「亜種」についてわかったところで次はタヌキ(Nyctereutes procyonoides)に行きましょう。


……「Nyctereutes」はよく分らなかったのですが、「Procyonoides」は「アライグマに似たもの」という意味なのですね。「Procyon(プロキュオン)」はアライグマのことなのですね。
両方ともラテン語ではなくギリシア語のようです。学名なので「ギリシア語由来のラテン語」扱いですが。

タヌキはタヌキ単体で「タヌキ属」を構成しますが、その下にはエゾタヌキ、ホンドタヌキなど、様々な「亜種」がいるのですね。

エゾタヌキは Nyctereutes procyonoides albus、ホンドタヌキは Nyctereutes procyonos viverrinus といい、日本にはこの2種……じゃない、「2亜種」のタヌキが住んでいるのですね。


……さて、お待ちかねの(?)アカギツネ(Vulpes vulpes)なのですね。

Vulpes(ウルペース)というのはラテン語で「キツネ」のことなのですね。
なので「Vulpes vulpes」は「キツネギツネ」……ですね。


……なんだかヘンな感じのする名前ですが、日本にはこの2亜種がいるのですね。


ホンドギツネ(Vulpes vulpes japonica)
キタキツネ(Vulpes vulpes schrencki)


両方とも模様などに違いが見られますが、「種」としては同じなのですね。


これで全ての生き物が表現できる!

さて……、長々と書きましたが……これで分類階級の基本がわかったのですね。

これによりあらゆる動物を「ドメイン界門綱目科属種」で表すことができるのですね。

例えば「キタキツネ」は

真核生物ドメイン-動物界-脊索動物門-脊椎動物亜門-哺乳綱-ネコ目-イヌ科-キツネ属-アカギツネ種-キタキツネ亜種

という分類になるのですね。

私がこのブログでよく使う表記なのですね。

つまり、

細胞内に「核」を持ち(真核生物ドメイン)、
動物であり(動物界)、
体の中に「芯」が通っており(脊索動物門)、
高度に分化した「脊索」を持ち(脊椎動物亜門)、
母親が子供を「母乳」で育て(哺乳綱)、
肉球」を持つ肉食の動物の仲間で(ネコ目)、
イヌやオオカミの仲間で(イヌ科)、
キツネであり(キツネ属)、
アカギツネであり(アカギツネ種)、
北海道や東北に生息している亜種(キタキツネ亜種)。

……なのですね。


これはおもしろい!

この分類にはこのような意味があったのですね。
この調子で他の生き物も表してみましょう……!


……などとやっているとかなりの文字数を喰ってしまうのでこの辺にしておきますが、なんにせよこうすることで全ての生き物の「系統樹」の上の「位置」がわかるのですね。

また、2種類の生き物がいる場合、「ドメイン界門綱目科属種」をそれぞれ比べてみることで、お互いの「系統樹」の上の「距離」がわかります。
「種が違って属まで同じ」なら両者の間はかなり近いことになりますし、「門までは同じだが綱以下が全て違う」場合、かなりの距離があることになります。

距離が近い生き物同士は似たような作りをしていますが、距離が離れている生き物は全然違う構造を持つのですね。

この特性をうまく利用することにより、お絵描きに応用ができるのですね。

たとえばタヌキを描きたいが内部構造に関する資料はキツネのものしかない、という状況があったとしますね。

ですが上にも書いた通りタヌキとキツネとオオミミギツネはお互いに近い「属」なので、「キツネ」の構造を理解していれば「タヌキ」の構造も大体わかるのですね。

内部の構造が類推できれば外から見た構造……模様など……は写真などの資料で補えるのですね。

こういうところ、とても便利なのですね。


なんにせよこれで「8つの分類階級」についてわかりましたね。

これで私が「少々マニアックな記事」を書いてもドン引きせずに済みますね!


……それでも引く…………?


それは…………残念です。